僕と貴方と君と

五嶋樒榴

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お泊まりはドキドキなんです。

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ソワソワの土曜日はあっという間に訪れてしまった。
美峰はケーキ屋の開店と同時に入店して、焼き菓子を詰め合わせで作ってもらいケーキを6個買った。
買いすぎかな?優星が甘い物食べるかな?と思いながら全部違う種類を選んだ。
お泊りセットも用意したので、気がつくと大荷物で優星のマンションに到着した。

「いらっしゃーい!」

飛びつきそうな勢いで明星が美峰を歓迎した。

「こんにちは、明星君。これ、お土産だよ」

ケーキと焼き菓子の詰め合わせが入っているケーキ屋の袋を明星に渡す。

「ありがとう!早く上がって!」

明星は美峰の手を握った。
美峰も嬉しくて、明星と一緒にリビングに入る。

「いらっしゃい、柊木さん」

優星が朝食の食器を洗っていた。

「お邪魔します」

照れながら美峰が言うと、ケーキ屋の袋を明星が優星に見せた。

「美峰君から貰った!おっきい箱だよ!凄い!」

興奮しながら明星は言う。

「どんなケーキが好きか分からなかったから、とりあえず1人2個で買ってきた。好きなの選んでね」

笑顔で美峰が言うと、優星もにっこり笑う。

「ありがとうございます。適当に座ってください」

洗い物をしながら優星は言う。
美峰がソファに腰かけると、ケーキを冷蔵庫にそーっとしまった明星が、美峰の隣に腰掛けた。

「美峰君!後で公園行こう!僕ね、ジャングルジム、1番上まで登れるんだよ!」

キラキラの明星の瞳と笑顔を美峰は見つめてしまう。
純粋な明星が眩しいと思ってしまった。

「柊木さん、コーヒーと紅茶、どっちが良いですか?」

優星が食器棚からマグカップを出して尋ねる。

「どっちでも良いよ。葉山君に任せる」

「了解です」

優星はにっこり微笑んで、自分と美峰には紅茶を淹れ、明星にはココアを作った。

「せっかくだからケーキ食べよう。明星、手伝って」

優星が声を掛けると明星は立ち上がってお手伝いを始める。美峰も明星を手伝った。
優星がケーキの箱を持ってきて蓋を開くと、明星はケーキを見て目を輝かせた。

「すごーい!どれも美味しそうだよ!僕ね、苺のチョコケーキ!苺だーいすき!」

明星がはしゃいでいると、優星はケーキを皿に出して明星に渡す。

「ココア飲みながらチョコレートケーキって甘そうだな」

優星はそう言って笑うが、明星にはそんなのは気にならなかった。

「美味しいよ!」

と、嬉しそうに明星はケーキを食べた。
優星はバナナのタルトを選び、美峰は明星にお伺いを立てながらフルーツタルトを選んだ。
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