僕と貴方と君と

五嶋樒榴

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お泊まりはドキドキなんです。

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ケーキを食べ終わり、近所の公園に3人は向かった。
もちろん明星は美峰と手を繋いでいる。

「美峰君、見てて!」

明星が元気にジャングルジムを登り始めた。
昔からあるジャングルジムと違って、ロープで出来たまるで蜘蛛の巣のようなお洒落なジャングルジムだった。

「最近の遊具はすごいなぁ。僕の時と全然違う」

美峰が言うと優星は笑う。

「子供の遊びも進化してますからね。明星は家でゲームをするより体を動かす方が好きみたいなんで、休みの日は良くここに来るんですよ。ここなら明星も友達とも遊べるので」

美峰はそうなんだと思いながら、嬉しそうに遊ぶ明星を見つめた。
しばらくすると、友達も来たのか一緒に遊び始める。

「葉山さん、こんにちは」

女の人の声に、美峰と優星は反応した。

「あ、そうた君のお母さん。こんにちは」

優星がにっこり微笑むと、そうたと言う子供の母親が美峰を見る。

「明星君、お兄さんがふたりいたの?」

興味津々でそうたの母親は聞いてきた。

「あ、いえ。こちらは俺の友人なんです」

紹介されて、美峰はそうたの母親にペコリと頭を下げた。

「まぁ、そうだったの。明星君にイケメンのお兄さんがもう1人いたのかと思っちゃた」

楽しそうにそうたの母親が優星と美峰を交互に見る。

「これからもそうたと仲良くしてね」

そうたの母親はそう言うとふたりから離れた。
気がつくと他のママさん達も、美峰と優星をチラチラ見ている。
注目の的になっていて美峰は恥ずかしい。
優星はもう慣れっこのようだった。
明星が楽しそうに遊ぶ姿を美峰は見つめる。すぐ隣には優星がいて、なんて事ない会話もすごく楽しくて、時間はあっという間に過ぎていく。

「おーい、明星。そろそろ帰ろう。お昼ご飯食べてないから行くぞ」

優星が声を掛けると、明星は遊んでいた友達とバイバイした。

「楽しかったかい?」

美峰が尋ねると明星はとびっきりの笑顔で大きく頷いた。
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