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363違和感

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帰りは、ガラとヨギ魔道師の強い希望で、少し外れた所に有る村に寄る事にした。
何が有るのかと思って2人の買い物について行くと

「これだよ、これ。この村で作られる酒はなかなか買えずに幻の酒と呼ばれているんだ。
 今回の旅で、帰りに寄ってもらいたかったんだ。」

「この酒は美味いからな。入荷されても直ぐに売れてしまう。」

何だろう、この飲兵衛2人組は。
村で買えるだけの酒を買い漁っている。
更に、夜はこの村にある唯一の居酒屋で酒を飲んでいた。

拓は一人、ジュースを飲みながら今回の旅について考えていた。
結局、得られたのは絵が一枚だけ・・・
そこに描かれている金の球体も、柱についても何も分かっていない。
そして、ガイヤへの抜け道も存在しなかった。

「やれる事はやったんだ。一度頭をからっぽにして再び考えるのも有りだぞ。
 あまり固執してしまうと見る物も見えなくなる。」

難しそうな顔をしている拓にヨギ魔導士が話しかける。実際、遺跡に関しては他に出来る事はない。
何度も絵を見直したが、新しい発見は無かった。

酒が飲めない俺は、ヤマトと一緒に先にテントに帰り絵を眺めていた。
一体、ガイヤの門とは何だ。
孤島の遺跡で見た映像も同じものを示しているのだろう
魔獣があふれ出し、雷が降り注ぎ、火山が噴火、地震と津波。
まるで、地獄の釜の蓋が開いたみたいだった。
・・・地獄の蓋が開く?

「待てよ、何で魔獣があふれ出しているんだ。」

『どういう事じゃ。』

「昔は大森林なんて無い町だったんだぞ。魔獣は何処からやって来たんだ。
 もしかしてガイヤの門は別の世界とを繋げる門で、そこから魔獣が押し寄せてきたのかも。
 俺や浩司も他の世界から来たじゃないか。」

『拓と浩司は魂と言う物質を持たない状態じゃから、この世界に引き寄せられたと考えておる。
 肉体を持ってくる事が可能としても、どれだけのエネルギーが必要になるか想像も出来んぞ。
 ましてや、大量の魔獣を呼び寄せるなんて現実的な話ではないぞ。』

『リッチによると、人間の魂は、ある種のエネルギー体だそうにゃ。
 肉体の様な物体とは全く異なるものらしいにゃ。』

俺の考えは現実的ではないか。いや、まてよ

「拡張バッグや、アイテムボックスは別の世界に物質を置いているんじゃないのか。だとすれば、物質のやり取りが可能では?」

『それは違う。あくまでも、この世界の時間と空間を捻じ曲げているだけじゃ。
 別の世界と繋がっている訳ではない。』

隣で、ヤマトも頷いている。リッチも同じ事を言っているのだろう。
本当に分からない事ばかりだ。
4本指についても手詰まり状態、もう一度やれる事を考えてみるしかないか。
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