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これから説明する事は秘密にする事を誓ってもらい
カメラと写真を写すタブレットの機能と、パラパラ漫画ならぬパラパラ写真を使って映像について説明した。
しばらくの間、カメラとタブレットをいじり、納得してくれたみたいだ。

「写真という物だけでも驚くべき物なのに、それが動くのか。
 確かに、これは知られない方が良い技術だ。
 トリス練成術師がこれ見たら、興奮して一晩中騒いでいそうだな。」

ラグテルの町でトリス練成術師が一晩中写真を撮っていた事を話すと、大笑いしていた。

「良ければ、あの装置を調べている間、やる事がないのでOZの手伝いをさせてもらえないか。
 その方が、新しい発見が有るような気がする。」

ポトリ教授が中央の装置を調べている間、バラン将軍と一緒にケーブルの先にある動力源を探すことにした。
ケーブルの先にあった部屋には、たぶん魔法陣が描かれている直径3mの金属の円の台だった物があった。
それは完全に破壊され埋め込まれていたパラライトも無かった。
これでは、元の状態を復元するのは無理だろう。

「拓殿は、その破壊された部材が欲しいのか。」
「どうしてですか。バラン将軍。」
「いや、見るからに、そういう顔をしている。
 OZが行った遺跡の場所を教えるという交換条件でどうだ。
 ただし、ポトリ教授の許可をもらえたらの話になるが。」

皆を見ると、バラン将軍の言葉に頷いている。

「ありがとうございます。その条件に乗らせてもらいます。
 でも、俺が欲しがる理由を聞かなくて良かったのですか。」
「この素材はミスリルだろ。」
「そこまで分かっていて本当に良いのですか。」

正確にはミスリルでは無いのだが、面倒なので説明しなくてもいいだろう。

「ミスリル自体は貴重だが、この位なら問題ない。
 どうせ、加工できる技術者は少ないかならな。
 それに、拓殿なら有効に使ってくれるのだろ。」

そんな風に返されても困ってしまう。
山脈の遺跡で得た材料は十分余っているが、珍しいから欲しがっただけと言ったら呆れられるだろうか。

「これが壊れているとなると、中央の装置は内部に動力源を持っているのか。
 自己完結している装置。想像以上に凄いですね。」
「しかし、中央の装置が動いているとなると、周囲の魔道具はどうやって動いているんだ?」

バラン将軍が不思議そうにするので

「多分、ケーブルを通して魔力を供給しているので問題ないのでしょう。
 放出系の魔法は無理ですが、体力強化の魔法は使えるので有線なら大丈夫なのかも。
 ただ、ここが壊れているとなると、先ほどのモニターに動力源が内蔵されているのかも知れませんね。」

周辺を徹底的に調べたが他に何も発見は無く、中央の装置の所に戻るとモニターを調べさせてもらう事にした。
ケーブルの接続部分にバッテリーの様な物が有った。
ポトリ教授に許可を貰い魔力を流してみると一瞬画面が映ろうとしたが、直ぐに消えてしまった。
それ以降は、動く事は無かった。
ばらして中を確認してみたが、

「全く働きが分からないわ。拓さんは何か分かりますあk?」
「残念ながら、全く分かりません。」

グリムに教えてもらったカメラの構造に似ている場所も無い。
グリムにしても、分からない魔道具だった。

この魔道具は船に運ばれ、戻ってから詳しく調べることになった。
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