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181危険人物
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「それは本当なのか。
過去の人物の意識が師匠だったと。そんな事が・・・
まさか、グリム師匠とは、気に入らない貴族を叩き潰すのに飽きて森に引きこもった、グリム大魔道師の事か。」
『な、何を言っておるんじゃ。将軍ともあろう者が、下らない噂を信じおって。』
エチゴさんから聞いた話しより、どうしようも無い人物になっている。
本当に、グリムは生前、何をやらかしていたんだよ。
「300年前の人物の意識と言っているが、拓殿がグリム大魔導師本人ではないのか。」
バラン将軍は、何を言いだすんだ。人を何だと思っているんだ。
しかし、どう見ても真面目だ。真面目に言っているんだよな。
浩司を見ると笑いを堪えている。
「何を言っているんです。俺がそんな人間に見えますか。」
「拓殿を見ていると近いものを感じる。それに、たまに私より年上ではないかと思う時がある。
それに、グリム大魔道師は転生の秘術の研究をしていたのではないかとも言われている。」
どう見れば、近いものを感じるんだ。年上を感じるのは、たまにだけなのか。
この会話全てがおかしいだろ。
「ハッハッハ。やっぱり、拓ちゃんは危険人物予備軍なんだ。この際、グリム大魔導師を名乗ったらどうだ。」
ついに浩司が我慢できなくなり、失礼な事を言って笑い始めた。
「やっぱりって何だよ。浩司だってグリムから指導を受けていたんだから立場は同じだろ。
それに、浩司の方が圧倒的に攻撃力が強いだろ。
グリム大魔道師に近いのは浩司の方だよ。」
「いやいや、俺達の師匠は そのグリム大魔道師では無いから。
そうなると、グリムの名は拓ちゃんが継いだ方が良いだろ。」
さりげなくグリムとグリム大魔道師が別人と言いつつ、俺に押しつけようとしているな。
「何逃げているんだよ。前に、浩司の事を良い男だと認めていたぞ。」
『拓はもっと深い意味で浩司を良い男だと思っているんじゃないのか。』
グリムの言葉に俺も浩司も言葉が続けられなくなった。
浩司もこの状況で照れて赤くならないで欲しい。
『全く、下らない事で言い合っているんじゃない。それより、グリム大魔導師の風評を変える努力をせい。』
そこなのか。それは無理と言いたいが我慢した。
俺達を言い合いを見て、バラン将軍から力が抜けていた。
「にわかには信じられない話だが、2人を見ていると受け入れるしかなさそうだ。
OZは、全て知っていたみたいだな。
この話は、誰にも話さない事を誓おう。オリバーも良いな。」
「もちろんです。」
オリバー隊長がバラン将軍の言葉に頷く。
「今まで何度も助けてくれた恩人に対し、変な事を言ってしまい、すまなかった。」
そう言って、俺に頭を下げてくる。
「いえ、頭を上げて下さい。助けたと言っても、偶然その場に居ただけの話ですから。
しかし、俺をグリム大魔道士に近いものを感じる感覚は絶対に直して下さい。」
バラン将軍が頭を上げると、何時もの通りの笑顔に戻った。
何時も笑ってばかりだとバラン将軍の事を思っていたが、この笑顔を見ると安心する。
過去の人物の意識が師匠だったと。そんな事が・・・
まさか、グリム師匠とは、気に入らない貴族を叩き潰すのに飽きて森に引きこもった、グリム大魔道師の事か。」
『な、何を言っておるんじゃ。将軍ともあろう者が、下らない噂を信じおって。』
エチゴさんから聞いた話しより、どうしようも無い人物になっている。
本当に、グリムは生前、何をやらかしていたんだよ。
「300年前の人物の意識と言っているが、拓殿がグリム大魔導師本人ではないのか。」
バラン将軍は、何を言いだすんだ。人を何だと思っているんだ。
しかし、どう見ても真面目だ。真面目に言っているんだよな。
浩司を見ると笑いを堪えている。
「何を言っているんです。俺がそんな人間に見えますか。」
「拓殿を見ていると近いものを感じる。それに、たまに私より年上ではないかと思う時がある。
それに、グリム大魔道師は転生の秘術の研究をしていたのではないかとも言われている。」
どう見れば、近いものを感じるんだ。年上を感じるのは、たまにだけなのか。
この会話全てがおかしいだろ。
「ハッハッハ。やっぱり、拓ちゃんは危険人物予備軍なんだ。この際、グリム大魔導師を名乗ったらどうだ。」
ついに浩司が我慢できなくなり、失礼な事を言って笑い始めた。
「やっぱりって何だよ。浩司だってグリムから指導を受けていたんだから立場は同じだろ。
それに、浩司の方が圧倒的に攻撃力が強いだろ。
グリム大魔道師に近いのは浩司の方だよ。」
「いやいや、俺達の師匠は そのグリム大魔道師では無いから。
そうなると、グリムの名は拓ちゃんが継いだ方が良いだろ。」
さりげなくグリムとグリム大魔道師が別人と言いつつ、俺に押しつけようとしているな。
「何逃げているんだよ。前に、浩司の事を良い男だと認めていたぞ。」
『拓はもっと深い意味で浩司を良い男だと思っているんじゃないのか。』
グリムの言葉に俺も浩司も言葉が続けられなくなった。
浩司もこの状況で照れて赤くならないで欲しい。
『全く、下らない事で言い合っているんじゃない。それより、グリム大魔導師の風評を変える努力をせい。』
そこなのか。それは無理と言いたいが我慢した。
俺達を言い合いを見て、バラン将軍から力が抜けていた。
「にわかには信じられない話だが、2人を見ていると受け入れるしかなさそうだ。
OZは、全て知っていたみたいだな。
この話は、誰にも話さない事を誓おう。オリバーも良いな。」
「もちろんです。」
オリバー隊長がバラン将軍の言葉に頷く。
「今まで何度も助けてくれた恩人に対し、変な事を言ってしまい、すまなかった。」
そう言って、俺に頭を下げてくる。
「いえ、頭を上げて下さい。助けたと言っても、偶然その場に居ただけの話ですから。
しかし、俺をグリム大魔道士に近いものを感じる感覚は絶対に直して下さい。」
バラン将軍が頭を上げると、何時もの通りの笑顔に戻った。
何時も笑ってばかりだとバラン将軍の事を思っていたが、この笑顔を見ると安心する。
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