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070別れ

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朝、食事を終えると直ぐにテントをたたみ、荷物を片付ける。
合わせて露天風呂も完全に埋めておく。
色々と有ったが、今日で遺跡ともお別れか。

先にアークのテントに顔を出すと
既にピース医師が来ていてメンバーの体を調べていた。
側にバラン将軍が立っていた。
結果は問題ないそうだ。
昨日、熱を出した方も既に体調を回復していたので、全員でサリナ姫とブルネリ公爵に挨拶をする。

「これからの事だが、昨日説明をした様にしばらくの間はマクニス王国から離れてもらう。
 こちらで住む場所を用意するが、希望の土地はあるか。」

ブルネリ公爵の問いに対し、リーダのロウガさんが答える。

「いえ、特には有りません。」
「そうか。離れた町に場所を用意する。
 アークの皆には新たに冒険者のカードを用意する。
 ランクは下がるが、これでギルドからは足がつかないだろう。
 部下を付けるので、住居については現地で要望を伝えて欲しい。」

話が一段落ついた所で、ガラが気になっていた事を訪ねみる。

「ちなみに、襲撃の話はどの様に話されますか。」
「敵が出した指示は、隙をみて襲えというだけだ。
 我々が発掘調査を終え、引き上げる準備を行っているすきを突かれた事にする。」
「ありがとうございます。後は宜しくお願い致します。」
「進展が有れば、連絡をする。」

アークのメンバーが何処を拠点にするかは教えてもらえていないが、帰りは途中まで一緒みたいだ。
アークはエバの村には入れないので、街道で合流する事にした。
話がまとまった所でサリナ姫が話しかけてきた。

「所で、拓ちゃん達はいつ頃ブルネリ公爵の屋敷に行くつもりなの?」
「その事で話があります。私達としては出来る限り早く伺いたいのですがご都合は如何でしょうか。」
「遺跡での作業日程が明確になっていないが、3ヶ月後であれば問題ない。
 私が居なくても泊まる部屋と食事を用意するよう話は通しておく。」

多分、ピース医師から話が通っているのだろう。
何も聞かれる事もなく、伺う事が決まった。

「ラグテルに戻って問題が無ければ、3ヶ月後に伺いたいと思います。」
「そうしたら、私も3ヶ月後にブルネリ公爵の所に遊びに行こうかしら。
 私のお勧め料理を御馳走する約束も有るしね。」

最後にピース医師とトリス練成術師に再会の約束をして遺跡を離れた。
アークと一旦別れてエバの村に寄った。
アークは他人に見られない様、暫くは森の中を進むらしい。

「拓、戻って来たんだな。どうだった。」

村に行くとケーマが見つけて話しかけてくれた。

「軍が調べる事になって立ち入り禁止になったよ。」
「今更、何を調べるんだろうな。所で今日はどうするんだ。」
「食べ物を買って、そのまま帰る事になってる。」
「それなら、俺が村を案内してやるよ。」

買い物を済ませると、ケーマが村の入口まで送ってくれた。
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