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069知識

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何か、問題になる様な行為をしてしまったのだろうか。

『儂の時代は、魔力を正常にするのは当たり前の事じゃったんだが。今は違うのか。』

患者も良くなっているのは確かだ。
しかし、その後の処方との組み合わせで良くない事をしてしまったのかも知れない。

ピース医師は処方を終えると、アークのメンバーに俺の行為は他言無用と言い聞かせ、俺達を自分のテントに連れて行った。
ピース医師の話では
魔力を正常にすれば体調が良くなる事は分っているが、魔力を濁す気を体外に放出させても、直ぐに周りの人間に吸収されてしまう。
第3者に吸い取らせる事も出来るが、吸い取った者の体調が崩れるだけだ。
そのため、本当に酷い時にだけ何人かに分散させて濁った気を吸収させている。
文献に、その為の技術が載っているが肝心の魔力の封じ込め方の記載が無く過去の戦争で失われた技術となっていた。
しかし、ある宗教がその技術を復活させた。門外不出とされ信者だけが治療を受けれるらしい。
信者から金を巻き上げるだめの手段のため、俺の事が知られれば危険にさらされる可能性がある。

「その宗教とは」
「人間至上主義をうたっているギリス教ですよ。
 拓殿の技術は表に出すと、争いに巻き込まれます。
 拓殿がどの様に技術を身につけたかは詮索しません。彼等にも口止めをします。
 ですから、今後は人前で行う事はしない様にして下さい。」

ギリス教は人間至上主義を掲げる宗教団体だ。
ピース医師は本気で心配してくれている。その言葉に俺は頷くだけだった。

「皆さんは、何時頃ブルネリ公爵の屋敷を訪れるつもりでいますか。」
「今回の事件がありましたので、1年位は間を空けた方が良いでしょう。」

皆で話し合った事を、ガラが代表して話す。

「出来る限り、早く来られませんか。
 私は病院を構えていますし、トリス錬成術師の工房もあります。
 一度、そちらに寄って頂いて、夜に移動すれば問題無いでしょう。
 拓殿には直ぐにでも知識を付けて頂いた方が良い。
 正直、このままでは危険かと思われます。」
「ありがとうございます。一度、ブルネリ公爵に相談させて頂きたいと思います。」

後は、こちらで対応しておくと言われ、俺達はテントに戻ることにした。

「拓ちゃん、すまない。俺達が知っていれば止められたのに。」

ガラとレオが謝って来た。

「仕方がないよ。魔法の技術は人によって差が有りすぎるから。」
「もしかして、その為に魔法書を欲しいと言ったのか。」
「正直、ピース医師が言う様に俺達は情報が足らなすぎると思う。
 グリムの知識がチートと言うか、今の時代が駄目すぎると言うか。
 そもそも、今回の件は戦争と屑宗教が原因だけどね。
 だいたい、人間至上主義ってなんだよ。
 人族、獣人なんて言っているけど、俺とレオなんて猿かトラの違いだけなのに。」

どっちが偉いだなんて考える意味が無い。
こうなると、早く魔法に関する本を読んだ方が良い。
明日、ブルネリ公爵の予定を聞いて早い内に屋敷に伺う約束をする事にした。

今後の話を色々していたら夜も更け、
最後に、浩司とキスをし眠ってしまった。
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