欲にまみれた楽しい冒険者生活

小狸日

文字の大きさ
上 下
380 / 542

378理由

しおりを挟む
リーンが付き添うと言うが、

「治療の邪魔です。それよりも、ワンガさんが今回の決闘の代理を何故受けたのかを教えてくれませんか。」

サブがワンガを背負ってスラム街へ向かうのを見送り、拓とゴルゴは冒険者達に問う。

「俺達の仲間が怪我をして、金が必要だった。」

するとリーンが答える。

「その冒険者の容態は?」
「無事に治療は終わり、今は休んでいる。」
「問題ないなら良いか。それじゃ10日間位、ワンガさんを借ります。」

拓としてはワンガが元に戻れば問題ないと思っていたのだが、冒険者達の様子が暗いままだ。

「ワンガさんは元通りになる。それでも、未だ問題でも有るのか?」
「・・・」
「拓、免責札を持つ者に決闘を挑んだ以上、ワンガだけでなく彼等も王都から出て行くしかない。」

黙ってしまった冒険者達の代わりにゴルゴが説明するが、拓がにはその理由が分からない。
拓がワンガの身柄を一任されている以上、自分が許すのなら問題ないと考えていた。

「免責札の持ち主に決闘をした以上、貴族を敵に回したと考えた方が良い。
 冒険者だろうと、王都では彼等はまともな仕事を行う事は出来ない。」

勝っていればその実力を認められたかも知れないが、こうなっては手段が無いとの事。

「この件に関しては俺が全てを一任されたんだぞ。」
「今回のワンガに対する処分についてはな。しかし貴族にとって免責札はそんなに軽くない。」

拓は自分の頭を掻き、考え込んでしまった。

「皆の冒険者ランクは?」

拓が冒険者達に聞くと殆どがCランクで、リーンともう一人だけがBランク。

「ワンガさんは俺らみたいのを集めて何とかしようとしてくれていたんだ。」
「・・・とにかく、ワンガさんが戻って来るまで早まった行動はするなよ。」

拓は何とかそれだけ言って、スラム街へ戻った。

「拓、ワンガの兄貴はどうなっちまったんだ?」
「簡単に言ってしまうと、発情しているってことかな。」

ゴルゴとサブの視線が痛い・・・

「ほら、全力で全身を痺れさせる呪いを掛けて、心肺停止にでもなったら危険だろ。
 安全に決闘を終わらせる方法が他に考えられなかったんだよ。」

慌てて拓が言い訳をする。

「まぁ仕方ないとして、どうすれば治療できるんだ?」
「欲望を解放してあげれば良いと思う。」
「拓、どういう事だ?」

ゴルゴに聞かれて、真顔で答える拓。

「ワンガさんとやりまくるんだ。性欲を解放させるのが一番だと思う。こんな事を、あの場で言う訳にはいかないだろ。」
「まて、拓。さっきワンガを落ち着かせるって何をしていたんだ?」

ゴルゴに言われ、拓は視線を外した。
ゴルゴは大きなため息を吐くと「ここからは、俺とサブの対応で良いな。」そう言ってワンガを見る。
ワンガは先ほどより落ち着いていたが、拓の話で火照った体が更に熱くなっていた。

「兄貴、拓の奴、素直に帰ったっすね。てっきり、参加したいと言うかと思ったっす。」
「・・・十分に楽しんだからじゃないか。」

そう言いながら、ゴルゴは心配そうにドアの方を見ていた。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

国を救った英雄と一つ屋根の下とか聞いてない!

古森きり
BL
第8回BL小説大賞、奨励賞ありがとうございます! 7/15よりレンタル切り替えとなります。 紙書籍版もよろしくお願いします! 妾の子であり、『Ω型』として生まれてきて風当たりが強く、居心地の悪い思いをして生きてきた第五王子のシオン。 成人年齢である十八歳の誕生日に王位継承権を破棄して、王都で念願の冒険者酒場宿を開店させた! これからはお城に呼び出されていびられる事もない、幸せな生活が待っている……はずだった。 「なんで国の英雄と一緒に酒場宿をやらなきゃいけないの!」 「それはもちろん『Ω型』のシオン様お一人で生活出来るはずもない、と国王陛下よりお世話を仰せつかったからです」 「んもおおおっ!」 どうなる、俺の一人暮らし! いや、従業員もいるから元々一人暮らしじゃないけど! ※読み直しナッシング書き溜め。 ※飛び飛びで書いてるから矛盾点とか出ても見逃して欲しい。  

エルフの国の取り替えっ子は、運命に気づかない

コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26
BL
  エルフの国の王子として生まれたマグノリアンは人間の種族。そんな取り替えっ子の彼は、満月の夜に水の向こうに人間の青年と出会う。満月の夜に会う様になった彼と、何処か満たされないものを感じていたマグノリアンは距離が近づいていく。 エルフの夜歩き(恋の時間※)で一足飛びに大人になるマグノリアンは青年に心を引っ張られつつも、自分の中のエルフの部分に抗えない。そんな矢先に怪我で記憶を一部失ったマグノリアンは青年の事を忘れてしまい、一方で前世の記憶を得てしまった。  18歳になった人間のマグノリアンは、父王の計らいで人間の国へ。青年と再開するも記憶を失ったマグノリアンは彼に気づかない。 人間の国の皇太子だった青年とマグノリアン、そして第二王子や幼馴染のエルフなど、彼らの思惑が入り乱れてマグノリアンの初恋の行方は?  

皇子ではなく魔塔主の息子だった俺の逃走計画

春暮某乃
BL
ノヴァ•サンセント。 帝国の第二皇子である。今年、15歳の誕生日を迎える年だった。 皇族は15歳になれば、帝国民へ皇族の仲間入りをしたと知らせる大きな宴が開かれる。 しかし、婚外子のノヴァが皇族になることを気に入らない人間が多くいた。 その誕生日会の知らせが皇帝から宣言されたことによりノヴァの周りはさまざまなことが変化していく。 義兄×義弟 実父×息子 ⚠️なんでもあり向け。 題名の通りです。 あらすじまた後で書き直します!

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

異世界でホワイトな飲食店経営を

視世陽木
ファンタジー
 定食屋チェーン店で雇われ店長をしていた飯田譲治(イイダ ジョウジ)は、気がついたら真っ白な世界に立っていた。  彼の最後の記憶は、連勤に連勤を重ねてふらふらになりながら帰宅し、赤信号に気づかずに道路に飛び出し、トラックに轢かれて亡くなったというもの。  彼が置かれた状況を説明するためにスタンバイしていた女神様を思いっきり無視しながら、1人考察を進める譲治。 しまいには女神様を泣かせてしまい、十分な説明もないままに異世界に転移させられてしまった!  ブラック企業で酷使されながら、それでも料理が大好きでいつかは自分の店を開きたいと夢見ていた彼は、はたして異世界でどんな生活を送るのか!?  異世界物のテンプレと超ご都合主義を盛り沢山に、ちょいちょい社会風刺を入れながらお送りする異世界定食屋経営物語。はたしてジョージはホワイトな飲食店を経営できるのか!? ● 異世界テンプレと超ご都合主義で話が進むので、苦手な方や飽きてきた方には合わないかもしれません。 ● かつて作者もブラック飲食店で店長をしていました。 ● 基本的にはおふざけ多め、たまにシリアス。 ● 残酷な描写や性的な描写はほとんどありませんが、後々死者は出ます。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

悪役令息の伴侶(予定)に転生しました

  *  
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、自らを反省しました。BLゲームの世界で推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)

処理中です...