128 / 583
128討論
しおりを挟む
「拓様、どうかされましたか?」
後からサリナ姫に声を掛けられると女性は優雅に挨拶をして離れて行った。
「全く、拓が一人で歩いていたら早速虫が寄ってきたみたいね。」
あの女性が本物の貴族だったとは。異世界面白すぎると拓が思っていると
「あの程度の色仕掛けで、何をニヤニヤしているのよ。
拓は免責札を持っているんだから貴族には気を付けなさいよ。」
自分より年下のサリナ姫に怒られてしまった。
拓から見れば女の子でしかなく、何となく可愛らしく思える。
途中までサリナ姫に見送られ寄宿舎に着くと、オリバー隊長や兵士の皆が歓迎してくれた。
どうせなら、こっちで色仕掛けをしてくれれば楽しめるのにと思っていると
「拓殿、もしかして女性に言い寄られましたか?」
オリバー隊長が拓に着いた香水の匂いに気付き、未だ城内での一人歩きは危険だと判断されていた。
拓が来たことで、早速 兵士達と武技について討論が始まった。
それぞれの兵士と戦った時の兵士側の考えと拓の対応について話しをし、他の兵士達からの意見が飛び交う。
「何時も、この位熱心に特訓をしてくれれば良いのにな。」
オリバー隊長が笑いながら冗談を飛ばすほど熱が入っていた。
正直、兵士達にとって魔導士と接近戦を行うのは初めての事で、拓の意見は魔獣と戦う際の面白い気付きや発見があり有意義な時間だった。
拓にとっても同じで、武技についてより深く知ることが出来る良い機会になっていた。
ボードには、武技を使うタイミングや弱点、魔法攻撃に対する対応策などが所狭しと書かれ、多くの兵士がメモを取っていた。
「随分と盛り上がっているじゃないか。拓殿が来ていると聞いたが何の騒ぎだ。」
魔獣討伐から帰還したバラン将軍や兵士達が帰って来て、会議室の盛り上がりに驚いていた。
ホワイトボードや兵士達のメモを見ると
「魔導士から見た武技に対する考察って所か、面白いな。」
疲れているのに全員が拓に挨拶をしてくれたのだが、パウロとヨーゼフの姿が無い。バラン将軍に聞くと
「あいつ等は怪我をしてな。今は治療室にいる。」
バラン将軍は問題ないと言うが、拓は話を切り上げ様子を見に行くことにするとバラン将軍が自ら案内をしてくれた。
部屋には20人程の兵士がベットに横になっていて、その中に2人の姿を見つけた。
「拓殿、久しぶり。元気そうだな。」
「2人とも怪我の方は大丈夫なのか?」
「少し、どじった。足を挫いた俺を庇って、ヨーゼフまで怪我をさせてしまった。」
とりあえず、問題なく完治するらしい。
怪我の酷い兵士の治療を優先している為、パウロ達は後回しになっていた。
拓は周囲の兵士の様子を確認すると、ヨーゼフの所に戻り服を脱がす。
「拓殿、一体何をするつもりだ。」
「バラン将軍、実は多少の治癒魔法も使えるんですよ。」
拓はヨーゼフの傷口に手を当て治療を施す。
切り傷は深かったため現場で縫われていたが、拓の治療の後では傷跡も残っていない。
拓はヨーゼフの体を触り他に痛みが無い事を確認すると、続いてパウロの足の治療を行った。
昼間の特訓で疲れていた事も有り、全員の治療が終わると限界だったのかその場で寝てしまった。
「動ける奴は寄宿舎に戻って休め。無理はするなよ。俺は拓殿を運ぶ。」
バラン将軍は拓を抱き上げると、寄宿舎に運んだ。
後からサリナ姫に声を掛けられると女性は優雅に挨拶をして離れて行った。
「全く、拓が一人で歩いていたら早速虫が寄ってきたみたいね。」
あの女性が本物の貴族だったとは。異世界面白すぎると拓が思っていると
「あの程度の色仕掛けで、何をニヤニヤしているのよ。
拓は免責札を持っているんだから貴族には気を付けなさいよ。」
自分より年下のサリナ姫に怒られてしまった。
拓から見れば女の子でしかなく、何となく可愛らしく思える。
途中までサリナ姫に見送られ寄宿舎に着くと、オリバー隊長や兵士の皆が歓迎してくれた。
どうせなら、こっちで色仕掛けをしてくれれば楽しめるのにと思っていると
「拓殿、もしかして女性に言い寄られましたか?」
オリバー隊長が拓に着いた香水の匂いに気付き、未だ城内での一人歩きは危険だと判断されていた。
拓が来たことで、早速 兵士達と武技について討論が始まった。
それぞれの兵士と戦った時の兵士側の考えと拓の対応について話しをし、他の兵士達からの意見が飛び交う。
「何時も、この位熱心に特訓をしてくれれば良いのにな。」
オリバー隊長が笑いながら冗談を飛ばすほど熱が入っていた。
正直、兵士達にとって魔導士と接近戦を行うのは初めての事で、拓の意見は魔獣と戦う際の面白い気付きや発見があり有意義な時間だった。
拓にとっても同じで、武技についてより深く知ることが出来る良い機会になっていた。
ボードには、武技を使うタイミングや弱点、魔法攻撃に対する対応策などが所狭しと書かれ、多くの兵士がメモを取っていた。
「随分と盛り上がっているじゃないか。拓殿が来ていると聞いたが何の騒ぎだ。」
魔獣討伐から帰還したバラン将軍や兵士達が帰って来て、会議室の盛り上がりに驚いていた。
ホワイトボードや兵士達のメモを見ると
「魔導士から見た武技に対する考察って所か、面白いな。」
疲れているのに全員が拓に挨拶をしてくれたのだが、パウロとヨーゼフの姿が無い。バラン将軍に聞くと
「あいつ等は怪我をしてな。今は治療室にいる。」
バラン将軍は問題ないと言うが、拓は話を切り上げ様子を見に行くことにするとバラン将軍が自ら案内をしてくれた。
部屋には20人程の兵士がベットに横になっていて、その中に2人の姿を見つけた。
「拓殿、久しぶり。元気そうだな。」
「2人とも怪我の方は大丈夫なのか?」
「少し、どじった。足を挫いた俺を庇って、ヨーゼフまで怪我をさせてしまった。」
とりあえず、問題なく完治するらしい。
怪我の酷い兵士の治療を優先している為、パウロ達は後回しになっていた。
拓は周囲の兵士の様子を確認すると、ヨーゼフの所に戻り服を脱がす。
「拓殿、一体何をするつもりだ。」
「バラン将軍、実は多少の治癒魔法も使えるんですよ。」
拓はヨーゼフの傷口に手を当て治療を施す。
切り傷は深かったため現場で縫われていたが、拓の治療の後では傷跡も残っていない。
拓はヨーゼフの体を触り他に痛みが無い事を確認すると、続いてパウロの足の治療を行った。
昼間の特訓で疲れていた事も有り、全員の治療が終わると限界だったのかその場で寝てしまった。
「動ける奴は寄宿舎に戻って休め。無理はするなよ。俺は拓殿を運ぶ。」
バラン将軍は拓を抱き上げると、寄宿舎に運んだ。
33
あなたにおすすめの小説
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜
春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、
癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!?
トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。
彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!?
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて――
運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない!
恋愛感情もまだわからない!
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。
個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!?
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする
愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ!
毎日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新)
基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる