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第二章
君もだろう?
しおりを挟むんぅ・・・少し、眩しくて・・・とっても・・・美味しい・・・
「おはよう、お兄ちゃん・・・?」
「んふ・・・ふふふっ・・・。っ、おはようカレア!」
完全に寝ぼけてた。超絶に恥ずかしい。
美味しいお菓子を食べてる夢を、絶対に見てた。凄く美味しかった。あんまり疲れてないから夢なんて見ちゃった。本当に恥ずかしいよ・・・。
しかも寝過ぎて頭痛いし。もう五時過ぎてるし。髪の毛ボサボサになったし。なんか無性にぬいぐるみを抱き締めたいし。目がなんかおかしいし。
ゴシゴシと目を擦ると目が覚める。
わ、なんか、ベンに会いたい・・・!
「分かったわ!ベンね!任せて!」
「っあ!か、カレア・・・!・・・行っちゃったぁ・・・」
「ただいまお兄ちゃん!ベンだよ!」
「え、あ、ら、ライト様!」
消えたと思ったらベンを連れて戻って来たカレアは、もの凄くご満悦だ。そんな事したら父上と母上に怒られるよ・・・。でも、可愛いから僕は許す。
間髪入れずにベンが飛び付いてくる。
以前ならギリギリ倒れないが、今はそんな力はない。そのため僕はベッドに逆戻りだ。一日の半分以上をベッドの上で寝て過ごす事になっちゃうのは嫌だ。
しかも、ベンの抱き締める力が強すぎて息が・・・。
もうダメだと思った瞬間、カレアがべりっと僕達の間に入った。カレアはやっぱり天才だね。・・・だからと言ってベンの事をおやつ抜きにする様な目で見ないであげてよ。ベン泣きそうじゃん。ベンにとっておやつは必須なんだから。
もう、ベンって本当に犬みたい。
「ふふっ・・・あはは・・・!ほらベン、おいで?」
「っアアアアイス様!ライト様からとても、とっっっっっても危険な香りがしますよ?!コレ大丈夫なんですか?良いんですか?見てはイケナイ感じがするのですが?!」
「くぅ・・・!大丈夫よ、今のシュチュはハッピーエンドだから!」
「は、ハッピーエンドじゃない事在るんですか?!やばいじゃないですか!ううぅ・・・ライト様はタラシ癖が悪化したって事ですね?無自覚って本当に怖いですぅうう!こんなライト様みたいにえっt」
「──────その言葉は言ってはイケナイわ!儚いと言いなさい、儚いと!お兄ちゃんは儚いのよ!専属従者として耐えなさい!私も何度お兄ちゃんの色kkk、失礼。儚さに当てられたか・・・!」
「くっ・・・俺、頑張ります・・・!」
ベンとカレアの超トップスピードで進んで行く会話に追い付けず、仲間外れにされているみたいで嫌になって言って見た。
「ベン、カレア・・・来ないの・・・?」
「「コレは絶対に3Pのシュチュエーション!」」
ちょっと意味が分からないけれど、僕を真ん中にして川の字でベッドに居る。流石に三人も居るとぎゅうぎゅうだ。
子供の頃を思い出して、自然と笑みが零れた。
どうしたのというカレアの質問に、懐かしいと言った。
小さな頃はずっと三人一緒だった。ベンが一人でトイレに行けなくて僕の部屋に来て、その丁度いいタイミングでカレアが来て。みんなで行ったら巡回中のセバスチャンに会って怖くて叫んで三人で泣いたり。
夜中に庭に行って散歩して父上と母上に怒られたり、同じ先生から学んだり、隠れんぼをしてベンが迷子になったり、父上と母上と街に行って色んなの食べたり。
こうやって三人で寝たり・・・。誰が真ん中かで喧嘩したのも懐かしい。その時も僕が真ん中になったんだっけ?
そういえばなんでベンは今まで会えなかったの?
「ベン、なんで今まで来なかったんだ。ここだって・・・・・・。」
不安になって、カレアを見る。分かってると言わんばかりに、可愛く笑った。そうだよね、僕だけじゃないよね。僕の心は安定する。だから、君も・・・
「ベン、ココはベンの家でもあるだろう?僕が言える事じゃ無いけど、来てくれれば良かったのに。だって・・・だって僕達は、『家族』なんだから、ね?」
「っ・・・ライト様・・・」
「お母様達もベンが来なくて悲しいって言ってたし・・・あ、お兄ちゃんもだかんね!ベンだって家族なんだから、いっぱい話したい事在るんだよ?」
「アイス様ぁ・・・!あっ、ありがとうございます、好ぎでず・・・めっ゙ぢゃ゙好゙ぎでずぅゔ~!」
ベンはそれから泣きじゃくったのだった。
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