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♡もふもふショタっ子と第1回イベント1日目♡
痴態が全国放送!? 〜ベータテスターの技は見て盗め!〜
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ほっと息をついた私の後頭部を衝撃が襲った。
――バシッ!!
「いたぁっ!?」
「ご主人様のばか!」
「なんで!?」
どうやらミルクちゃんが私の頭を平手で叩いたらしい。
「なんで人前で裸になると? なんでよう分からんスライムに胸を吸わせると?」
「えぇ……だって……」
当然の疑問すぎて私は答えに窮してしまった。なんで……なんで私は脱ぐのだろうか……これは永遠の謎である。
「ご主人様ん裸はうちだけのもんばい! ご主人様ん母乳はうちだけのも――」
「待っていくら私でも母乳は出ません!」
私は呆れて、ミルクちゃんの頭を平手で叩き返した。ていうかミルクちゃん、私が自爆魔法に巻き込む度にその魔法を吸収して私への愛が増しているような気がするし、変態度も増しているような気がするし、ぺったんこだったおっぱいが少しずつ成長しているような気すらする……気のせいかなぁ?
このまま純粋方言少女のミルクちゃんが、ヤンデレ爆乳キャラになったらどうしよう!
と、頭を叩き合う私たちの隣に、白い光の塊が出現した。
何事かと思っていると、その光の中から銀色の鎧のイケメン――クラウスさんが現れた。
「いやぁ、負けた負けたー」
クラウスさんは私たちの姿を確認すると、清々しいほどのスマイルで結果を報告してくる。負けたというのに微塵も悔しそうな様子がないなんて……クラウスさんは聖人かドMに違いない。
「あ、お疲れ様です」
「普通に魔法攻撃でやられたわ……やっぱり、スキルとかで魔法を何とかしない限りPvPは勝てないのかもしれないな」
確かに、クラウスさんは硬いだけで遅いし、魔法ですぐにやられちゃうから対戦相手からしてみたら絶好のカモなのかもしれない。――かもなのかも……これはダジャレではない。
すると、周りには続々と1回戦を終えたプレイヤー達が転送されてきており、気づいたら噴水広場は人でごった返していた。
人々は皆、ウィンドウで何かを見ているようだ。熱心に虚空を見つめたり、声援を送ったりしている姿は滑稽ですらある。――何を見ているのかな?
「皆さんは、何を見ているのでしょうか?」
「ん? あぁ、イベントの全試合はリアルタイム配信されていて、メニューバーのイベントのボタンから好きな試合を見ることができるんだぞ。――そうだ、1回戦の見どころは……」
――?
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?
「ちょい! ちょいちょい! ってことは! てことは! 私の試合もリアルタイムで配信されていたということでしょうか! 私のパンツとかすっぽんぽんが全国放送され――ぶはっ!!」
パニックに陥った私の頭は再びミルクちゃんによって叩かれた。
「そげんこと、うちが許しゃん!!」
私に言われても困るし私を叩いてもらっても困るよ!?
「なんというか――ドンマイだな」
「アオイはしっかり見てましたよココアさんの試合……」
「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
クラウスさんの背後からひょっこり顔を出したアオイちゃんのコメントで、私は地獄の底に叩き落とされた。……終わった。私の人生は終わってしまった。
「まぁまぁ、配信されちまったもんはしょうがねぇよ。でも第1試合だけでも何千試合もあるんだし、そこからピンポイントでお嬢ちゃんの試合が見られていた可能性は低いと思うぞ。ベータテスターの試合の方が見応えあるからみんなそっち見るだろうし」
クラウスさんは、アオイちゃんを叩こうとするミルクちゃんを手で制しながら、私のことを慰めるように言う。――だといいんですけどねぇ! なんてったって私有名人ですからね!
とはいえ、クラウスさんの言うとおり、過ぎたことを悔やんでも仕方ないので、私は気分転換も兼ねて他の人の対戦映像を見ることにした。えっと、メニューのイベントのボタンから……うわぁ、凄い数の試合が現在進行形で行われているみたい。私の試合は割と早く決着がついてしまったからなぁ。
「第1試合の見どころは、なんといっても『炎神(えんじん)』のホムラと、『白翼(はくよく)』のセレナの試合だろうな。まだ決着ついてないから見てみるといいぞ」
「えっ、ホムラちゃんとセレナちゃんが対戦してるんですか!?」
「あぁ、まさかあの二人が第1試合で当たってしまうとはな。どちらも優勝候補だっただけに、運命のイタズラというべきか……」
クラウスさんと話していると、確かにベータテスターのトーナメントに、ホムラちゃんとセレナちゃんの試合があった。せっかくなのでそのリアルタイム配信とやらを見てみることにする。試合をタップして、『リアルタイム配信を見る』を選択すると、目の前のウィンドウに、その試合の様子が映された。
武器を構えながら少し距離を空けて向かい合う二人の様子を斜め上から撮影しているらしい。ドローンか何かで撮っているような、そんな感じの映像だ。それだけではなく、音声も二人の息遣いまで鮮明に感じ取れる。臨場感は抜群だ。
しかも、二人の頭上にはHPのバーが浮かんでおり、二人の残り体力もひと目でわかる。なるほど確かにこれは見ていて面白いかもしれない。
ホムラちゃんとセレナちゃんのHPは対照的で、ほとんどダメージを受けていないセレナちゃんに対して、ホムラちゃんは半分以上削られてしまっている。セレナちゃんを倒すにはあの自動的に動く盾――『魔導盾』を攻略しなきゃいけないのだろう。それは……だいぶ大変そうだ。もたもたしていると、スナイパーライフルで狙われてどんどんHPが削られていく。
『埒(らち)があかねぇな。そろそろオレも本気で行かせてもらうぜ!』
『それではその本気とやらを打ち破ってみせましょう』
『その余裕。いつまで続くかな!!』
映像を通して聞こえる二人のやり取り。ホムラちゃんが二本の剣を構えて一直線に走る。その身体を赤いオーラが包み込んだ。
「スキル【覚醒】。体力が残り3割を切ると発動するスキルで、全体的に能力値を底上げすることができる。ホムラのやつ、『魔導盾』を真正面から火力で突破するつもりだ」
同じ試合を見ているのか、クラウスさんの解説が入る。
『マジですか、ムダですよ?』
――シュン シュン
光の筋が空を切る。
ホムラちゃんはスナイパーライフルの狙撃を受けながらもそれをものともせずにセレナちゃんに肉薄した。【覚醒】によってホムラちゃんの防御力も上がっているみたい。
『終わりだ!! 【カラミティフレイム】!!』
――ゴォォォォォォッ!!
轟音がとどろき、ホムラちゃんの二刀が炎をまといながらセレナちゃんを襲う。が、セレナちゃんの『魔導盾』は当然のようにその攻撃を防いだ。
『まだまだぁぁぁぁぁ!!!!』
『甘いですよ!』
――バシュッ!!
『ぐっ……!!』
スナイパーライフルのゼロ距離射撃がホムラちゃんの腹部を貫く。が、HPバーを削りきるには僅かに威力が足りなかったようだ。
『……マジですか』
セレナちゃんの凛々しい顔から初めて余裕が消えた。
ホムラちゃんはそのまま燃え盛る剣を力で押し込んでいく。圧倒的なその攻撃力によってついに――
――バコンッ!!
という音を立てて『魔導盾』が真っ二つに裂けた。そしてそのままセレナちゃんを斬りつける。
『……っ!? 【自動迎撃(オートインターセプト)】!!』
セレナちゃんがスナイパーライフルを空中に放り投げて、ホムラちゃんの剣を両手で受け止めた。それでも剣はセレナちゃんの両腕を切り裂いて……セレナちゃんのHPがみるみる減っていく。しかしそこで――
『あなたこそ、終わりですよ?』
――バシュッ!!
セレナちゃんが放り投げたスナイパーライフルから自動的に弾丸が放たれ、ホムラちゃんのHPを削りきった。
――うぉぉぉぉぉぉっ!!
辺りを歓声が包み込む。周りのプレイヤーたちもみんなこの試合を見ていたようだ。
「……すごい」
私はあまりのレベルの高さに一言、そう呟くことしかできなかった。でも、私はこのレベルを目指さないといけない。お兄ちゃんに勝つためには!
――バシッ!!
「いたぁっ!?」
「ご主人様のばか!」
「なんで!?」
どうやらミルクちゃんが私の頭を平手で叩いたらしい。
「なんで人前で裸になると? なんでよう分からんスライムに胸を吸わせると?」
「えぇ……だって……」
当然の疑問すぎて私は答えに窮してしまった。なんで……なんで私は脱ぐのだろうか……これは永遠の謎である。
「ご主人様ん裸はうちだけのもんばい! ご主人様ん母乳はうちだけのも――」
「待っていくら私でも母乳は出ません!」
私は呆れて、ミルクちゃんの頭を平手で叩き返した。ていうかミルクちゃん、私が自爆魔法に巻き込む度にその魔法を吸収して私への愛が増しているような気がするし、変態度も増しているような気がするし、ぺったんこだったおっぱいが少しずつ成長しているような気すらする……気のせいかなぁ?
このまま純粋方言少女のミルクちゃんが、ヤンデレ爆乳キャラになったらどうしよう!
と、頭を叩き合う私たちの隣に、白い光の塊が出現した。
何事かと思っていると、その光の中から銀色の鎧のイケメン――クラウスさんが現れた。
「いやぁ、負けた負けたー」
クラウスさんは私たちの姿を確認すると、清々しいほどのスマイルで結果を報告してくる。負けたというのに微塵も悔しそうな様子がないなんて……クラウスさんは聖人かドMに違いない。
「あ、お疲れ様です」
「普通に魔法攻撃でやられたわ……やっぱり、スキルとかで魔法を何とかしない限りPvPは勝てないのかもしれないな」
確かに、クラウスさんは硬いだけで遅いし、魔法ですぐにやられちゃうから対戦相手からしてみたら絶好のカモなのかもしれない。――かもなのかも……これはダジャレではない。
すると、周りには続々と1回戦を終えたプレイヤー達が転送されてきており、気づいたら噴水広場は人でごった返していた。
人々は皆、ウィンドウで何かを見ているようだ。熱心に虚空を見つめたり、声援を送ったりしている姿は滑稽ですらある。――何を見ているのかな?
「皆さんは、何を見ているのでしょうか?」
「ん? あぁ、イベントの全試合はリアルタイム配信されていて、メニューバーのイベントのボタンから好きな試合を見ることができるんだぞ。――そうだ、1回戦の見どころは……」
――?
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?
「ちょい! ちょいちょい! ってことは! てことは! 私の試合もリアルタイムで配信されていたということでしょうか! 私のパンツとかすっぽんぽんが全国放送され――ぶはっ!!」
パニックに陥った私の頭は再びミルクちゃんによって叩かれた。
「そげんこと、うちが許しゃん!!」
私に言われても困るし私を叩いてもらっても困るよ!?
「なんというか――ドンマイだな」
「アオイはしっかり見てましたよココアさんの試合……」
「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
クラウスさんの背後からひょっこり顔を出したアオイちゃんのコメントで、私は地獄の底に叩き落とされた。……終わった。私の人生は終わってしまった。
「まぁまぁ、配信されちまったもんはしょうがねぇよ。でも第1試合だけでも何千試合もあるんだし、そこからピンポイントでお嬢ちゃんの試合が見られていた可能性は低いと思うぞ。ベータテスターの試合の方が見応えあるからみんなそっち見るだろうし」
クラウスさんは、アオイちゃんを叩こうとするミルクちゃんを手で制しながら、私のことを慰めるように言う。――だといいんですけどねぇ! なんてったって私有名人ですからね!
とはいえ、クラウスさんの言うとおり、過ぎたことを悔やんでも仕方ないので、私は気分転換も兼ねて他の人の対戦映像を見ることにした。えっと、メニューのイベントのボタンから……うわぁ、凄い数の試合が現在進行形で行われているみたい。私の試合は割と早く決着がついてしまったからなぁ。
「第1試合の見どころは、なんといっても『炎神(えんじん)』のホムラと、『白翼(はくよく)』のセレナの試合だろうな。まだ決着ついてないから見てみるといいぞ」
「えっ、ホムラちゃんとセレナちゃんが対戦してるんですか!?」
「あぁ、まさかあの二人が第1試合で当たってしまうとはな。どちらも優勝候補だっただけに、運命のイタズラというべきか……」
クラウスさんと話していると、確かにベータテスターのトーナメントに、ホムラちゃんとセレナちゃんの試合があった。せっかくなのでそのリアルタイム配信とやらを見てみることにする。試合をタップして、『リアルタイム配信を見る』を選択すると、目の前のウィンドウに、その試合の様子が映された。
武器を構えながら少し距離を空けて向かい合う二人の様子を斜め上から撮影しているらしい。ドローンか何かで撮っているような、そんな感じの映像だ。それだけではなく、音声も二人の息遣いまで鮮明に感じ取れる。臨場感は抜群だ。
しかも、二人の頭上にはHPのバーが浮かんでおり、二人の残り体力もひと目でわかる。なるほど確かにこれは見ていて面白いかもしれない。
ホムラちゃんとセレナちゃんのHPは対照的で、ほとんどダメージを受けていないセレナちゃんに対して、ホムラちゃんは半分以上削られてしまっている。セレナちゃんを倒すにはあの自動的に動く盾――『魔導盾』を攻略しなきゃいけないのだろう。それは……だいぶ大変そうだ。もたもたしていると、スナイパーライフルで狙われてどんどんHPが削られていく。
『埒(らち)があかねぇな。そろそろオレも本気で行かせてもらうぜ!』
『それではその本気とやらを打ち破ってみせましょう』
『その余裕。いつまで続くかな!!』
映像を通して聞こえる二人のやり取り。ホムラちゃんが二本の剣を構えて一直線に走る。その身体を赤いオーラが包み込んだ。
「スキル【覚醒】。体力が残り3割を切ると発動するスキルで、全体的に能力値を底上げすることができる。ホムラのやつ、『魔導盾』を真正面から火力で突破するつもりだ」
同じ試合を見ているのか、クラウスさんの解説が入る。
『マジですか、ムダですよ?』
――シュン シュン
光の筋が空を切る。
ホムラちゃんはスナイパーライフルの狙撃を受けながらもそれをものともせずにセレナちゃんに肉薄した。【覚醒】によってホムラちゃんの防御力も上がっているみたい。
『終わりだ!! 【カラミティフレイム】!!』
――ゴォォォォォォッ!!
轟音がとどろき、ホムラちゃんの二刀が炎をまといながらセレナちゃんを襲う。が、セレナちゃんの『魔導盾』は当然のようにその攻撃を防いだ。
『まだまだぁぁぁぁぁ!!!!』
『甘いですよ!』
――バシュッ!!
『ぐっ……!!』
スナイパーライフルのゼロ距離射撃がホムラちゃんの腹部を貫く。が、HPバーを削りきるには僅かに威力が足りなかったようだ。
『……マジですか』
セレナちゃんの凛々しい顔から初めて余裕が消えた。
ホムラちゃんはそのまま燃え盛る剣を力で押し込んでいく。圧倒的なその攻撃力によってついに――
――バコンッ!!
という音を立てて『魔導盾』が真っ二つに裂けた。そしてそのままセレナちゃんを斬りつける。
『……っ!? 【自動迎撃(オートインターセプト)】!!』
セレナちゃんがスナイパーライフルを空中に放り投げて、ホムラちゃんの剣を両手で受け止めた。それでも剣はセレナちゃんの両腕を切り裂いて……セレナちゃんのHPがみるみる減っていく。しかしそこで――
『あなたこそ、終わりですよ?』
――バシュッ!!
セレナちゃんが放り投げたスナイパーライフルから自動的に弾丸が放たれ、ホムラちゃんのHPを削りきった。
――うぉぉぉぉぉぉっ!!
辺りを歓声が包み込む。周りのプレイヤーたちもみんなこの試合を見ていたようだ。
「……すごい」
私はあまりのレベルの高さに一言、そう呟くことしかできなかった。でも、私はこのレベルを目指さないといけない。お兄ちゃんに勝つためには!
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