31 / 76
31
しおりを挟む
新しい剣を手に入れてウキウキの僕はさっそくダンジョンへ。
「さあガイド! ドンドンレベル上げていくぞ」
「はい! でもボスに追われるのは勘弁してくださいね?」
「……はい」
もう二度とあんなピンチはごめんだ!
次のレベル2になるのに必要な経験値はスライム15匹、ゴブリン10匹、スライム5匹の順のようだ。
「レベル1になる時よりは増えたか」
「はい、レベルが上がるほど強いモンスターを倒すことになりますよ」
「なるほど、ロールプレイングゲームなんかと同じか」
低レベルの時よりはレベル上げも時間がかかるようだ。
「じゃあ前回と同じように私がモンスターを眠らせますね?」
ガイドは催眠魔法の準備をする。しかし、
「いや、待ってくれ!」
「え?」
僕はガイドの提案をさえぎる。
「僕はもうあの頃の僕じゃない! レベルは0から1に成長した!
そしてなにより今の僕にはこの勇者の剣がある!」
(……ああ、激キモネーミングの……)
なぜかガイドは渋い顔だ。
「これからはこの剣で一人で戦ってみるよ!」
僕は勇者の剣を掲げる。
「分かりました! 危なくなったらサポートしますね」
「ふふふ、心配無用! そこで見守っていなさい!」
さっそくスライムが飛び出してくる。
「来たな……ライバルよ! だがあの頃の僕とは違うぜ!」
僕は勇者の剣で斬りかかる。
「うおぉぉお」
前回よりもスライムの動きがハッキリ見える。これがレベルアップの成果か!?
『ザッ!!』
僕の斬撃にスライムは一撃で真っ二つだ。
「す……すごい! すごいですよキモオタ君!」
大興奮にガイド。
「や、やった……!」
僕は初めて、自分一人の力だけでモンスターを倒すことができた。
「すごいよ、1レベル上がっただけだけど全然体の動きが違う!」
そしてなにより……
「この新しい剣がすごい切れ味だ!」
光り輝く勇者の剣を見る。
「……まあとんでもない値段でしたからね……」
「……頑張らないと……」
アスカさんからにプレゼントだ。恩返ししないとな。
僕はそのままレベルアップに必要なモンスターを次々と倒す。
スライムもゴブリンも一撃だ。
僕は最後のスライムを倒す。
「はぁはぁ……どうだガイド!?」
ガイドは僕の顔を覗き込む。
「はい! レベルアップです!」
「よっしゃ!」
僕はレベル2になった。
「おめでとうございます! でも、調子にのってボスを起こすのはやめてくださいね!?」
「……心配無用だ」
僕らはそのままレベルを上げ続ける。
数時間で僕はレベル5になっていた。
「ふふふ、もう僕を馬鹿にできる奴はいないぞ!!」
レベル5、けっして高いレベルではない。
しかし、たいていのザコモンスターにやられることはないレベルだ。
「少し前までは世界最弱のレベル0だった僕が……ガイドのおかげだよ……」
「いえいえ!」
「さあ! この調子でもっとレベルを上げよう!」
今の僕はレベルアップ中毒になっていた!
「はい! えーっと……次のレベルアップに必要なモンスターは……ん?」
ガイドの表情が曇る。
「ど、どうした?」
「えー……メタルスライム5匹、ダークゴブリン10体ですね……」
「えぇ?」
メタルスライムにダークゴブリン……どちらもそんなに珍しいモンスターではない。
おそらくレベル5の今の僕ならそこまで苦労せずに倒せるだろう。でも……
「このダンジョンはいないモンスターですね……」
「そうだね……」
ここはレベル0の僕のためにアスカさんが教えてくれたダンジョンだ。
メタルスライムのような少しレベルの高いモンスターは現れない。
「残念ですけど今日はここまでですね」
「くそー、いい調子でレベル上げられてたのに……ここでストップか」
残念だが仕方ないか。
「でも、これからのレベルアップに必要なモンスターは珍しいモンスターも増えてきますよ?
モンスターを探すのにも時間がかかってきますね……」
アスカさんの妹、サクラちゃんにかかっている呪いのタイムリミットは刻一刻と迫っている。
ネクロマンサーを倒すには僕がレベル50は必要ということだ。
あと一か月少々でレベル50……時間が足りないな……
「一回アスカさんに相談してみよう。なにかいい方法があるかもしれない」
こうしてザコダンジョンでのレベル上げは終わった。
僕はレベル5になった。
「さあガイド! ドンドンレベル上げていくぞ」
「はい! でもボスに追われるのは勘弁してくださいね?」
「……はい」
もう二度とあんなピンチはごめんだ!
次のレベル2になるのに必要な経験値はスライム15匹、ゴブリン10匹、スライム5匹の順のようだ。
「レベル1になる時よりは増えたか」
「はい、レベルが上がるほど強いモンスターを倒すことになりますよ」
「なるほど、ロールプレイングゲームなんかと同じか」
低レベルの時よりはレベル上げも時間がかかるようだ。
「じゃあ前回と同じように私がモンスターを眠らせますね?」
ガイドは催眠魔法の準備をする。しかし、
「いや、待ってくれ!」
「え?」
僕はガイドの提案をさえぎる。
「僕はもうあの頃の僕じゃない! レベルは0から1に成長した!
そしてなにより今の僕にはこの勇者の剣がある!」
(……ああ、激キモネーミングの……)
なぜかガイドは渋い顔だ。
「これからはこの剣で一人で戦ってみるよ!」
僕は勇者の剣を掲げる。
「分かりました! 危なくなったらサポートしますね」
「ふふふ、心配無用! そこで見守っていなさい!」
さっそくスライムが飛び出してくる。
「来たな……ライバルよ! だがあの頃の僕とは違うぜ!」
僕は勇者の剣で斬りかかる。
「うおぉぉお」
前回よりもスライムの動きがハッキリ見える。これがレベルアップの成果か!?
『ザッ!!』
僕の斬撃にスライムは一撃で真っ二つだ。
「す……すごい! すごいですよキモオタ君!」
大興奮にガイド。
「や、やった……!」
僕は初めて、自分一人の力だけでモンスターを倒すことができた。
「すごいよ、1レベル上がっただけだけど全然体の動きが違う!」
そしてなにより……
「この新しい剣がすごい切れ味だ!」
光り輝く勇者の剣を見る。
「……まあとんでもない値段でしたからね……」
「……頑張らないと……」
アスカさんからにプレゼントだ。恩返ししないとな。
僕はそのままレベルアップに必要なモンスターを次々と倒す。
スライムもゴブリンも一撃だ。
僕は最後のスライムを倒す。
「はぁはぁ……どうだガイド!?」
ガイドは僕の顔を覗き込む。
「はい! レベルアップです!」
「よっしゃ!」
僕はレベル2になった。
「おめでとうございます! でも、調子にのってボスを起こすのはやめてくださいね!?」
「……心配無用だ」
僕らはそのままレベルを上げ続ける。
数時間で僕はレベル5になっていた。
「ふふふ、もう僕を馬鹿にできる奴はいないぞ!!」
レベル5、けっして高いレベルではない。
しかし、たいていのザコモンスターにやられることはないレベルだ。
「少し前までは世界最弱のレベル0だった僕が……ガイドのおかげだよ……」
「いえいえ!」
「さあ! この調子でもっとレベルを上げよう!」
今の僕はレベルアップ中毒になっていた!
「はい! えーっと……次のレベルアップに必要なモンスターは……ん?」
ガイドの表情が曇る。
「ど、どうした?」
「えー……メタルスライム5匹、ダークゴブリン10体ですね……」
「えぇ?」
メタルスライムにダークゴブリン……どちらもそんなに珍しいモンスターではない。
おそらくレベル5の今の僕ならそこまで苦労せずに倒せるだろう。でも……
「このダンジョンはいないモンスターですね……」
「そうだね……」
ここはレベル0の僕のためにアスカさんが教えてくれたダンジョンだ。
メタルスライムのような少しレベルの高いモンスターは現れない。
「残念ですけど今日はここまでですね」
「くそー、いい調子でレベル上げられてたのに……ここでストップか」
残念だが仕方ないか。
「でも、これからのレベルアップに必要なモンスターは珍しいモンスターも増えてきますよ?
モンスターを探すのにも時間がかかってきますね……」
アスカさんの妹、サクラちゃんにかかっている呪いのタイムリミットは刻一刻と迫っている。
ネクロマンサーを倒すには僕がレベル50は必要ということだ。
あと一か月少々でレベル50……時間が足りないな……
「一回アスカさんに相談してみよう。なにかいい方法があるかもしれない」
こうしてザコダンジョンでのレベル上げは終わった。
僕はレベル5になった。
11
あなたにおすすめの小説
男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます
neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。
松田は新しい世界で会社員となり働くこととなる。
ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。
PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。
↓
PS.投稿を再開します。ゆっくりな投稿頻度になってしまうかもですがあたたかく見守ってください。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
雑魚で貧乏な俺にゲームの悪役貴族が憑依した結果、ゲームヒロインのモデルとパーティーを組むことになった
ぐうのすけ
ファンタジー
無才・貧乏・底辺高校生の稲生アキラ(イナセアキラ)にゲームの悪役貴族が憑依した。
悪役貴族がアキラに話しかける。
「そうか、お前、魂の片割れだな? はははははは!喜べ!魂が1つになれば強さも、女も、名声も思うがままだ!」
アキラは悪役貴族を警戒するがあらゆる事件を通してお互いの境遇を知り、魂が融合し力を手に入れていく。
ある時はモンスターを無双し、ある時は配信で人気を得て、ヒロインとパーティーを組み、アキラの人生は好転し、自分の人生を切り開いていく。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる