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番外編【【画面の中と外】】後
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そうそうあるわけではないとわかっていながらも、力也がつかっていた物を見つけ出す変態がいる可能性を考えてしまう所為で簡単に捨てる気にならない。
だからと言ってとっておく訳にもいかず、どうしようかと思いつつ、とりあえず隣に置き見上げている力也の頭を掴み奥へと押し込んだ。
「んんっ!」
「無理だったら噛めよ」
おそらく力也が見ただろう、AV時代のように喉の奥深く何度もたたき付ければ、その瞳から涙が流れる。
「だすぞ」
えずく力也に構わず、中を荒らし、喉の奥へと欲を吐き出した。口から性器を抜けば、力也は言われなくても飲み干した。
「いいこ」
頭を撫でながら、足で力也の性器を踏めば中途半端に溜まっていたのだろう、あっさりと漏れるように達した。
「フェラでイッちゃうのやらしいな」
「だって、欲しかったから」
「我慢強い力也はどこいっちゃったんだ?」
「ごめんなさい?」
笑い声混じりに言っても本気にされる訳もなく、力也は縋るようにそっと足に抱きついてきた。そうしながらも力也は何かを聞きたそうに冬真に視線を送ってきた。
「どうした? なんか聞きたいことあるのか?」
「・・・・・・えっと・・・・・・AVでしてた。フック? あれってどうなのかなって・・・・・・」
そう言われ、AVの内容を思い出し軽く頭を抱えたくなった。よりにもよってSM系の調教めいた内容だったので、Sub性が刺激されたのだろう。それにしてもそれはないだろう。
「どうって・・・・・・まさかやってみたいのか?」
「やってみたいって言うか・・・・・・どうなのかなって」
あまりする内容ではない為に気になっているらしい。どうしよう説明しようか少し考えるが下手に流せば余計、興味を持たれそうだ。
「体重で無理矢理引き延ばされるから、気持ちいいと言うより引きつって痛い。時と場合によっては切れる場合があるから、注意が必要。前立腺に当たれば気持ちいいだろうけど、バイブと違って強く押されてるだけ」
「・・・・・・そうなんだ」
「お前がどうしてもやりたいって言うなら、考えてもいいけど、あの大きさは手に入りにくいしな」
あまり気が進まなそうな様子に、少し気になっただけの力也はならやらなくてもいいかと思った。吊られるのは結構好きだが、冬真も楽しいのが大前提だ。
「じゃあいいや」
「ロウソクと緊縛と鞭ならできるけど、やるか?」
「やる」
内容に反し、ワクワクした様子で返事をした力也の頭を撫で、寝室から玩具が入った箱を持ってくるように指示をした。
本当の玩具を持ってくるかのように、嬉しそうに取りに行った力也を見送り、何を使えるか考える。
できることなら吊りをしたいが、使えそうな物がない。生半可な拘束では縛った物ごと動かしそうだ。
戻ってきた力也から箱を受け取り、力也へ“Strip”脱げとコマンドを出し、箱の中から必要な道具を取り出す。
「力也、テーブルの上に乗れ」
「はい」
一糸まとわぬ姿となった力也はテーブルの上に乗り、次の指示を期待するように見つめた。
「Present」【晒せ】
「はい」
テーブルの上に仰向けに寝転がると、足を大きく開いた。そんな力也の足に紐を結びつけ閉じることができないように、首輪のリングに通し反対側の足に結びつける。
M字開脚のまま動けなくなった力也の体をさらに赤い紐で飾り付けし、最後に乳首のピアスに紐をつけ少しきつめに縄に引っかけておく。
「ヒャっ!」
乳首に通された紐を軽くはじけば、力也の口から高い声が漏れる。まるで楽器のようなその声を楽しむように何度か弾き、その紐に振動が行くようにローターをつけておく。
スイッチを入れれば、ローターが震えその振動が紐越しに乳首に伝わる。その振動に力也が翻弄されるのを見つつ今度は長めのバイブと、イボが多いローターを取り出した。
「やっぱこのぐらいないと楽しめないだろ?」
わざと目の前に見せれば、力也の瞳が期待と興奮で揺れる。濡らせと言うように口の傍ギリギリの場所に持っていくと必死に舌を伸ばし、チョロチョロと舐める。
「可愛い力也、お前が寂しいなんて考えなくてもいいように沢山可愛がってやるから」
「ふっ・・・・・・ん」
よしよしと頭を撫でつつ、まずはローターを秘部へ入れ込む。しっかりと中に入れ込み、今度はバイブを秘部にあて、先に入っていたローターをさらに押し込むようにバイブを中へ入れる。
「あっ・・・・・・ああ!・・・・・・」
グリグリと動かせば、ローターが中で動くのだろう、跳ねるような喘ぎ声が力也から漏れ、広げられた足が震える。
「すぐイっちゃいそうだな」
ローターのスイッチを入れれば、開いた足はピンと張り詰め、荒い息と共に断続的な嬌声が響く。
「こっちも蓋してやるよ」
ブジーを取り出し、立ち上がった性器の先にあてると、ゆっくり中へ沈ませていく。何度もしているおかげで、スムーズに中へ入れていくブジーが奥深くにたどりついた瞬間、力也の体が跳ねた。
「いいとこあたったか?」
「ヒッ・・・・・・アッ」
グリグリと回すように動かし、さらに抜き差しすればそのたびにその体は快感に震える。
「前も後ろもギュウギュウだな」
バイブのスイッチを入れれば、強い快感に力也の体が一瞬ビクッと跳ねた。
前と後ろ両方を同時に責められ再び立ち上がった性器は、ブジーを動かす度にダラダラと白濁を溢れさせた。
「よし、じゃあロウソク責めするから、落とさないようにしっかり咥え込んでろよ」
「ちょ、ちょっと・・・・・・ま・・・・・・あっ!」
強い快感に、もだえる力也はこの言葉で、さらに快感が加わることに慌てて、制止の声を上げた。
それを聞き流し、ロウソクを取り出すと火をつけ、トロリと溶けたロウソクのロウをまずは腹の辺りに落とした。
「はぁっ!!」
落ちた瞬間、悲鳴混ざりの声が上がり垂らされる度に、荒い息と演技などではない声がその口から漏れる。
「ヤッ!!」
「いい声だ。AVの声よりお前の声の方がやらしくて興奮する」
ポタッポタッと落とせば、日焼けの所為で少し地黒の肌が赤く色づいていく。SM用の和ろうそくの為、それほど熱くはないはずだが近い場所に続けて落とせば、熱さが増すのだろう短い悲鳴が続く。
確認の為にチラッと顔を見れば、生理的な涙が溜まった瞳は、恐怖と期待がおり混じっていた。
(いい感じに興奮してるな)
ハラハラやドキドキするのが好きな力也には、こういうスリルが入り交じったPlayは合っているのだろう。震えながらも、力也の瞳はロウソクに釘付けになっている。
力也は冬真が浮べるDomらしい加虐性の滲む悪い顔に魅せられていた。ロウの垂れる肌よりも力也の顔へ向けられた瞳は、反らされることなく呼吸さえも見られているようだった。
肌に垂らされるロウは、ヒリヒリとした痛みを与え、その熱さは時たま冬真が発する熱いグレアを連想させる。
「じゃあ、今度はこっちな」
こっちと言われ、どこに垂らすのかと思えば赤く尖り敏感になった乳首へとロウが垂らされた。
「ああっ!!」
いじった所為で敏感になっているそこは、一瞬火傷をしたのではないかと思うほど熱く感じた。
思わず顔を捻り暴れようとしても、緊縛されている所為でうまく動けない。
「こら、暴れると手元が狂うだろ」
熱さに涙が溢れだす力也に、冬真は優しく微笑み、軽く頬にキスをするとピアスに繋がる紐へロウを垂らした。
最初に垂らされた方よりも確実に熱いだろう乳首へ、紐を伝いロウが垂れるのをドキドキとしつつ目で追う。
「熱い!」
ロウが敏感になった乳首へ触れた瞬間、力也の体が再び跳ね、まるでつり上げられた魚のようにピクピクと震える。
「力也、いいこ。もうちょっと頑張れるか?」
そっと頭を撫でつつ愛情を込めたグレアで包み、尋ねれば力也はコクリと頷いた。それを褒めるように頷くと、仕上げと言うようにブジーが刺さった性器の上にロウソクをかざしロウを垂らす。
「ヒッ・・・・・・アッー!!」
垂れた瞬間一際大きな声を上げ、ビクっと体が跳ねたかと思えば、ビクビクと体は痙攣した。ロウソクの火を消し、横に置きつつ力也の状態を確認する。
「力也Good Boy」【よくできました】
熱さよりも感情の高ぶりの所為で涙を流し続ける力也の頭を撫でながら、両手で抱きしめ抱き起こしつつ涙を流し続ける瞳へキスをする。
「頑張ったな」
いい子いい子と褒めながらも、テーブルの上に抱き起こせば秘部に入っている玩具が押されるのだろう涙混じりの嬌声が止まらない。
「鞭はまたの機会にな」
感情が高ぶりすぎている力也の様子に、そう言うと軽いキスを何度もしながら、先ほど乳首へ落としたロウを爪の先で剥がす。
それだけの刺激でも体をよじる力也はどこか子供のようで、可哀想でもあり可愛くもある。
「また?」
「ああ、また今度してやるよ」
どこか残念そうな様子で聞き返され、十分刺激は足りているのに仕方ない奴だと思いつつ、痛そうな程張り詰めている性器のブジーに指を伸ばしカリカリとロウを剥がす。
「ほら、もう苦しいだろ? それに俺も限界なんだよ。いいだろ?」
「うん」
頷く力也の額にキスを落とし、ブジーを摘まみ一気に引き抜いた。引き抜いた瞬間、噴水のように吹き出した精液はとめどなく流れつづける。
「こっちもだそうな。自分で出してみろよ」
お腹を押せば、何を出せと言っているのかわかったのだろう。力也は少し力を入れ中にはいったままだったバイブとローターを自力で出した。
「よくできました」
散々荒らされ、大きく開いた秘部は誘うようにヒクヒクと収縮を繰り返す。そこへ性器をあて、止まらずに垂れる白濁を自分の性器へ塗りつけるように、往復させる。
「力也、おねだりしろ」
「入れて、犯してお願い冬真」
蕩けそうな笑みを浮べた力也のおねだりに、褒めるようにキスをし、秘部へ押し当てた物を一気に中へ差し込む。
「あー!!」
入れた瞬間また、力也の性器からは精液が噴き出し、次の瞬間その体から力が抜けた。
気を失ったかと一瞬思うが、そんなことはなくどうやらサブスペースに入っただけのようだった。
「冬真、好き」
サブスペースに入ってしまうと無防備になってしまう力也は、冬真へ体重を預けた。パートナーがサブスペースに入るのはDomにとっても、嬉しい。
愛しさを込め、撫でながら首元や顔中にキスを送り、愛情をたっぷり込めたグレアで包み込む。
「ありがとう。力也愛してる」
沢山頑張ったすえに、スペースに入ってくれたのならこのPlayも力也は幸せを感じてくれたのだろう。蕩けた瞳は幸せに満ちていて、嬉しい気持ちが止まらない。
力也は画面の向こうにいた冬真が見てくれないと嘆いていたが、こんな力也が画面の向こうにいるならば自分は主演の子の事など見ないかもしれない。
あんな風に寂しがらせるぐらいならば台本を全て無視してでも、力也の満足できるような事をしてしまうだろう。
嫉妬していたのか、ただ寂しかったのかはわからないが、冬真にとって力也に敵う者など誰もいない。
あんな台本通りで、作った演技に心を乱される必要などないのだという思いを込め、キスを強請る力也の唇を塞ぎ同時に自分の存在を示すように、奥深くに刻みつけるように突き動かした。
応援ありがとうございます!
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