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第八話【【お仕置きの後に】】中
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「見えてるよね」
「ああ、バッチリな」
シルエットだけとかじゃなかった。多分曇り止めされているんだろうけど、俺からも冬真の顔がよくわかる。
「準備見たい?」
「見てもいいなら」
「いいけど…」
「じゃあ見せろ」
「はーい」
見せるなら急がなくてもよさそうだ。とりあえず頭を洗い、ボディーソープを体に塗る。
冬真の方を伺えば、じっとこっちを見ていた。
さすがに目をあわせづらく、軽くそらしながら今度は後ろの準備をしようとする。
特に指示もないから普通でいいのかなと思いつつ、少し考え浴槽の淵へと片足を乗せた。
冬真に背中を向ける形になるけど、ダメならいうだろうし。
備え付けられていたローションを手に取り、後ろの穴へ塗り込む、そうして滑りをよくして中へ指を差し入れた。
「んっ…」
始めはどうしても息をつめてしまうが、呼吸を繰り返せば案外すんなり中へ入っていく。
グチャグチャとしばらく動かし、指を二本に増やす、中を洗うならもう少し広げなきゃならない。
「なぁ、さっき気づいたんだけど」
「なに?」
「ここベッドない」
「……それいま言うこと?」
この状況下で、何を言うかと思ったらっと戸惑いながら首だけで振り返れば、テーブルを何度も指で叩きながらこっちを見ている冬真と目が合った。
俺をみる瞳は熱く、その気になっているのがわかる。
「気晴らし?」
「他になにがあんだよ」
図星を突かれどこかむくれたような声に、こらえきれず笑いが零れる。
「どうせならしっかり見てよ」
「みてんだろ」
こん状況でも、気安い口調は下手に意識せずに自然体でいられるようにしてくれる。
(ダメだな)
長く続かせたいなら、小出しにして飽きさせないようにしなくちゃならないのに、つい色々と見せたくなる。どんな反応をくれるのかが楽しくて。
わざと、中に入れた指を広げうねる内部を見せつつ、中を慣らし、更にシャワーを使い綺麗にしていく。いままでだと時には指や視線1つ1つ、息遣いの仕方さえも指示されたことはあったけど、冬真は見ているだけだった。
見ているだけで、俺が動くように仕向けているというかなんというか…。
(これぐらいでいいかな)
少しキツイのこじ開けるぐらいがいいってよく言われた覚えがあるから、軽くで終わらせ外へでて言っていた服に着替える。
そのままで行こうかなと思ったけど、ちょっと考えてガウンを羽織って冬真のとこへ向かう。
「お待たせ」
ソファーに座ったまま見上げる冬真に、バスローブの紐の端を渡す。渡された冬真は高揚感を纏う強いグレアを放っている。
「セーフワードは?」
「マイルド」
恒例の確認を終えればPlay開始だ。この瞬間から俺は冬真だけのSubになる。
「力也、Stay」【動くな】
バスローブの紐を冬真が引けば、緩めに着ていた所為であっさりと下へと落ちた。
腕と肩だけを覆うピッタリとしたスポーツボレロに、前だけしか隠してない後ろが丸見えのOバックで立つ俺の姿に視線が突き刺さる。
上から下へ、嘗め回すように見られ、視線で犯されるというのはこういうことかと理解した。痛いほどの視線は俺の体に残る傷の一つ一つまで見ている。
昔相手してもらったDomにつけられた傷やスタントマンの仕事をしている間についた傷、俺の身体には無数の傷がある。もっとも、仕事でついた傷はほとんどが浅く、痕も目立たないものばかりで、一目見てそれとわかるのはPlayでついた傷ばかりだ。
冬真にこんな風に時間をかけて見られたのは初めてで、それだけで熱を帯びてくる。
「たってる」
言われて、下に視線を移すと確かに布越しからでもしっかりと立ち上がっているのがわかる。
「さっき準備したんだから当たり前だろ」
「そっちじゃなくて」
そう言い立ちあがった冬真は手を伸ばし、俺の乳首を強く摘まんだ。
「イッ…!」
「こっち」
指先で摘まんだかと思えば、まるで押しつぶすよう力をくわえ、引っ張る。
「どんどん固くなってんだけど、こっちも開発されてんのか?」
「されてる」
「お前、その見た目でどこもかしこも開発済みとか詐欺だろ」
「がっかりした?」
「予想外だって言ってんだよ」
「アア゛ッ!」
ギリッと音が鳴るぐらい力を強め、爪を立てられ、喉に詰まるような声が出た
「気持ちいい?」
「…イイッ…」
痛いほどの力を加えられても、それさえも快感に変わる。Stayを命じられているから、動くこともできずゾクゾクとした快感に身を委ねていく。
「で、お前さっきお仕置きとか言ってたよな。なんかお仕置きされるようなネタあんの?」
指を離すことなく立ち上がり、顔を近づけてきた冬真がそう聞いた。
Domのなかにはお仕置きのネタなんかなくても、適当にでっち上げたり、言いがかりをつけてお仕置きする人もいるけど冬真は聞いてきた。
冬真の他にもわざわざ聞いて俺に言わせようとしたDomもいたけど、その時は理由が思いつかなくてそう答えたら怒られた。
今回は怒られるだろうネタがあるから、変に考える必要もない。
「まさか、これ他の奴にも見られてるとか?」
名刺のことを聞こうと思ったら、他のことを聞かれて同時にさっきの着替え室でのことを思い出してしまう。
「柔道だっけ?他の生徒か?」
「うん…よく着てるから着替えの時とか見られてる」
スポーツ用だし、何かをされたことないから見られるぐらい気にしてなかったけど、視線には気づいていた。
「今日もか?」
「……き、今日はあの写真撮ったあと…入ってきた人に見られた」
あの時のことを詳細に思い出してしまい、嫌な気持ちになったのを冬真は見逃さなかった。
「何があった」
「なにって…」
聞かれて、仕方なく先ほど着替え室であったことを説明した。始めは落ち着いていたグレアが話を聞いていくうちにどんどん強みを増していく。
「なんでそんなことになってんだよ」
「成り行きで…」
「成り行きでって…めんどくさそうな奴等じゃねぇか」
怒鳴るのとはちょっと違って、詰問するように聞かれる。
「めんどくさいけど、相手三人ともDomだし…」
Dom三人のプライド刺激するほうが厄介だ。本気で戦えば勝てるし、グレアも跳ね返せるけど、Subの本能的にDom相手にそこまで抵抗したくない。
ちょっと気が進まないぐらいなら抵抗なんかせずに聞いた方が、精神的に楽だ。
「そういうとこSubなのかよ」
「ごめん?」
「耐久力あてにしないで気をつけろよ。欲求不満のDomなんかただの犯罪者予備軍なんだから」
呆れたようにそんなこというDom初めてだった。Domってのは上に立ちたがるものだから、自分を貶めるような発言はしないのに。
「ズバッというね」
「真実だろ。お前のだって弱いSubだったらそのまま強姦も考えられるんだから」
「そこまではしないんじゃないかな?」
「わかんねぇって言ってんだよ。ともかくそいつらにはそれ以上許すな、わかったか?」
「はーい」
なんか予想と違う方向に怒らせちゃった気がするけど、俺だってあれ以上は嫌だから命令してくれて助かった。これで断るにも大義名分ができた。
「じゃあ、お仕置きだな」
「ああ、バッチリな」
シルエットだけとかじゃなかった。多分曇り止めされているんだろうけど、俺からも冬真の顔がよくわかる。
「準備見たい?」
「見てもいいなら」
「いいけど…」
「じゃあ見せろ」
「はーい」
見せるなら急がなくてもよさそうだ。とりあえず頭を洗い、ボディーソープを体に塗る。
冬真の方を伺えば、じっとこっちを見ていた。
さすがに目をあわせづらく、軽くそらしながら今度は後ろの準備をしようとする。
特に指示もないから普通でいいのかなと思いつつ、少し考え浴槽の淵へと片足を乗せた。
冬真に背中を向ける形になるけど、ダメならいうだろうし。
備え付けられていたローションを手に取り、後ろの穴へ塗り込む、そうして滑りをよくして中へ指を差し入れた。
「んっ…」
始めはどうしても息をつめてしまうが、呼吸を繰り返せば案外すんなり中へ入っていく。
グチャグチャとしばらく動かし、指を二本に増やす、中を洗うならもう少し広げなきゃならない。
「なぁ、さっき気づいたんだけど」
「なに?」
「ここベッドない」
「……それいま言うこと?」
この状況下で、何を言うかと思ったらっと戸惑いながら首だけで振り返れば、テーブルを何度も指で叩きながらこっちを見ている冬真と目が合った。
俺をみる瞳は熱く、その気になっているのがわかる。
「気晴らし?」
「他になにがあんだよ」
図星を突かれどこかむくれたような声に、こらえきれず笑いが零れる。
「どうせならしっかり見てよ」
「みてんだろ」
こん状況でも、気安い口調は下手に意識せずに自然体でいられるようにしてくれる。
(ダメだな)
長く続かせたいなら、小出しにして飽きさせないようにしなくちゃならないのに、つい色々と見せたくなる。どんな反応をくれるのかが楽しくて。
わざと、中に入れた指を広げうねる内部を見せつつ、中を慣らし、更にシャワーを使い綺麗にしていく。いままでだと時には指や視線1つ1つ、息遣いの仕方さえも指示されたことはあったけど、冬真は見ているだけだった。
見ているだけで、俺が動くように仕向けているというかなんというか…。
(これぐらいでいいかな)
少しキツイのこじ開けるぐらいがいいってよく言われた覚えがあるから、軽くで終わらせ外へでて言っていた服に着替える。
そのままで行こうかなと思ったけど、ちょっと考えてガウンを羽織って冬真のとこへ向かう。
「お待たせ」
ソファーに座ったまま見上げる冬真に、バスローブの紐の端を渡す。渡された冬真は高揚感を纏う強いグレアを放っている。
「セーフワードは?」
「マイルド」
恒例の確認を終えればPlay開始だ。この瞬間から俺は冬真だけのSubになる。
「力也、Stay」【動くな】
バスローブの紐を冬真が引けば、緩めに着ていた所為であっさりと下へと落ちた。
腕と肩だけを覆うピッタリとしたスポーツボレロに、前だけしか隠してない後ろが丸見えのOバックで立つ俺の姿に視線が突き刺さる。
上から下へ、嘗め回すように見られ、視線で犯されるというのはこういうことかと理解した。痛いほどの視線は俺の体に残る傷の一つ一つまで見ている。
昔相手してもらったDomにつけられた傷やスタントマンの仕事をしている間についた傷、俺の身体には無数の傷がある。もっとも、仕事でついた傷はほとんどが浅く、痕も目立たないものばかりで、一目見てそれとわかるのはPlayでついた傷ばかりだ。
冬真にこんな風に時間をかけて見られたのは初めてで、それだけで熱を帯びてくる。
「たってる」
言われて、下に視線を移すと確かに布越しからでもしっかりと立ち上がっているのがわかる。
「さっき準備したんだから当たり前だろ」
「そっちじゃなくて」
そう言い立ちあがった冬真は手を伸ばし、俺の乳首を強く摘まんだ。
「イッ…!」
「こっち」
指先で摘まんだかと思えば、まるで押しつぶすよう力をくわえ、引っ張る。
「どんどん固くなってんだけど、こっちも開発されてんのか?」
「されてる」
「お前、その見た目でどこもかしこも開発済みとか詐欺だろ」
「がっかりした?」
「予想外だって言ってんだよ」
「アア゛ッ!」
ギリッと音が鳴るぐらい力を強め、爪を立てられ、喉に詰まるような声が出た
「気持ちいい?」
「…イイッ…」
痛いほどの力を加えられても、それさえも快感に変わる。Stayを命じられているから、動くこともできずゾクゾクとした快感に身を委ねていく。
「で、お前さっきお仕置きとか言ってたよな。なんかお仕置きされるようなネタあんの?」
指を離すことなく立ち上がり、顔を近づけてきた冬真がそう聞いた。
Domのなかにはお仕置きのネタなんかなくても、適当にでっち上げたり、言いがかりをつけてお仕置きする人もいるけど冬真は聞いてきた。
冬真の他にもわざわざ聞いて俺に言わせようとしたDomもいたけど、その時は理由が思いつかなくてそう答えたら怒られた。
今回は怒られるだろうネタがあるから、変に考える必要もない。
「まさか、これ他の奴にも見られてるとか?」
名刺のことを聞こうと思ったら、他のことを聞かれて同時にさっきの着替え室でのことを思い出してしまう。
「柔道だっけ?他の生徒か?」
「うん…よく着てるから着替えの時とか見られてる」
スポーツ用だし、何かをされたことないから見られるぐらい気にしてなかったけど、視線には気づいていた。
「今日もか?」
「……き、今日はあの写真撮ったあと…入ってきた人に見られた」
あの時のことを詳細に思い出してしまい、嫌な気持ちになったのを冬真は見逃さなかった。
「何があった」
「なにって…」
聞かれて、仕方なく先ほど着替え室であったことを説明した。始めは落ち着いていたグレアが話を聞いていくうちにどんどん強みを増していく。
「なんでそんなことになってんだよ」
「成り行きで…」
「成り行きでって…めんどくさそうな奴等じゃねぇか」
怒鳴るのとはちょっと違って、詰問するように聞かれる。
「めんどくさいけど、相手三人ともDomだし…」
Dom三人のプライド刺激するほうが厄介だ。本気で戦えば勝てるし、グレアも跳ね返せるけど、Subの本能的にDom相手にそこまで抵抗したくない。
ちょっと気が進まないぐらいなら抵抗なんかせずに聞いた方が、精神的に楽だ。
「そういうとこSubなのかよ」
「ごめん?」
「耐久力あてにしないで気をつけろよ。欲求不満のDomなんかただの犯罪者予備軍なんだから」
呆れたようにそんなこというDom初めてだった。Domってのは上に立ちたがるものだから、自分を貶めるような発言はしないのに。
「ズバッというね」
「真実だろ。お前のだって弱いSubだったらそのまま強姦も考えられるんだから」
「そこまではしないんじゃないかな?」
「わかんねぇって言ってんだよ。ともかくそいつらにはそれ以上許すな、わかったか?」
「はーい」
なんか予想と違う方向に怒らせちゃった気がするけど、俺だってあれ以上は嫌だから命令してくれて助かった。これで断るにも大義名分ができた。
「じゃあ、お仕置きだな」
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