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4話 目標を決める
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「ようは先にくっつけちゃえばいいか」
後は大規模な戦争を起こさなければいい。そうすれば戦死は免れる。デッドエンドとか場合によるけど戦争では死にたくない。
「こうなってくると、年表書きたいな」
「……これ」
「え?」
双子が紙とペンとインクを持ってきた。
「書きたいってずっと言ってるから」
「あ、ああ……」
独り言がすぎた。声に出てるとは恥ずかしい。
「前の主人のやつ」
「ありがと」
仮にあの商人が戻ってきたとしても、紙が一枚使われてようが些末な問題だろう。そもそも家が半壊状態で高価なものは奪われているわけだし。
「さて、と」
年表は是非別頁を参照して欲しい。
「外伝は主人公が十五、六でかなり色んなことが起きてるからな……このへん細かいな……どうだったか……」
思い出すのって結構大変だよね。
何ページに某が起きてたとか台詞がどうとか覚えてる系オタクだったら完璧な年表書けてよかったのに。
「やっぱり要は国家連合かな」
おじいちゃん皇帝の武力主義に対抗するには国際法が有効だろう。国家連合と国際裁判所を設立させ、最初の裁判をおじいちゃん皇帝にする。そして穏健派のパパ皇帝に継がせれば、戦争は止められるだろう。
目標は外伝ヒロイン・ユースティーツィアことユツィのレースノワレ王国が滅びる前だ。
今から十年後で一見余裕がありそうだけど、現皇帝ことおじいちゃん皇帝がフィクタに毒を盛られていたが故の結果。元気な内は早まる可能性が高い。
目標は五年以内に連合設立かな。
「でもこれだけじゃな……保険もかけておきたい」
より宥和よりの国際色を強めたいかな。西側での拠点もほしい。あと現状把握、情報収集、ついでに勉強できるとなおよしなんだけど。
「アプローチするなら、皇弟とサクパパ……マーロン侯爵あたりもありかな」
穏健派を集めて力をつけてもらう。サクが主人公の本編では国家連合設立と国際裁判のネタが出る時に出番が多かったのが海を渡った南の国の代表的存在、マーロン侯爵だ。
ひとまずこの三人に一致団結してもらおう。
「けど急に突撃して会えるわけでもないし、いきなり国家連合つくってって言っても無視されるだろうな」
手紙を出す?
けど伝がない。特に帝国はおじいちゃん皇帝に先に渡る可能性すらある。
「いやまて」
もう少し軽めの、けどそこそこ権威のある人間がいないとできなさそうな嘆願から始めればいいんじゃない?
グレース騎士学院と貴族院テンプスモーベリを使おう。基本貴族しか通うことが許されない学舎。
ここを誰でも通える教育機関にしてもらうことと管轄を連合にしてもらえばいい。その時国家連合という言葉はあえてださずヒント程度にしておけば、頭のいいイグニスあたりが察するはずだ。
しかも私の拠点を貴族院にすれば衣食住の住は確保できる。情報も手に入りやすくなるのでは?
「よし、手紙の内容は決まったわね」
後は嘆願書を渡すにはどうするか、だ。
我が国ではどうにもならないから西に出るのは決定事項。どこからなら手紙が届きそうか考えないと。
イグニス相手ならイルミナルクスを経由した方がいいかもしれない。マーロン侯爵はひとまず帝国最南端の港町に行けば南の国直通便がありそうな気もする。シレ主人公の外伝でそんなこと書いてあった気がする。パパ皇帝が問題か……マジア侯爵家の侍女をすればマジア侯爵家の名を使って送ることはできそう。でもフィクタが絡んだことでマジア侯爵夫妻の死亡率が上がっても怖い。フィクタが手にかけて亡くなる本ルートとはいえ、フィクタと関わることで別の死に方で亡くなる確率があがるのは嫌だ。よくある修正力を侮るな。なにか起きてからでは遅い。念には念を。最小限の関わりで行くか。
「ちょっと呪い師のとこへいってきます」
* * *
「成程。ならこれは私からの餞別だよ」
「え?」
袋に入ったお金を頂いた。なんで? 知り合ったばかりなのに?
「お前はここに残る子供たちに生活できる金を送る気だろう」
「え、ばれてるんですか」
これは小説のフィクタがやっていたことだ。生き残りの子供にお金を仕送りし、後半は自分の直属の護衛や下働きにしていた。総入れ替えしていた描写は本ルートでも一行程の軽い形で書かれてたはず。
「最低限の教養と言語は私が面倒みとくよ」
「いいんですか?」
そこまでしてもらう理由がないのに。
「お前には伝えていなかったね。私は監視者だ。今回はお前の最後をみる必要がある。その為に少しばかり助けるだけさ」
「監視者?」
どこかで聞いた気がする。思い出せないなあ。本編だったか外伝だったか……。
そこはおいとこ。今はすぐにでも西に出る。ここを最優先だ。
後は大規模な戦争を起こさなければいい。そうすれば戦死は免れる。デッドエンドとか場合によるけど戦争では死にたくない。
「こうなってくると、年表書きたいな」
「……これ」
「え?」
双子が紙とペンとインクを持ってきた。
「書きたいってずっと言ってるから」
「あ、ああ……」
独り言がすぎた。声に出てるとは恥ずかしい。
「前の主人のやつ」
「ありがと」
仮にあの商人が戻ってきたとしても、紙が一枚使われてようが些末な問題だろう。そもそも家が半壊状態で高価なものは奪われているわけだし。
「さて、と」
年表は是非別頁を参照して欲しい。
「外伝は主人公が十五、六でかなり色んなことが起きてるからな……このへん細かいな……どうだったか……」
思い出すのって結構大変だよね。
何ページに某が起きてたとか台詞がどうとか覚えてる系オタクだったら完璧な年表書けてよかったのに。
「やっぱり要は国家連合かな」
おじいちゃん皇帝の武力主義に対抗するには国際法が有効だろう。国家連合と国際裁判所を設立させ、最初の裁判をおじいちゃん皇帝にする。そして穏健派のパパ皇帝に継がせれば、戦争は止められるだろう。
目標は外伝ヒロイン・ユースティーツィアことユツィのレースノワレ王国が滅びる前だ。
今から十年後で一見余裕がありそうだけど、現皇帝ことおじいちゃん皇帝がフィクタに毒を盛られていたが故の結果。元気な内は早まる可能性が高い。
目標は五年以内に連合設立かな。
「でもこれだけじゃな……保険もかけておきたい」
より宥和よりの国際色を強めたいかな。西側での拠点もほしい。あと現状把握、情報収集、ついでに勉強できるとなおよしなんだけど。
「アプローチするなら、皇弟とサクパパ……マーロン侯爵あたりもありかな」
穏健派を集めて力をつけてもらう。サクが主人公の本編では国家連合設立と国際裁判のネタが出る時に出番が多かったのが海を渡った南の国の代表的存在、マーロン侯爵だ。
ひとまずこの三人に一致団結してもらおう。
「けど急に突撃して会えるわけでもないし、いきなり国家連合つくってって言っても無視されるだろうな」
手紙を出す?
けど伝がない。特に帝国はおじいちゃん皇帝に先に渡る可能性すらある。
「いやまて」
もう少し軽めの、けどそこそこ権威のある人間がいないとできなさそうな嘆願から始めればいいんじゃない?
グレース騎士学院と貴族院テンプスモーベリを使おう。基本貴族しか通うことが許されない学舎。
ここを誰でも通える教育機関にしてもらうことと管轄を連合にしてもらえばいい。その時国家連合という言葉はあえてださずヒント程度にしておけば、頭のいいイグニスあたりが察するはずだ。
しかも私の拠点を貴族院にすれば衣食住の住は確保できる。情報も手に入りやすくなるのでは?
「よし、手紙の内容は決まったわね」
後は嘆願書を渡すにはどうするか、だ。
我が国ではどうにもならないから西に出るのは決定事項。どこからなら手紙が届きそうか考えないと。
イグニス相手ならイルミナルクスを経由した方がいいかもしれない。マーロン侯爵はひとまず帝国最南端の港町に行けば南の国直通便がありそうな気もする。シレ主人公の外伝でそんなこと書いてあった気がする。パパ皇帝が問題か……マジア侯爵家の侍女をすればマジア侯爵家の名を使って送ることはできそう。でもフィクタが絡んだことでマジア侯爵夫妻の死亡率が上がっても怖い。フィクタが手にかけて亡くなる本ルートとはいえ、フィクタと関わることで別の死に方で亡くなる確率があがるのは嫌だ。よくある修正力を侮るな。なにか起きてからでは遅い。念には念を。最小限の関わりで行くか。
「ちょっと呪い師のとこへいってきます」
* * *
「成程。ならこれは私からの餞別だよ」
「え?」
袋に入ったお金を頂いた。なんで? 知り合ったばかりなのに?
「お前はここに残る子供たちに生活できる金を送る気だろう」
「え、ばれてるんですか」
これは小説のフィクタがやっていたことだ。生き残りの子供にお金を仕送りし、後半は自分の直属の護衛や下働きにしていた。総入れ替えしていた描写は本ルートでも一行程の軽い形で書かれてたはず。
「最低限の教養と言語は私が面倒みとくよ」
「いいんですか?」
そこまでしてもらう理由がないのに。
「お前には伝えていなかったね。私は監視者だ。今回はお前の最後をみる必要がある。その為に少しばかり助けるだけさ」
「監視者?」
どこかで聞いた気がする。思い出せないなあ。本編だったか外伝だったか……。
そこはおいとこ。今はすぐにでも西に出る。ここを最優先だ。
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