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ファイル.09 陰陽師が探す秘宝と幻の迷宮
ファイル.09 陰陽師が探す秘宝と幻の迷宮(3)
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朝日山の山頂には、観音堂があった。
その裏手に、明らかに人為的に作られたと思われる洞窟があった。
しかし、陰陽師である涼子以外には、そこを感知することが出来なかった。
「九十九さん。観音堂の裏に洞窟の入口がありました」
「私たちには何も見えませんが……」
「なるほど。入口に特殊な結界が張られているようですね。それで、私のように陰陽道に関係のある人間にしかわからないようになっている。では、私が結界を解きましょう」
涼子が結界を解除すると、大きな洞窟が姿を現した。
「驚きました。こんなに立派な入口が隠されていたとは……」
洞窟の入口には石で作られた門があり、洞窟の内部も切り出した石で補強されていた。
「ここは人為的に手が加えられています。遺跡とみて間違いないでしょう」
「確かに、ダンジョンの入口みたいですー」
「内部がどうなっているのかわからないまま進むのは危険ですので、念のため、私がここで付喪神を飛ばします。ヒトガタという、紙で出来た依代に神を憑依させて、洞窟内部を確認してもらいます」
『この国におわします八百万の神々よ、我が依代に宿り、我に力を貸したまえ』
九十九はたくさんの紙のヒトガタを付喪神にして、洞窟の中へと飛ばした。
しばらくしてから、九十九は険しい顔をして涼子に報告した。
「この洞窟の内部は迷路のように入り組んでいます。迷宮といってもいい。このまま進んでいくのはあまりにも危険です」
九十九の言うとおり、この洞窟の内部は複雑に入り組んだ地下迷宮になっていた。
「これから洞窟の中に入るけど、サキ君とナージャ君はどうする?」
九十九は、二人が異世界で洞窟に閉じ込められていたことが、二人のトラウマになっていないか心配していた。
「先生と一緒なら、大丈夫です。なーちゃんはどう?」
「私も、サキちゃんと同じです」
「わかった。でも、無理だと感じたら、遠慮しないで言ってね」
「はーい、わかりました」
「サキ君。君のダウジング能力で正しい道順を確かめながら進もう。そうしないと、とても目的の宇治の宝蔵までは辿り着けなそうだ」
「はいはーい。今回はこれを使いますねー」
サキはダウジングロッドとよばれるL字の金属棒を取り出した。
「あ、私、この道具始めてみた。なんで名前なの、サキちゃん」
「これはダウジングロッドだよー。私は占いの用途によって、アイテムを使い分けてるんだー」
「へー、ダウジングにもいろんなアイテムがあるのね。私、振り子しか知らなかったわ」
サキがダウジングロッドに集中すると、正しい道順の方向へと金属が動いて道を指し示した。
「すごいですね。確かにこれなら迷わずに進むことが出来る」
「えへへ、私、占いだけは自信があるんです。外しませんよー」
その裏手に、明らかに人為的に作られたと思われる洞窟があった。
しかし、陰陽師である涼子以外には、そこを感知することが出来なかった。
「九十九さん。観音堂の裏に洞窟の入口がありました」
「私たちには何も見えませんが……」
「なるほど。入口に特殊な結界が張られているようですね。それで、私のように陰陽道に関係のある人間にしかわからないようになっている。では、私が結界を解きましょう」
涼子が結界を解除すると、大きな洞窟が姿を現した。
「驚きました。こんなに立派な入口が隠されていたとは……」
洞窟の入口には石で作られた門があり、洞窟の内部も切り出した石で補強されていた。
「ここは人為的に手が加えられています。遺跡とみて間違いないでしょう」
「確かに、ダンジョンの入口みたいですー」
「内部がどうなっているのかわからないまま進むのは危険ですので、念のため、私がここで付喪神を飛ばします。ヒトガタという、紙で出来た依代に神を憑依させて、洞窟内部を確認してもらいます」
『この国におわします八百万の神々よ、我が依代に宿り、我に力を貸したまえ』
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しばらくしてから、九十九は険しい顔をして涼子に報告した。
「この洞窟の内部は迷路のように入り組んでいます。迷宮といってもいい。このまま進んでいくのはあまりにも危険です」
九十九の言うとおり、この洞窟の内部は複雑に入り組んだ地下迷宮になっていた。
「これから洞窟の中に入るけど、サキ君とナージャ君はどうする?」
九十九は、二人が異世界で洞窟に閉じ込められていたことが、二人のトラウマになっていないか心配していた。
「先生と一緒なら、大丈夫です。なーちゃんはどう?」
「私も、サキちゃんと同じです」
「わかった。でも、無理だと感じたら、遠慮しないで言ってね」
「はーい、わかりました」
「サキ君。君のダウジング能力で正しい道順を確かめながら進もう。そうしないと、とても目的の宇治の宝蔵までは辿り着けなそうだ」
「はいはーい。今回はこれを使いますねー」
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「へー、ダウジングにもいろんなアイテムがあるのね。私、振り子しか知らなかったわ」
サキがダウジングロッドに集中すると、正しい道順の方向へと金属が動いて道を指し示した。
「すごいですね。確かにこれなら迷わずに進むことが出来る」
「えへへ、私、占いだけは自信があるんです。外しませんよー」
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