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ファイル.09 陰陽師が探す秘宝と幻の迷宮

ファイル.09 陰陽師が探す秘宝と幻の迷宮(4)

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 四人は、サキのダウジング能力を使って正しいルートを確認しながら、洞窟の奥へと進んでいった。

 実はこの時、九十九の動向を探っていた組織の人間たちも地下迷宮への入口にいた。

「九十九さんの動向を監視しておいて正解でした。まさか我々が長年探し求めていた宇治の宝蔵の入口をこうも簡単に探り当てるとは……」

「でも、ボスが、宇治の宝蔵に行くには複雑な迷路を抜けていかないといけないって言ってたよ。この先、迷路になってる通路を進んでいくのは大変だよねー。どうする、ダンタリオン?」

 ウェパルがダンタリオンに尋ねた。

「この先に進んでいって、どうしようもなくなった時は、奥の手を使います。そのためにストラスを連れてきたんですから」

「なるほどね」

「ウェパル、君は迷路の必勝法を知ってますか?」

「え、わからないけど、そんなのがあるの?」

「右手法というのがあるんです。壁に右手をつけて進んでいくと、必ずゴールまで辿り着けるんですよ。時間はかかりますけどね」

「へー、迷路にそんな攻略法があったんだ」

「ふふ、時間がかかりますが、確実に進んだ方がいいでしょう?」

「そーだねー。僕たちは確実に宇治の宝蔵にいかないといけないからね」

 九十九たちに遅れて、組織の人間たちも洞窟の内部へと進んでいった。

◇◇◇

 洞窟の中は驚くほど綺麗に整備されていた。
 そして、進入者の行く手を阻む意図で作られた迷路が、九十九たちの前に立ち塞がっていた。

「それにしても、これほどの遺跡が古代の日本で作られたとは、とても信じられません」

「本当に、驚くべき技術で作られています。平安時代の建築水準をはるかに超えていますからね。おそらく、この通路は平等院の地下付近まで続いているはずです。宇治の宝蔵は平等院にあると言われていますから」

 九十九は念のため、カバンからコンパスを取り出した。
 コンパスで平等院があると思われる方角を確認するためだ。

「平等院は朝日山から西側にあります。コンパスで私たちが西に向かっているかも確認しておきますね」

 サキのダウジングロッドが正解のルートを導き出していったおかげで、九十九たちは迷うことなくダンジョンの最奥にある宝蔵へと到達することができた。
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