84 / 90
ファイル.09 陰陽師が探す秘宝と幻の迷宮
ファイル.09 陰陽師が探す秘宝と幻の迷宮(4)
しおりを挟む
四人は、サキのダウジング能力を使って正しいルートを確認しながら、洞窟の奥へと進んでいった。
実はこの時、九十九の動向を探っていた組織の人間たちも地下迷宮への入口にいた。
「九十九さんの動向を監視しておいて正解でした。まさか我々が長年探し求めていた宇治の宝蔵の入口をこうも簡単に探り当てるとは……」
「でも、ボスが、宇治の宝蔵に行くには複雑な迷路を抜けていかないといけないって言ってたよ。この先、迷路になってる通路を進んでいくのは大変だよねー。どうする、ダンタリオン?」
ウェパルがダンタリオンに尋ねた。
「この先に進んでいって、どうしようもなくなった時は、奥の手を使います。そのためにストラスを連れてきたんですから」
「なるほどね」
「ウェパル、君は迷路の必勝法を知ってますか?」
「え、わからないけど、そんなのがあるの?」
「右手法というのがあるんです。壁に右手をつけて進んでいくと、必ずゴールまで辿り着けるんですよ。時間はかかりますけどね」
「へー、迷路にそんな攻略法があったんだ」
「ふふ、時間がかかりますが、確実に進んだ方がいいでしょう?」
「そーだねー。僕たちは確実に宇治の宝蔵にいかないといけないからね」
九十九たちに遅れて、組織の人間たちも洞窟の内部へと進んでいった。
◇◇◇
洞窟の中は驚くほど綺麗に整備されていた。
そして、進入者の行く手を阻む意図で作られた迷路が、九十九たちの前に立ち塞がっていた。
「それにしても、これほどの遺跡が古代の日本で作られたとは、とても信じられません」
「本当に、驚くべき技術で作られています。平安時代の建築水準をはるかに超えていますからね。おそらく、この通路は平等院の地下付近まで続いているはずです。宇治の宝蔵は平等院にあると言われていますから」
九十九は念のため、カバンからコンパスを取り出した。
コンパスで平等院があると思われる方角を確認するためだ。
「平等院は朝日山から西側にあります。コンパスで私たちが西に向かっているかも確認しておきますね」
サキのダウジングロッドが正解のルートを導き出していったおかげで、九十九たちは迷うことなくダンジョンの最奥にある宝蔵へと到達することができた。
実はこの時、九十九の動向を探っていた組織の人間たちも地下迷宮への入口にいた。
「九十九さんの動向を監視しておいて正解でした。まさか我々が長年探し求めていた宇治の宝蔵の入口をこうも簡単に探り当てるとは……」
「でも、ボスが、宇治の宝蔵に行くには複雑な迷路を抜けていかないといけないって言ってたよ。この先、迷路になってる通路を進んでいくのは大変だよねー。どうする、ダンタリオン?」
ウェパルがダンタリオンに尋ねた。
「この先に進んでいって、どうしようもなくなった時は、奥の手を使います。そのためにストラスを連れてきたんですから」
「なるほどね」
「ウェパル、君は迷路の必勝法を知ってますか?」
「え、わからないけど、そんなのがあるの?」
「右手法というのがあるんです。壁に右手をつけて進んでいくと、必ずゴールまで辿り着けるんですよ。時間はかかりますけどね」
「へー、迷路にそんな攻略法があったんだ」
「ふふ、時間がかかりますが、確実に進んだ方がいいでしょう?」
「そーだねー。僕たちは確実に宇治の宝蔵にいかないといけないからね」
九十九たちに遅れて、組織の人間たちも洞窟の内部へと進んでいった。
◇◇◇
洞窟の中は驚くほど綺麗に整備されていた。
そして、進入者の行く手を阻む意図で作られた迷路が、九十九たちの前に立ち塞がっていた。
「それにしても、これほどの遺跡が古代の日本で作られたとは、とても信じられません」
「本当に、驚くべき技術で作られています。平安時代の建築水準をはるかに超えていますからね。おそらく、この通路は平等院の地下付近まで続いているはずです。宇治の宝蔵は平等院にあると言われていますから」
九十九は念のため、カバンからコンパスを取り出した。
コンパスで平等院があると思われる方角を確認するためだ。
「平等院は朝日山から西側にあります。コンパスで私たちが西に向かっているかも確認しておきますね」
サキのダウジングロッドが正解のルートを導き出していったおかげで、九十九たちは迷うことなくダンジョンの最奥にある宝蔵へと到達することができた。
10
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
【完結】知られてはいけない
ひなこ
児童書・童話
中学一年の女子・遠野莉々亜(とおの・りりあ)は、黒い封筒を開けたせいで仮想空間の学校へ閉じ込められる。
他にも中一から中三の男女十五人が同じように誘拐されて、現実世界に帰る一人になるために戦わなければならない。
登録させられた「あなたの大切なものは?」を、互いにバトルで当てあって相手の票を集めるデスゲーム。
勝ち残りと友情を天秤にかけて、ゲームは進んでいく。
一つ年上の男子・加川準(かがわ・じゅん)は敵か味方か?莉々亜は果たして、元の世界へ帰ることができるのか?
心理戦が飛び交う、四日間の戦いの物語。
<第2回きずな児童書大賞にて奨励賞を受賞しました>
イケメン男子とドキドキ同居!? ~ぽっちゃりさんの学園リデビュー計画~
友野紅子
児童書・童話
ぽっちゃりヒロインがイケメン男子と同居しながらダイエットして綺麗になって、学園リデビューと恋、さらには将来の夢までゲットする成長の物語。
全編通し、基本的にドタバタのラブコメディ。時々、シリアス。
【総集編】日本昔話 パロディ短編集
Grisly
児童書・童話
❤️⭐️お願いします。
今まで発表した
日本昔ばなしの短編集を、再放送致します。
朝ドラの総集編のような物です笑
読みやすくなっているので、
⭐️して、何度もお読み下さい。
読んだ方も、読んでない方も、
新しい発見があるはず!
是非お楽しみ下さい😄
⭐︎登録、コメント待ってます。
MINKU 時空を超えた物語
榊 直 (さかき ただし)
児童書・童話
小さな女の子がある日、剣と魔法の世界へ迷い込んだ。 時々、元の世界に戻れるが、行ったり来たり交互に場面が変わる。 黒の国と対立する仲間との時空を超えた物語。 大人も子供も楽しめる冒険ファンタジー小説
今日の夜。学校で
倉木元貴
児童書・童話
主人公・如月大輔は、隣の席になった羽山愛のことが気になっていた。ある日、いつも1人で本を読んでいる彼女に、何の本を読んでいるのか尋ねると「人体の本」と言われる。そんな彼女に夏休みが始まる前日の学校で「体育館裏に来て」と言われ、向かうと、今度は「倉庫横に」と言われる。倉庫横に向かうと「今日の夜。学校で」と誘われ、大輔は親に嘘をついて約束通り夜に学校に向かう。
如月大輔と羽山愛の学校探検が今始まる
かえんの子
その子四十路
絵本
「こやつは災いを招く、呪いの子。世のなかの業を背負って生まれたのだ」
炎とともに生まれた、災いの子、えん。顔には大繩でぶたれたような黒いあざがある。
村人たちに疎外されたえんは、村のはずれのあばら家にひとりで暮らしていた。
孤独なえんを慕うのは、幼い次郎だけだった。
えんは次郎をかわいがるが、雨ごいの生贄に次郎が選ばれて……
宿命を背負ったえんは、道を切り開けるのか?
しずかのうみで
村井なお
児童書・童話
小学五年生の双子姉弟がつむぐ神道系ファンタジー。
春休みの始まる前の日、息長しずかは神気を見る力に目覚めた。 しずかは双子の弟・のどかと二人、琵琶湖のほとりに立つ姫神神社へと連れて行かれる。 そして叔母・息長みちるのもと、二人は神仕えとしての修行を始めることになるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる