82 / 90
ファイル.09 陰陽師が探す秘宝と幻の迷宮
ファイル.09 陰陽師が探す秘宝と幻の迷宮(2)
しおりを挟む
陰陽師の名家である今村家では先祖代々、宇治の宝蔵の場所を探しているという。
そして、暗躍してきたあの組織もまた、三大怪異の遺骸を手に入れるために、その場所をずっと探していた。
「サキ君、宇治市の地図をネットからダウンロードして印刷してくれ。とりあえず君のダウジングで宇治の宝蔵の入口を見つけてみよう」
「はいはーい。今準備しますねー」
サキは宇治市の市街地の地図をダウンロードすると、プリンターでA3サイズの用紙に印刷して、応接室のテーブルの上に広げた。
そして、地図の上にダウジングペンデュラムを掲げて、意識を集中させた。
涼子は、何故かサキがダウジングを行う様子を一挙動も逃さないように注視していた。
サキのダウジングペンデュラムは、朝日山の上でくるくると回転した。
「なるほど、朝日山に入口があるのですか。これは盲点でした。確かにここなら平等院からそれほど離れてはいないですからね」
涼子が驚いたような顔を見せる。
しかし、九十九は、ペンデュラムが反応した時に、彼女がわずかにほくそ笑んだのを見逃さなかった。
「宇治の宝蔵の入口の場所はわかりました。どうしましょう、早速現地に向かいますか?」
「いえ、お互いに準備がありますから、日を改めましょう。私は九十九先生の都合の良い日で構いませんので、準備が出来たら連絡をください」
「わかりました。こちらの準備が出来たら連絡しますね」
三日後、九十九たちは宇治市の京阪宇治駅で涼子と合流した。
今回、九十九の他にサキとナージャも同行していた。
季節は秋に差し掛かっていたが、まだまだ気温は高く、九十九たちは蒸し暑さを感じていた。
「九十九さん、朝日山の入口にある興聖寺へは、ここから歩いて二十分ほどです。そこから十分ほど山道を登ると山頂に到着します。九十九さんたちが大丈夫なら、ここから歩いていこうと思うのですが?」
「私たちは大丈夫です。健康のためにも、ここは歩いていきましょう」
「わかりました。途中、山道が険しいところもあるようなので、気をつけていきましょう」
四人は、興聖寺というお寺の駐車場までやってきた。
「ここから朝日山へと登ることが出来ます。その前に、サキさんのダウジング能力で、この山のどの辺に入口があるのか、見当をつけませんか?」
「わかりました。私がこの山の地形図をスマホに表示させます。それをサキ君にダウジングしてもらいましょう」
九十九は、朝日山の地形図をスマホに表示した。
サキのダウジングペンデュラムは、朝日山の頂上付近で反応を示した。
「朝日山の山頂には、観音堂があって、中に観音像が安置されているそうです。行ってみましょう」
朝日山は標高が低い山だが、それでも山道は険しく、それなりに登るのが大変であった。
「トレッキングシューズを履いてきて正解でしたね」
「山道を通る時は普通の靴では足元が滑るからね。山を登る時は必須だよ」
そして、暗躍してきたあの組織もまた、三大怪異の遺骸を手に入れるために、その場所をずっと探していた。
「サキ君、宇治市の地図をネットからダウンロードして印刷してくれ。とりあえず君のダウジングで宇治の宝蔵の入口を見つけてみよう」
「はいはーい。今準備しますねー」
サキは宇治市の市街地の地図をダウンロードすると、プリンターでA3サイズの用紙に印刷して、応接室のテーブルの上に広げた。
そして、地図の上にダウジングペンデュラムを掲げて、意識を集中させた。
涼子は、何故かサキがダウジングを行う様子を一挙動も逃さないように注視していた。
サキのダウジングペンデュラムは、朝日山の上でくるくると回転した。
「なるほど、朝日山に入口があるのですか。これは盲点でした。確かにここなら平等院からそれほど離れてはいないですからね」
涼子が驚いたような顔を見せる。
しかし、九十九は、ペンデュラムが反応した時に、彼女がわずかにほくそ笑んだのを見逃さなかった。
「宇治の宝蔵の入口の場所はわかりました。どうしましょう、早速現地に向かいますか?」
「いえ、お互いに準備がありますから、日を改めましょう。私は九十九先生の都合の良い日で構いませんので、準備が出来たら連絡をください」
「わかりました。こちらの準備が出来たら連絡しますね」
三日後、九十九たちは宇治市の京阪宇治駅で涼子と合流した。
今回、九十九の他にサキとナージャも同行していた。
季節は秋に差し掛かっていたが、まだまだ気温は高く、九十九たちは蒸し暑さを感じていた。
「九十九さん、朝日山の入口にある興聖寺へは、ここから歩いて二十分ほどです。そこから十分ほど山道を登ると山頂に到着します。九十九さんたちが大丈夫なら、ここから歩いていこうと思うのですが?」
「私たちは大丈夫です。健康のためにも、ここは歩いていきましょう」
「わかりました。途中、山道が険しいところもあるようなので、気をつけていきましょう」
四人は、興聖寺というお寺の駐車場までやってきた。
「ここから朝日山へと登ることが出来ます。その前に、サキさんのダウジング能力で、この山のどの辺に入口があるのか、見当をつけませんか?」
「わかりました。私がこの山の地形図をスマホに表示させます。それをサキ君にダウジングしてもらいましょう」
九十九は、朝日山の地形図をスマホに表示した。
サキのダウジングペンデュラムは、朝日山の頂上付近で反応を示した。
「朝日山の山頂には、観音堂があって、中に観音像が安置されているそうです。行ってみましょう」
朝日山は標高が低い山だが、それでも山道は険しく、それなりに登るのが大変であった。
「トレッキングシューズを履いてきて正解でしたね」
「山道を通る時は普通の靴では足元が滑るからね。山を登る時は必須だよ」
10
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
【R18】もう一度セックスに溺れて
ちゅー
恋愛
--------------------------------------
「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」
過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。
--------------------------------------
結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
知ったかぶりのヤマネコと森の落としもの
あしたてレナ
児童書・童話
ある日、森で見つけた落としもの。
動物たちはそれがだれの落としものなのか話し合います。
さまざまな意見が出ましたが、きっとそれはお星さまの落としもの。
知ったかぶりのヤマネコとこわがりのネズミ、食いしんぼうのイノシシが、困難に立ち向かいながら星の元へと落としものをとどける旅に出ます。
全9話。
※初めての児童文学となりますゆえ、温かく見守っていただけましたら幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる