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「え、これ……」

優真の、だったんだ。

本能的に好きな相手の服を選んでしまったようで、顔が熱くなる。

無意識にパーカーを握り締めて俯いていると、ポンッと頭に手が乗せられた。

「仕方ないなぁ、陽斗は。こんなに可愛らしい服の山の中から、一番地味な僕の服を選ぶとはね」

「だ、だって……」

……一番、カッコよく見えたから。

どうやら俺は、優真の服にまで魅力を感じているようだ。

チラリと、改めてパーカーを見てみると、やはり魅力を感じる。

優真自身は勿論のこと、選ぶ服までこうもカッコイイとは。

それとも、優真が着ると思ったから余計カッコよく見えてるだけなのだろうか。

(うーん)

真剣に考えていると、優真がクスリと笑った。

「いいよ。じゃあ、陽斗がそれを着て、僕は他のを着るよ。けどそれ、サイズが少し大きいかもしれないね。……まぁ、それはそれでいいか……」

「え、なに?」

「いや、なんでもない。さ、着替えようか」

優真は誤魔化すように笑うと、自分の服を取りに行くと言い残し、部屋を出て行った。

そして自分の部屋着を片手に戻ってくると、おもむろに、服を脱ぎ始めた。

「……っ」

ああ、俺の感覚は、もはや女子になってしまったのだろうか。

バランスよく引き締まった身体、滑らかな肌、俺を魅了する魅惑のボディーラインが目に飛び込んできて、慌てて目を逸らす。

(くそ……っ目の前で着替えるなよな……!)

俺は手にした黒いパーカーを抱きしめ、ドキドキを抑えようと身を固くする。

時が過ぎるのを待っていると、優真の気配が近付いてきた。
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