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辺りを確認しながら、急いで自分の部屋に入ると、なんだか夢から覚めたような気持ちになる。
(はぁ……なんか、おかしな夢でも見た気分)
これからバイトだし、一旦しっかり現実に意識を戻すべく、ゆっくり深呼吸をする。
そして自分の服に着替え、東条に借りたトレーナーはクリーニングに出すことにした。
なんだかんだ世話になったし、せめて服はちゃんと綺麗にして返したい。
俺はトレーナーを紙袋に入れると、カバンと一緒に持ってバイトへ向かった。
と、そこまでは良かったのだが。
駅へ向かう途中、スーパーの近くに東条を発見した。
(うぅ、やっぱ通り道だし、遭遇するよな)
ちょうど駅の手前にスーパーがあるので、予想はしていた。
しかし、見つかってはいない。
自転車置き場を通り抜けていく東条を見送ってから、俺は再び駅に向かって歩みを進める。
するとその時、後ろから聞き覚えのある声が。
「東条くーん!こんなところで会うなんて。買い物?」
(あれは……)
確か、藤野先輩、だ。
気になって、俺はついつい建物の影から2人を観察する。
藤野先輩に気づいた東条は、嬉しそうに手を振って応えている。
(ふん……嬉しそうな顔してんじゃん)
楽しそうに話している2人。
おそらく、恋愛サークルの話で盛り上がっているのだろう。
(恋愛サークルなんて、絶対入んねーからなっ)
俺は心の中で吐き捨てると、クルリと背を向け、駅へと急いだ。
(はぁ……なんか、おかしな夢でも見た気分)
これからバイトだし、一旦しっかり現実に意識を戻すべく、ゆっくり深呼吸をする。
そして自分の服に着替え、東条に借りたトレーナーはクリーニングに出すことにした。
なんだかんだ世話になったし、せめて服はちゃんと綺麗にして返したい。
俺はトレーナーを紙袋に入れると、カバンと一緒に持ってバイトへ向かった。
と、そこまでは良かったのだが。
駅へ向かう途中、スーパーの近くに東条を発見した。
(うぅ、やっぱ通り道だし、遭遇するよな)
ちょうど駅の手前にスーパーがあるので、予想はしていた。
しかし、見つかってはいない。
自転車置き場を通り抜けていく東条を見送ってから、俺は再び駅に向かって歩みを進める。
するとその時、後ろから聞き覚えのある声が。
「東条くーん!こんなところで会うなんて。買い物?」
(あれは……)
確か、藤野先輩、だ。
気になって、俺はついつい建物の影から2人を観察する。
藤野先輩に気づいた東条は、嬉しそうに手を振って応えている。
(ふん……嬉しそうな顔してんじゃん)
楽しそうに話している2人。
おそらく、恋愛サークルの話で盛り上がっているのだろう。
(恋愛サークルなんて、絶対入んねーからなっ)
俺は心の中で吐き捨てると、クルリと背を向け、駅へと急いだ。
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