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後日談
恋 1
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ロレン様は春までの間、このアヴァロンで過ごすこととなりました。
「緊急の用事ってことで出て来たんだろう? じゃぁ別に、急いで戻ることもないだろうし」
故郷から逃げてきたというのに、レイシール様には危機感がありません。
そんな風に簡単に、彼女の滞在を受け入れてしまいました。
「理由なんてどうとだってできる。だってここは獣人を受け入れた街だ。
通常の領地では窺い知れない問題点が山積みだから、色々手続き等に時間を取られてしまうなんて当然だよ」
無駄に心が広いため、ロレン様を守ると決めれば即決ですね……。
けれど、一つ納得いかないこともございました。
彼女の身の回りの采配役が、何故か私に投げられたことです。
「手の空いている者が少ないから仕方がない。
それに、お前がここでは一番ロレンのことを知っているしね」
職を辞すことを怒りっぱなしだったレイシール様が、何故か機嫌良くしておられるのには少々どころではない違和感を感じておりましたが……。
実際おっしゃっている通りですし、私にできることなどたかが知れておりますからね。受け入れました。
とはいえ……。
日中は特にすることもございません。ロレン様は、ただ匿ってもらうだけでは居心地悪いとでも思われたのか、サヤ様の業務を手伝ったり、衛士や騎士らの訓練等に参加されたりしまして、女従者や衛士を目指している方々の羨望の眼差しを一身に集めております。私はウォルテールの特訓に付き合いながら、それを見守るばかり……。
夜も部屋まで送り届けるだけです。やることは特にございません。
ロレン様は極力私のことは無視しておくと決めているようで……ほぼ会話らしい会話もございませんし……。
この数日のうちで唯一、あの方が私に質問してこられたことは……。
「……家、帰らなくて良いのか?」
「買ったばかりでまだ家具も整えておりませんので」
そう答えると、ロレン様は「そっか」という返事だけ返し、ふいと視線を逸らされ、それっきり言葉は続きませんでした。
何日かそうやって過ごしていたのですが、ある日コレットが訪ねてまいりました。
「旦那様、家の方の掃除と、家具の搬入は完了致しました」
「そうですか、有難うございます。
任せきりとなり申し訳ありませんでしたね……」
「いえ。お忙しいと伺いましたから」
コレットが来たのは、どうやらちゃんと給金を受け取ったという報告のためであるよう。
ロレン様の件が入り忙しくなったため、三人の給金はギル経由でバート商会の使用人らに託していたのですが、どうやら無事受け取ったのですね。
バート商会からの二人は、この後も引き続き家の管理を暫くお願いし、注文する予定の家具類を搬入していただくつもりなのですが、コレットはここで雇用契約終了です。
姿の無い流民の二人は私を怖がったのでしょうね……。
それは本日までの日々でも感じておりましたから、さもありなん……としか思いませんでしたが、コレットは少々居心地悪そうです。
「大変助かりました。ありがとうございます」
「こちらこそ! でもお給金……こんなに貰って良いのかって思って。当初おっしゃってた額より多いの、間違いとかじゃないです?」
「間違いではありません。貴女はよく気が付いてくれましたし……衣服を濡らしてしまったお詫びと、貴女の仕事に対する正当な額ですよ」
そう伝えると、コレットは嬉しそうにはにかみました。
年老いた義祖母の世話にも手と金が掛かるのでしょうから、生活の助けになるならば良かったです。
けれど……これで縁を切るというのは、少々もったいない人材ですね。
「もしかしたら、また何かお願いすることがあるかもしれません……」
私を恐れない人は貴重です……。
やはりギルの言うように、色々難しいのだと思います。
これからも、私が獣人であるということが、まだ色々問題を引き起こすことでしょう。
ですから、こういった縁を、少しでも増やしていけたらと思いました。
「申し訳ないです。私……期間の短いものなら良いんですけど……」
本来は内職をされているのでしたね。そのうえで家の手伝いがあると聞いた覚えがあります。嫁ぎ先が小さいながらも商いをしているため、長く空けられないのだと。
今回は、実入りが良いことと、レイシール様のたっての願いで聞き入れてくださったという話でしたね。
「心得ております。それで構いませんので、良かったら……」
「それでしたら、是非またお声掛けくださいな!」
笑顔でそう言ってくれたことに、私もほっと胸を撫で下ろしました。
そうして立ち去るコレットを見送って、踵を返し、鍛錬場へ戻ろうと進み始めたのですが……。
「あっさりしてるんだな」
ロレン様が、通路の途中で待ち受けており、どこか不機嫌そうな表情でそんな風におっしゃいました。
あっさりとは……? と、少し考えて、使用人に対しての態度を言っているのだろうと解釈。
「普通だと思うのですが?」
えぇ、極めて普通だと思います……。
けれどロレン様は納得できかねる様子で、口元を不満そうに歪めて視線を逸らしました。
腹立たしげなその態度には少々苛立ちを覚えましたが、それでも久しぶりにまともなやり取りをしましたので、それに免じて怒りを収めることにいたします。
それにこの方がここにいるのは、多分私を気遣ってのこと……。
この方は案外世話焼きなので、雪でぬかるんだ道行で、私がまた難儀したらと考え、追ってきてくださったのでしょう。
そのままロレン様の前を通り過ぎますと、思った通り彼女は私についてきました。
ゆっくり足を進める私に付き合って、少し後ろを歩くロレン様。この方とこうして二人きりでいるのは、随分と久しぶりな気がしました。
そのまま鍛錬場に戻るつもりでいたのですが……なんとなく、それではつまらない……そんな気がして。
「……少し散歩をしたいのですが、付き合っていただけますか?」
「…………」
返事はありませんでしたが、立ち去る気もないようです。
なので都合良く解釈して、勝手にすることにいたしました。
鍛錬場に向かう途中で道を逸れて、かつてアルドナン様が療養されておりました離れのある方に足を進めます。
現在この離れは無人となっており、掃除等の管理だけが続けられておりましたが、折を見て、領主夫婦の屋敷として整え直そうという話が出ておりました。
ブンカケンはいわば職場ですからね……。なし崩しのまま、ここでの生活が当然となっておりましたが、本来このお二人は、あまり人の手を煩わす生活を好みません。
なので、仕事の時はともかく、休みの日くらいは二人きりで、のんびり過ごせる環境を整えるべきではとなったのです。
ついでに言うなら、領主の館こそを再建すべきなのですが、これはまだ土地の選定もできておりませんからね。
まぁそれらは全て……お二人がお子を授かってからとなるでしょう。
今は獣人絡みのことでお二人ともが多忙を極め、休暇どころではありませんから。
そんな風に想いを馳せておりましたら、声が掛かりました。
「……どこまで行くんだ?」
ノロノロと足を進める私に、痺れを切らしたのでしょう。
「別に目的地は無いので……。
強いて言うなら、貴女と二人になれる場所を探していただけです」
そう言うと、何故か傷付いたような、複雑なお顔をされました。この方の考えていることはよく分かりませんね……。
そんな顔をしておきながら、また皮肉げに、私に棘のある言葉を投げつけてきますし。
「まだそんな、おかしなこと言う気があったのか……」
「……そんなにおかしなことですか?」
貴女にとっては取るに足らないことなのだと思いますが、私にとっては生涯に一度の恋をしているつもりなのです。
我々獣人にとって、恋をするなどということがなかなかにあり得ないことでした。
「緊急の用事ってことで出て来たんだろう? じゃぁ別に、急いで戻ることもないだろうし」
故郷から逃げてきたというのに、レイシール様には危機感がありません。
そんな風に簡単に、彼女の滞在を受け入れてしまいました。
「理由なんてどうとだってできる。だってここは獣人を受け入れた街だ。
通常の領地では窺い知れない問題点が山積みだから、色々手続き等に時間を取られてしまうなんて当然だよ」
無駄に心が広いため、ロレン様を守ると決めれば即決ですね……。
けれど、一つ納得いかないこともございました。
彼女の身の回りの采配役が、何故か私に投げられたことです。
「手の空いている者が少ないから仕方がない。
それに、お前がここでは一番ロレンのことを知っているしね」
職を辞すことを怒りっぱなしだったレイシール様が、何故か機嫌良くしておられるのには少々どころではない違和感を感じておりましたが……。
実際おっしゃっている通りですし、私にできることなどたかが知れておりますからね。受け入れました。
とはいえ……。
日中は特にすることもございません。ロレン様は、ただ匿ってもらうだけでは居心地悪いとでも思われたのか、サヤ様の業務を手伝ったり、衛士や騎士らの訓練等に参加されたりしまして、女従者や衛士を目指している方々の羨望の眼差しを一身に集めております。私はウォルテールの特訓に付き合いながら、それを見守るばかり……。
夜も部屋まで送り届けるだけです。やることは特にございません。
ロレン様は極力私のことは無視しておくと決めているようで……ほぼ会話らしい会話もございませんし……。
この数日のうちで唯一、あの方が私に質問してこられたことは……。
「……家、帰らなくて良いのか?」
「買ったばかりでまだ家具も整えておりませんので」
そう答えると、ロレン様は「そっか」という返事だけ返し、ふいと視線を逸らされ、それっきり言葉は続きませんでした。
何日かそうやって過ごしていたのですが、ある日コレットが訪ねてまいりました。
「旦那様、家の方の掃除と、家具の搬入は完了致しました」
「そうですか、有難うございます。
任せきりとなり申し訳ありませんでしたね……」
「いえ。お忙しいと伺いましたから」
コレットが来たのは、どうやらちゃんと給金を受け取ったという報告のためであるよう。
ロレン様の件が入り忙しくなったため、三人の給金はギル経由でバート商会の使用人らに託していたのですが、どうやら無事受け取ったのですね。
バート商会からの二人は、この後も引き続き家の管理を暫くお願いし、注文する予定の家具類を搬入していただくつもりなのですが、コレットはここで雇用契約終了です。
姿の無い流民の二人は私を怖がったのでしょうね……。
それは本日までの日々でも感じておりましたから、さもありなん……としか思いませんでしたが、コレットは少々居心地悪そうです。
「大変助かりました。ありがとうございます」
「こちらこそ! でもお給金……こんなに貰って良いのかって思って。当初おっしゃってた額より多いの、間違いとかじゃないです?」
「間違いではありません。貴女はよく気が付いてくれましたし……衣服を濡らしてしまったお詫びと、貴女の仕事に対する正当な額ですよ」
そう伝えると、コレットは嬉しそうにはにかみました。
年老いた義祖母の世話にも手と金が掛かるのでしょうから、生活の助けになるならば良かったです。
けれど……これで縁を切るというのは、少々もったいない人材ですね。
「もしかしたら、また何かお願いすることがあるかもしれません……」
私を恐れない人は貴重です……。
やはりギルの言うように、色々難しいのだと思います。
これからも、私が獣人であるということが、まだ色々問題を引き起こすことでしょう。
ですから、こういった縁を、少しでも増やしていけたらと思いました。
「申し訳ないです。私……期間の短いものなら良いんですけど……」
本来は内職をされているのでしたね。そのうえで家の手伝いがあると聞いた覚えがあります。嫁ぎ先が小さいながらも商いをしているため、長く空けられないのだと。
今回は、実入りが良いことと、レイシール様のたっての願いで聞き入れてくださったという話でしたね。
「心得ております。それで構いませんので、良かったら……」
「それでしたら、是非またお声掛けくださいな!」
笑顔でそう言ってくれたことに、私もほっと胸を撫で下ろしました。
そうして立ち去るコレットを見送って、踵を返し、鍛錬場へ戻ろうと進み始めたのですが……。
「あっさりしてるんだな」
ロレン様が、通路の途中で待ち受けており、どこか不機嫌そうな表情でそんな風におっしゃいました。
あっさりとは……? と、少し考えて、使用人に対しての態度を言っているのだろうと解釈。
「普通だと思うのですが?」
えぇ、極めて普通だと思います……。
けれどロレン様は納得できかねる様子で、口元を不満そうに歪めて視線を逸らしました。
腹立たしげなその態度には少々苛立ちを覚えましたが、それでも久しぶりにまともなやり取りをしましたので、それに免じて怒りを収めることにいたします。
それにこの方がここにいるのは、多分私を気遣ってのこと……。
この方は案外世話焼きなので、雪でぬかるんだ道行で、私がまた難儀したらと考え、追ってきてくださったのでしょう。
そのままロレン様の前を通り過ぎますと、思った通り彼女は私についてきました。
ゆっくり足を進める私に付き合って、少し後ろを歩くロレン様。この方とこうして二人きりでいるのは、随分と久しぶりな気がしました。
そのまま鍛錬場に戻るつもりでいたのですが……なんとなく、それではつまらない……そんな気がして。
「……少し散歩をしたいのですが、付き合っていただけますか?」
「…………」
返事はありませんでしたが、立ち去る気もないようです。
なので都合良く解釈して、勝手にすることにいたしました。
鍛錬場に向かう途中で道を逸れて、かつてアルドナン様が療養されておりました離れのある方に足を進めます。
現在この離れは無人となっており、掃除等の管理だけが続けられておりましたが、折を見て、領主夫婦の屋敷として整え直そうという話が出ておりました。
ブンカケンはいわば職場ですからね……。なし崩しのまま、ここでの生活が当然となっておりましたが、本来このお二人は、あまり人の手を煩わす生活を好みません。
なので、仕事の時はともかく、休みの日くらいは二人きりで、のんびり過ごせる環境を整えるべきではとなったのです。
ついでに言うなら、領主の館こそを再建すべきなのですが、これはまだ土地の選定もできておりませんからね。
まぁそれらは全て……お二人がお子を授かってからとなるでしょう。
今は獣人絡みのことでお二人ともが多忙を極め、休暇どころではありませんから。
そんな風に想いを馳せておりましたら、声が掛かりました。
「……どこまで行くんだ?」
ノロノロと足を進める私に、痺れを切らしたのでしょう。
「別に目的地は無いので……。
強いて言うなら、貴女と二人になれる場所を探していただけです」
そう言うと、何故か傷付いたような、複雑なお顔をされました。この方の考えていることはよく分かりませんね……。
そんな顔をしておきながら、また皮肉げに、私に棘のある言葉を投げつけてきますし。
「まだそんな、おかしなこと言う気があったのか……」
「……そんなにおかしなことですか?」
貴女にとっては取るに足らないことなのだと思いますが、私にとっては生涯に一度の恋をしているつもりなのです。
我々獣人にとって、恋をするなどということがなかなかにあり得ないことでした。
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