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新たな挑戦 7
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「扇は畳めます!」
王宮を辞して、バート商会に戻ってきた矢先にサヤが口にした言葉だ。
先程、体調を崩したアレクセイ殿を中庭まで誘導した際、サヤが扇を持ち歩けば良いのではないかと提案した。
それに対し俺が、持ち歩くには邪魔になると返したところ、彼女は訝しげに首を傾げた。
あ、これ齟齬のあるやつだと思ったから、その場では誤魔化したのだけど……。
「待ってください、今描きます!」
手の怪我も忘れてしまっていそうなので、慌てて呼び止め、セルマにサヤの墨皿と硝子筆を持ってくるようにお願いし、サヤを執務机に促した。
「扇もサヤの国にあるんだね」
「あります! というか、文化の一翼を担う程に馴染んだ道具ですよ。
日本舞踊や歌舞伎、能……日本の伝統芸と呼ばれるものには多く使われておりますし、畳めなければ話にならないので」
「……でも扇だよ?」
あれを畳むって相当特殊な構造にしなきゃ無理じゃないのか?
貴族でも扇は貴婦人がよく持ち歩いているけれど、邪魔な時は従者や女中に持たせている。
それに、まず扇を使う場合は手放さない。仰ぐというよりは表情を隠すための道具なのだ。
ああして大きく開いているのが前提で、それが用途なのだから、畳むって……。
そうこうしている間にセルマが言われたものを持ってきてくれて、サヤは今度は、物差しを持ってきてほしいと彼女にお願いした。
サヤの言う物差しは、サヤ専用の道具だ。もうよく分からない進化を遂げている……。
全て金属製なのだが、小さく細長いもの、三角のもの、半円のもの、よく分からない複雑な形にうねうねとうねったもの……。そのうねったものも、大きかったり小さかったりする丸や楕円の穴がいくつも空いており、意味不明な形状と化しているのだが、サヤは数あるそれらを巧みに利用して、扇の図を描き始めた。
「サヤ……左手は……」
「添えるだけですから。大丈夫、痛くないですし」
いや、だけどさ。
添えるにしても力を入れて押さえているのだから、気が気じゃない。
けれどサヤは作業を止めず、そこに綺麗な形の扇を描ききった。
俺たちの世界のものとは、似て非なる形のそれは、扇という名ですらなかった。
「扇子と言うんです。
この、要の部分を軸にして、細い板が重なっている状態で閉じられています。扇面は紙で、山と谷に折り目がつけられており、それが折り重なって閉じるんです」
大きな扇が見事に小さく、纏まってしまう……!
サヤの世界の扇……扇子は、千年以上の歴史を持つ道具であるそうだ。元々は宮廷で、木簡に紐を通し纏めていたのが始まりだという。
細い軸骨を重ね、端から少し内側に要となる軸を通し、そこを起点にして開くと、山と谷に折り畳まれていた紙が開き、最終的に俺たちの見慣れた扇状になる……。
「普通の扇子は軸が多いので大変ですが、舞扇なら……軸の本数も十本程度と少ないですし、再現しやすいかもしれませんね」
「…………素晴らしい……構造だ!」
あの大きなものが、こんな細く小さく纏まってしまう!
どうして今まで俺たちは、この形状に到達しなかったんだ⁉︎
サヤの世界、サヤの国は、何故こうも……!
「これは秀逸ですねぇ。
流石、効率化民族としか言いようのない、なんとも無駄の無い……」
「軸は竹か? 面が紙……こんな素材で本当に凄いなこれは」
「薄い木の板を紐で繋ぎ、開けるようにした檜扇というものもあります。これは横にずらしていく形式で作られていまして、これの作り方も記しておきましょうか」
「どちらも作らせましょう。これは秘匿権を取る価値のある道具です。試作品ができ次第、申請を出します。
ジェイド、吠狼は呼べますか? 先行して届けさせましょう。早ければ、来年の無償開示品にしても良い品と思いますので」
「分かった」
バタバタと場が動き出した。
俺たちも明日にはここを発つのだけど、時は金。この件に関しては特に、急ぐことが価値を高める。
こちらがセイバーンに帰り着くまでには、試作品の一つくらい完成しているかもしれないしな。
その檜扇というものを新たな紙に描き始めたサヤを待つ間に、外に出て行ったアイル。きっと近場に潜む吠狼を呼びに行ったのだろう。
「この様な形で秘匿権が生まれるのですね……。娘のために作ってくださった笠といい……。
異文化を取り入れる……。それがブンカケンが、秘匿権を得ることのできる理由のひとつ……!」
感心するクロードに、余計なものを見せてしまったかもしれないな……とは思ったけれど、どうせそのうち気付かれたと思うしなと、すぐに気持ちを切り替えた。
「サヤはたまに、金の卵を産み落とすんだ。
だけど……彼女から得られたものだとは、知られたくないからね。クロードもそこは気を付けてほしい」
「無論です。それにどうせ、その金の卵も無償開示してしまうのでしょう?」
「それはそうだよ。だってそれが彼女の望みだから」
皆が喜ぶ顔が見たいからサヤは、こうやって情報を晒すのだ。
俺の返答にクロードは瞳を細め、眩しいものを見るようにして、サヤを見つめた。
「はい……。決して多言は致しません。彼女の清き想いを、無駄にはできませんしね」
うん。彼女の慈悲を、皆が幸せになるために広める。
これは誰かが独占して良いものじゃないんだよ。
そうやって待つ間に、サヤの意匠図案が完成した。旅人風の衣装で身を包んだ二人組の吠狼が、サヤの図面を小さく折り畳んで、薄い木箱にしまい、懐に収めた。
そして一礼し、裏口から外に向かう様子。
「はいっ! ひと段落したのでしたら、片付けを進めますよ!
セルマ、衣服の整理を進めなさい。メイフェイアは、先ほど言いつけた作業、もう終わりましたか?」
パンパンと手を叩いた女中頭が、動きを止めていた者らに作業へ戻るよう、指示を飛ばした。
騎士らがまた慌てて足を動かし出す。
「サヤは本当に凄い」
「凄くないですよ」
「凄いよ。これほどたくさんの知識を持っている。それを図に書き出せる。
ひとつひとつを本当に深く知っておかなければ、そんな風にはできないって、知ってるよ、俺は」
「扇子はたまたまですよ。おばあちゃんの必需品でしたから。私もよく触らせてもらいました。
それに、
……おばあちゃんが、色んなものに触れさせてくれたからですよ。私のこと、本当に大切に、育ててくれたからです」
そう言ったサヤの瞳に、喜びと悲しみが滲んだ。
とっさに腕を伸ばしそうになって、それを全力で押し留め、その代わりに、サヤの尻尾になった髪を撫でる。
この髪の先端は、サヤのお祖母様も触れたに違いない。
「サヤは愛されてたね」
「はい。愛されてました」
「そのお祖母様の愛が、この世界にも満ちるんだね」
「……っ⁉︎ はい……そう、そうですね。嬉しいです」
何気ない仕草で瞳の滴を誤魔化して拭ってサヤは、私も手伝ってきますと、俺に背を向けた。
けれどそこで、ハインに捕まった。
「手が使えない二人は戦力外ですから、部屋に行っておいてください」
ぺッとおざなりに部屋へと放り込まれてしまい、しばらく茫然と扉を凝視するしかない……。
「…………何してよう」
サヤの涙も引っ込んでしまったようだ。だから気付かなかったふりをして、俺はサヤの顔を覗き込み、そう問いかけた。
返ってくる返事は、ひとつしか思い浮かばない。
「……じゃあ、練習……良いですか?」
少し頬を染めてそう言うから、もう一度サヤの髪を手で掬って、唇を押し付けて、その髪に注ぎ込むつもりで「良いよ」と、返事を返した。
あぁ、触れたい。
早くその日を、取り戻したい。そう思いながら。
きっとサヤも、同じように思ってくれているのだなと、感じながら……。
王宮を辞して、バート商会に戻ってきた矢先にサヤが口にした言葉だ。
先程、体調を崩したアレクセイ殿を中庭まで誘導した際、サヤが扇を持ち歩けば良いのではないかと提案した。
それに対し俺が、持ち歩くには邪魔になると返したところ、彼女は訝しげに首を傾げた。
あ、これ齟齬のあるやつだと思ったから、その場では誤魔化したのだけど……。
「待ってください、今描きます!」
手の怪我も忘れてしまっていそうなので、慌てて呼び止め、セルマにサヤの墨皿と硝子筆を持ってくるようにお願いし、サヤを執務机に促した。
「扇もサヤの国にあるんだね」
「あります! というか、文化の一翼を担う程に馴染んだ道具ですよ。
日本舞踊や歌舞伎、能……日本の伝統芸と呼ばれるものには多く使われておりますし、畳めなければ話にならないので」
「……でも扇だよ?」
あれを畳むって相当特殊な構造にしなきゃ無理じゃないのか?
貴族でも扇は貴婦人がよく持ち歩いているけれど、邪魔な時は従者や女中に持たせている。
それに、まず扇を使う場合は手放さない。仰ぐというよりは表情を隠すための道具なのだ。
ああして大きく開いているのが前提で、それが用途なのだから、畳むって……。
そうこうしている間にセルマが言われたものを持ってきてくれて、サヤは今度は、物差しを持ってきてほしいと彼女にお願いした。
サヤの言う物差しは、サヤ専用の道具だ。もうよく分からない進化を遂げている……。
全て金属製なのだが、小さく細長いもの、三角のもの、半円のもの、よく分からない複雑な形にうねうねとうねったもの……。そのうねったものも、大きかったり小さかったりする丸や楕円の穴がいくつも空いており、意味不明な形状と化しているのだが、サヤは数あるそれらを巧みに利用して、扇の図を描き始めた。
「サヤ……左手は……」
「添えるだけですから。大丈夫、痛くないですし」
いや、だけどさ。
添えるにしても力を入れて押さえているのだから、気が気じゃない。
けれどサヤは作業を止めず、そこに綺麗な形の扇を描ききった。
俺たちの世界のものとは、似て非なる形のそれは、扇という名ですらなかった。
「扇子と言うんです。
この、要の部分を軸にして、細い板が重なっている状態で閉じられています。扇面は紙で、山と谷に折り目がつけられており、それが折り重なって閉じるんです」
大きな扇が見事に小さく、纏まってしまう……!
サヤの世界の扇……扇子は、千年以上の歴史を持つ道具であるそうだ。元々は宮廷で、木簡に紐を通し纏めていたのが始まりだという。
細い軸骨を重ね、端から少し内側に要となる軸を通し、そこを起点にして開くと、山と谷に折り畳まれていた紙が開き、最終的に俺たちの見慣れた扇状になる……。
「普通の扇子は軸が多いので大変ですが、舞扇なら……軸の本数も十本程度と少ないですし、再現しやすいかもしれませんね」
「…………素晴らしい……構造だ!」
あの大きなものが、こんな細く小さく纏まってしまう!
どうして今まで俺たちは、この形状に到達しなかったんだ⁉︎
サヤの世界、サヤの国は、何故こうも……!
「これは秀逸ですねぇ。
流石、効率化民族としか言いようのない、なんとも無駄の無い……」
「軸は竹か? 面が紙……こんな素材で本当に凄いなこれは」
「薄い木の板を紐で繋ぎ、開けるようにした檜扇というものもあります。これは横にずらしていく形式で作られていまして、これの作り方も記しておきましょうか」
「どちらも作らせましょう。これは秘匿権を取る価値のある道具です。試作品ができ次第、申請を出します。
ジェイド、吠狼は呼べますか? 先行して届けさせましょう。早ければ、来年の無償開示品にしても良い品と思いますので」
「分かった」
バタバタと場が動き出した。
俺たちも明日にはここを発つのだけど、時は金。この件に関しては特に、急ぐことが価値を高める。
こちらがセイバーンに帰り着くまでには、試作品の一つくらい完成しているかもしれないしな。
その檜扇というものを新たな紙に描き始めたサヤを待つ間に、外に出て行ったアイル。きっと近場に潜む吠狼を呼びに行ったのだろう。
「この様な形で秘匿権が生まれるのですね……。娘のために作ってくださった笠といい……。
異文化を取り入れる……。それがブンカケンが、秘匿権を得ることのできる理由のひとつ……!」
感心するクロードに、余計なものを見せてしまったかもしれないな……とは思ったけれど、どうせそのうち気付かれたと思うしなと、すぐに気持ちを切り替えた。
「サヤはたまに、金の卵を産み落とすんだ。
だけど……彼女から得られたものだとは、知られたくないからね。クロードもそこは気を付けてほしい」
「無論です。それにどうせ、その金の卵も無償開示してしまうのでしょう?」
「それはそうだよ。だってそれが彼女の望みだから」
皆が喜ぶ顔が見たいからサヤは、こうやって情報を晒すのだ。
俺の返答にクロードは瞳を細め、眩しいものを見るようにして、サヤを見つめた。
「はい……。決して多言は致しません。彼女の清き想いを、無駄にはできませんしね」
うん。彼女の慈悲を、皆が幸せになるために広める。
これは誰かが独占して良いものじゃないんだよ。
そうやって待つ間に、サヤの意匠図案が完成した。旅人風の衣装で身を包んだ二人組の吠狼が、サヤの図面を小さく折り畳んで、薄い木箱にしまい、懐に収めた。
そして一礼し、裏口から外に向かう様子。
「はいっ! ひと段落したのでしたら、片付けを進めますよ!
セルマ、衣服の整理を進めなさい。メイフェイアは、先ほど言いつけた作業、もう終わりましたか?」
パンパンと手を叩いた女中頭が、動きを止めていた者らに作業へ戻るよう、指示を飛ばした。
騎士らがまた慌てて足を動かし出す。
「サヤは本当に凄い」
「凄くないですよ」
「凄いよ。これほどたくさんの知識を持っている。それを図に書き出せる。
ひとつひとつを本当に深く知っておかなければ、そんな風にはできないって、知ってるよ、俺は」
「扇子はたまたまですよ。おばあちゃんの必需品でしたから。私もよく触らせてもらいました。
それに、
……おばあちゃんが、色んなものに触れさせてくれたからですよ。私のこと、本当に大切に、育ててくれたからです」
そう言ったサヤの瞳に、喜びと悲しみが滲んだ。
とっさに腕を伸ばしそうになって、それを全力で押し留め、その代わりに、サヤの尻尾になった髪を撫でる。
この髪の先端は、サヤのお祖母様も触れたに違いない。
「サヤは愛されてたね」
「はい。愛されてました」
「そのお祖母様の愛が、この世界にも満ちるんだね」
「……っ⁉︎ はい……そう、そうですね。嬉しいです」
何気ない仕草で瞳の滴を誤魔化して拭ってサヤは、私も手伝ってきますと、俺に背を向けた。
けれどそこで、ハインに捕まった。
「手が使えない二人は戦力外ですから、部屋に行っておいてください」
ぺッとおざなりに部屋へと放り込まれてしまい、しばらく茫然と扉を凝視するしかない……。
「…………何してよう」
サヤの涙も引っ込んでしまったようだ。だから気付かなかったふりをして、俺はサヤの顔を覗き込み、そう問いかけた。
返ってくる返事は、ひとつしか思い浮かばない。
「……じゃあ、練習……良いですか?」
少し頬を染めてそう言うから、もう一度サヤの髪を手で掬って、唇を押し付けて、その髪に注ぎ込むつもりで「良いよ」と、返事を返した。
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