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新たな挑戦 5
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翌日、再び王宮に出向き、陛下との謁見となった。
「よもやこのようなことが起こりうるとはな……」
陛下立ち会いのもと印が押され、一部はセイバーンが、一部はオゼロが持ち帰り、残る一部は陛下の預かりとなる。
「其方の人誑しぶりは理解しておるつもりだったが……。
オゼロ公までもを誑かすか。なんと恐ろしい魔性……」
「誑かしてませんから」
腹を抱え、声を震わせて瀕死の状態。
息継ぎもできぬほどに笑わなくても良いじゃないかと思う……。
陛下のその状態に、エルピディオ様も渋面で。
「半分以上は陛下のせいですからな。
その魔性を見出してきたのは貴方様なのですから」
「何を言う。私も被害者だ」
だからお二人とも誑かされてないでしょうに…………。
俺をネタにして遊ぶのはホント止めてください……。
ひとしきり遊ばれてから、本題に入ることとなった。
本日は、従者や武官だけでなく、ダウィート殿やマルなど、この件に関わる文官も同行しており、陛下に計画の説明を行うため、会議室に通された。
まぁ、陛下は必ずそこを聞きたがると分かっていたからな。
本日はなんと、ルオード様も同席される。
会合の席にもいらっしゃったけれど、口をきく機会は無かったから、少し嬉しい。
「頑張っているようだね」
「はぁ、まぁなんとか」
しまらない返事をしたら、笑われてしまったけれど。
でも……国王夫婦揃ってか……。それだけ陛下がことを重要視しているということだ。
笑っていたけれど、そこは敢えてそう見せていたのだろう……。
「こちらがオゼロにあります遺跡の見取り図でございます。
空白の部分は確認不可能な構造である場所。
赤墨の部分は、一応写しておりますが、理解が不明である場所となります」
「……赤墨だらけではないか……」
「左様ですな。もうとっくの昔に稼働などしておらず、今は状態の維持に努めているのが精一杯という有様でございます。
今回の計画、まずはこの図面におけるここの部分……内壁に積まれていた石材を再現するというものからに、なりまする」
本来は門外不出であろう、オゼロの遺跡見取り図。
それをオゼロ側は持参してきており、俺たちにも見る許可が出た。
俺たち……というのは、俺に加え、サヤとマルである。当初サヤは外されかけたのだが、陛下が無理を通した。
その時に既に、嫌な予感はしていたのだ……。
「サヤよ、この図面を見てどう思う」
やっぱりか!
「陛下、サヤは……っ!」
「黙れ。其方の発言は許しておらん」
ピシャリと跳ね除けられ、それでも食い下がろうとした俺を、当のサヤとマルが諫めた。
そうして呼ばれたサヤが、図面の前に進み出る。
エルピディオ様は、サヤが陛下に呼ばれたことで、女近衛の推挙を受けている身であるとはいえ、そこまでの信を得ていたかと驚きを見せていた。
そうして、サヤの発言でまた、目を見張ることとなる。
「多分なのですけど、部屋と部屋の間……ここの空間で燃料を燃やしていたのだと思います。
両側から熱で挟むようにして、この部屋を蒸し焼きにしていたのだと」
「ほう……何故そう思う」
「効率が良いからです。熱は全方位に発せられますし、石炭を蒸すにしても、外側に熱は到達しにくいです。
両側から挟むことで、仕上がりのムラを極力減らすためと、一度で大量に加工するために、部屋を細長くし、両側を挟む形で、交互に熱源を置いたのではないでしょうか」
「なるほどな、一度に大量を処理するため、敢えて細かく分けたということか」
「おそらくですが……」
サヤの表情を見て、何やら意味深に笑う陛下。
マルの腕が、一層強く俺の腕を握った。お願いですから堪えてくださいと、必死で俺を捕まえている。
「其方ら、最終的にこれを再現できると言うのか?」
「それは、現段階では無理と考えます。使用する木炭の量も尋常ではないものになりますし、石炭の量も……これほど必要にはならないでしょう。
鉄の鋳造が可能となるまで、幾度も検証を繰り返すことになりますが、そうだとしても。
なんにしても、まずはこの石材。耐火煉瓦を作らなければ、石炭加工へは進めません」
「ふむ……耐火煉瓦な……。また其方の命名か」
「…………」
サヤの前歴を探るの、いい加減にしてもらえませんか、陛下?
俺の怒りが振り切れ寸前というギリギリを見計ったかのように。
「サヤ、ありがとう、もう良いよ」
ルオード様がここまでと、話を切ってくださった。
ほっとした表情で戻ってきたサヤを抱きしめたかったけれど、それができないのがもどかしくて、苦しい。
腕を伸ばすと、ビクリと身を竦ませたサヤ。
その、高く結えられ、尻尾みたいになっている髪を、手で掬い取って、握り締めた。サヤの代わりに。
「……大丈夫だった……?」
「大丈夫ですよ」
笑ってそう言うけれど……。
「陛下……」
エルピディオ様の前で、わざとサヤをそんなふうに扱ったのだと分かっていたから、俺の怒りは収まらない。
そんな俺の様子に、陛下も少々やり過ぎたと思ったのだろう。そう怒るなと、眉を下げる。
「サヤは異文化の中で生きてきた身。我らの考えぬ思考運びをするのだ。話を聞く価値はある。
それゆえまずはサヤに聞いてみたのだ。
オゼロよ、こやつの妻は私も信を置いておる。女であっても相当な教養を必要とされる国の者ゆえ、聞いての通りだ。
サヤの知は力となろう。そこのマルクスと同じくな」
「は……」
「まっ、まだ妻ではないですっ」
「とっとと婚姻を結べという嫌味だ馬鹿者」
気安くサヤを揶揄ってみせる陛下。
その様子を見て、エルピディオ様ではなく、その配下の文官らに対する牽制であったと察した。
おそらく、男爵家と公爵家、その力関係の差と、性別、地位の不利。
それをある程度補うため、サヤを重用している姿を見せておこうという思惑を含んでいたのだ。
だから、ルオード様も、陛下の行動を諫めなかったのだろう。
……でもそれにかこつけて、サヤを探ろうとしていたのも、分かっているんですからね……。
「まぁそれで、その耐火煉瓦とやらを作るという窯がこれか……妙な形をしておるな」
「ひとえにこれが最も効率良いからですよ、陛下」
そう言いマルが示した窯の形状に、サヤは「登窯は、私の国にもございました」と、答えた。
「…………登窯?」
「サヤくんの国ではそう言うんですって。
何事においても効率を重視するお国柄ですから、そこで使われていた形というなら、信頼が置けるでしょう?
それにしても登窯って名前がまた効率重視って感じですよねぇ。
我々は地虫窯と呼ぶんですよ。ほら、芋虫みたいでしょう?
ここの頭にあたる部分の口で火を燃やします。節が部屋になっておりまして、尻に煙突があるんですが、一応各部屋ごとに火力調節できるよう、横に小さな口を設けてありまして、地虫のいぼ足に当たるので、この小口は足口って呼ばれててですね……」
「マルクス……虫の構造の話は良い。窯の話に戻れ」
つい脱線しがちなマルの舵取りを陛下がしてくれた。
マルは興に乗ると、言葉を選ばずサヤの苦手とすることも平気でベラベラ口走る。
にしても、貴族相手に虫の話は駄目だろう……、エルピディオ様まで渋面になっている……。
「窯を、連ねるのかい?」
ルオード様が、不思議そうにその図面を見て問う。話の筋を正してくださったのだろう。
俺とエルピディオ様が協定について話し合っているうちに、ダウィート様らとマルたちは、耐火煉瓦を作る手法について計画を練っていてくれた。
その過程で、窯の構造についても議論が及んだ様子。
窯の図面を描いたのは、きっとサヤだろう。手癖が出ている。
オゼロが遺跡の耐火煉瓦を内壁に利用し、作った窯も、近年のものはこれに似た形であるそうだ。
「極力熱を無駄にせぬ構造なんですよ。先程も申しました通り、熱は上に登っていく習性ですからね。
初めは五節か六節ほどで試し、上手くいったら後方を伸ばす。そうすれば、比較的低予算で生産量も増やせますし」
それゆえ、他領に新設する木炭用の窯の形も、ほぼ同じものを予定しているそうだ。
「なだらかな山の傾斜に沿って作ります。大口で火を焚き、小口で調節するので、一度に数個の窯で焚く量が一度に作れますし、薪の量も節約できます」
「窯の構造の良し悪しは私には分からんが……なんとも面白き構造だな」
「この窯にするのには、別にもうひとつ理由がありましてね。耐火煉瓦を焼くのに、どの温度が最も適しているか、それを調べ易いんですよ。
当然、大口から離れれば温度は下がるわけですから」
「成る程な……」
品が完成次第、オゼロが耐火煉瓦の秘匿研を取る予定であることも伝えた。
そうして石炭の加工を始め、石炭が加工でき、その熱に耐火煉瓦が耐えられた時、俺たちの目的が達成できたということになる。
「石炭加工の秘匿研は国へ譲渡後、そのままオゼロで管理としていただきます」
「面白いことをするな。何故オゼロに握らせぬのだ?」
「人類を支える燃料の全てをオゼロが握っているというのは、やっかみを買いそうですからね。
ですが燃料の加工という分野で、最も経験値を得ているのもまた、オゼロです。
それに、鉄の鋳造を可能とする熱を得るというのは、武具の製造にも関わりますので……」
俺のその言葉に、陛下は納得した様子。
鋳造で武具製造の作業工程を省略できるとなれば、色々面倒が増える。
石炭の購入量を国とオゼロが把握しておけば、不正利用や武具の密造は当然難しくなる。
「うむ。詳細は承知した。思うようにやってみよ。
其方らの成果、心待ちにしておるぞ」
陛下のその言葉に、俺たちは揃って首を垂れた。
いやはや責任重大だねと、小声で呟くエルピディオ様。
陛下らの退室を待って、俺も顔を上げて「頼りにしておりますよ」と、返事を返した。
「よもやこのようなことが起こりうるとはな……」
陛下立ち会いのもと印が押され、一部はセイバーンが、一部はオゼロが持ち帰り、残る一部は陛下の預かりとなる。
「其方の人誑しぶりは理解しておるつもりだったが……。
オゼロ公までもを誑かすか。なんと恐ろしい魔性……」
「誑かしてませんから」
腹を抱え、声を震わせて瀕死の状態。
息継ぎもできぬほどに笑わなくても良いじゃないかと思う……。
陛下のその状態に、エルピディオ様も渋面で。
「半分以上は陛下のせいですからな。
その魔性を見出してきたのは貴方様なのですから」
「何を言う。私も被害者だ」
だからお二人とも誑かされてないでしょうに…………。
俺をネタにして遊ぶのはホント止めてください……。
ひとしきり遊ばれてから、本題に入ることとなった。
本日は、従者や武官だけでなく、ダウィート殿やマルなど、この件に関わる文官も同行しており、陛下に計画の説明を行うため、会議室に通された。
まぁ、陛下は必ずそこを聞きたがると分かっていたからな。
本日はなんと、ルオード様も同席される。
会合の席にもいらっしゃったけれど、口をきく機会は無かったから、少し嬉しい。
「頑張っているようだね」
「はぁ、まぁなんとか」
しまらない返事をしたら、笑われてしまったけれど。
でも……国王夫婦揃ってか……。それだけ陛下がことを重要視しているということだ。
笑っていたけれど、そこは敢えてそう見せていたのだろう……。
「こちらがオゼロにあります遺跡の見取り図でございます。
空白の部分は確認不可能な構造である場所。
赤墨の部分は、一応写しておりますが、理解が不明である場所となります」
「……赤墨だらけではないか……」
「左様ですな。もうとっくの昔に稼働などしておらず、今は状態の維持に努めているのが精一杯という有様でございます。
今回の計画、まずはこの図面におけるここの部分……内壁に積まれていた石材を再現するというものからに、なりまする」
本来は門外不出であろう、オゼロの遺跡見取り図。
それをオゼロ側は持参してきており、俺たちにも見る許可が出た。
俺たち……というのは、俺に加え、サヤとマルである。当初サヤは外されかけたのだが、陛下が無理を通した。
その時に既に、嫌な予感はしていたのだ……。
「サヤよ、この図面を見てどう思う」
やっぱりか!
「陛下、サヤは……っ!」
「黙れ。其方の発言は許しておらん」
ピシャリと跳ね除けられ、それでも食い下がろうとした俺を、当のサヤとマルが諫めた。
そうして呼ばれたサヤが、図面の前に進み出る。
エルピディオ様は、サヤが陛下に呼ばれたことで、女近衛の推挙を受けている身であるとはいえ、そこまでの信を得ていたかと驚きを見せていた。
そうして、サヤの発言でまた、目を見張ることとなる。
「多分なのですけど、部屋と部屋の間……ここの空間で燃料を燃やしていたのだと思います。
両側から熱で挟むようにして、この部屋を蒸し焼きにしていたのだと」
「ほう……何故そう思う」
「効率が良いからです。熱は全方位に発せられますし、石炭を蒸すにしても、外側に熱は到達しにくいです。
両側から挟むことで、仕上がりのムラを極力減らすためと、一度で大量に加工するために、部屋を細長くし、両側を挟む形で、交互に熱源を置いたのではないでしょうか」
「なるほどな、一度に大量を処理するため、敢えて細かく分けたということか」
「おそらくですが……」
サヤの表情を見て、何やら意味深に笑う陛下。
マルの腕が、一層強く俺の腕を握った。お願いですから堪えてくださいと、必死で俺を捕まえている。
「其方ら、最終的にこれを再現できると言うのか?」
「それは、現段階では無理と考えます。使用する木炭の量も尋常ではないものになりますし、石炭の量も……これほど必要にはならないでしょう。
鉄の鋳造が可能となるまで、幾度も検証を繰り返すことになりますが、そうだとしても。
なんにしても、まずはこの石材。耐火煉瓦を作らなければ、石炭加工へは進めません」
「ふむ……耐火煉瓦な……。また其方の命名か」
「…………」
サヤの前歴を探るの、いい加減にしてもらえませんか、陛下?
俺の怒りが振り切れ寸前というギリギリを見計ったかのように。
「サヤ、ありがとう、もう良いよ」
ルオード様がここまでと、話を切ってくださった。
ほっとした表情で戻ってきたサヤを抱きしめたかったけれど、それができないのがもどかしくて、苦しい。
腕を伸ばすと、ビクリと身を竦ませたサヤ。
その、高く結えられ、尻尾みたいになっている髪を、手で掬い取って、握り締めた。サヤの代わりに。
「……大丈夫だった……?」
「大丈夫ですよ」
笑ってそう言うけれど……。
「陛下……」
エルピディオ様の前で、わざとサヤをそんなふうに扱ったのだと分かっていたから、俺の怒りは収まらない。
そんな俺の様子に、陛下も少々やり過ぎたと思ったのだろう。そう怒るなと、眉を下げる。
「サヤは異文化の中で生きてきた身。我らの考えぬ思考運びをするのだ。話を聞く価値はある。
それゆえまずはサヤに聞いてみたのだ。
オゼロよ、こやつの妻は私も信を置いておる。女であっても相当な教養を必要とされる国の者ゆえ、聞いての通りだ。
サヤの知は力となろう。そこのマルクスと同じくな」
「は……」
「まっ、まだ妻ではないですっ」
「とっとと婚姻を結べという嫌味だ馬鹿者」
気安くサヤを揶揄ってみせる陛下。
その様子を見て、エルピディオ様ではなく、その配下の文官らに対する牽制であったと察した。
おそらく、男爵家と公爵家、その力関係の差と、性別、地位の不利。
それをある程度補うため、サヤを重用している姿を見せておこうという思惑を含んでいたのだ。
だから、ルオード様も、陛下の行動を諫めなかったのだろう。
……でもそれにかこつけて、サヤを探ろうとしていたのも、分かっているんですからね……。
「まぁそれで、その耐火煉瓦とやらを作るという窯がこれか……妙な形をしておるな」
「ひとえにこれが最も効率良いからですよ、陛下」
そう言いマルが示した窯の形状に、サヤは「登窯は、私の国にもございました」と、答えた。
「…………登窯?」
「サヤくんの国ではそう言うんですって。
何事においても効率を重視するお国柄ですから、そこで使われていた形というなら、信頼が置けるでしょう?
それにしても登窯って名前がまた効率重視って感じですよねぇ。
我々は地虫窯と呼ぶんですよ。ほら、芋虫みたいでしょう?
ここの頭にあたる部分の口で火を燃やします。節が部屋になっておりまして、尻に煙突があるんですが、一応各部屋ごとに火力調節できるよう、横に小さな口を設けてありまして、地虫のいぼ足に当たるので、この小口は足口って呼ばれててですね……」
「マルクス……虫の構造の話は良い。窯の話に戻れ」
つい脱線しがちなマルの舵取りを陛下がしてくれた。
マルは興に乗ると、言葉を選ばずサヤの苦手とすることも平気でベラベラ口走る。
にしても、貴族相手に虫の話は駄目だろう……、エルピディオ様まで渋面になっている……。
「窯を、連ねるのかい?」
ルオード様が、不思議そうにその図面を見て問う。話の筋を正してくださったのだろう。
俺とエルピディオ様が協定について話し合っているうちに、ダウィート様らとマルたちは、耐火煉瓦を作る手法について計画を練っていてくれた。
その過程で、窯の構造についても議論が及んだ様子。
窯の図面を描いたのは、きっとサヤだろう。手癖が出ている。
オゼロが遺跡の耐火煉瓦を内壁に利用し、作った窯も、近年のものはこれに似た形であるそうだ。
「極力熱を無駄にせぬ構造なんですよ。先程も申しました通り、熱は上に登っていく習性ですからね。
初めは五節か六節ほどで試し、上手くいったら後方を伸ばす。そうすれば、比較的低予算で生産量も増やせますし」
それゆえ、他領に新設する木炭用の窯の形も、ほぼ同じものを予定しているそうだ。
「なだらかな山の傾斜に沿って作ります。大口で火を焚き、小口で調節するので、一度に数個の窯で焚く量が一度に作れますし、薪の量も節約できます」
「窯の構造の良し悪しは私には分からんが……なんとも面白き構造だな」
「この窯にするのには、別にもうひとつ理由がありましてね。耐火煉瓦を焼くのに、どの温度が最も適しているか、それを調べ易いんですよ。
当然、大口から離れれば温度は下がるわけですから」
「成る程な……」
品が完成次第、オゼロが耐火煉瓦の秘匿研を取る予定であることも伝えた。
そうして石炭の加工を始め、石炭が加工でき、その熱に耐火煉瓦が耐えられた時、俺たちの目的が達成できたということになる。
「石炭加工の秘匿研は国へ譲渡後、そのままオゼロで管理としていただきます」
「面白いことをするな。何故オゼロに握らせぬのだ?」
「人類を支える燃料の全てをオゼロが握っているというのは、やっかみを買いそうですからね。
ですが燃料の加工という分野で、最も経験値を得ているのもまた、オゼロです。
それに、鉄の鋳造を可能とする熱を得るというのは、武具の製造にも関わりますので……」
俺のその言葉に、陛下は納得した様子。
鋳造で武具製造の作業工程を省略できるとなれば、色々面倒が増える。
石炭の購入量を国とオゼロが把握しておけば、不正利用や武具の密造は当然難しくなる。
「うむ。詳細は承知した。思うようにやってみよ。
其方らの成果、心待ちにしておるぞ」
陛下のその言葉に、俺たちは揃って首を垂れた。
いやはや責任重大だねと、小声で呟くエルピディオ様。
陛下らの退室を待って、俺も顔を上げて「頼りにしておりますよ」と、返事を返した。
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