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父の軌跡 3
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カークを本館に休ませてから、俺たちはジェイドも呼び出して作戦会議となった。
なにせ、日数を空けることになる。また別館へ侵入してくる者も現れるかもしれない。
俺の配下はハイン・サヤ・マルクス・ジェイド・ウーヴェとなったが、現在ウーヴェはメバック。マルは不在だし、出発までに戻らない可能性もある。その場合は、ジェイドを留守番に残すしかないかと話すと……。
「巫山戯ンな。忍を残して守らせりゃいいだろうが」
と、不機嫌な顔で言われた。留守番は嫌であるらしい。
「仕方がないだろう? 異母様は、まだ忍の存在を知らない。これからも知らせるつもりはないんだ。こんなことで俺に手駒があるなんて知られたくない。
だから、誰かに留守番をしてもらうしかないんだよ。
じゃないと、また中を漁られてしまうかもしれないし……」
「好きに漁らせりゃ良いだろ。泳がせろ。たいしたもン置いてねぇンだからよ」
「そんなわけにはいかないだろ……。
それに、ブンカケンの方のきな臭い連中だって彷徨いているんだから、留守番は必須なんだよ」
どうあっても置いていかれる気は無いらしい……剣呑な表情で俺を睨むジェイド。……まぁ、留守番ばかり、させているもんな……。
「分かった……とりあえず、明日までこの話は保留だ。マルが戻れば、問題無いんだから」
というわけで、留守番を誰にするかという話は後回しになった。ハインは絶対に残らないし……サヤを残すのは愚策だ。異母様が放っておかない可能性が高い。そうなると、もうマルがなんとか帰ってきてくれるよう、祈るしかない。
で、カークの目的はなんだろうかという話になった。
「あのように得体の知れない者、信用できません!」
「だけど、父上の部下だった方だ。多分それは事実だよ。だってわざわざ異母様が、あの人に面会を許し、伴って帰ってくるんだから。
話の内容的にも、カーク殿以外であれば、異母様は取り合わなかったと思う。邪険にあしらってはいたけれど、一応、意は汲んでいた。それだけの地位にいた方ということだよ。
異母様からしたら、さして重要でもない用向きだろうにね」
ハインにそう指摘すると、とっても険悪な顔で睨まれた……。俺が折れないのが気にくわないのだ。
俺の指摘に、ディート殿も思案顔。サヤも眉間にシワを刻んでいる。
「怪しいのは怪しいが、誰に対して怪しいかによると思うぞ。
俺が見たところ、カーク老にレイ殿を害する気は無いように思う。
あの老爺の目的は、レイ殿をここから連れ出すことで間違いないとは、思うがな」
「レイシール様を一人連れ出そうとすることが、そもそもおかしいんですよ!」
「そうか? ここはレイ殿にとって魔窟だろう。むしろ外の方が安全なのではないのか?」
今度はハインの視線がギッとディート殿を睨む。
まあ、ディート殿は全く意に介さない。爽やかに受け流してしまっている。
「私が気になったのは……カーク様が、ずっとレイシール様を、立ててらっしゃったことです。
言葉遣い……何度も注意されていたでしょう? 私には……あれは、レイシール様を、ちゃんと認めている態度に思えました。
自分の方が立場が下なのだって、そう示してらっしゃったのだと、思うんです。だから……悪い方では、ないのだと、思うんですけど……」
申し訳なさげにちらりとハインに視線をやり、サヤが小さくなりながら、そう締め括る。
サヤの言葉は案外受け入れるハインなのに、今回は、更に神経を逆撫でされてしまったようだ。
イラついた態度で、ダン!と、机に拳を落とす。
「皆、前提がおかしいんですよ。ご領主様がまともであるだなんて、どうして思えるのです?
十二年も音沙汰のない相手なのですよ? 学舎にだって手紙ひとつ、寄越しもしなかった!
優れた領主であったかもしれませんが、これは父親として、許される所業なのですか⁉︎
私には親などおりませんから、正直世の常識範囲は分かりかねますが!
学舎にいた他の貴族にだって、レイシール様のような扱いの方は、そうそうお目にかかりませんでしたが⁉︎
だいたい、病だからなんだというのです? 無理やり学舎から連れ戻しておいて、引き継ぎも何もなく職務を押し付けて、今日まで放っておいた!
ご領主様だけでなく、その配下の方一人すら、寄越さなかった……。
誰一人、何も言ってこなかったというのに、今更……おかしいでしょう、それ自体が!
少し成果を上げたから、目に止まったとでも言うのですか?
二年もの間、レイシール様がお一人で、日々にどれだけ追い詰められていったか、知りもしないで‼︎」
話しているうちに、どんどん怒りが募っていったのだろう。ハインの目は、尋常じゃなくギラつき、殺意すら垣間見えた。
ブチギレ寸前だ。これはやばいと思ったから、とっさに腕を掴むと振り払われてしまった。
腕にズキッと、痛みが走る。
「レイ殿を傷付けているぞ」
と、冷静なディート殿の指摘。
その言葉に、ハインは殺意混じりの視線をディート殿に向けたけれど、ディート殿が指差した先、手首を押さえる俺を見て……。
「っあ…………」
一気に血の気が引いたらしい。自身が傷付いたように顔を歪めて、視線を落とした。
「……も、申し訳……ありません……」
「気にするな。たいしたことにはなってないさ」
そんなことよりも、自身のことのように怒ってくれたことが、俺には嬉しかった。
ハインは……父上にお会いしたことがないものな……。
ただ現実だけを見れば、そんな風に感じてしまっても仕方がないのかもしれない。
俺だって、今までずっと放っておいてと、そんな気持ちが全く無いわけじゃないんだ。だけど……ハインが怒ってくれたから、俺はそれで充分満たされた。だから、先についてを考えようと、思える。
「そう……十二年、音沙汰が無かったのに、今、それが訪れたんだよ。
これは、何か変化の兆しなのかもしれない。
これを掴まなければ、次がいつになるのか……次があるのかすら、分からないから……。
カークの思惑は見えてこないけれど、乗るしかないと思うんだ」
父上との接点なのだ……。
それに、色々思惑を感じる。
「大回りしなければ行けない西の地に、所有者にすら忘れられた山城……。そこを根城にした傭兵崩れ。
通常なら、近くの街に申し出て対処することを、男爵家の所有地だからと、わざわざ知らせてきた。
二十五年も前に、病を理由に引退した人がだ。
これは、事情をある程度汲み取っている人間の行動だと思う」
異母様が断れない、だけど、さして警戒されない人選。
先に異母様を通しておけば、俺への接触を怪しまれる可能性も低くなると、計算した上での行動なら、かなり頭のキレる相手だ。
「だいたい、俺を呼び出す利点は無いよ。セイバーンでの俺に、さして旨味はないのだし。
新規事業に絡んでいるとも思えない。前に報告書を貰っているなら、これはずっと前から準備されていたことだ」
報告書を送った当人にしか、分からないことを口にしたからには、何か思惑のあることなのだとしても、二ヶ月以上前から準備されていたことになる。
今はともかく、その時期の俺に、なんの利点があったというのか。
「せっかく来いと言うのだし、行ってみよう。西の地域を目にしておきたいのも事実だ。
資料上の知識はあるけれど、それだけでは心許ないしな。
ホセの村のこともあるから、これからそちらの地域とは、多く関わっていくことになると思うし……」
「忍を周りに配置する。表立ってついていくのはどうせこの面子になるンだろ。
相手が二十人以上ってンなら、同数は潜ませておく。
明日のうちに数人を先行させて下調べもする。それでいいだろ」
俺の言葉をそのまま決定事項として、ジェイドがそう言葉を続けた。
そのジェイドをまたハインが睨むが、彼はディート殿のように受け流しはしない。
「あ? 文句あンのか? 行くっつってンだから従うのがテメェの仕事だろうがよ。
その上で安全確保すりゃ良いだろうが。違うってのか?」
「は、ハインさん。あの……馬車の中では、私が、きちんと注意しておきますから。
万が一何か思惑があるのだとしても、必ず、お守りしますから!」
ジェイドとハインの睨み合いをサヤが必死で宥めにかかる。
そのやりとりが、なんだか嬉しくて笑ったら、今度は俺がハインとジェイドに睨まれ、サヤが更に慌てた。
「いや……悪気は無いんだ。
……ハインも、ジェイドもありがとう……。心配してくれることも、俺の目的を叶えようとしてくれることも、とても、嬉しい」
素直にそう伝えたら、二人揃ってあらぬ方向に視線を逸らす。
その妙に同調した動きにまた笑ってしまった。
ああ、大丈夫だ。素直にそう思う。
こんな風に皆がいてくれるから、少しくらいの恐怖は、おし殺せる。
いつかは父上のことに、触れなきゃいけなかった。
向こうからその機会がやってきたのだから、もう、逃げない。掴みに行く。
なにせ、日数を空けることになる。また別館へ侵入してくる者も現れるかもしれない。
俺の配下はハイン・サヤ・マルクス・ジェイド・ウーヴェとなったが、現在ウーヴェはメバック。マルは不在だし、出発までに戻らない可能性もある。その場合は、ジェイドを留守番に残すしかないかと話すと……。
「巫山戯ンな。忍を残して守らせりゃいいだろうが」
と、不機嫌な顔で言われた。留守番は嫌であるらしい。
「仕方がないだろう? 異母様は、まだ忍の存在を知らない。これからも知らせるつもりはないんだ。こんなことで俺に手駒があるなんて知られたくない。
だから、誰かに留守番をしてもらうしかないんだよ。
じゃないと、また中を漁られてしまうかもしれないし……」
「好きに漁らせりゃ良いだろ。泳がせろ。たいしたもン置いてねぇンだからよ」
「そんなわけにはいかないだろ……。
それに、ブンカケンの方のきな臭い連中だって彷徨いているんだから、留守番は必須なんだよ」
どうあっても置いていかれる気は無いらしい……剣呑な表情で俺を睨むジェイド。……まぁ、留守番ばかり、させているもんな……。
「分かった……とりあえず、明日までこの話は保留だ。マルが戻れば、問題無いんだから」
というわけで、留守番を誰にするかという話は後回しになった。ハインは絶対に残らないし……サヤを残すのは愚策だ。異母様が放っておかない可能性が高い。そうなると、もうマルがなんとか帰ってきてくれるよう、祈るしかない。
で、カークの目的はなんだろうかという話になった。
「あのように得体の知れない者、信用できません!」
「だけど、父上の部下だった方だ。多分それは事実だよ。だってわざわざ異母様が、あの人に面会を許し、伴って帰ってくるんだから。
話の内容的にも、カーク殿以外であれば、異母様は取り合わなかったと思う。邪険にあしらってはいたけれど、一応、意は汲んでいた。それだけの地位にいた方ということだよ。
異母様からしたら、さして重要でもない用向きだろうにね」
ハインにそう指摘すると、とっても険悪な顔で睨まれた……。俺が折れないのが気にくわないのだ。
俺の指摘に、ディート殿も思案顔。サヤも眉間にシワを刻んでいる。
「怪しいのは怪しいが、誰に対して怪しいかによると思うぞ。
俺が見たところ、カーク老にレイ殿を害する気は無いように思う。
あの老爺の目的は、レイ殿をここから連れ出すことで間違いないとは、思うがな」
「レイシール様を一人連れ出そうとすることが、そもそもおかしいんですよ!」
「そうか? ここはレイ殿にとって魔窟だろう。むしろ外の方が安全なのではないのか?」
今度はハインの視線がギッとディート殿を睨む。
まあ、ディート殿は全く意に介さない。爽やかに受け流してしまっている。
「私が気になったのは……カーク様が、ずっとレイシール様を、立ててらっしゃったことです。
言葉遣い……何度も注意されていたでしょう? 私には……あれは、レイシール様を、ちゃんと認めている態度に思えました。
自分の方が立場が下なのだって、そう示してらっしゃったのだと、思うんです。だから……悪い方では、ないのだと、思うんですけど……」
申し訳なさげにちらりとハインに視線をやり、サヤが小さくなりながら、そう締め括る。
サヤの言葉は案外受け入れるハインなのに、今回は、更に神経を逆撫でされてしまったようだ。
イラついた態度で、ダン!と、机に拳を落とす。
「皆、前提がおかしいんですよ。ご領主様がまともであるだなんて、どうして思えるのです?
十二年も音沙汰のない相手なのですよ? 学舎にだって手紙ひとつ、寄越しもしなかった!
優れた領主であったかもしれませんが、これは父親として、許される所業なのですか⁉︎
私には親などおりませんから、正直世の常識範囲は分かりかねますが!
学舎にいた他の貴族にだって、レイシール様のような扱いの方は、そうそうお目にかかりませんでしたが⁉︎
だいたい、病だからなんだというのです? 無理やり学舎から連れ戻しておいて、引き継ぎも何もなく職務を押し付けて、今日まで放っておいた!
ご領主様だけでなく、その配下の方一人すら、寄越さなかった……。
誰一人、何も言ってこなかったというのに、今更……おかしいでしょう、それ自体が!
少し成果を上げたから、目に止まったとでも言うのですか?
二年もの間、レイシール様がお一人で、日々にどれだけ追い詰められていったか、知りもしないで‼︎」
話しているうちに、どんどん怒りが募っていったのだろう。ハインの目は、尋常じゃなくギラつき、殺意すら垣間見えた。
ブチギレ寸前だ。これはやばいと思ったから、とっさに腕を掴むと振り払われてしまった。
腕にズキッと、痛みが走る。
「レイ殿を傷付けているぞ」
と、冷静なディート殿の指摘。
その言葉に、ハインは殺意混じりの視線をディート殿に向けたけれど、ディート殿が指差した先、手首を押さえる俺を見て……。
「っあ…………」
一気に血の気が引いたらしい。自身が傷付いたように顔を歪めて、視線を落とした。
「……も、申し訳……ありません……」
「気にするな。たいしたことにはなってないさ」
そんなことよりも、自身のことのように怒ってくれたことが、俺には嬉しかった。
ハインは……父上にお会いしたことがないものな……。
ただ現実だけを見れば、そんな風に感じてしまっても仕方がないのかもしれない。
俺だって、今までずっと放っておいてと、そんな気持ちが全く無いわけじゃないんだ。だけど……ハインが怒ってくれたから、俺はそれで充分満たされた。だから、先についてを考えようと、思える。
「そう……十二年、音沙汰が無かったのに、今、それが訪れたんだよ。
これは、何か変化の兆しなのかもしれない。
これを掴まなければ、次がいつになるのか……次があるのかすら、分からないから……。
カークの思惑は見えてこないけれど、乗るしかないと思うんだ」
父上との接点なのだ……。
それに、色々思惑を感じる。
「大回りしなければ行けない西の地に、所有者にすら忘れられた山城……。そこを根城にした傭兵崩れ。
通常なら、近くの街に申し出て対処することを、男爵家の所有地だからと、わざわざ知らせてきた。
二十五年も前に、病を理由に引退した人がだ。
これは、事情をある程度汲み取っている人間の行動だと思う」
異母様が断れない、だけど、さして警戒されない人選。
先に異母様を通しておけば、俺への接触を怪しまれる可能性も低くなると、計算した上での行動なら、かなり頭のキレる相手だ。
「だいたい、俺を呼び出す利点は無いよ。セイバーンでの俺に、さして旨味はないのだし。
新規事業に絡んでいるとも思えない。前に報告書を貰っているなら、これはずっと前から準備されていたことだ」
報告書を送った当人にしか、分からないことを口にしたからには、何か思惑のあることなのだとしても、二ヶ月以上前から準備されていたことになる。
今はともかく、その時期の俺に、なんの利点があったというのか。
「せっかく来いと言うのだし、行ってみよう。西の地域を目にしておきたいのも事実だ。
資料上の知識はあるけれど、それだけでは心許ないしな。
ホセの村のこともあるから、これからそちらの地域とは、多く関わっていくことになると思うし……」
「忍を周りに配置する。表立ってついていくのはどうせこの面子になるンだろ。
相手が二十人以上ってンなら、同数は潜ませておく。
明日のうちに数人を先行させて下調べもする。それでいいだろ」
俺の言葉をそのまま決定事項として、ジェイドがそう言葉を続けた。
そのジェイドをまたハインが睨むが、彼はディート殿のように受け流しはしない。
「あ? 文句あンのか? 行くっつってンだから従うのがテメェの仕事だろうがよ。
その上で安全確保すりゃ良いだろうが。違うってのか?」
「は、ハインさん。あの……馬車の中では、私が、きちんと注意しておきますから。
万が一何か思惑があるのだとしても、必ず、お守りしますから!」
ジェイドとハインの睨み合いをサヤが必死で宥めにかかる。
そのやりとりが、なんだか嬉しくて笑ったら、今度は俺がハインとジェイドに睨まれ、サヤが更に慌てた。
「いや……悪気は無いんだ。
……ハインも、ジェイドもありがとう……。心配してくれることも、俺の目的を叶えようとしてくれることも、とても、嬉しい」
素直にそう伝えたら、二人揃ってあらぬ方向に視線を逸らす。
その妙に同調した動きにまた笑ってしまった。
ああ、大丈夫だ。素直にそう思う。
こんな風に皆がいてくれるから、少しくらいの恐怖は、おし殺せる。
いつかは父上のことに、触れなきゃいけなかった。
向こうからその機会がやってきたのだから、もう、逃げない。掴みに行く。
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