265 / 1,121
最後の詰め 5
しおりを挟む
「私のお話である様に思えましたので、伺いました」
いつもの男装姿。凛とした、騎士の様なサヤだ。
先程の灰色の礼装を腕に抱えて立っていた。
「これを着る時に、覚悟は致しました。
きっと、私の性別のこと……疑ってらっしゃるのだと、思っていましたから」
サヤが毅然と口を開く。
姫様を真っ直ぐ見つめ、揺るがない視線で。
「私の男装は、私の経験に端を発するものです。
強要されているのではありません。私の意思で、行っております。
私は、幼い頃に誘拐されかけました。そのおりに、少々……無体を、働かれた経験がございます……。
それ以外にも、男性に、不埒なことをされた経験が、幾度もございます……。
故に、男性が怖いです。男性の……女性を見る視線が、触れられることが怖い。
だから、男装が楽でした。
男だと思われていれば、あの視線に晒されずに、済むのですから」
そこまで一気に話し、一度大きく息を吐く。
歯を食いしばっている……震えを、必死で押さえ込んでいるのが、傍目からも分かった。
焦りが、俺を動かす。
サヤを背中に庇う。
ここには、ルオード様がいらっしゃる。
男性がいる場で、無体を働かれたことなど、口にしたくない筈だ。
「あの! これ以上はどうか、お許し下さい。
この娘は、過去を思い出すだけでも、苦痛を感じるのです!
男性がいる場で、これ以上のことはお許し下さい!」
俺の必死の嘆願に、ルオード様が狼狽える。
自分がこの場にいることが問題なのだと、察した為だ。だが、姫様をお一人にするわけにもいかない。
「だ、大丈夫。平気です」
サヤからは気丈な声が聞こえたが、それが本当だとは思えない。
現に、俺の背に、サヤの手は縋り付いていた。小刻みな震え……それを感じる。
「……サヤよ、レイシールも男であるが、問題は無いのか」
「当初は、苦痛もありました。
けれど……レイシール様は、私が怖いと思うことは、何一つ、なさいません。
私は、こんな自分が嫌でした。過去のことをずっと引きずって、いつまで経っても、恐怖を克服できない。そんな自分が大嫌いでした。
なのにレイシール様は、そんな私を、間違ってるって、叱って下さったんです……。
怖くて当たり前なのだから、自分を責めるな、それは、無体を働いた相手を肯定するのと同じだ。……って、怒って下さったんです……」
背中の手が、ギュッと握られる。そして俺にだけに聞こえる小声で、「そんな私を、好きやって、言うてくらはった……」と、呟いた。
「それに、私がどれほど救われたか、伝わらないのがもどかしい……。
だから私は、ここで、レイシール様のお役に立ちたいって、思いました。
ギルさんの所で、恙無く暮らすようにと言われた時も、拒否しました。
私は、私の意思でここに居ます。
レイシール様のお役に立ちたいんです。
ですからどうか、目を瞑って、頂けませんか。
私をここに居させて下さい……」
震える涙声。背中にとんと触れたのは、多分サヤの額。
どうしようもない愛おしさが胸に広がる。
守りたい。
この、強くて儚い娘を、両手で抱きしめたかった。
「……よし分かった。
ルオード、そしてレイシール。ちと退室しろ。
女だけで話をしたく思う。リーカ、二人を叩き出せ」
不意にそんな風に言われ、慌てた。
だが、ニコニコと笑顔のリーカ様が、有無を言わさず俺たち二人を部屋の外に押しやってしまう。
思いの外、力強かった……。
無情にも、扉は何の躊躇もなく閉められ、ルオード様と二人、立ち尽くすこととなり、暫く途方にくれる。
「……あの、とりあえず、俺の部屋に、いらっしゃいますか?」
ルオード様にお伺いしたいこともあったのでそう声を掛けると、そうだな。と、同意を得ることが出来た。
そのまま俺の部屋へとご案内する。
一階の玄関広間からは、まだ喧騒が聞こえていた。
自室に入り、長椅子を勧めると、ルオード様は静かにそれに従ってから、おもむろに口を開く。
「……無体を働かれたという話は、本当だったのだね」
「え……はい」
「両親の話も? 一人、逸れてしまったということも?」
「そうです……」
異界に関わることは伏せているが、ある意味嘘は、言っていない。サヤはサヤの世界と隔絶した。サヤの大切なものは、全て遠い彼方だ。
俺の知る範囲……誘拐されかけ、無体を働かれたということと、俺が出会ってからの、サヤとの間にあった出来事を、かいつまんで話す。
聴き終えたルオード様は、額に手を当てて、大きく息を吐いた。
「……それを聞くとやはり……男装しておくというのは、あの娘にとって重要なことなのだな……」
「ええ。男だと思われている……と、思うことが、少なからず彼女の気持ちを、落ち着かせているのは事実であると思います」
「レイシールと、ハイン、ギルバート、マルクス……長く接してきたこの四人には、比較的馴染んでいるのだね」
「そうですね、概ねは。
……ただやはり、緊張を見せる瞬間というのは、あります。
自ら触れることは可能となっている様子ですが、急な接触には警戒があるように見受けられます」
「……それは、仕方がないのだろうな……。それだけ過酷な経験をしたのだろうから。
ならば、彼女を王都で預かるというのは、あまり得策ではないように思う。
不特定多数の異性に接する生活となるし、日々護衛も変わる。それでは慣れる余裕など無いだろうから。
だが……あの娘の知識は、野放しにしておくには危険だ。
妙な者に嗅ぎつけられれば、人の扱いをされない可能性すらある」
そう呟いてから、ルオード様は瞳を閉じた。
その懸念は俺も抱いていたことだから、言われたことの意味は、嫌という程分かった。
沈黙が満ちる中、しばし熟考し、視線を俺に向ける。
「仮姿を用意しなさい」
「あ、一応一つ……」
「一つでは足りない。複数用意しなさい。
彼女の知識は多岐に渡る様子だ。だから分野ごとに、用意するくらいの心算で、かりそめの人物を作りなさい。
それと、レイシールにも役職を用意する方が良いな。姫と相談しておこう。
これに関しては、成人を待っていたのでは間に合わぬ。君は好まないかもしれないが、特例となってもらうしかないと思う。
サヤを守る為に、矢面に立つことになるが、受け入れるかい?」
「はい!」
そこに、迷いは何も無かった。
俺が盾になることでサヤを守れるというなら、いくらだって身を捧げる。
だがその様な助言をして下さるルオード様が心配だった。
姫様は、サヤを欲する姿勢を見せていた。自棄になっていたと仰ってはいたが、その気持ちが今はもう無い。ということではないと思う。
俺のその疑念は表情に現れていたのだろう。
ルオード様が、少し困った様子で、けれどどこか晴れ晴れとした笑顔を見せる。
「これは私からのお礼だと思ってくれ」
「……一体何に?」
「決まっている。姫の……王家の先を、救ってくれたことだよ」
そんな風に言われて、ズシンとくる、責任という名の重積に耐える。
その俺の様子に、ルオード様は冷静な表情で、静かに語った。
「良いのだよ。全てが正しくなかったのだとしても。
未来の保証など、神でもなければ出来はしない。
だが、可能性の一つとしては充分な説得力だ。結果がついてくれば、尚良いというだけのことだよ。
少なくとも、姫の未来は開けた。その先は、我々の努力でどうにかすることだ。
君やサヤが背負うことではないから、そんなに思い詰めるな」
この方は、ちゃんと冷静に、物事を受け止めてらっしゃるのだなと、痛感した。
ただ全てを鵜呑みにはしていない。
今の可能性と、その先の可能性を、きちんと冷静に見ている。
姫様を補佐していくに、相応しい人だと、改めて思った。
…………ルオード様は、決心、されたのだろうか?
「あと、姫の関心や問題を程良く処理しなさい。
彼女が協力したいと思っているのは君であって、この国じゃない。
サヤは、君の元にいることに、意味がある。この形でなければならないのだと。
そのことを、私からも言っていくつもりだけれど、姫様に理解してもらう様努めなさい。
彼女を、本当の意味で守れる様に」
最後の助言は、ルオード様の立場からすると、かなり際どい発言の様に思えた。
だから、この方が俺と、サヤに、とても心を砕いて下さっているのだと、痛いほどに伝わる。その心遣いにどうお礼を伝えればいいものかと悩み、結局、深く頭を下げた。
「万が一何かあれば、まず私に報告しなさい。
極力、君たちにとって悪くない結果となる様、尽力すると約束する。
こちらは、私の想いを……救い上げてくれたことへのお礼だよ」
顔を伏せたから、ルオード様の表情を見ることは出来ない。
けれど、優しく微笑んでいるであろうことは、声音で想像できた。
「こんな状況、考えてもいなかったよ……。
だけど……自分の手で、姫をお守りできるなら……これ以上の喜びはない。ありがとう」
いつもの男装姿。凛とした、騎士の様なサヤだ。
先程の灰色の礼装を腕に抱えて立っていた。
「これを着る時に、覚悟は致しました。
きっと、私の性別のこと……疑ってらっしゃるのだと、思っていましたから」
サヤが毅然と口を開く。
姫様を真っ直ぐ見つめ、揺るがない視線で。
「私の男装は、私の経験に端を発するものです。
強要されているのではありません。私の意思で、行っております。
私は、幼い頃に誘拐されかけました。そのおりに、少々……無体を、働かれた経験がございます……。
それ以外にも、男性に、不埒なことをされた経験が、幾度もございます……。
故に、男性が怖いです。男性の……女性を見る視線が、触れられることが怖い。
だから、男装が楽でした。
男だと思われていれば、あの視線に晒されずに、済むのですから」
そこまで一気に話し、一度大きく息を吐く。
歯を食いしばっている……震えを、必死で押さえ込んでいるのが、傍目からも分かった。
焦りが、俺を動かす。
サヤを背中に庇う。
ここには、ルオード様がいらっしゃる。
男性がいる場で、無体を働かれたことなど、口にしたくない筈だ。
「あの! これ以上はどうか、お許し下さい。
この娘は、過去を思い出すだけでも、苦痛を感じるのです!
男性がいる場で、これ以上のことはお許し下さい!」
俺の必死の嘆願に、ルオード様が狼狽える。
自分がこの場にいることが問題なのだと、察した為だ。だが、姫様をお一人にするわけにもいかない。
「だ、大丈夫。平気です」
サヤからは気丈な声が聞こえたが、それが本当だとは思えない。
現に、俺の背に、サヤの手は縋り付いていた。小刻みな震え……それを感じる。
「……サヤよ、レイシールも男であるが、問題は無いのか」
「当初は、苦痛もありました。
けれど……レイシール様は、私が怖いと思うことは、何一つ、なさいません。
私は、こんな自分が嫌でした。過去のことをずっと引きずって、いつまで経っても、恐怖を克服できない。そんな自分が大嫌いでした。
なのにレイシール様は、そんな私を、間違ってるって、叱って下さったんです……。
怖くて当たり前なのだから、自分を責めるな、それは、無体を働いた相手を肯定するのと同じだ。……って、怒って下さったんです……」
背中の手が、ギュッと握られる。そして俺にだけに聞こえる小声で、「そんな私を、好きやって、言うてくらはった……」と、呟いた。
「それに、私がどれほど救われたか、伝わらないのがもどかしい……。
だから私は、ここで、レイシール様のお役に立ちたいって、思いました。
ギルさんの所で、恙無く暮らすようにと言われた時も、拒否しました。
私は、私の意思でここに居ます。
レイシール様のお役に立ちたいんです。
ですからどうか、目を瞑って、頂けませんか。
私をここに居させて下さい……」
震える涙声。背中にとんと触れたのは、多分サヤの額。
どうしようもない愛おしさが胸に広がる。
守りたい。
この、強くて儚い娘を、両手で抱きしめたかった。
「……よし分かった。
ルオード、そしてレイシール。ちと退室しろ。
女だけで話をしたく思う。リーカ、二人を叩き出せ」
不意にそんな風に言われ、慌てた。
だが、ニコニコと笑顔のリーカ様が、有無を言わさず俺たち二人を部屋の外に押しやってしまう。
思いの外、力強かった……。
無情にも、扉は何の躊躇もなく閉められ、ルオード様と二人、立ち尽くすこととなり、暫く途方にくれる。
「……あの、とりあえず、俺の部屋に、いらっしゃいますか?」
ルオード様にお伺いしたいこともあったのでそう声を掛けると、そうだな。と、同意を得ることが出来た。
そのまま俺の部屋へとご案内する。
一階の玄関広間からは、まだ喧騒が聞こえていた。
自室に入り、長椅子を勧めると、ルオード様は静かにそれに従ってから、おもむろに口を開く。
「……無体を働かれたという話は、本当だったのだね」
「え……はい」
「両親の話も? 一人、逸れてしまったということも?」
「そうです……」
異界に関わることは伏せているが、ある意味嘘は、言っていない。サヤはサヤの世界と隔絶した。サヤの大切なものは、全て遠い彼方だ。
俺の知る範囲……誘拐されかけ、無体を働かれたということと、俺が出会ってからの、サヤとの間にあった出来事を、かいつまんで話す。
聴き終えたルオード様は、額に手を当てて、大きく息を吐いた。
「……それを聞くとやはり……男装しておくというのは、あの娘にとって重要なことなのだな……」
「ええ。男だと思われている……と、思うことが、少なからず彼女の気持ちを、落ち着かせているのは事実であると思います」
「レイシールと、ハイン、ギルバート、マルクス……長く接してきたこの四人には、比較的馴染んでいるのだね」
「そうですね、概ねは。
……ただやはり、緊張を見せる瞬間というのは、あります。
自ら触れることは可能となっている様子ですが、急な接触には警戒があるように見受けられます」
「……それは、仕方がないのだろうな……。それだけ過酷な経験をしたのだろうから。
ならば、彼女を王都で預かるというのは、あまり得策ではないように思う。
不特定多数の異性に接する生活となるし、日々護衛も変わる。それでは慣れる余裕など無いだろうから。
だが……あの娘の知識は、野放しにしておくには危険だ。
妙な者に嗅ぎつけられれば、人の扱いをされない可能性すらある」
そう呟いてから、ルオード様は瞳を閉じた。
その懸念は俺も抱いていたことだから、言われたことの意味は、嫌という程分かった。
沈黙が満ちる中、しばし熟考し、視線を俺に向ける。
「仮姿を用意しなさい」
「あ、一応一つ……」
「一つでは足りない。複数用意しなさい。
彼女の知識は多岐に渡る様子だ。だから分野ごとに、用意するくらいの心算で、かりそめの人物を作りなさい。
それと、レイシールにも役職を用意する方が良いな。姫と相談しておこう。
これに関しては、成人を待っていたのでは間に合わぬ。君は好まないかもしれないが、特例となってもらうしかないと思う。
サヤを守る為に、矢面に立つことになるが、受け入れるかい?」
「はい!」
そこに、迷いは何も無かった。
俺が盾になることでサヤを守れるというなら、いくらだって身を捧げる。
だがその様な助言をして下さるルオード様が心配だった。
姫様は、サヤを欲する姿勢を見せていた。自棄になっていたと仰ってはいたが、その気持ちが今はもう無い。ということではないと思う。
俺のその疑念は表情に現れていたのだろう。
ルオード様が、少し困った様子で、けれどどこか晴れ晴れとした笑顔を見せる。
「これは私からのお礼だと思ってくれ」
「……一体何に?」
「決まっている。姫の……王家の先を、救ってくれたことだよ」
そんな風に言われて、ズシンとくる、責任という名の重積に耐える。
その俺の様子に、ルオード様は冷静な表情で、静かに語った。
「良いのだよ。全てが正しくなかったのだとしても。
未来の保証など、神でもなければ出来はしない。
だが、可能性の一つとしては充分な説得力だ。結果がついてくれば、尚良いというだけのことだよ。
少なくとも、姫の未来は開けた。その先は、我々の努力でどうにかすることだ。
君やサヤが背負うことではないから、そんなに思い詰めるな」
この方は、ちゃんと冷静に、物事を受け止めてらっしゃるのだなと、痛感した。
ただ全てを鵜呑みにはしていない。
今の可能性と、その先の可能性を、きちんと冷静に見ている。
姫様を補佐していくに、相応しい人だと、改めて思った。
…………ルオード様は、決心、されたのだろうか?
「あと、姫の関心や問題を程良く処理しなさい。
彼女が協力したいと思っているのは君であって、この国じゃない。
サヤは、君の元にいることに、意味がある。この形でなければならないのだと。
そのことを、私からも言っていくつもりだけれど、姫様に理解してもらう様努めなさい。
彼女を、本当の意味で守れる様に」
最後の助言は、ルオード様の立場からすると、かなり際どい発言の様に思えた。
だから、この方が俺と、サヤに、とても心を砕いて下さっているのだと、痛いほどに伝わる。その心遣いにどうお礼を伝えればいいものかと悩み、結局、深く頭を下げた。
「万が一何かあれば、まず私に報告しなさい。
極力、君たちにとって悪くない結果となる様、尽力すると約束する。
こちらは、私の想いを……救い上げてくれたことへのお礼だよ」
顔を伏せたから、ルオード様の表情を見ることは出来ない。
けれど、優しく微笑んでいるであろうことは、声音で想像できた。
「こんな状況、考えてもいなかったよ……。
だけど……自分の手で、姫をお守りできるなら……これ以上の喜びはない。ありがとう」
0
お気に入りに追加
838
あなたにおすすめの小説
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
【改稿版・完結】その瞳に魅入られて
おもち。
恋愛
「——君を愛してる」
そう悲鳴にも似た心からの叫びは、婚約者である私に向けたものではない。私の従姉妹へ向けられたものだった——
幼い頃に交わした婚約だったけれど私は彼を愛してたし、彼に愛されていると思っていた。
あの日、二人の胸を引き裂くような思いを聞くまでは……
『最初から愛されていなかった』
その事実に心が悲鳴を上げ、目の前が真っ白になった。
私は愛し合っている二人を引き裂く『邪魔者』でしかないのだと、その光景を見ながらひたすら現実を受け入れるしかなかった。
『このまま婚姻を結んでも、私は一生愛されない』
『私も一度でいいから、あんな風に愛されたい』
でも貴族令嬢である立場が、父が、それを許してはくれない。
必死で気持ちに蓋をして、淡々と日々を過ごしていたある日。偶然見つけた一冊の本によって、私の運命は大きく変わっていくのだった。
私も、貴方達のように自分の幸せを求めても許されますか……?
※後半、壊れてる人が登場します。苦手な方はご注意下さい。
※このお話は私独自の設定もあります、ご了承ください。ご都合主義な場面も多々あるかと思います。
※『幸せは人それぞれ』と、いうような作品になっています。苦手な方はご注意下さい。
※こちらの作品は小説家になろう様でも掲載しています。
私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。
火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。
王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。
そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。
エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。
それがこの国の終わりの始まりだった。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる