9 / 11
第二章
第九話「狙われた桜」
しおりを挟む
「玲奈ー!! 玲奈―!!!」
桜は林の中をくまなく探していく。
(どこかで怪我してない? 迷子になっちゃった? 早く……早く……)
夕日も見え始め、林の中はゆっくりと闇を深めていく。
「玲奈ー!!」
「一ノ宮桜さんですね?」
声のしたほうを振り返るとそこには、紫の着物を着た青年がいた。
「誰……?」
桜が警戒するのも無理はなかった。
小鬼や少年の鬼の襲撃頃から、桜は鬼の気配をわずかながら察知できるようになっていた。
「私は霧哉と申します。あなた様をお迎えにあがりました」
「どういうこと?」
「あなた様には尭鬼様の元に来てもらいます」
「断るっていったら……?」
「この娘を殺します」
そうして霧哉が「この娘」と紹介したほうを見ると、霧で今まで隠れていた少女が現れた。
「玲奈!?」
玲奈は意識を失っており、桜の声は届かない。
「さぁ、どうしますか? あなたはお友達を見捨てて逃げますか?」
(どっちの方法も取りたくない。何か方法は……)
桜が切り株に目を向けると、そこにはサバイバルナイフのような小さめのナイフがあった。
(ナイフ……! 戦える! けど、一人だと玲奈の命まで守れないかも)
すると、桜は霧哉の後方に三琴を発見した。
(でもこれ以上目で合図したら、敵にバレる。なら……)
桜は一気に駆けだすと、ナイフのほうへと向かって行った。
「逃げるのかいっ?!」
霧哉が桜に攻撃を手から放つが、その攻撃を三琴が攻撃ではじく。
「何?!」
三琴は一気に霧哉に詰め寄ると、とどめを刺すように霧哉の腹部を刀で貫いた。
「玲奈!」
一瞬の戦闘によって、無事に生還した玲奈を抱きしめる桜。
三琴は灰になって消える霧哉を眺めていた──
桜は林の中をくまなく探していく。
(どこかで怪我してない? 迷子になっちゃった? 早く……早く……)
夕日も見え始め、林の中はゆっくりと闇を深めていく。
「玲奈ー!!」
「一ノ宮桜さんですね?」
声のしたほうを振り返るとそこには、紫の着物を着た青年がいた。
「誰……?」
桜が警戒するのも無理はなかった。
小鬼や少年の鬼の襲撃頃から、桜は鬼の気配をわずかながら察知できるようになっていた。
「私は霧哉と申します。あなた様をお迎えにあがりました」
「どういうこと?」
「あなた様には尭鬼様の元に来てもらいます」
「断るっていったら……?」
「この娘を殺します」
そうして霧哉が「この娘」と紹介したほうを見ると、霧で今まで隠れていた少女が現れた。
「玲奈!?」
玲奈は意識を失っており、桜の声は届かない。
「さぁ、どうしますか? あなたはお友達を見捨てて逃げますか?」
(どっちの方法も取りたくない。何か方法は……)
桜が切り株に目を向けると、そこにはサバイバルナイフのような小さめのナイフがあった。
(ナイフ……! 戦える! けど、一人だと玲奈の命まで守れないかも)
すると、桜は霧哉の後方に三琴を発見した。
(でもこれ以上目で合図したら、敵にバレる。なら……)
桜は一気に駆けだすと、ナイフのほうへと向かって行った。
「逃げるのかいっ?!」
霧哉が桜に攻撃を手から放つが、その攻撃を三琴が攻撃ではじく。
「何?!」
三琴は一気に霧哉に詰め寄ると、とどめを刺すように霧哉の腹部を刀で貫いた。
「玲奈!」
一瞬の戦闘によって、無事に生還した玲奈を抱きしめる桜。
三琴は灰になって消える霧哉を眺めていた──
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
19
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる