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第二章

第八話「危険な帰り道」

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「じゃあ、グループに分かれましたかー?」

 現地到着後、すぐにカレー作りがおこなわれた。
 桜と三琴は同じグループだった。

「じゃあ、これを切ってもらえる?」

「この刀のようなもので切ったらいいのだな? わかった」

 桜が見本を見せて、三琴がその通りに切る。

「刀?? 三琴くん古風なこと言うよね」

 クラスメイトの玲奈が三琴のまな板を覗きながら言う。
 それに対して、桜は慌ててフォローする。

「ああ! 三琴はとっても田舎に住んでたから!」

「……? へえ~そうなんだ~なんか大変そう。何かあったら言ってね!」

 玲奈が巻き割り係のクラスメイトのところに向かって行った。


「はあ……」

「ごめんね、僕のことで桜に苦労させて」

「大丈夫だよ、自分が同じ状況だったら困って助けてほしいもん。それに『許嫁』なんでしょ? このくらいやらせてよ」

「感謝するよ」

 桜と三琴は着々と準備を進めていった。
 桜のグループは、桜が普段から料理経験があるおかげか、非常に出来の高いカレーになった。

 三琴ははじめはカレーの存在に戸惑いつつも、次第に味にはまり、たいらげていた。
 桜はその様子に安心した。

 午後からは林業体験とクラフト体験をすることになった桜たち。
 だが、この林業体験の帰り道で事件は起こった。


「足元に気を付けてね~滑らないように」

 担任の遠坂が先導し、宿泊施設へと向かっていた一行。
 しかし、桜がそこで異変に気付く。

(玲奈がいない……)

「三琴、玲奈がいないの」

「真庭さんが?」

「私、探してくる!」

「桜っ!」

 桜は一人で駆けだしていった。
 すぐに追いかけようとする三琴の目の前突然白い霧が立ち込める。


「霧っ?!」

 その霧のはるか向こうに桜は行ってしまった。
 三琴は桜の気配をたどろうとするが、霧で気配や匂いを消されており、追えない。

「くっ! 桜っ!!」

 三琴は桜を見失ってしまった。
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