恋人以上、永遠の主人

動いた山は氷山の一角に過ぎない

３P

　失踪した子供達の中に直属の部下がいるから必死になって探している。なんてわけじゃないのは本人も皆もわかっているけれど、自然と普段より必死になっちゃうのよ。


　だってそうでしょ？いなくなっちゃったのは、あのラファルガ君なんだから。


　失踪した子供達の共通点は“最近、見慣れない子供と仲良くなってよく遊んでいた”ってこと。その見慣れない子供こそ、小童子だと言われているわ。


　１０歳の子供とはいえ、ラファルガ君は鬼死団の幹部よ？小童子が鬼だと気づかなくても、そう簡単に誘拐されるような子じゃないわ。


　だからこそ、余計に心配なの。ラファルガ君をも欺くほど知能の高い鬼なのか？ってね。


　あたしの知識が正しければ、小童子は言葉もまともにしゃべれないくらいの子供。人間がしゃべっているのを、生活を見て学習し成長するタイプだったわ。


　餓鬼よりは大きいけれど小学校低学年くらいの子供サイズで、すぐに知識をつけるから少々厄介。


　子供だから団体行動をとることが多く、単体で倒すのはとっても簡単なのに大勢だと連携をとりだすから面倒。


　そして何より、見た目が問題。その姿は普通の人間の子供と全く見分けがつかないのよ。本性を現せば額から角が生えるんだけど、普段は悪戯好きな人間の子供そのもの。


　じゃあどうやって見つけるのか？鬼が苦手なものをばらまくのよ。


「早くやつらの住処を見つけて殲滅しないと、誘拐された残りの子供達も殺されるな。ラファルガ君を待っている時間はない、行こう」


「ちょっと待って、ラファルガ君を待つってどういう意味！？ねぇ、マクベス！？」