恋人以上、永遠の主人

那月

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動いた山は氷山の一角に過ぎない

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「俺にもわからん。説明してくれ、マクベスさん。あなたはラファルガが誘拐されたことに何か意味があると、そう言うのか?」


 あたしの手を取って歩き出そうとしたマクベス。あたしは踏ん張ってブレーキ、アキラさんがもう片方の腕をつかんで制止をかけた。


 どこに行こうっていうのよ?自分だけで納得しちゃってんじゃないわよ。


 見てよ、アキラさんだって困惑してる。パートナーのあたしを置いていくなんて言語道断、アキラさんだって大事な仲間なんだから同じよ。


 それとも、情報の共有を忘れちゃうほど急ぐことなの?まぁ、急がないといけない状況なのはわかってるけど。


 振り返ったマクベスは苦虫を噛み潰したような顔で「ごめん」と謝り、深呼吸をした。


 あたしを見つめて、アキラさんを見つめて、またあたしをジッと見つめると自分の胸を指さす。あたしの手を握っている手は離さないのね。


「…………俺も、晴明様の術が使えるんだ。たまにだけど、俺の意思とは関係なく触れた者の記憶や心を読み取れる。鬼じゃなくて、人間相手でも、だから、ラファルガ君がわざと小童子にさらわれて住処を突き止めようとしていたのを知った」


「わざとって、じゃああいつは最初から小童子の仕業だとわかっていたのか?住処を見つけたら俺達に知らせてくれるのか?連絡は来ていないぞ?」


「ケータイが手元にない場合は何とか脱出するって言っていた。友達が失踪したから、その友達がいつもと違う友達を連れていたからすぐにわかったんだそうだよ」


 マクベスはアキラさんが目を反らした隙に、あたしに「あとで」と口パク。アキラさんには知られたくない話?といことは、晴明様の術が使えることに関係してるわね。勘だけど。


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