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第2章 禁断の恋愛
3、十文字理沙
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学校が始まった。
時間の流れというのはあっという間である。
そんなことを身に染みたまま学校に通うことになっていた。
「同じクラスだね秀頼君」
「そうだな同じクラスだな」
俺のクラスの名前には『十文字タケル』の文字がある。
やはり、同じクラスであったか……。
運命力ってやっぱ半端ないな……。
「ところで絵美」
「んー?」
「お前のクラスは何組だった?」
「だから同じクラスだってば!?さっき会話したじゃん!」
「え?」
十文字タケルの1個上に佐々木絵美の名前があった。
出席番号隣り合わせやん……。
しかも『明智』で俺の番号1番だし……。
「なんかの意図的なものを感じるような……。運命って奴は本当に存在するらしいな」
「運命!」
「そうだ、運命だ」
「だよね!だよね!」
タケルと秀頼。
主人公とクズゲス親友役の接点を無理矢理繋げようとする鋼の意思を感じる。
「よし、タケルとの接点を避けるためにもこそっと教室に行くか」
周りにタケルの姿をいないかを確認しながら、俺はクラス表が貼られたこの場所から離れていく。
「1組かー、1組」
1組のテンションの下がり具合は異常。
なんか1年1組とか書くと田舎の学校みたいで好きじゃないんだよなー。
1人で廊下を歩いていた時であった。
『もう心配し過ぎだってば兄さん!』
『あっ、おい!』
「ん?」
なんか聞き覚えのある声がしたなーと振り向いてみた時だった。
『うわわわわわ』
「え?」
バーンと俺の身体に生徒の姿がぶつかった。
痛いと思いながら、お尻を触っていた。
「ご、ごめんなさい……」
「あ、あぁ……。別に気にすることはない……」
どうやら女子生徒が俺にぶつかってきていて、彼女は床へ転がっていた。
女子生徒に手を伸ばすとそのまま「ありがとう」と声を掛けてくる。
その女子生徒の顔を見た時、嫌な予感が過った。
「おーい、大丈夫か!理沙」
「だから兄さんはおせっかいなんだってば!」
「……」
俺の姿を認識される前にこそーっと背中を向ける。
あれは関わってはいけない人種だ、と言い聞かせて背中を向ける。
……が、「待ってくれ」と声を掛けられる。
「すまんすまん。俺と妹が迷惑を掛けたな」
「いえ、お構いなく……」
俺はなんでもないですよという雰囲気で立ち去ろうとする。
「待ってください。きちんと謝らせてください。私は十文字理沙です。こっちは兄のタケルです。あなたは?」
「……」
主人公とヒロインの理沙だあああああああ!!
原作と狂ったけど接点ができてしまったあああああああ……。
「明智秀頼です……」
「本当にごめんなさい明智さん」
「理沙が慌てるからだぞ」
「兄さんがお節介なんです!」
どうせあれだ。
「忘れ物ないか?俺が居なくても平気か?」みたいなシスコンを発揮していたタケルが、理沙とひと悶着あったに違いない。
十文字タケルはシスコン属性も持っているのだから。
十文字タケル。
『悲しみの連鎖を断ち切り』の主人公役。
如何にもな黒髪主人公で、誠実そうなイケメンといった感じ。
そして、妹の十文字理沙。
『悲しみの連鎖を断ち切り』のヒロイン役。
同じ黒髪である。
まだまだ幼いが、セミロングであり、タケルを女性にしたって感じのキャラデザである。
こちらも誠実そうであり、将来巨乳に育つヒロイン。
兄を煩わしいと思っているが、実は兄に構って欲しいという現れであり、隠れブラコン属性だ。
双子というわけではなく、タケルが4月生まれ、理沙が3月生まれという実の兄妹である。
実の妹ルートも原作には完備しており、結構重めのストーリーであった筈。
初代のヒロインであり、セカンドとファイナルシーズンではサブキャラクターの位置に落ち着いている。
まあ、別に彼女がメインヒロインというわけでもないし、実の妹ルートなんてそんなものだろう。
理沙の人気も割りと下の方だった気がするし……。
「秀頼でいいか?」
「あ、ああ。好きに呼べば良い」
俺のこそっと教室へ避難する作戦はものの見事に失敗。
あろうことか、十文字兄妹と知り合ってしまうという展開を見せる。
「そういやせっかく知り合ったんだし、クラスを聞いておくか秀頼は何組だった?」
「1組だよ」
「じゃあ明智さんは兄さんと同じクラスですね」
「うーん……、秀頼は信用できそうではあるが、理沙のクラスには信用できる奴は居るのか?」
「知らないわよ、そんなの」
ぎゃあぎゃあと騒がしい兄妹である。
高校に入ってもそんな感じであったが、小学生の時ですらこいつらはこんな距離感なのか。
しかし、俺を信用できそうか……。
本当で無能なのが伝わってきたよ。
人の見る目が無さすぎる主人公に全俺が泣いた……。
「まあ、いいや!最初に知り合ったんだしよろしくな秀頼」
「あ、あぁ……」
「兄さんなんか暑苦しいし面倒なんで邪見にしてやってください」
「あはは……」
理沙はそんなことを言い張っているが、実は兄を独占したいという邪な気持ちが含まれていることを俺は既にゲームの展開で知っている。
「よっしゃ、いくぜ親友!」
「慣れ慣れしいな……」
「兄は病気なんで鬱陶しい時は鬱陶しいって言っていいですからね明智さん」
「はいよ」
鬱陶しいと追い払った結果が原作だからな。
もうどうやってもタケルに認識された瞬間には逃げられないんだろうと気付いたのであった。
「はぁ……」
理沙ルートでも当然の如く、秀頼と絵美が全力で邪魔してくるルートなんだよね……。
もうタケルは誰とくっついてでもいいから、俺だけは巻き込んで欲しくないよなぁ……。
……ところで、俺との全力な共同作業で邪魔してくる絵美さんはどこ行ったんだ?
『やっぱり、わたしと秀頼君は運命の赤い糸で結ばれているんだよね!きゃ!…………あれ?秀頼君が消えた?……ギフト的なあれですか……?』
時間の流れというのはあっという間である。
そんなことを身に染みたまま学校に通うことになっていた。
「同じクラスだね秀頼君」
「そうだな同じクラスだな」
俺のクラスの名前には『十文字タケル』の文字がある。
やはり、同じクラスであったか……。
運命力ってやっぱ半端ないな……。
「ところで絵美」
「んー?」
「お前のクラスは何組だった?」
「だから同じクラスだってば!?さっき会話したじゃん!」
「え?」
十文字タケルの1個上に佐々木絵美の名前があった。
出席番号隣り合わせやん……。
しかも『明智』で俺の番号1番だし……。
「なんかの意図的なものを感じるような……。運命って奴は本当に存在するらしいな」
「運命!」
「そうだ、運命だ」
「だよね!だよね!」
タケルと秀頼。
主人公とクズゲス親友役の接点を無理矢理繋げようとする鋼の意思を感じる。
「よし、タケルとの接点を避けるためにもこそっと教室に行くか」
周りにタケルの姿をいないかを確認しながら、俺はクラス表が貼られたこの場所から離れていく。
「1組かー、1組」
1組のテンションの下がり具合は異常。
なんか1年1組とか書くと田舎の学校みたいで好きじゃないんだよなー。
1人で廊下を歩いていた時であった。
『もう心配し過ぎだってば兄さん!』
『あっ、おい!』
「ん?」
なんか聞き覚えのある声がしたなーと振り向いてみた時だった。
『うわわわわわ』
「え?」
バーンと俺の身体に生徒の姿がぶつかった。
痛いと思いながら、お尻を触っていた。
「ご、ごめんなさい……」
「あ、あぁ……。別に気にすることはない……」
どうやら女子生徒が俺にぶつかってきていて、彼女は床へ転がっていた。
女子生徒に手を伸ばすとそのまま「ありがとう」と声を掛けてくる。
その女子生徒の顔を見た時、嫌な予感が過った。
「おーい、大丈夫か!理沙」
「だから兄さんはおせっかいなんだってば!」
「……」
俺の姿を認識される前にこそーっと背中を向ける。
あれは関わってはいけない人種だ、と言い聞かせて背中を向ける。
……が、「待ってくれ」と声を掛けられる。
「すまんすまん。俺と妹が迷惑を掛けたな」
「いえ、お構いなく……」
俺はなんでもないですよという雰囲気で立ち去ろうとする。
「待ってください。きちんと謝らせてください。私は十文字理沙です。こっちは兄のタケルです。あなたは?」
「……」
主人公とヒロインの理沙だあああああああ!!
原作と狂ったけど接点ができてしまったあああああああ……。
「明智秀頼です……」
「本当にごめんなさい明智さん」
「理沙が慌てるからだぞ」
「兄さんがお節介なんです!」
どうせあれだ。
「忘れ物ないか?俺が居なくても平気か?」みたいなシスコンを発揮していたタケルが、理沙とひと悶着あったに違いない。
十文字タケルはシスコン属性も持っているのだから。
十文字タケル。
『悲しみの連鎖を断ち切り』の主人公役。
如何にもな黒髪主人公で、誠実そうなイケメンといった感じ。
そして、妹の十文字理沙。
『悲しみの連鎖を断ち切り』のヒロイン役。
同じ黒髪である。
まだまだ幼いが、セミロングであり、タケルを女性にしたって感じのキャラデザである。
こちらも誠実そうであり、将来巨乳に育つヒロイン。
兄を煩わしいと思っているが、実は兄に構って欲しいという現れであり、隠れブラコン属性だ。
双子というわけではなく、タケルが4月生まれ、理沙が3月生まれという実の兄妹である。
実の妹ルートも原作には完備しており、結構重めのストーリーであった筈。
初代のヒロインであり、セカンドとファイナルシーズンではサブキャラクターの位置に落ち着いている。
まあ、別に彼女がメインヒロインというわけでもないし、実の妹ルートなんてそんなものだろう。
理沙の人気も割りと下の方だった気がするし……。
「秀頼でいいか?」
「あ、ああ。好きに呼べば良い」
俺のこそっと教室へ避難する作戦はものの見事に失敗。
あろうことか、十文字兄妹と知り合ってしまうという展開を見せる。
「そういやせっかく知り合ったんだし、クラスを聞いておくか秀頼は何組だった?」
「1組だよ」
「じゃあ明智さんは兄さんと同じクラスですね」
「うーん……、秀頼は信用できそうではあるが、理沙のクラスには信用できる奴は居るのか?」
「知らないわよ、そんなの」
ぎゃあぎゃあと騒がしい兄妹である。
高校に入ってもそんな感じであったが、小学生の時ですらこいつらはこんな距離感なのか。
しかし、俺を信用できそうか……。
本当で無能なのが伝わってきたよ。
人の見る目が無さすぎる主人公に全俺が泣いた……。
「まあ、いいや!最初に知り合ったんだしよろしくな秀頼」
「あ、あぁ……」
「兄さんなんか暑苦しいし面倒なんで邪見にしてやってください」
「あはは……」
理沙はそんなことを言い張っているが、実は兄を独占したいという邪な気持ちが含まれていることを俺は既にゲームの展開で知っている。
「よっしゃ、いくぜ親友!」
「慣れ慣れしいな……」
「兄は病気なんで鬱陶しい時は鬱陶しいって言っていいですからね明智さん」
「はいよ」
鬱陶しいと追い払った結果が原作だからな。
もうどうやってもタケルに認識された瞬間には逃げられないんだろうと気付いたのであった。
「はぁ……」
理沙ルートでも当然の如く、秀頼と絵美が全力で邪魔してくるルートなんだよね……。
もうタケルは誰とくっついてでもいいから、俺だけは巻き込んで欲しくないよなぁ……。
……ところで、俺との全力な共同作業で邪魔してくる絵美さんはどこ行ったんだ?
『やっぱり、わたしと秀頼君は運命の赤い糸で結ばれているんだよね!きゃ!…………あれ?秀頼君が消えた?……ギフト的なあれですか……?』
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