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マランダ
第57話
しおりを挟むぶらぶらと町の通りを歩いて行く僕ら三人。
特に目立つお店もなく、何から何までこじんまりとした町です。
そのうち大きな広場に差し掛かりました。
「あれ何してんだろ?」
テンテが声を上げます。
見ると確かに奇妙な光景。
広場の一角に何枚も青いシートが敷かれ、その上にうずたかく色んな物品が積み上げられています。家具に装飾品、書籍、衣装、工芸品、壺に鍋に食器。絵画。骨董品めいた物から日用品まで。
何やら様々な品を抱えた人達が次々とその一角を目指して広場に入っていく。
そして、そこに持ってきた物を置くのです。
「廃品回収じゃない?」
トリアさんが言いました。
「じゃ、あそこにあるもの何か貰ってっても大丈夫かな?」
「聞いてみればいいわ」
僕達は広場の中へ。
テンテは駆けていって、シートの傍らに立つ腕章を付けた管理者らしきおじさんに声を掛けました。
二人のやり取りは聞こえませんでしたが、すぐにテンテは広場の入り口近くで待つ僕らのもとへ戻ってくる。
「あげるなんてとんでもないって怒られた! 廃品じゃないって」
「あらっ、そうなの? じゃ、なぁに?」
「領主さんが集めてるんだって」
「えっ、どういうことだろ?」
僕はすごく気になり始めました。
なぜマランダ卿が、統一性のない色んな物を領民から集めているのか。
凝った柄の布地をシートの上に置いて引き返してきたお婆さんがいたので、僕は歩み寄って話しかけてみました。
「こんにちは」
僕の姿を見てギョッとするお婆さん。
「あ、怪しい者じゃありません」
「すごく怪しいよ」
ついてきて余計なことを言うテンテ。
「えっ! す、少ししか怪しくないよ」
慌てて打ち消す僕。
焦りましたが、コントみたいなやり取りが滑稽だったのでしょう。お婆さんは頬を緩ませました。
「で、何だい?」
「あの、僕、旅の者です。ちょっとお聞きしたいことがありまして……。あそこに皆が持ち寄っている物、御領主様が集めているって聞いたんですけど何のためにそんなことをしてるんですか?」
「ああ、領主様が女王様に税を払うためじゃよ。あれを売ってな」
「えっ、税……?」
自分の土地を持ち領主権を得た諸侯は、主君たる王に毎年所領税を納めなければなりません。
その税のことでしょう。
「領民の皆さんは御領主様に対して通常の税金も納めてるんですよね?」
「そりゃあ、もちろんさ」
つまり、いつもの税とは別に領主自身が支払うべき税の負担を理不尽に領民に強いて、大事な家財を徴収している?
まさかマランダ卿がそんな圧政まがいのことを?
「ほら、領主様が来なすった」
お婆さんが顎で指した方向に目を向けると、広場の向こう側の入り口から入って来る数人の姿が見えました。
先頭の男性は確かにマランダ卿のワイズさん。懐かしい穏やかな顔。
それにしてもずいぶんと歳を取ってしまったように見えます。実際に経過した年数以上に……。苦労をされているのでしょうか。衣装も貴族にしては質素なものです。
そして、ワイズさんのその後ろ。慎ましく付き従う若い女性。
間違いない、ルルベルだ!
美しくなった。
髪は控えめなシニヨンで、ドレスはやはり地味なものです。
が、それでも華やかに感じるのは、全身に明るく澄んだ空気を纏っているからでしょうか。顔立ちは子供の頃のほわっとした印象から変わらない。
込み上げてくる想いに胸が熱くなり、僕は彼女のもとに駆け寄りたい衝動に駆られました。
名乗って話をしたい。
再会を喜び合いたい。
でも、それは絶対にできないのです。
マランダ卿達がシートの前に立つと、広場にいた人達が集まっていきました。
僕もふらふらとその中に紛れて彼らの近くへと向かう。トリアさんとテンテもついて来ます。
「皆さん、いつも本当にすまない」
集まった領民達にマランダ卿は深々と頭を下げました。
「どうだね、御領主様。足りそうかのう」
群集の前列に立つ老人が声を掛けます。
言われてマランダ卿は少し困った顔をし、後ろに立つちょび髭を生やした中年男性の方をちらりと見やりました。
貴族スタイルではないけれど立派な身なりをしたその恰幅の良い中年男性は背後のシートを振り返り、持ち寄られた品々を眺め回します。
しばらくしてマランダ卿の方へ向き直った彼は、眉を寄せながら口を開く。
「この分を加えましてもまだまだ、必要な額の半分にすら遥かに遠く及ばぬ状況かと存じます」
マランダ卿は肩を落とし、人々も溜め息を漏らしました。
「あのちょび髭の方はどなたですか?」
集まりの後ろの方で、僕は横にいた職人風の男性に尋ねました。
「ん? あんちゃん、よそのモンか? 見慣れない顔………てゆうか、顔見えねぇけど。ありゃ王都から来ている買い取りの商人さね」
「買い取り? あの集まった品物を買い取ってくれるんですね?」
「そうさ。正確な額はちゃんと査定してからになるだろうが、どうにもまだ全然足りねぇみてぇだなぁ」
「つまり、領主として国へ納める税の総額に足りないってことですよね。それを賄うために皆さんは家財の提供を命じられたのでしょうか?」
「はぁ? ちげぇよ。頼まれて自発的に持って来てんだ。俺もこうなったら仕方がねぇ。明日は仕事道具もギリギリ必要な分だけ残して、あとは全部持ってくらぁな」
「頼まれて……」
「ああ、十日ほど前だったかなぁ。住民を集めてここで御領主様が話をされたんだ」
職人さんが語ってくれた話により、僕はようやく詳細を知ることができました。
十日前、マランダ卿は大事な話があると触れを出し、町の所帯主をこの広場に集めたといいます。
そして、所領税として国に支払うお金がまったく足りないことを告白したのです。
領内の大不作で困窮する農民からはもはや年貢を取れないことや、逆に王に支払う税は年々上がって大金が必要な上に期限も厳しく決められていることを卿は訥々と語りました。
そして、金に変えられる私財は売り払ったが大した額にもならない。どうか最後の手段として皆さんに寄進をお願いできないだろうか、とそう言って頭を下げたといいます。
住民達は、我々もそんなに余裕はありませんと当初は渋りました。
マランダ卿は少しずつで構わないから皆の力を合わせて難局を乗り越えたいと重ねて頼み込む。
そして、言ったのです。
王宮とは負担軽減の交渉を続けてきたが、金が不足するなら備蓄の穀物を売ればよいと言ってきた。
飢饉になるから絶対にそれは出来ないと断ると、最終的な決定として耐え難い通告が突きつけられた、と。
その通告とは『期限までに金を納められない時は娘を代わりに連れていく』……だったそうです。
僕は愕然としました。
貴族、それも領主階級の娘までもが人身売買の対象に?
そんな!
ルルベルが売られる……!
話を聞いていたテンテが言いました。
「ひでぇなぁ。殿様の兄貴が王宮の高官なんだろ? 助けてあげないのかな」
トリアさんが答えます。
「話を聞く限りじゃ、そんな様子はないわよね。絶縁してるとはいえ冷たいお兄さんね」
「だからよぅ、俺達ゃ奮い立ったのよ! 俺達の姫様を異国に売られてたまっかよ!」
職人さんはきっぱりと言いました。
そうか、ルルベルは領内の人達にも人気があるんだ。
連れていかれた女性達の行く末はやはり何となく知れ渡っているようです。
「ちきしょうっ! 俺達なんかにも優しくして下さる姫様をよう!」
話すうちに職人さんの目が潤んでくる。
「泣き虫で可愛くて健気で情け深い姫様が異人共の慰み者になるなんて! 耐えられねぇ!!」
ルルベルは本当に慕われている。
彼女は子供の頃から何も変わってないんだ。
心暖かく純真なルルベルのまま。
「御領主様だってよぉ、先だって奥方様を亡くし、残されたたった一人の娘まで奪われちまうってんじゃ気の毒すぎらぁ!」
興奮して奔流のようにまくし立てる職人さん。
ルルベルのお母さん……亡くなっていたんだ。
職人さんの大声が他の人達をも熱くさせたようで、集まりのあちこちから声が上がり始めました。
「わっ、私、母の形見のドレスも持ってきます!」
「俺ももう老後の蓄えなんかどうでもいいや!」
「商人さん、材木も買い取ってくれるかね? うちの家の柱は今じゃ高価になった木を使っとるんだが」
「わしゃアースにおる親戚にも声を掛けてみようと思う」
ルルベルを助けたいと願う強い思いが皆の口調から伝わってきます。
人々の頭越しに、ルルベルが父親の前に進み出て来るのが見えました。
「みっ、皆さぁん、どうか、む、無理はなさらないで」
一生懸命声を張り上げている様子。
久し振りに、本当に久し振りに聞くルルベルのふんわりとした声。
「皆さんの生活が……大切。わっ、私は、えへ、だ、大丈夫でふから……」
途中から涙声に。
「大丈夫なもんか! 絶対に俺達が何とかしてやっから!」
隣りで職人さんが叫ぶと、人々はどおっと沸き立ちました。
「そうだ、そうだ! なぁに、いざとなったら姫様を連れに来る奴らを叩きのめしたらぁな!!」
「そりゃいい! 徹底抗戦だ!!」
ルルベルがバタバタと手を振りました。
「そっ、そんなこと! ダメです……絶対にダメれす……殺されましゅ!」
しゃくりあげそうになって、ろれつが回っていません。
「でっ、でも、ありがどうございまふ……お気持ちだけ……それだけで……」
ルルベルの目から涙がポロポロと溢れ出します。
それは訪れるかもしれない過酷な運命への恐怖と、領民の人達の自分に寄せる思いへの感動が入り混じった涙でしょうか。
「ありがとうございまず……お気持ち嬉ひい。私は、大丈夫、だいじょうびゅでひゅ……」
ルルベルの横でマランダ卿は沈痛な面持ちで目を伏せている。
ちょび髭の商人さんが言い辛そうに口を開きました。
「実際問題として、残り二日の期限までに足りない分の額を全て集めるのはもう無理かと思われます」
突きつけられた現実。
避けようのない悲劇。
人々の表情が強張る。
広場はしんと静まり返りました。重苦しく。
まるで時が凍りついてしまったかのようです。
立ちすくみ、無言で小さく震えるルルベル。
顔からは血の気が引いている。
力み方から懸命に震えを抑えようとしているのが分かります。
「うおお、やっぱりやるぞ! 来るのは王都の治安隊か? 戦だあああっっ!!」
静寂を破り職人さんが怒鳴る。
「ダメです!!」
泣いているのに毅然と叫ぶルルベル。
胸をえぐられる思いでした。
頭の中では色んな考えが渦を巻きます。
もしもこのまま本当に最悪の事態になってしまったら?
ルルベルを救う方法はあるのだろうか。
彼女が送り込まれる前に、ドモラの収容所を潰してしまえばいい?
いや、それだと他のどこかに連れて行かれるだけでしょう。
ルルベルが収容所に送られてから救い出す?
そんな、そもそも売られた女性達を収容所の襲撃によって確実に解放できる保証なんてどこにもないのに。
楽天的に考えるのは危険だ。
では、ルルベルが連行されていく途上を襲って奪還するというのは?
きっとその時なら護衛の兵も少なく、収容所襲撃よりも成功確率ははるかに高いはずです。
いや、いやいや、成功しても襲撃がマランダ卿の差し金だと疑われたら大変なことになる。事態を悪化させかねません。
く……じゃあ、どうすればいい。
あと二日。
……そうだ!
僕達が賊として町で暴れるというのはどうだろう。みんなに協力してもらって。
そして、ルルベルを攫っていくというシナリオ。
「こいつは上玉だ。高く売れそうだぜ」とか何とか、いかにも悪そうに僕が言うんだ。高笑いでもしながら。
これならマランダ卿は完全に被害者。
ちょび髭の商人さんや旅の人が証人になってくれるでしょう。
ルルベルを守ろうと町の人達が立ち向かってきたら、手加減はしても多少のケガを負わせてしまうかもしれない。
それに娘を攫われたマランダ卿はひどくショックを受けるに違いありません。
でも、申し訳ないですが、背に腹はかえられない。
王宮の者達に怪しまれないよう、マランダ卿との打ち合わせなしでやるんだ。
事情の説明は後。
これはいけるんじゃないでしょうか。
マランダ軍のことや治安体制について調べておく必要はありますけど。少なくともここには国軍はいない。
明日もまたこの広場にルルベルがやって来るなら、何とかやり遂げられそうに思えます。
ラミアさん、ラミアさんに相談を……。
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