56 / 78
マランダ
第56話
しおりを挟むホウライ山に連なる山々の麓を突き抜けていく林道を進み、ドモラを目指す。
時々姿を見せるのは狐や鹿や猪など。人には出会いません。
そして、草原に出る。
気持ちの良い風が草を撫で、空は夕焼け。
そこはもうマランダ。諸侯の一人、ワイズ・リードさんの領地です。
国内には王の直轄領と領主権を持つ貴族の領土が入り組んで存在しますが、マランダはそんな貴族領の一つ。
一日進み続けた僕達は、マランダの町で夜の宿をとることに決めました。
諸侯が支配する地は、領主の権勢によって軍事力・経済力はまちまちです。
ただ基本的にどこも国からはある程度独立して領地運営をしています。
もちろん領主は国すなわち王に対して納税や軍役といった義務を負うのですが。
「マランダには王宮の駐留国軍や治安隊はいないから比較的のんびりできそうね」
ラミアさんが言いました。
「ちょっと買い物したいから明日の出発はお昼すぎでいい?」
別に反対する人はいません。
僕達は城壁に囲まれた小さな城塞都市の門をくぐり中へ入っていきました。通行人の検閲などはなく、人々は自由に出入りしています。
ですが、町の中は活気に溢れているとは言えません。
人の往来も決して多くはなく、地味な雰囲気です。
でも、僕はこのマランダに来たことに少し特別な感傷を抱いていました。
マランダ卿ワイズさん。宮廷にいた時に何度も会っています。
ワイズさんの一人娘と僕は幼なじみなのです。
そのお嬢さんの名はルルベル。僕より二つ年上。
幼い当時、学業のために王都に住んでいたルルベルは、ワイズさんに連れられてよく宮廷に遊びに来ていました。
従姉のジュスティーヌは僕が病気になる前から相手してくれませんでしたし、僕にとってお姉さんのような存在というとルルベルなのです。
思い出されます。
お姉さんというには、ちょっと頼りないルルベル。
桃色の髪にほわんとした顔立ちをしていて、のんびり屋で泣き虫。
僕が一人でいるのを見つけると、必ずそばに来て構ってくれる。
王宮の庭園で一緒に遊んで過ごした幼い日々。
ルルベルは僕が虫を捕ってくると怖いと言って泣く。
僕がいじっているうちにその虫が弱ってくると、かわいそうと言って泣く。
それで困って僕は虫を手の平に乗せたままオロオロしてしまう。
そのうちに虫は何だか活気を取り戻す。
ルルベルは良かったと安堵し、元気に飛び立って自分に向かってきた虫に怯えてまた泣きながら逃げる。
そんな人。
でも、ただ気が弱いだけの人ではなかった。
二人で町に出て僕が野犬に襲われた時、彼女は泣きながら前へ出て僕をかばい自分が噛まれた。
けれど犬に噛まれて怪我したことを大人には言わない。転んだんだと言い張る。
犬が処分されたらかわいそうだから。
そうだ。爺の手を焼かせて父に怒られしょげ返っていると、ルルベルはいつも理由も聞かずにぎゅっと抱きしめてくれたものでした。
僕が死病に倒れて寝込んでしまった時には、毎日お見舞いに来てそばについていてくれた。
そして他に誰もいない時、苦しくてうなされている僕をやっぱりぎゅっと抱きしめてくれる。
癒されました。
今思えばよく感染させずに済んだなと思いますけど。
その後、童学校を卒業するとルルベルは領地に戻り、会う機会も減っていってしまいましたが……。
ルルベル、今はどこに住んでるんだろう。やっぱりここかな。
元気にしてるかな。
父の暗殺疑惑の件で気持ちが塞いでいた僕は、もう一度ルルベルに会いたいと思い始めていました。
今の僕は、もう二度と彼女に抱きしめられることは叶わないのですが。
僕達は古びた小さな宿屋を見つけ部屋を確保しました。
他にお客はいないようです。
……と思ったら僕らのすぐ後にもう一人お客がやって来ました。
「あらあら、まあまあ、今日は千客万来ねぇ」
受付台の向こうで女将は目を丸くしています。
これで驚くほど普段はお客が少ないのでしょう。
それにしても新たなお客の異様な風体。
古臭いクラシックな騎士の甲冑をフル装備で纏った小柄な男性。重そうです。
兜で顔も見えません。長槍ランスを肩に乗せて持ったまま。
そんな姿で一人旅をしているなんて普通の神経の持ち主ではなさそうです。
フィンさんとガンプさんは興味深そうに眺めています。
あの甲冑は○○年代のなんたらかんたらとヒソヒソ話を始めました。
僕達は二階の部屋に案内されました。
ようやく大部屋でくつろぐことができます。
「すごい! 寝転んでも服が汚れないや!」
テンテは妙なことで感激しています。
「ここの領主さんは古代八家の血筋の方ですわよ」
テンテを見ながらルキナさんが言いました。
「ふぅん」
テンテは特に興味はなさそうです。
でも、僕は思い出して声を上げかけました。
「そうだ、確か……」
古代八家の一つに数えられるリード家の当主で、有力廷臣でもあるのがアース卿。ワイズさんはその弟さんでした。
アース卿は人を寄せつけない冷たい雰囲気を纏っていて、人当たりの良いワイズさんと兄弟だというのが不思議に思えたものです。
有能だけど独り身で人間嫌い、普段はあまり前に出てこない人。それが僕のアース卿に対する印象です。
でも、そういったことを僕が知っているのは変だ。
「何?」
フィンさんに聞かれました。
「あっ、いえ、確かテンテも古代八家の血筋だと言ってましたよね……」
「どうでもいいやい」
自分の足のにおいをクンクン嗅ぎながら言い放つテンテ。
ずっと裸足で過ごして汚れたその足をルキナさんはおもむろに掴み、タオルで拭き始めました。
「キャハハ! くっ、くすぐったいって!」
テンテはのたうちまわります。
「あの、僕は興味あったもので」
そう言うと、足を拭き終わったルキナさんは微笑んで話を続けてくれました。
「血筋と言ってもマランダ卿は古代八家当主ではないですわよ。当主はアース卿カルダ・リード。その弟さんですわ」
さっき僕が思い出したことを教えてくれるルキナさん。
「アースといえば、このマランダに隣接するかなり広い諸侯領ね」
ラミアさんが呟きます。
「わしゃあアースで魔牛ストーンカを退治したことがあるぜよ」とガンプさん。
「アース卿にお礼を請求できますわね」
そう言って笑った後、ルキナさんは付け加えました。
「もっともアース卿は女王派の重鎮になっておられるようですけど」
「えっ! ではマランダ卿も?」
僕の声は思わず大きくなる。
「いえ。この兄弟は4年ほど前に仲違いして絶縁してしまっているようですわよ。マランダ卿のお立場は微妙なのではないかしら」
4年前。僕が婚約破棄された頃……。
「ずいぶんと良う知っちょるのう」
ガンプさんが感心して唸ります。
「ええ。できるだけ情報を集めて敵情をしっかり把握しておくのもわたくしの務めですもの」
ルキナさんの答えにガンプさんは複雑な表情。
「敵情のう。あんたらいったいどこまで……いや、まあ、別にいいぜよ」
そこでなぜかニヤニヤするフィンさん。
ルキナさんは話を戻します。
「いずれにせよマランダ卿は貧乏貴族の小領主。大勢に影響力を持つお方ではありませんわね」
「貧乏……なんですか?」
僕は何だか心配になって聞きました。
「ご兄弟の父君が二人に領地を分けて相続させたのですが、大半は長男のアース卿が受け継いでますわね。マランダ卿のこの小さな領地では税収はそう多くはないと思われますわ」
「そうですか……」
「貴族の話って何だか面倒くさいなぁ。山で生きてくだけで充分だい!」
テンテがあくびをしながら言います。
「そういえば古代八家で貴族になったのはリード家だけですわね」
ルキナさんは同意するようにうなずきました。
みんな寝静まった夜。
窓から差し込む月明かりで部屋の中はほの明るい。
僕の隣りに横になったテンテのつぶやきが聞こえてきます。
「お師様……ユニ……大丈夫かなぁ……」
テンテを挟んで向こう隣りに寝るルキナさんが、黙って手を伸ばしテンテの頭を撫でました。
ルキナさんと目が合う。
微笑むルキナさん。
背後には、にじり寄ってくるトリアさんの気配。
また抱き枕にされそうです。
翌日。午後までみんな自由行動です。
食事を済ませるとラミアさんは真っ先に宿を出て行きました。
他の人達も順次出掛けていく。
「アレン、私達も町を回ってみましょ?」
「そうですね」
トリアさんに誘われ、僕も準備を始めます。
お金がないので買い物はできないけど、一応荷袋は持っていこう。
「おいらも行くっ!」
立ち上がるテンテ。
「そういえばアレン兄ぃやラミア姉ぇは何でそんな二重に顔隠してんの?」
鉄仮面の上に麻袋を被り始めた僕を眺めながらテンテは質問してきました。
「お尋ね者だからよ」
代わりに答えるトリアさん。
「へぇ、カッコイイや」
トリアさんは微笑みました。
「テンテもたぶんもうお尋ね者よ?」
一瞬きょとんとするテンテ。
「……あっ、そうか、ユニの件で? でも、おいらは仮面はいいや」
あっけらかんとしています。
「そうね。遠方まで手配が回るにはまだ時間が掛かるでしょうし」
部屋を出て一階に向かう途中、甲高い声が聞こえてきました。
「あちゃー! この町にゃ国軍はおらんつうだか?」
「へえ、軍は領主様の小さな私軍だけですなあ」
女将と会話しているのは坊主頭で背の低い若い男性。
階段を下りていく僕らに気付いて見上げた顔は丸く、大きな団子っ鼻。どんぐり眼が離れて付いて、前歯が突き出ています。
「変な顔」
テッ、テンテ……!!
聞こえなかったのか、男の人は女将の方に視線を戻し会話を続けます。
「どこ行きゃあ国軍に入れるんだべ?」
「さあ、王都ですかねえ」
どうやら男の人は今は軽装ですが昨晩の甲冑の中身の人のようです。
玄関に向かって二人の横を通りすぎる時、トリアさんが不意に声を掛けました。
「国軍に入りたいの?」
騎士の中の人は一瞬面食らった顔をする。
「ん、んだ。国が乱れとるでな、田舎から一念発起して出て来ただ。国軍に入って世を正すだよ」
ほのかに顔を赤らめながら男の人は力強く言います。
「へぇ~。国軍に入ったらそれができる?」
「もちろんだべ。他にできるとこがあっぺか? 民困らす賊共を討ち果たせるのは国軍だけだべや」
「ふぅん」
「ラミア軍とかミノス軍とか悪党めらが大暴れしとるの知っとるべ? 奴らからおらぁ、命賭けて国を守るだよ!」
反応の良くないトリアさんの様子に、男の人はムキになって力説しました。
「そうなんだ。そういえば昨日の鎧は凄かったわね」
「ありゃあ、うちの家宝だよ。ひいひい爺ちゃんがあれ着てな、攻めてきた異民族との戦いで手柄立てたつうだ」
「そっか。あなたも手柄立てられるといいわね」
「え、あ、うん。あんがと」
男の人は耳まで真っ赤になりました。
宿屋を出ると僕は言いました。
「一般の人の認識はまだあんな感じなんでしょうか?」
トリアさんは肩をすくめます。
「あの人が田舎者すぎるだけよ。それも比較的収穫に恵まれてる田舎ね。本当に苦しんでる人達は実情を分かってるわ」
「でも町の普通の人達からは王宮に対する批判的な声ってほとんど聞こえてきませんでしたね。追い詰められた農村での一揆はあるけど」
「それは分かるでしょ。治安隊が怖いのよ。そういうのを取り締まるのも彼等の仕事だもの。壁に耳ありってやつ」
「そうか……」
0
あなたにおすすめの小説
器用貧乏な赤魔道士は、パーティーでの役割を果たしてないと言って追い出されるが…彼の真価を見誤ったメンバーは後にお約束の展開を迎える事になる。
アノマロカリス
ファンタジー
【赤魔道士】
それは…なりたい者が限られる不人気No. 1ジョブである。
剣を持って戦えるが、勇者に比べれば役に立たず…
盾を持ってタンクの役割も出来るが、騎士には敵わず…
攻撃魔法を使えるが、黒魔道士には敵わず…
回復魔法を使えるが、白魔道士には敵わず…
弱体魔法や強化魔法に特化していて、魔法発動が他の魔道士に比べて速いが認知されず…
そして何より、他のジョブに比べて成長が遅いという…
これは一般的な【赤魔道士】の特徴だが、冒険者テクトにはそれが当て嵌まらなかった。
剣で攻撃をすれば勇者より強く…
盾を持てばタンクより役に立ち…
攻撃魔法や回復魔法は確かに本職の者に比べれば若干威力は落ちるが…
それを補えるだけの強化魔法や弱体魔法の効果は絶大で、テクトには無詠唱が使用出来ていた。
Aランクパーティーの勇者達は、テクトの恩恵を受けていた筈なのに…
魔物を楽に倒せるのは、自分達の実力だと勘違いをし…
補助魔法を使われて強化されているのにもかかわらず、無詠唱で発動されている為に…
怪我が少ないのも自分達が強いからと勘違いをしていた。
そしてそんな自信過剰な勇者達は、テクトを役立たずと言って追い出すのだが…
テクトは他のパーティーでも、同じ様に追い出された経験があるので…
追放に対しては食い下がる様な真似はしなかった。
そしてテクトが抜けた勇者パーティーは、敗走を余儀無くされて落ち目を見る事になるのだが…
果たして、勇者パーティーはテクトが大きな存在だったという事に気付くのはいつなのだろうか?
9月21日 HOTランキング2位になりました。
皆様、応援有り難う御座います!
同日、夜21時49分…
HOTランキングで1位になりました!
感無量です、皆様有り難う御座います♪
「お前みたいな卑しい闇属性の魔女など側室でもごめんだ」と言われましたが、私も殿下に嫁ぐ気はありません!
野生のイエネコ
恋愛
闇の精霊の加護を受けている私は、闇属性を差別する国で迫害されていた。いつか私を受け入れてくれる人を探そうと夢に見ていたデビュタントの舞踏会で、闇属性を差別する王太子に罵倒されて心が折れてしまう。
私が国を出奔すると、闇精霊の森という場所に住まう、不思議な男性と出会った。なぜかその男性が私の事情を聞くと、国に与えられた闇精霊の加護が消滅して、国は大混乱に。
そんな中、闇精霊の森での生活は穏やかに進んでいく。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
義母と義妹に虐げられていましたが、陰からじっくり復讐させていただきます〜おしとやか令嬢の裏の顔〜
有賀冬馬
ファンタジー
貴族の令嬢リディアは、父の再婚によりやってきた継母と義妹から、日々いじめと侮蔑を受けていた。
「あら、またそのみすぼらしいドレス? まるで使用人ね」
本当の母は早くに亡くなり、父も病死。残されたのは、冷たい屋敷と陰湿な支配。
けれど、リディアは泣き寝入りする女じゃなかった――。
おしとやかで無力な令嬢を演じながら、彼女はじわじわと仕返しを始める。
貴族社会の裏の裏。人の噂。人間関係。
「ふふ、気づいた時には遅いのよ」
優しげな仮面の下に、冷たい微笑みを宿すリディアの復讐劇が今、始まる。
ざまぁ×恋愛×ファンタジーの三拍子で贈る、スカッと復讐劇!
勧善懲悪が好きな方、読後感すっきりしたい方にオススメです!
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
どうやらお前、死んだらしいぞ? ~変わり者令嬢は父親に報復する~
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「ビクティー・シークランドは、どうやら死んでしまったらしいぞ?」
「はぁ? 殿下、アンタついに頭沸いた?」
私は思わずそう言った。
だって仕方がないじゃない、普通にビックリしたんだから。
***
私、ビクティー・シークランドは少し変わった令嬢だ。
お世辞にも淑女然としているとは言えず、男が好む政治事に興味を持ってる。
だから父からも煙たがられているのは自覚があった。
しかしある日、殺されそうになった事で彼女は決める。
「必ず仕返ししてやろう」って。
そんな令嬢の人望と理性に支えられた大勝負をご覧あれ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる