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50.王城へ
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「——なに!?」
「アリシア!」
王城からの爆風と光の渦。
すぐにディル様は私を背後に隠し、王城を鋭く見つめる。
竜王様は瞬時に竜となり光の方へ向かっていった。
◇◆◇◆◇
のんびり気ままな旅と言っても過言ではないものも、王都へ辿りついて終わった。
王都に残された人が気になる、残してきた店が気になる等、民達は各場所へ散らばり、王都の現状を探ってくれるらしい。
治安の問題も多少はあるかもしれないと、猫や鳥など小回りがきく獣人達も見回りをしてくれるらしい。
いくら小型の獣人と言えど、人間以上に力はあるし、諜報的活動が適正じゃないのかと昔ラルド様が言って、そのように人材を配置していた為に、今回の配置も素早かった。
そして豹やライオンといった肉食系の獣人を従え、先頭にライド様が立ち、王城の前で兵士達と睨めっこをしていた。
マユが自分の存在を確かめ、自分で邪魔になるものを排除するというのならば、マユから声がかかるまで、見守ろうと。
それが竜王様の意思でもあり、ライド様もそれに従っていたから。
王城の前を囲むように、ライド様筆頭にレイドワークと獣人が並ぶが、ただ並んでいるだけという状況に、門番は慌てふためいていたが、通ろうとしないしから放置していいのかと、一応こちらを伺いつつ時間が経過していた。
その時、王城から爆風と光の渦が現れ、竜王様が飛んで行ったのだ。
「精霊達は何と言ってますか!?」
「マユの感情が暴発したと!」
ディル様に現状を聞き、心配しながらも王城を見る事しか出来ない。
「——あの馬鹿は自分の視点でしか物事を見ることしか出来ないからね」
「会話するだけでも疲れそうね」
「いっそ他人であればと顔を合わせる度に願った事もあるわ」
「ここまで爆発しなかったのは素晴らしい事なんじゃないかしら」
後ろから王妃様と母の声が聞こえる。
………現状からもそんな意見が出る辺り、親子としてどういった生活だったのだろうかと疑問にも思うけれど、同意する事しか出来ないと思う気持ちもあった。
「————どけ!」
剣を鞘から抜く事もなく、問答無用で門番をなぎ倒したのはラルド様だった。
そのまま王城へ駆けていくラルド様の左右に父とカイル兄がついて駆ける。
その後ろをついていくのに、ディル様は人型の状態で私をかかえて走る。
「…ディル様!?」
フェンリル姿ではないディル様の抱えられ、動機が早くなる。
「ラルドもレイが心配なんだろう。さすがに此処であの姿は良くない。ラルドに付いて上手く立ち回り見届けるぞ」
いや、それよりも抱えられている方が問題で!
と思うも、男と女の体力や身体構造の差は理解できる……
思わず立ち向かってこようとする兵を、両手が塞がっているディル様に代わり、鞘に入れたままの剣で気絶させる。
…障害物の事だけに意識を向けようと決めた。
「アリシア!」
王城からの爆風と光の渦。
すぐにディル様は私を背後に隠し、王城を鋭く見つめる。
竜王様は瞬時に竜となり光の方へ向かっていった。
◇◆◇◆◇
のんびり気ままな旅と言っても過言ではないものも、王都へ辿りついて終わった。
王都に残された人が気になる、残してきた店が気になる等、民達は各場所へ散らばり、王都の現状を探ってくれるらしい。
治安の問題も多少はあるかもしれないと、猫や鳥など小回りがきく獣人達も見回りをしてくれるらしい。
いくら小型の獣人と言えど、人間以上に力はあるし、諜報的活動が適正じゃないのかと昔ラルド様が言って、そのように人材を配置していた為に、今回の配置も素早かった。
そして豹やライオンといった肉食系の獣人を従え、先頭にライド様が立ち、王城の前で兵士達と睨めっこをしていた。
マユが自分の存在を確かめ、自分で邪魔になるものを排除するというのならば、マユから声がかかるまで、見守ろうと。
それが竜王様の意思でもあり、ライド様もそれに従っていたから。
王城の前を囲むように、ライド様筆頭にレイドワークと獣人が並ぶが、ただ並んでいるだけという状況に、門番は慌てふためいていたが、通ろうとしないしから放置していいのかと、一応こちらを伺いつつ時間が経過していた。
その時、王城から爆風と光の渦が現れ、竜王様が飛んで行ったのだ。
「精霊達は何と言ってますか!?」
「マユの感情が暴発したと!」
ディル様に現状を聞き、心配しながらも王城を見る事しか出来ない。
「——あの馬鹿は自分の視点でしか物事を見ることしか出来ないからね」
「会話するだけでも疲れそうね」
「いっそ他人であればと顔を合わせる度に願った事もあるわ」
「ここまで爆発しなかったのは素晴らしい事なんじゃないかしら」
後ろから王妃様と母の声が聞こえる。
………現状からもそんな意見が出る辺り、親子としてどういった生活だったのだろうかと疑問にも思うけれど、同意する事しか出来ないと思う気持ちもあった。
「————どけ!」
剣を鞘から抜く事もなく、問答無用で門番をなぎ倒したのはラルド様だった。
そのまま王城へ駆けていくラルド様の左右に父とカイル兄がついて駆ける。
その後ろをついていくのに、ディル様は人型の状態で私をかかえて走る。
「…ディル様!?」
フェンリル姿ではないディル様の抱えられ、動機が早くなる。
「ラルドもレイが心配なんだろう。さすがに此処であの姿は良くない。ラルドに付いて上手く立ち回り見届けるぞ」
いや、それよりも抱えられている方が問題で!
と思うも、男と女の体力や身体構造の差は理解できる……
思わず立ち向かってこようとする兵を、両手が塞がっているディル様に代わり、鞘に入れたままの剣で気絶させる。
…障害物の事だけに意識を向けようと決めた。
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