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49.感情の爆発-マユside-
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ぐるぐるする。
思考回路も、視界も。
クラクラと、身体の平衡感覚もなくなっていく。
自分が自分を保てなくなるようで。
—逃げるという行為は大事なのかもしれない—
—言いたいことを言い合える関係—
—言葉のキャッチボール—
過ごしやすい人と過ごすのは人間の性だろう。
ここまで価値観も視野も狭い人と話すのは疲れる—いくらこちらが合わせるしかないとしても
成長しない上にストレスにしかならなくて、権力のおかげで清々しい程の脅迫と化していた過去を思い出す。
「私は人形じゃない!私にも意思はある!」
決壊したダムのように溢れ出す怒りと感情。
——そして悲しさ。
私は元の世界には戻れない。
「私の意思を無視しないで!存在しているだけでいい?そこに自由はないのか!私に自由はなかった!言葉だけで中身が伴わないものに価値があるのか!?聖女なんて私は望んでいなかった!普通の生活が欲しかっただけ!」
涙が溢れてくる。
「愛してくれなんて頼んでない!押し付けの愛情なんていらない!そこに私の意思はない!ただの職権乱用でしかない!」
私を見て
私を見て
私を見て
聖女じゃない。
私を見て。
泣きながら、思い出すのは優しい瞳。
異世界の事を否定するわけでもなく、積極的に言葉を交わしてくれたアリシア。
自分の生まれを、生きてきた経緯を、懐かしさと共に忘れないように楽しんでくれた。
自分が自分のままで行動しても、発言しても、受け入れてくれた竜王様達。
私が望んだ事すらも否定する事なく、悲しそうな不安そうな瞳と共に、心配しつつも送り出してくれる心の広さ。
「何を言ってるんだ!?マユを守るためにも権力は必要な事じゃないか!愛し愛される事の何がいけない!?」
「私の存在を否定しないで!」
「マユは聖女だ!否定なんてするわけないだろう!」
—聖女—
「殿下!聖女ではなく、マユ自身の——」
「うわぁああああああああ!!!!!!!」
会話の通じなさに、リスタが答えを教えようとしたが、きっと無意味だ。
見えないものに教えたところで理解しない。できない。
見ようとしないのだから。
感情が爆発する。
周囲が光り輝くのが分かる。
私自身を中心として、上へ爆風が吹き上げる。
分かっていても、理解はできない。
スローモーションのように周囲が見えるだけ。ただそれだけ。
壁に叩きつけられる王子とロイドやアスタも、見えているだけで。
スクリーンを通して見ているような、ここに存在していないかのような
「——マユ!!!!」
「!」
竜王様の声により、自分が存在している自身の感覚が戻った。
思考回路も、視界も。
クラクラと、身体の平衡感覚もなくなっていく。
自分が自分を保てなくなるようで。
—逃げるという行為は大事なのかもしれない—
—言いたいことを言い合える関係—
—言葉のキャッチボール—
過ごしやすい人と過ごすのは人間の性だろう。
ここまで価値観も視野も狭い人と話すのは疲れる—いくらこちらが合わせるしかないとしても
成長しない上にストレスにしかならなくて、権力のおかげで清々しい程の脅迫と化していた過去を思い出す。
「私は人形じゃない!私にも意思はある!」
決壊したダムのように溢れ出す怒りと感情。
——そして悲しさ。
私は元の世界には戻れない。
「私の意思を無視しないで!存在しているだけでいい?そこに自由はないのか!私に自由はなかった!言葉だけで中身が伴わないものに価値があるのか!?聖女なんて私は望んでいなかった!普通の生活が欲しかっただけ!」
涙が溢れてくる。
「愛してくれなんて頼んでない!押し付けの愛情なんていらない!そこに私の意思はない!ただの職権乱用でしかない!」
私を見て
私を見て
私を見て
聖女じゃない。
私を見て。
泣きながら、思い出すのは優しい瞳。
異世界の事を否定するわけでもなく、積極的に言葉を交わしてくれたアリシア。
自分の生まれを、生きてきた経緯を、懐かしさと共に忘れないように楽しんでくれた。
自分が自分のままで行動しても、発言しても、受け入れてくれた竜王様達。
私が望んだ事すらも否定する事なく、悲しそうな不安そうな瞳と共に、心配しつつも送り出してくれる心の広さ。
「何を言ってるんだ!?マユを守るためにも権力は必要な事じゃないか!愛し愛される事の何がいけない!?」
「私の存在を否定しないで!」
「マユは聖女だ!否定なんてするわけないだろう!」
—聖女—
「殿下!聖女ではなく、マユ自身の——」
「うわぁああああああああ!!!!!!!」
会話の通じなさに、リスタが答えを教えようとしたが、きっと無意味だ。
見えないものに教えたところで理解しない。できない。
見ようとしないのだから。
感情が爆発する。
周囲が光り輝くのが分かる。
私自身を中心として、上へ爆風が吹き上げる。
分かっていても、理解はできない。
スローモーションのように周囲が見えるだけ。ただそれだけ。
壁に叩きつけられる王子とロイドやアスタも、見えているだけで。
スクリーンを通して見ているような、ここに存在していないかのような
「——マユ!!!!」
「!」
竜王様の声により、自分が存在している自身の感覚が戻った。
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