双子の妹に全てを奪われた令嬢は訳あり公爵様と幸せになる

甘糖むい

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傷一つない白い肌に映えるパールブルーのドレスに、肩口までしかなかった髪は短い事がわからないようにまとめ髪にされている。
黒い瞳を隠してしまえば、まるでシャルルと瓜二つの令嬢が驚いた顔をしてミシャルを見ていた。

「良くお似合いですわ、ミシャル様」

鏡の中にいるゼリヌがそう言ってミシャルに向かって微笑む。
それをみてもなお、ミシャルは鏡に映る人物が自分だと信じられない気持ちだった。

今まで生きてきて16年。
クロディクスのお屋敷に来てからミシャルは驚く事ばかりだった。
温かい食べ物に、温かいお風呂。
それになにより、自分と目を合わせてくれる人たち。
ミシャルの16年は、ここ数日だけで驚くほど違う物に変わりつつあった。

「その髪飾りもドレスもクロディクスからの贈り物さ、さぁ、行くぞミシャル嬢」
「でも、瞳が見えていたら外には……」
「そうか?人間は面倒な生き物だからなぁ……そら」

驚いたまま動けないミシャルに声をかけたヴァイスは、ミシャルが目を隠さないと外に出られないと告げると、指を一振りした。
すると瞳はたちまち色を変えてヴァイスとお揃いの青い瞳に変わった。

「これなら何も問題ない」

ウインク交じりに告げてヴァイスはミシャルに手を差し述べた。
その手におずおずと自分の手を重ねると、思ったよりも強い力でミシャルは引き上げられた。

「君の変化を一番楽しみにしている男が気をもみながら馬車で待っているぜ」
「え?」
「そら、早く驚かせに行こう」

まるで悪戯をしに行く子供のような無邪気な笑顔を見せるヴァイスに戸惑いながらミシャルはヴァイスについて行った。

長く生きているような雰囲気を醸し出しているかと思えば、言葉を覚えたての子供のような振る舞いを見せるヴァイス。
彼の気持ちを表すようにコートにつけられたファーがふわふわと動いている。

(不思議な人だわ……)

複雑な玄関への道を歩きながらミシャルは心の中でつぶやいた。
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