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23.久しぶりの家族。
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今日の昼頃に、母様達は帰ってくるらしい。僕はその時間帯は学園で授業中だから迎えにはいけないのだけど、帰ったら会える、そう思ったら授業に身が入らなくて先生に注意されてしまった。
王宮の馬車に乗り込んで帰る時、
「どうしたの?らしくないね、ルカ。」
ネローが尋ねる。今日母様たちが帰ってくると伝えると、良かったねと言われた。
結局、ネローとは王宮で会うことなく帰ることになっちゃうな。ゼインは相変わらず自室で僕とご飯食べてたし。行かなくていいの?と聞くと、これで外交に問題は出ないから大丈夫、と少し斜め上な返答が返ってきた。
「そっか、じゃあ一緒に帰れるのは今日までなんだね。わかったよ。」
「うん、でも学園では会えるし、僕毎週末の火の日は王宮行くから、もしかしたら王宮でも会えるかもね!」
「わかった、楽しみにしてる。」
相変わらずゼインはネローを警戒してるみたいだけど、どうしたんだろうね。
「はっ!わああ!母様!父様!お兄様!ゼイン!おかえりなさい!そしてただいま~!!」
馬車から降りるとそこには家族が待っていた。ネローの事をほっぽりだして母様に抱きつく。久しぶりの母様の匂い!
「ただいま、ルカ。そしておかえり。」
「ルカ、お兄様の所にもおいで~!」
お兄様にもぎゅっと抱きつく僕。その間に母様と父様はネローと話をしていた。
「初めまして、ネロー殿下。ルカはいつもああで…申し訳ございません。」
「いえいえ、とても仲がいいのが伝わりますので。それに立場によって態度を変えることがないのが私にとって嬉しいのです。ですから謝らないでください。」
「ありがとうございます、ネロー殿下。」
「え…じゃあ今日はみんなこのまま帰るの…?ゼインとはすぐお別れ…?」
ネローは離宮に帰って僕たちも応接間かどこかの部屋に行くのかな、と思ったら公爵家の馬車が直ぐ側まで来ていた。
「うん、残念だけど、また今度だね。でも火の日は3日後だ。だからすぐ会えるよ。」
不機嫌になっては駄目なのだけど。本来は学園の後にゼインに会えることはないから、ぎゅってできただけでも御の字なのはわかってるけど。それでもすごく寂しい。
「わかった……」
ゼインはふふっと笑って頬に手を伸ばす。
「ふふ、そんな残念そうな顔しないで?私も離れるのは嫌だからね。あと4年の辛抱だ。4年経てば私は爵位を賜ってルカと一生一緒にいられる。だから、ね?我慢しよう。」
16になったら成人して、学園も卒業する。僕の誕生日は卒業式のあとだから、恐らく誕生日と共に結婚式があるはずだ。でも4年は長いよ…。
「もっと早く生まれてたらゼインと早く結婚できたのに。」
ぽそっと零した声に反応したのはゼインだった。
「こら。両親の前で言うことではないでしょう。」
あ、そ、そうだ…産んでもらったのに、僕、なんてこと…
「ふふ、いいんだよ。ルカや殿下がどれだけお互い思いあってるかなんて、長年見てきた僕たちにはわかりきったことだもの。早く結婚したいね。」
「母様、父様…ごめんなさい…」
「謝れて偉いな、ルカ。」
父様が僕の頭を撫でてくれた。いくら早く結婚したいからって、あの言い草はなかったな、僕。反省しないと。
「じゃあ帰ろうか、クリス、ジーク、ルカ。殿下、長い間家族が世話になりました。」
「父も見送りにこれたら良かったのですが、執務を放って母にべったりだったようで…今仕事漬けなのです。申し訳ない。それじゃあ、ルカ。また3日後ね。」
お互い別れを惜しみあって帰路につく。
久しぶりに見る我が家にすこしホッとしながらも、王宮でのゼインとの暮らしに想いを馳せた。
家族四人で晩御飯を食べて、もう寝ようとしていた。ベッドに入って目を閉じるけれど、隣に温もりがないことが気にかかって一向に眠れなかった。
「母様たちのところで寝かせてもらおう…僕子供みたい…。」
部屋から出て真っ暗な廊下を月明かり頼りに夫婦の寝室へ向かう。途中でお兄様の部屋を通ろうとした時、ちょうど部屋からお兄様が出てきた。
「おや?ルカ。どうしたの?眠れなくなっちゃった?」
お兄様も寝るところだったのだろうか。寝間着を来ていた。
「最近ずっとゼインと寝てたから…、一人で寝られなくなっちゃったの…。だから母様達の所に行こうと思って。」
枕と3歳の誕生日にもらったぬいぐるみをもって行こうとしたけれど、大荷物だったろうか。
「あぁ、えっと…うーん…今夜はお兄様と寝よう?お兄様久しぶりにルカと寝たくなっちゃった。……だめ?」
すごく悩んでいたみたいだけど、どうしたんだろう。でも久しぶりにお兄様と寝られる!
「うん!お兄様と寝たい!」
「ぐっ…可愛すぎるよ…。わかった、じゃあお兄様が遠征であった出来事を話してあげよう。おいで。」
お兄様の部屋に入って一緒にベッドに横になる。以前一緒に寝た時より、当たり前だけどお兄様は身長が高くなっていて僕が覆われそうなくらいだ。お兄様の武勇伝を聞いていると、どんどんまぶたが重くなってきた。
「……でね?お兄様はそこで……あ、ふふ。寝ちゃった。おやすみ、可愛いルカ。私としてはまだお嫁になんて行ってほしくないよ。ずっと可愛いルカのまま私達の側にいて欲しいな…。ま、無理か。あの王子が側にいる限りはね。」
王宮の馬車に乗り込んで帰る時、
「どうしたの?らしくないね、ルカ。」
ネローが尋ねる。今日母様たちが帰ってくると伝えると、良かったねと言われた。
結局、ネローとは王宮で会うことなく帰ることになっちゃうな。ゼインは相変わらず自室で僕とご飯食べてたし。行かなくていいの?と聞くと、これで外交に問題は出ないから大丈夫、と少し斜め上な返答が返ってきた。
「そっか、じゃあ一緒に帰れるのは今日までなんだね。わかったよ。」
「うん、でも学園では会えるし、僕毎週末の火の日は王宮行くから、もしかしたら王宮でも会えるかもね!」
「わかった、楽しみにしてる。」
相変わらずゼインはネローを警戒してるみたいだけど、どうしたんだろうね。
「はっ!わああ!母様!父様!お兄様!ゼイン!おかえりなさい!そしてただいま~!!」
馬車から降りるとそこには家族が待っていた。ネローの事をほっぽりだして母様に抱きつく。久しぶりの母様の匂い!
「ただいま、ルカ。そしておかえり。」
「ルカ、お兄様の所にもおいで~!」
お兄様にもぎゅっと抱きつく僕。その間に母様と父様はネローと話をしていた。
「初めまして、ネロー殿下。ルカはいつもああで…申し訳ございません。」
「いえいえ、とても仲がいいのが伝わりますので。それに立場によって態度を変えることがないのが私にとって嬉しいのです。ですから謝らないでください。」
「ありがとうございます、ネロー殿下。」
「え…じゃあ今日はみんなこのまま帰るの…?ゼインとはすぐお別れ…?」
ネローは離宮に帰って僕たちも応接間かどこかの部屋に行くのかな、と思ったら公爵家の馬車が直ぐ側まで来ていた。
「うん、残念だけど、また今度だね。でも火の日は3日後だ。だからすぐ会えるよ。」
不機嫌になっては駄目なのだけど。本来は学園の後にゼインに会えることはないから、ぎゅってできただけでも御の字なのはわかってるけど。それでもすごく寂しい。
「わかった……」
ゼインはふふっと笑って頬に手を伸ばす。
「ふふ、そんな残念そうな顔しないで?私も離れるのは嫌だからね。あと4年の辛抱だ。4年経てば私は爵位を賜ってルカと一生一緒にいられる。だから、ね?我慢しよう。」
16になったら成人して、学園も卒業する。僕の誕生日は卒業式のあとだから、恐らく誕生日と共に結婚式があるはずだ。でも4年は長いよ…。
「もっと早く生まれてたらゼインと早く結婚できたのに。」
ぽそっと零した声に反応したのはゼインだった。
「こら。両親の前で言うことではないでしょう。」
あ、そ、そうだ…産んでもらったのに、僕、なんてこと…
「ふふ、いいんだよ。ルカや殿下がどれだけお互い思いあってるかなんて、長年見てきた僕たちにはわかりきったことだもの。早く結婚したいね。」
「母様、父様…ごめんなさい…」
「謝れて偉いな、ルカ。」
父様が僕の頭を撫でてくれた。いくら早く結婚したいからって、あの言い草はなかったな、僕。反省しないと。
「じゃあ帰ろうか、クリス、ジーク、ルカ。殿下、長い間家族が世話になりました。」
「父も見送りにこれたら良かったのですが、執務を放って母にべったりだったようで…今仕事漬けなのです。申し訳ない。それじゃあ、ルカ。また3日後ね。」
お互い別れを惜しみあって帰路につく。
久しぶりに見る我が家にすこしホッとしながらも、王宮でのゼインとの暮らしに想いを馳せた。
家族四人で晩御飯を食べて、もう寝ようとしていた。ベッドに入って目を閉じるけれど、隣に温もりがないことが気にかかって一向に眠れなかった。
「母様たちのところで寝かせてもらおう…僕子供みたい…。」
部屋から出て真っ暗な廊下を月明かり頼りに夫婦の寝室へ向かう。途中でお兄様の部屋を通ろうとした時、ちょうど部屋からお兄様が出てきた。
「おや?ルカ。どうしたの?眠れなくなっちゃった?」
お兄様も寝るところだったのだろうか。寝間着を来ていた。
「最近ずっとゼインと寝てたから…、一人で寝られなくなっちゃったの…。だから母様達の所に行こうと思って。」
枕と3歳の誕生日にもらったぬいぐるみをもって行こうとしたけれど、大荷物だったろうか。
「あぁ、えっと…うーん…今夜はお兄様と寝よう?お兄様久しぶりにルカと寝たくなっちゃった。……だめ?」
すごく悩んでいたみたいだけど、どうしたんだろう。でも久しぶりにお兄様と寝られる!
「うん!お兄様と寝たい!」
「ぐっ…可愛すぎるよ…。わかった、じゃあお兄様が遠征であった出来事を話してあげよう。おいで。」
お兄様の部屋に入って一緒にベッドに横になる。以前一緒に寝た時より、当たり前だけどお兄様は身長が高くなっていて僕が覆われそうなくらいだ。お兄様の武勇伝を聞いていると、どんどんまぶたが重くなってきた。
「……でね?お兄様はそこで……あ、ふふ。寝ちゃった。おやすみ、可愛いルカ。私としてはまだお嫁になんて行ってほしくないよ。ずっと可愛いルカのまま私達の側にいて欲しいな…。ま、無理か。あの王子が側にいる限りはね。」
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