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幼少期:冒険者組合編
戦闘前
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○○○○
「よし到着、アウローラは後方支援に回って。ニルは敵が逃げようとしたら叩き潰して、捕らえたりとか変に遠慮せずに仕留めていいから。セラは俺と今から殴り込みに。フェルはアウローラの援護を、灰猫は一番難しいことしてもらうよ」
「任せなよ。僕だって結構やるところを見せたいからね。それで何をすれば?」
「一般人の避難に捉えられてる人達の解放、エラは多分警備が熱いだろうから俺が直接行くけどそれ以外は灰猫に任せた。他の人はちょっと待機してて」
「了解。すぐに終わらせる」
上空から見て少し広い空き地へと降り立ったエルピスは、魔力による索敵を行い周囲の状況をある程度理解した上で必要最低限の指示を出す。
目標となるのはエラを攫った者達とその配下なのだが、エルピスが戦闘をしてしまうとなるとある程度街への被害というのは菅が手に入れておく必要がある。
灰猫に任せた一般市民の誘導はその点では非常に大役とも言える役割であり、エルピスが間違えて誰かを殺してしまうかどうかは灰猫にかかっていると言ってもいい。
指示を受けてすぐに見えなくなる速度で走り出した灰猫と入れ違えに数人の人物がエルピスの元へとやってきた。
黒ずくめの格好はいかにも怪しさを醸し出しており、匂いを消しているのかそこにいるのかどうか曖昧なそれらは膝をつくとエルピスに指示をこう。
彼等こそがリリィが口にしていた先に現地に着いた動ける者であり、イロアスやクリムの手足として動いていた者達である。
「エルピス様、我々はどのように?」
「灰猫の手伝いをしてあげてください。敵が逃げる事は考えないでいいので巻き込まれない様に出来るだけ遠くに。あと誰か一人でいいので王国への報告もお願いします」
逃亡者を考慮に入れなくていいという事はつまり、誰一人逃さず完璧に殺し尽くす事の宣言でもある。
主人の言葉を信じて疑わない彼等はそれが実際にそうなるだろうという目論見を立て、それならばと外で待機する役目を担っていた召使いの一人が一歩前へと出る。
「では私が。すみませんがセラ様、転移魔法をかけていただいても?」
「ええ、構わないわよ」
「ありがとうございます。ではお先に」
そう言って王国へと向かっていった召使いの顔にはもう仕事は終わったとでも言いたげな安堵感があり、エルピスとしてもここまで来れた時点でやるべき事はほとんど終わった様な者なので少しの安心感が生まれ始めていた。
気が緩めば鼻息でも歌ってしまいそうなほどに陽気な気分のままに、今回アウローラが使うための武具を作り出すためエルピスは収納庫からいくつかアイテムを取り出すとテキパキと組み立て始めた。
細かい部品から大きなものまで、既に作られていたのであろうそれは権能を使用せずとも技能の範囲内で十二分に組み立てられるものであり、みるみるうちに原型が出来上がっていく。
それを何に使うのか、形状に最も相似している武器を知っているアウローラが一番最初にエルピスに対して問いかける。
「あんたそれどうする気?」
「アウローラに使ってもらう用の武器だよ。前の奴よりさらに性能が良いんだ」
(もっと他に工具でもあれば作業も丁寧かつ綺麗に進むんだけどなぁ…)
そう思いながらも出来るだけ丁寧に、それでいて早くエルピスは作業を進める。
アウローラの武器は基本的に銃であり、これはエルピスがちょこちょこと稼いでいる日銭を鉱石へと変えた後に手作りで作って渡していることの多い武器だ。
銃にした理由は交戦距離の遠さと魔法戦闘時に邪魔にならないという点からなのだが、そらは別にいいとして使用されている鉱石はかなりの値打ちのするものである。
そんな大切な鉱石を惜しげも無く使い少しずつ作ってきたのは、対物狙撃銃と呼ばれる区分の銃だ。
はっきり言ってエルピスは銃に詳しくはない、さすがにアサルトライフルやサブマシンガンなどの武器種別の見極めくらいは元から着いたが、どの銃がどの様な性能で出来ているかなどは知識として持ち合わせていなかった。
だが王国戦以降銃の存在が幾度となく確認されてきたので、その対策としてセラと共に元の世界の銃についていくつか暗記し、新たな銃を作り出せる様になっていたのだ。
本体重量三十キロ、最高射程距離二十キロ、龍種だろうと容易く鱗を貫くだけの威力を誇り人の身体ほどの大きさもある銃身から放たれる一撃は人に向けたならばそれが人であった事を認識できなくなるまでに破壊してくれる事だろう。
そんな銃には様々な機能が組み込まれているのだがこの場では割愛、特筆するべき点があるとすればこれを扱うアウローラの祝福は回復魔法による回復の阻害であるという事だろうか。
「銃は詳しくないけど、随分と大きいわね」
「威力そのままに小さくしたかったんだけど、機能をいろいろ足しすぎて結局大きくなったんだよ。身体が万全になったら小型化するつもりだけど」
「技能使って身体は大丈夫なの?」
「技能は使ってないよ、組み立ててるだけだから」
作るのにはいくつかの技能やほんの少し権能も使う必要があったかもしれないが、既製品を組み立てるだけであれば手順さえ覚えていればどうということはない。
みるみるうちに組み上がっていく銃は最後の一つのパーツをつけ終えた事で、無事に完成品としてエルピスの手元に出来上がる。
「──これで出来た。フェル、適当に狙撃ポイントを見繕ってアウローラを連れていってあげて。緊急時は好きなだけ力持っていって良いよ」
「お任せください」
「わざわざこんな物作ってもらったんだもの。仕事はこなすわ──ってこの銃重っ!?」
受け取った銃が想定よりも重かったのか、キメ顔が一転体をよろけさせているアウローラはため息をついたフェルによってどこかへと連れ去られていく。
彼女が口にした仕事という単語は人を殺す事だろう、それを要求する側であるエルピスが口を挟めた事ではないが出来れば誰も撃ってほしくはないものだ。
「それじゃあ僕もここらで移動するよ。エルピスの事は姉さんに任せたよ」
「そんなに心配しなくても多分大丈夫……大丈夫なはず」
咄嗟にニルに対して弁明しようとするものの、自分のいまの体のことを考えると無事とは到底言えない。
苦笑いして手を振ると笑顔を咲かせながらニルはどこかへと消えていき、そうしてついにはエルピスとセラしかこの場にはもう居ない。
「そろそろ行くわよエルピス。久しぶりに二人で、エラには悪いけどちょっと楽しいわ」
「そう言えばそうだね、久しぶりの二人だ。そういやセラ的には今回どんな気分なの? 昔捕まってた自分と同じ状況の子を助けるわけだけど」
「な! 知ってたの!? あいつも今度躾し直してあげないといけないみたいね……まぁ1つだけ言える事は、あの時創生神様が助けに来てくれた理由が今になって分かったということかしら」
弟のことを思い出しているのだろう、一瞬不機嫌さを露わにしたセラを見てエルピスは自分が口を滑らしたことを自覚するが追求されてはかなわないのであえて見て見ぬ振りをする。
「それは良かった。前前世の俺も報われる」
「そう? なら良かったわ、そろそろ助けに行きましょうか。あと私の前では怒りの感情を制御する必要はないわよ?」
不意にセラが力強く、自分も頼って良いのだとばかりにそう口にする。
言われた方のエルピスはぽかんとした表情だ。
なるべく怒ってる所は見られたくないからと瀕死の体に鞭打って技能まで使用して怒りの感情を隠していたエルピスだったが、神の目を欺くにはどうやらこの程度ではだめだったらしい。
そう思いながらバレたのなら体に負担をかけてまで現状を維持する必要もないと判断したエルピスは、ゆっくりと技能を解除していく。
「溜め込む事は余り良くないわ。それも戦闘前となれば尚更よ」
「──なんで分かったの? 無理して技能使ってもバレないようにしてたのに」
完全に抑制されていた感情が漏れ出すと同時に付近の住宅のガラスは悲しげな音を立てて割れ、木材は歪みだし徐々に家の形は歪なものへと変わっていく。
最後には触れてもいないのに家々はその役目を忘れて倒壊していき、石造の家さえも巨人に蹴られたかの様に不恰好な形で倒壊するのだった。
エルピスを爆心地として吹き荒れる魔力の濁流は本来質量を持たない概念にすら質量を与え、怒りによって強化されたそれらは容易く人の命すらも奪い取れる。
付近の住宅に人がいないことをすでに確認済みであるとはいえ、それでもエルピスが隠していたのはそんな姿を見られたくなかったからである。
額には血管が綺麗に浮き出ており目はいつもより大きく見開かれていた、笑っている様にも見える口元からは龍の牙がチラリと覗いていた。
アウローラについでエラが攫われるという二度目の失態は、エルピスの神としてのプライドを大きく傷つけていた。
怒りを露わにするエルピスを前にしてセラはいつも通り冷たい声のままにエルピスの問いに答えた。
「私が捕まった時に鬼神の様に怒っていた貴方が、エラが捕まっているのに怒っていない筈がないじゃない。それに天使は人の心が見えるのよ?」
「聞いたことないんだけどそんな能力……じゃあ隠し事とかも出来ない感じ?」
「えぇ。貴方が思っているよりも意外にね、私の前では本心だけではなす様にしたほうがいいわよ?」
「じゃあどっちが先にエラを救えるか勝負しよっか、一回セラを倒してみたかったんだよね」
「良いわよ。私も少し乗り気になってきた、もちろん負けたら罰ゲームよ?」
「負けないから別に良いよ」
武器を携え気力も十分なままに、エルピス達は歩き出す。
悪魔も恐れる様な獰猛な笑みと子供の様な無邪気さを携えて、敵を滅ぼす為に。
天使と神を前にしては何者もその首を差し出すのみである。
「よし到着、アウローラは後方支援に回って。ニルは敵が逃げようとしたら叩き潰して、捕らえたりとか変に遠慮せずに仕留めていいから。セラは俺と今から殴り込みに。フェルはアウローラの援護を、灰猫は一番難しいことしてもらうよ」
「任せなよ。僕だって結構やるところを見せたいからね。それで何をすれば?」
「一般人の避難に捉えられてる人達の解放、エラは多分警備が熱いだろうから俺が直接行くけどそれ以外は灰猫に任せた。他の人はちょっと待機してて」
「了解。すぐに終わらせる」
上空から見て少し広い空き地へと降り立ったエルピスは、魔力による索敵を行い周囲の状況をある程度理解した上で必要最低限の指示を出す。
目標となるのはエラを攫った者達とその配下なのだが、エルピスが戦闘をしてしまうとなるとある程度街への被害というのは菅が手に入れておく必要がある。
灰猫に任せた一般市民の誘導はその点では非常に大役とも言える役割であり、エルピスが間違えて誰かを殺してしまうかどうかは灰猫にかかっていると言ってもいい。
指示を受けてすぐに見えなくなる速度で走り出した灰猫と入れ違えに数人の人物がエルピスの元へとやってきた。
黒ずくめの格好はいかにも怪しさを醸し出しており、匂いを消しているのかそこにいるのかどうか曖昧なそれらは膝をつくとエルピスに指示をこう。
彼等こそがリリィが口にしていた先に現地に着いた動ける者であり、イロアスやクリムの手足として動いていた者達である。
「エルピス様、我々はどのように?」
「灰猫の手伝いをしてあげてください。敵が逃げる事は考えないでいいので巻き込まれない様に出来るだけ遠くに。あと誰か一人でいいので王国への報告もお願いします」
逃亡者を考慮に入れなくていいという事はつまり、誰一人逃さず完璧に殺し尽くす事の宣言でもある。
主人の言葉を信じて疑わない彼等はそれが実際にそうなるだろうという目論見を立て、それならばと外で待機する役目を担っていた召使いの一人が一歩前へと出る。
「では私が。すみませんがセラ様、転移魔法をかけていただいても?」
「ええ、構わないわよ」
「ありがとうございます。ではお先に」
そう言って王国へと向かっていった召使いの顔にはもう仕事は終わったとでも言いたげな安堵感があり、エルピスとしてもここまで来れた時点でやるべき事はほとんど終わった様な者なので少しの安心感が生まれ始めていた。
気が緩めば鼻息でも歌ってしまいそうなほどに陽気な気分のままに、今回アウローラが使うための武具を作り出すためエルピスは収納庫からいくつかアイテムを取り出すとテキパキと組み立て始めた。
細かい部品から大きなものまで、既に作られていたのであろうそれは権能を使用せずとも技能の範囲内で十二分に組み立てられるものであり、みるみるうちに原型が出来上がっていく。
それを何に使うのか、形状に最も相似している武器を知っているアウローラが一番最初にエルピスに対して問いかける。
「あんたそれどうする気?」
「アウローラに使ってもらう用の武器だよ。前の奴よりさらに性能が良いんだ」
(もっと他に工具でもあれば作業も丁寧かつ綺麗に進むんだけどなぁ…)
そう思いながらも出来るだけ丁寧に、それでいて早くエルピスは作業を進める。
アウローラの武器は基本的に銃であり、これはエルピスがちょこちょこと稼いでいる日銭を鉱石へと変えた後に手作りで作って渡していることの多い武器だ。
銃にした理由は交戦距離の遠さと魔法戦闘時に邪魔にならないという点からなのだが、そらは別にいいとして使用されている鉱石はかなりの値打ちのするものである。
そんな大切な鉱石を惜しげも無く使い少しずつ作ってきたのは、対物狙撃銃と呼ばれる区分の銃だ。
はっきり言ってエルピスは銃に詳しくはない、さすがにアサルトライフルやサブマシンガンなどの武器種別の見極めくらいは元から着いたが、どの銃がどの様な性能で出来ているかなどは知識として持ち合わせていなかった。
だが王国戦以降銃の存在が幾度となく確認されてきたので、その対策としてセラと共に元の世界の銃についていくつか暗記し、新たな銃を作り出せる様になっていたのだ。
本体重量三十キロ、最高射程距離二十キロ、龍種だろうと容易く鱗を貫くだけの威力を誇り人の身体ほどの大きさもある銃身から放たれる一撃は人に向けたならばそれが人であった事を認識できなくなるまでに破壊してくれる事だろう。
そんな銃には様々な機能が組み込まれているのだがこの場では割愛、特筆するべき点があるとすればこれを扱うアウローラの祝福は回復魔法による回復の阻害であるという事だろうか。
「銃は詳しくないけど、随分と大きいわね」
「威力そのままに小さくしたかったんだけど、機能をいろいろ足しすぎて結局大きくなったんだよ。身体が万全になったら小型化するつもりだけど」
「技能使って身体は大丈夫なの?」
「技能は使ってないよ、組み立ててるだけだから」
作るのにはいくつかの技能やほんの少し権能も使う必要があったかもしれないが、既製品を組み立てるだけであれば手順さえ覚えていればどうということはない。
みるみるうちに組み上がっていく銃は最後の一つのパーツをつけ終えた事で、無事に完成品としてエルピスの手元に出来上がる。
「──これで出来た。フェル、適当に狙撃ポイントを見繕ってアウローラを連れていってあげて。緊急時は好きなだけ力持っていって良いよ」
「お任せください」
「わざわざこんな物作ってもらったんだもの。仕事はこなすわ──ってこの銃重っ!?」
受け取った銃が想定よりも重かったのか、キメ顔が一転体をよろけさせているアウローラはため息をついたフェルによってどこかへと連れ去られていく。
彼女が口にした仕事という単語は人を殺す事だろう、それを要求する側であるエルピスが口を挟めた事ではないが出来れば誰も撃ってほしくはないものだ。
「それじゃあ僕もここらで移動するよ。エルピスの事は姉さんに任せたよ」
「そんなに心配しなくても多分大丈夫……大丈夫なはず」
咄嗟にニルに対して弁明しようとするものの、自分のいまの体のことを考えると無事とは到底言えない。
苦笑いして手を振ると笑顔を咲かせながらニルはどこかへと消えていき、そうしてついにはエルピスとセラしかこの場にはもう居ない。
「そろそろ行くわよエルピス。久しぶりに二人で、エラには悪いけどちょっと楽しいわ」
「そう言えばそうだね、久しぶりの二人だ。そういやセラ的には今回どんな気分なの? 昔捕まってた自分と同じ状況の子を助けるわけだけど」
「な! 知ってたの!? あいつも今度躾し直してあげないといけないみたいね……まぁ1つだけ言える事は、あの時創生神様が助けに来てくれた理由が今になって分かったということかしら」
弟のことを思い出しているのだろう、一瞬不機嫌さを露わにしたセラを見てエルピスは自分が口を滑らしたことを自覚するが追求されてはかなわないのであえて見て見ぬ振りをする。
「それは良かった。前前世の俺も報われる」
「そう? なら良かったわ、そろそろ助けに行きましょうか。あと私の前では怒りの感情を制御する必要はないわよ?」
不意にセラが力強く、自分も頼って良いのだとばかりにそう口にする。
言われた方のエルピスはぽかんとした表情だ。
なるべく怒ってる所は見られたくないからと瀕死の体に鞭打って技能まで使用して怒りの感情を隠していたエルピスだったが、神の目を欺くにはどうやらこの程度ではだめだったらしい。
そう思いながらバレたのなら体に負担をかけてまで現状を維持する必要もないと判断したエルピスは、ゆっくりと技能を解除していく。
「溜め込む事は余り良くないわ。それも戦闘前となれば尚更よ」
「──なんで分かったの? 無理して技能使ってもバレないようにしてたのに」
完全に抑制されていた感情が漏れ出すと同時に付近の住宅のガラスは悲しげな音を立てて割れ、木材は歪みだし徐々に家の形は歪なものへと変わっていく。
最後には触れてもいないのに家々はその役目を忘れて倒壊していき、石造の家さえも巨人に蹴られたかの様に不恰好な形で倒壊するのだった。
エルピスを爆心地として吹き荒れる魔力の濁流は本来質量を持たない概念にすら質量を与え、怒りによって強化されたそれらは容易く人の命すらも奪い取れる。
付近の住宅に人がいないことをすでに確認済みであるとはいえ、それでもエルピスが隠していたのはそんな姿を見られたくなかったからである。
額には血管が綺麗に浮き出ており目はいつもより大きく見開かれていた、笑っている様にも見える口元からは龍の牙がチラリと覗いていた。
アウローラについでエラが攫われるという二度目の失態は、エルピスの神としてのプライドを大きく傷つけていた。
怒りを露わにするエルピスを前にしてセラはいつも通り冷たい声のままにエルピスの問いに答えた。
「私が捕まった時に鬼神の様に怒っていた貴方が、エラが捕まっているのに怒っていない筈がないじゃない。それに天使は人の心が見えるのよ?」
「聞いたことないんだけどそんな能力……じゃあ隠し事とかも出来ない感じ?」
「えぇ。貴方が思っているよりも意外にね、私の前では本心だけではなす様にしたほうがいいわよ?」
「じゃあどっちが先にエラを救えるか勝負しよっか、一回セラを倒してみたかったんだよね」
「良いわよ。私も少し乗り気になってきた、もちろん負けたら罰ゲームよ?」
「負けないから別に良いよ」
武器を携え気力も十分なままに、エルピス達は歩き出す。
悪魔も恐れる様な獰猛な笑みと子供の様な無邪気さを携えて、敵を滅ぼす為に。
天使と神を前にしては何者もその首を差し出すのみである。
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