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アナザールート その61 ありがとう
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今回もエロはございません・・・
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「大丈夫、ほんの少しの希望があれば・・・僕はまだ頑張れるから。」
だけど、もう一つ、心配なことがあった。
もしかしてハルカの方にも身請けの話は来ていないのだろうか?
それを聞いてみると、ハルカは自分には店長からの電話は来ていないと言って首を振った。
よかった・・・
僕はもう一度ハルカを抱き締め、そして言葉を続ける。
「もしかしたら、もう2度と逢えないかもしれないから今言っておくよ。
僕はここでハルカと出会えて、友達になれて幸せだった。」
そうだ、かつて僕が店に売られ、絶望し、不安と恐怖で押し潰されそうな時、僕に寄り添い、慰め、励まし、時には叱って、そしてこのお店で生きる術を教えてくれたのはハルカだった。
ハルカと出会えて助けあうことが出来たから、僕はこんな裏社会の底辺で生きてゆくことができた。
2人で暮らして、一緒にご飯を食べて、ゲームをして、たまのお休みには遊びに行って・・・
思い出せば、ハルカと一緒だった時の思い出は幸せなことばかりだった。
「だから・・・ありがとう、ハルカ。
それから・・・あの夜は・・・守ってあげられなくてごめんね。」
僕の言葉を聞いた直後、ハルカの身体が一瞬硬直し、そして小刻みに震えはじめ・・・両腕を僕の背中に回して、強く抱き締める。
「僕の方こそ、カオル君と暮らせて楽しかった!!
あの夜のことは・・・僕の方こそごめんなさい。
ぼくは・・・僕はカオル君を裏切ったのに、
大人達と一緒にカオル君を虐めたのに・・・まだ僕を友達だと思ってくれているの?」
「あれは、あんな拷問みたいに虐められて、薬まで使われたんだから・・・仕方がないことだから・・・僕は気にしてないよ。」
「でも・・・でも・・・」
僕はハルカを抱き締める腕に力を込める。
「もういいんだ・・・あの後、僕を助ける為に、ハルカがどんなに頑張ってくれたか織田さんから聞いたよ。
それで十分だから・・・もういいんだよ、ハルカ。」
「カオル君!」
僕らは涙を流しながら互いに抱き締めあった。
互いにの暖かい体温の感触を、声を、息づかいを自分の中に刻み込むように。
本当に、もう2度と逢えないかもしれないのだから。
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気に入って頂けましたら幸いです。
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「大丈夫、ほんの少しの希望があれば・・・僕はまだ頑張れるから。」
だけど、もう一つ、心配なことがあった。
もしかしてハルカの方にも身請けの話は来ていないのだろうか?
それを聞いてみると、ハルカは自分には店長からの電話は来ていないと言って首を振った。
よかった・・・
僕はもう一度ハルカを抱き締め、そして言葉を続ける。
「もしかしたら、もう2度と逢えないかもしれないから今言っておくよ。
僕はここでハルカと出会えて、友達になれて幸せだった。」
そうだ、かつて僕が店に売られ、絶望し、不安と恐怖で押し潰されそうな時、僕に寄り添い、慰め、励まし、時には叱って、そしてこのお店で生きる術を教えてくれたのはハルカだった。
ハルカと出会えて助けあうことが出来たから、僕はこんな裏社会の底辺で生きてゆくことができた。
2人で暮らして、一緒にご飯を食べて、ゲームをして、たまのお休みには遊びに行って・・・
思い出せば、ハルカと一緒だった時の思い出は幸せなことばかりだった。
「だから・・・ありがとう、ハルカ。
それから・・・あの夜は・・・守ってあげられなくてごめんね。」
僕の言葉を聞いた直後、ハルカの身体が一瞬硬直し、そして小刻みに震えはじめ・・・両腕を僕の背中に回して、強く抱き締める。
「僕の方こそ、カオル君と暮らせて楽しかった!!
あの夜のことは・・・僕の方こそごめんなさい。
ぼくは・・・僕はカオル君を裏切ったのに、
大人達と一緒にカオル君を虐めたのに・・・まだ僕を友達だと思ってくれているの?」
「あれは、あんな拷問みたいに虐められて、薬まで使われたんだから・・・仕方がないことだから・・・僕は気にしてないよ。」
「でも・・・でも・・・」
僕はハルカを抱き締める腕に力を込める。
「もういいんだ・・・あの後、僕を助ける為に、ハルカがどんなに頑張ってくれたか織田さんから聞いたよ。
それで十分だから・・・もういいんだよ、ハルカ。」
「カオル君!」
僕らは涙を流しながら互いに抱き締めあった。
互いにの暖かい体温の感触を、声を、息づかいを自分の中に刻み込むように。
本当に、もう2度と逢えないかもしれないのだから。
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