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第八話 お父さんのお小遣いと一緒
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「ああっ! 行かなくても大丈夫よ!」
『本当?』
飛び立とうとするピーちゃんをお姉さんが慌てて呼び止めた。
次はないみたいだ。
「ええ。灰色ドラゴンの方が価値が高いのよ。わざわざ低い方に行く必要ないわ」
『そうなんだ。じゃあ、冒険者になれるの?』
「もちろんなれるわよ。子供ドラゴンの鉱石採取は【Eランク】、灰色ドラゴンの鉱石採取は【Cランク】、薬草採取が【Gランク】だから、薬草採取の十六倍は大変だと思っていいわよ」
『うん、大変だった』
結果的にクエスト成功したみたいだ。お姉さんが凄いと褒めている。
迷子になったのに成功って、なんだか変だね。
「じゃあ、そろそろ見せてもらいましょうか。袋をもらっていい?」
『うん、いいよ』
お姉さんに言われて、ピーちゃんは収納袋を渡した。
お姉さんが手袋をすると収納袋を開いて、黒い石玉を一個取り出した。
「確かに『魔竜石』で間違いないわね。一個大銀貨三枚で買い取らせてもらうわね」
ピ、ピーちゃん⁉︎ 大銀貨三枚って凄い大金だよ。
僕のお父さんの一ヶ月分のお小遣いと同じだよ。
少ないって言ってたけど大金だよ。
『うん、分かった。でも、お土産に何個か欲しい』
大銀貨三枚って聞いたら、もう一個で十分だよ。
「じゃあ、収納袋はそのまま貸しておくわね。いくつかお願いしたい採取クエストがあるから、時間がある時に引き受けに来てね」
『うん、分かった。次は間違えない。頑張る』
「フフッ。頼もしい鳥さんね。そんな鳥さんの為に特別な装備品を作って待ってるわね。この魔竜石があれば【属性装備】が作れるのよ」
『ふぅ~ん、そうなんだ』
お姉さんが元気に話している。でも、ピーちゃんはもう帰ることしか考えてない。
人の話も鳥の話もよく聞かないと駄目だよ、ピーちゃん。
♢♢♢
と、ここまでがピーちゃんの初クエスト成功の話になる。
レベルも5から8に上がっていた。
【種族:ブルーバード レベル8 筋力6 耐久6 敏捷10 器用3 知力4 魔力1 運4 残りポイント9】
筋力と知力が上がっている。重い鉱石を動かして、頭を使ったから上がったみたいだ。
人間と一緒だね。身体鍛えて、勉強すれば、僕もピーちゃんみたいに強く賢くなれるかな?
とりあえず敏捷にポイントを全部使うことにした。敏捷が19になった。
ピーちゃんに今必要なのは、知力よりも逃げる力だ。
『じゃあ、行ってくる』
「うん、気をつけてね」
たっぷり一晩休むと、ピーちゃんは次のクエストに旅立った。
帰ってきたお母さんが魔竜石を見て、畑にぜひ欲しいと言ってきた。
ピーちゃん、『これってドラゴンの糞なの?』——僕、素手で触っちゃったよ。
お母さんに聞いたら、『凄い糞よ!』と教えてくれたよ。
今は僕の部屋から消えて、薬草の花壇に埋まっているからね。
勇気の証は売ってないからね。埋めているだけだからね。
さて、お父さんの部屋に地図があったから僕も勉強だ。
子竜山と灰竜山を探してみようと思う。
僕が住む村がここだから、ピーちゃんが通っている街はコレかな?
だとしたら子竜山は街の北側で、灰竜山は西側にある。
それもかなりの西側だ。子竜山の二倍は距離がある。
方向音痴のピーちゃんに必要なのは『包囲磁石』かな?
お金もあるし、街での買い物再挑戦だ。
買い物袋もあるし、今ならいっぱい買えるよ。
「こほぉ、こほぉ……」
ちょっと頑張りすぎたみたいだ。
咳が始まった。最近はおさまっていたから油断しちゃった。
地図をたたむとベッドに横になった。
僕がいなくなってもピーちゃんが困らないように、買い物の仕方ぐらいは教えてあげたいな。
『本当?』
飛び立とうとするピーちゃんをお姉さんが慌てて呼び止めた。
次はないみたいだ。
「ええ。灰色ドラゴンの方が価値が高いのよ。わざわざ低い方に行く必要ないわ」
『そうなんだ。じゃあ、冒険者になれるの?』
「もちろんなれるわよ。子供ドラゴンの鉱石採取は【Eランク】、灰色ドラゴンの鉱石採取は【Cランク】、薬草採取が【Gランク】だから、薬草採取の十六倍は大変だと思っていいわよ」
『うん、大変だった』
結果的にクエスト成功したみたいだ。お姉さんが凄いと褒めている。
迷子になったのに成功って、なんだか変だね。
「じゃあ、そろそろ見せてもらいましょうか。袋をもらっていい?」
『うん、いいよ』
お姉さんに言われて、ピーちゃんは収納袋を渡した。
お姉さんが手袋をすると収納袋を開いて、黒い石玉を一個取り出した。
「確かに『魔竜石』で間違いないわね。一個大銀貨三枚で買い取らせてもらうわね」
ピ、ピーちゃん⁉︎ 大銀貨三枚って凄い大金だよ。
僕のお父さんの一ヶ月分のお小遣いと同じだよ。
少ないって言ってたけど大金だよ。
『うん、分かった。でも、お土産に何個か欲しい』
大銀貨三枚って聞いたら、もう一個で十分だよ。
「じゃあ、収納袋はそのまま貸しておくわね。いくつかお願いしたい採取クエストがあるから、時間がある時に引き受けに来てね」
『うん、分かった。次は間違えない。頑張る』
「フフッ。頼もしい鳥さんね。そんな鳥さんの為に特別な装備品を作って待ってるわね。この魔竜石があれば【属性装備】が作れるのよ」
『ふぅ~ん、そうなんだ』
お姉さんが元気に話している。でも、ピーちゃんはもう帰ることしか考えてない。
人の話も鳥の話もよく聞かないと駄目だよ、ピーちゃん。
♢♢♢
と、ここまでがピーちゃんの初クエスト成功の話になる。
レベルも5から8に上がっていた。
【種族:ブルーバード レベル8 筋力6 耐久6 敏捷10 器用3 知力4 魔力1 運4 残りポイント9】
筋力と知力が上がっている。重い鉱石を動かして、頭を使ったから上がったみたいだ。
人間と一緒だね。身体鍛えて、勉強すれば、僕もピーちゃんみたいに強く賢くなれるかな?
とりあえず敏捷にポイントを全部使うことにした。敏捷が19になった。
ピーちゃんに今必要なのは、知力よりも逃げる力だ。
『じゃあ、行ってくる』
「うん、気をつけてね」
たっぷり一晩休むと、ピーちゃんは次のクエストに旅立った。
帰ってきたお母さんが魔竜石を見て、畑にぜひ欲しいと言ってきた。
ピーちゃん、『これってドラゴンの糞なの?』——僕、素手で触っちゃったよ。
お母さんに聞いたら、『凄い糞よ!』と教えてくれたよ。
今は僕の部屋から消えて、薬草の花壇に埋まっているからね。
勇気の証は売ってないからね。埋めているだけだからね。
さて、お父さんの部屋に地図があったから僕も勉強だ。
子竜山と灰竜山を探してみようと思う。
僕が住む村がここだから、ピーちゃんが通っている街はコレかな?
だとしたら子竜山は街の北側で、灰竜山は西側にある。
それもかなりの西側だ。子竜山の二倍は距離がある。
方向音痴のピーちゃんに必要なのは『包囲磁石』かな?
お金もあるし、街での買い物再挑戦だ。
買い物袋もあるし、今ならいっぱい買えるよ。
「こほぉ、こほぉ……」
ちょっと頑張りすぎたみたいだ。
咳が始まった。最近はおさまっていたから油断しちゃった。
地図をたたむとベッドに横になった。
僕がいなくなってもピーちゃんが困らないように、買い物の仕方ぐらいは教えてあげたいな。
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