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番外編
番外編7
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はい、綺麗どころに連行されて来たのは、普段は他社の営業さん等と打ち合わせに使用する小会議室。そういや、あのバカ元彼と出会ったのもこの部屋だったわ、と思わず遠い目に。
え? 現実逃避したっていいじゃないですか。
ドアには見張りのつもりなのか、一人立ちはだかってるし、私の周りは香水と化粧の匂いをガッツリ纏わせた美女が壁になって囲んでいるし。四面楚歌とはこのことか!
「月宮さん」
「え、あ、はい?」
声をかけられたら反応してしまう営業のツライサガ……
というかさ、お昼休憩潰されているのですがそれは。これって、時間外労働になるのでは? 労基に訴えて勝つぞ!
それはさておき、美女集団がなにをもって私を取り囲んでいるのかが分かるだけに、下手にこちらから糾弾せずにこっそりとポケットの中のスマホを手探りで操作する。
一応、ワンタッチであちらに繋がるようにしてるから、特に問題はないはず。あっちが出れない状況ならアウトだけども。
「さっそくだけど、本題に入らせていただくわ。二度と千賀専務に近づかないでちょうだい」
ふん、と鼻息荒く、私を見下すような視線で命令してくるとか。秘書室の人たちって才色兼備って聞いてたんだけどなぁ。こんな大勢で囲って糾弾とか、頭悪すぎじゃなかろうか。
「えーと、それって、私が近づかなくても、千賀専務から近づくのはアリって事でよろしいでしょうか。あのですね、何か勘違いされてるようなので、ここではっきりさせておきますね」
「……なによ」
取り囲んで私が怯えてるとでも思ったのか、やたら冷静に反撃に講じる私に、美女集団は一瞬ひるんだ態度を見せる。これなら言いくるめとかできるかな。
「今回の件、私からは一回も千賀専務にアプローチなんぞしておりません。逆に向こうからグイグイ迫られてこちらが困惑しております。つまり、私に当てこすりするよりも、千賀専務にアタックする方が勝算があるのではないかと」
「なっ!」
「ちなみに、あの方粘着質ですよ。見た目に騙されると、いざ別れたいってなった時に、大変な想いをするのはそちらでは?」
「なによ! そうやって専務を悪しきざまに言って、私たちが諦めるように仕向けてるんじゃないの!?」
「いいえ? 私はこの三日で実感した感想をただ述べているだけです。あんまりあの方を簡単に陥落できるとは考えない方がよろしいかと」
周囲はざわめき、代表の美女はワナワナと震えている。これは噴火する前に退散したほうが身の為かもしれない。
「それでは。そろそろ就業時間になりますので」
「ま、待ちなさい! まだ話は終わってないわよ!」
えぇー。たかが秘書ごときに、私の勤務時間を調整できる権利なんてないのに、まだ引き止めるつもりなのね。
咄嗟に掴まれた右手首に、美女のエナメル補強された爪が食い込んで痛い。私も嗜みとしてフレンチネイルはしてるけども、わざわざジェルで伸ばしてない自前の爪なもんで、凶器になるほどの長さはない。が、美女の爪はどう見ても人を傷つける武器になっている。
こんな爪でどうやってキーボード叩いてるのか気になってしまう。他社の上役とも顔を合わせる機会が多いから、見た目に気を使うのも業務内容のひとつなんだろうけども、その業務に支障がありそうな爪は必要なんですかねぇ。
ま、私には関係ない。とりあえず、午後の仕事に行かせてくれれば、彼女たちの爪が魔女のように長かろうが、鼻がひん曲がりそうな程臭い香水をたっぷりつけてるとか、ここはキャバクラじゃないぞ、とツッコミたくなるような短いタイトスカートも、それこそどうでもいい。
「離していただけませんか。あなたたちが千賀専務に惚れてようがなんだろうが、私にとっては取るに足らないことなんです。それに、午後の始業開始からとっくに時間が過ぎてますよね。私も急がないといけませんが、あなた方も業務に差し障るのではありませんか?」
「そ、そんな瑣末なことはどうでもいいのよ! あなたがさっさと専務から距離を置くと言えばいいの!」
「……で、次は自分たちが専務にアタックするから? はっ! 逆に聞きますけど、私が彼から離れたとして、次にその場所に立てるのはたった一人。徒党組んでいらっしゃいますけど、いつまで仲良しこよしなんて出来るんでしょうね」
「……俺は真唯以外の告白以外は雑音にしか感じないからなぁ」
うん、やっぱり聞き耳立てていたみたいで。
振り返ると、それはそれはとても良い笑みを浮かべている蓮也さんと、その後に副社長。視界の端には青い顔をして硬直している美女様面々。
「迎えに来たよ、真唯」
いつもどおりの柔和な微笑みを浮かべる蓮也さんに対し、副社長は顔を引きつらせる。仕方ないよね、だってここはツンドラかって言いたくなるほど、部屋の中寒いもん。
「うーん、こんな事なら、乗り込まないでって言えば良かったかも」
「えー、真唯がこんなに辛い状況になってるのを静観するほど、俺できた人間じゃないんだけど」
「こうなるの分かってたから、本当は音声だけで我慢してほしかったんですけどね」
以上、入口から脇目も振らずまっすぐにやってきた蓮也さんが私をギュウギュウと抱きしめてきたので、抗議の意味も込めて言ったのですが。
実は、蓮也さんには、会社に来るまでの車内で、こうなるかもしれない、って話をしてあったんですよね。蓮也さんてば、色々な方向から秋波を受けていたようなので。あ、これも陽香の情報。
小さなトラブルをちまちま回避するよりかは、一気に叩き潰してしまおうと提案したんだけども、蓮也さんから懇願されたのは必ず自分に連絡をする事。
たかが女性同士の諍いだし、会社内で派手な騒動は起こさないから大丈夫と言ったんだけども、蓮也さんてば引いてくれなくて、絶対に連絡するようにと約束させられたのである。
ちなみに、約束を破っていたら、その場から私を攫って、うちの母や蓮也さんのご両親に挨拶するまではマンションに監禁するよ、と言われましてね……笑ってたけども目がマジだった。あれは絶対本気だった。
蓮也さんは犯する気満々とみた!
と、これ以上身動きがとれなくなるのも嫌だったので、大人しく従った次第です。
ぶっちゃけると、自分一人で解決したかったんだけどね。
男争奪でキャットファイト寸前になるのを、当の本人に見せるのも、彼女たちの自尊心やら乙女心とかあるし。なるべくなら蓮也さんを関わらせるのも避けたかった。が、流石に自分が大事です。これ以上ベッドから動けず、移動がお姫様だっことか勘弁願いたいのです。保身と言われようが構わぬものか。我が身は可愛いのだ。
「それで、就業時間にも拘らず、こんな人の居ない場所に連れ出した挙句、一人の人間を囲って糾弾する社員は不要……だよねぇ、椙崎?」
「まぁな。本来なら咎め止めるべき人間が首謀だとは……うちの秘書室には不要に等しいな」
「そんな!」
あーあ、そこで反論しちゃダメだってば。
うちの会社って、社長が席を置いてるだけで、実質は副社長と蓮也さんが運営しているんだけど、社則とか割とゆるふわにも拘らず、締める所は締めるから、就業中にサボってイジメやハラスメントを発見次第では、他社に比べると厳しい処分が待っているのである。最悪懲戒免職とかね。
更にこういった悪評って人の口に戸は立てられないが如く、悪事千里を走ってしまうのよ。つまり、まっとうな会社では雇ってもらえる可能性はほぼゼロ。
そういった社則を知ってる人は、自ら首を絞める真似はしないので、我が社は比較的仲が良い人と長期の付き合いをしているか、ひとり狼で淡々と仕事をしているかのどっちか。どちらにしてもイジメなんてだいそれた行動はしない。
それを忘れて彼女たちは墓穴を掘ったのだ。ご愁傷様。
内心で彼女たちに手を合わせていると、蓮也さんか副社長のどちらかが呼んでいたのか、警備員と共に秘書室長が姿を現す。いつもはきっちりと髪を後ろに撫で付けて、一分の隙もなさそうな人が、額に乱れた前髪が一筋落ち、整った唇からは荒い息を弾ませている。よっぽど急いで来たんだなぁ。
「副社長、遅くなり申し訳ございません。カメラの映像をコピーするのに手間取りまして……」
カメラって?
思わず蓮也さんを見上げると、私の疑問に気づいたのか、蓮也さんがすい、と指さした場所には空気清浄効果のある観葉植物を模した鉢植えが鎮座していた。
「あそこの枝の間をよーく見てみるといいよ」
「枝? んー……あっ」
本当に凝視しないと気づかない絶妙な位置に、枝に絡まるようにして同色のコードが絡まっている。その先には影になるような場所から室内の光に反射するものが。あれがカメラ本体なのかしら。
「分かった?」
「はい。ものっすごく絶妙な場所にあるんですね」
「まあ、防犯の意味もあるからね。あとは何かがあった時に証拠として残せるように、警備室で録画できるんだよ」
「へぇぇ」
私と蓮也さんが呑気な会話をしている背後では、それはそれは甲高い抵抗の声が輪唱になって谺している。うーん、あまり心地よいBGMではないな。
「あ、でも、前にはそんな物ってなかったような……」
「それはね、月宮君。こいつが来てから設置したからなんだよ」
「何勝手に真唯との会話に入ってきてるんだお前」
首をかしげていると、副社長が会話に混じってきた。というか、うちの会社、それなりに社員多いんだけど、いち社員の私の名前をよく知ってるんですね。
初めて聞く粗雑な蓮也さんの言葉に一瞬ドキンとしつつ、まだも騒いでいる美女集団が引きずられるように部屋から出ていくのを眺め、やはり何事もなく今日を終える事は出来なさそうだと溜息をついた。
え? 現実逃避したっていいじゃないですか。
ドアには見張りのつもりなのか、一人立ちはだかってるし、私の周りは香水と化粧の匂いをガッツリ纏わせた美女が壁になって囲んでいるし。四面楚歌とはこのことか!
「月宮さん」
「え、あ、はい?」
声をかけられたら反応してしまう営業のツライサガ……
というかさ、お昼休憩潰されているのですがそれは。これって、時間外労働になるのでは? 労基に訴えて勝つぞ!
それはさておき、美女集団がなにをもって私を取り囲んでいるのかが分かるだけに、下手にこちらから糾弾せずにこっそりとポケットの中のスマホを手探りで操作する。
一応、ワンタッチであちらに繋がるようにしてるから、特に問題はないはず。あっちが出れない状況ならアウトだけども。
「さっそくだけど、本題に入らせていただくわ。二度と千賀専務に近づかないでちょうだい」
ふん、と鼻息荒く、私を見下すような視線で命令してくるとか。秘書室の人たちって才色兼備って聞いてたんだけどなぁ。こんな大勢で囲って糾弾とか、頭悪すぎじゃなかろうか。
「えーと、それって、私が近づかなくても、千賀専務から近づくのはアリって事でよろしいでしょうか。あのですね、何か勘違いされてるようなので、ここではっきりさせておきますね」
「……なによ」
取り囲んで私が怯えてるとでも思ったのか、やたら冷静に反撃に講じる私に、美女集団は一瞬ひるんだ態度を見せる。これなら言いくるめとかできるかな。
「今回の件、私からは一回も千賀専務にアプローチなんぞしておりません。逆に向こうからグイグイ迫られてこちらが困惑しております。つまり、私に当てこすりするよりも、千賀専務にアタックする方が勝算があるのではないかと」
「なっ!」
「ちなみに、あの方粘着質ですよ。見た目に騙されると、いざ別れたいってなった時に、大変な想いをするのはそちらでは?」
「なによ! そうやって専務を悪しきざまに言って、私たちが諦めるように仕向けてるんじゃないの!?」
「いいえ? 私はこの三日で実感した感想をただ述べているだけです。あんまりあの方を簡単に陥落できるとは考えない方がよろしいかと」
周囲はざわめき、代表の美女はワナワナと震えている。これは噴火する前に退散したほうが身の為かもしれない。
「それでは。そろそろ就業時間になりますので」
「ま、待ちなさい! まだ話は終わってないわよ!」
えぇー。たかが秘書ごときに、私の勤務時間を調整できる権利なんてないのに、まだ引き止めるつもりなのね。
咄嗟に掴まれた右手首に、美女のエナメル補強された爪が食い込んで痛い。私も嗜みとしてフレンチネイルはしてるけども、わざわざジェルで伸ばしてない自前の爪なもんで、凶器になるほどの長さはない。が、美女の爪はどう見ても人を傷つける武器になっている。
こんな爪でどうやってキーボード叩いてるのか気になってしまう。他社の上役とも顔を合わせる機会が多いから、見た目に気を使うのも業務内容のひとつなんだろうけども、その業務に支障がありそうな爪は必要なんですかねぇ。
ま、私には関係ない。とりあえず、午後の仕事に行かせてくれれば、彼女たちの爪が魔女のように長かろうが、鼻がひん曲がりそうな程臭い香水をたっぷりつけてるとか、ここはキャバクラじゃないぞ、とツッコミたくなるような短いタイトスカートも、それこそどうでもいい。
「離していただけませんか。あなたたちが千賀専務に惚れてようがなんだろうが、私にとっては取るに足らないことなんです。それに、午後の始業開始からとっくに時間が過ぎてますよね。私も急がないといけませんが、あなた方も業務に差し障るのではありませんか?」
「そ、そんな瑣末なことはどうでもいいのよ! あなたがさっさと専務から距離を置くと言えばいいの!」
「……で、次は自分たちが専務にアタックするから? はっ! 逆に聞きますけど、私が彼から離れたとして、次にその場所に立てるのはたった一人。徒党組んでいらっしゃいますけど、いつまで仲良しこよしなんて出来るんでしょうね」
「……俺は真唯以外の告白以外は雑音にしか感じないからなぁ」
うん、やっぱり聞き耳立てていたみたいで。
振り返ると、それはそれはとても良い笑みを浮かべている蓮也さんと、その後に副社長。視界の端には青い顔をして硬直している美女様面々。
「迎えに来たよ、真唯」
いつもどおりの柔和な微笑みを浮かべる蓮也さんに対し、副社長は顔を引きつらせる。仕方ないよね、だってここはツンドラかって言いたくなるほど、部屋の中寒いもん。
「うーん、こんな事なら、乗り込まないでって言えば良かったかも」
「えー、真唯がこんなに辛い状況になってるのを静観するほど、俺できた人間じゃないんだけど」
「こうなるの分かってたから、本当は音声だけで我慢してほしかったんですけどね」
以上、入口から脇目も振らずまっすぐにやってきた蓮也さんが私をギュウギュウと抱きしめてきたので、抗議の意味も込めて言ったのですが。
実は、蓮也さんには、会社に来るまでの車内で、こうなるかもしれない、って話をしてあったんですよね。蓮也さんてば、色々な方向から秋波を受けていたようなので。あ、これも陽香の情報。
小さなトラブルをちまちま回避するよりかは、一気に叩き潰してしまおうと提案したんだけども、蓮也さんから懇願されたのは必ず自分に連絡をする事。
たかが女性同士の諍いだし、会社内で派手な騒動は起こさないから大丈夫と言ったんだけども、蓮也さんてば引いてくれなくて、絶対に連絡するようにと約束させられたのである。
ちなみに、約束を破っていたら、その場から私を攫って、うちの母や蓮也さんのご両親に挨拶するまではマンションに監禁するよ、と言われましてね……笑ってたけども目がマジだった。あれは絶対本気だった。
蓮也さんは犯する気満々とみた!
と、これ以上身動きがとれなくなるのも嫌だったので、大人しく従った次第です。
ぶっちゃけると、自分一人で解決したかったんだけどね。
男争奪でキャットファイト寸前になるのを、当の本人に見せるのも、彼女たちの自尊心やら乙女心とかあるし。なるべくなら蓮也さんを関わらせるのも避けたかった。が、流石に自分が大事です。これ以上ベッドから動けず、移動がお姫様だっことか勘弁願いたいのです。保身と言われようが構わぬものか。我が身は可愛いのだ。
「それで、就業時間にも拘らず、こんな人の居ない場所に連れ出した挙句、一人の人間を囲って糾弾する社員は不要……だよねぇ、椙崎?」
「まぁな。本来なら咎め止めるべき人間が首謀だとは……うちの秘書室には不要に等しいな」
「そんな!」
あーあ、そこで反論しちゃダメだってば。
うちの会社って、社長が席を置いてるだけで、実質は副社長と蓮也さんが運営しているんだけど、社則とか割とゆるふわにも拘らず、締める所は締めるから、就業中にサボってイジメやハラスメントを発見次第では、他社に比べると厳しい処分が待っているのである。最悪懲戒免職とかね。
更にこういった悪評って人の口に戸は立てられないが如く、悪事千里を走ってしまうのよ。つまり、まっとうな会社では雇ってもらえる可能性はほぼゼロ。
そういった社則を知ってる人は、自ら首を絞める真似はしないので、我が社は比較的仲が良い人と長期の付き合いをしているか、ひとり狼で淡々と仕事をしているかのどっちか。どちらにしてもイジメなんてだいそれた行動はしない。
それを忘れて彼女たちは墓穴を掘ったのだ。ご愁傷様。
内心で彼女たちに手を合わせていると、蓮也さんか副社長のどちらかが呼んでいたのか、警備員と共に秘書室長が姿を現す。いつもはきっちりと髪を後ろに撫で付けて、一分の隙もなさそうな人が、額に乱れた前髪が一筋落ち、整った唇からは荒い息を弾ませている。よっぽど急いで来たんだなぁ。
「副社長、遅くなり申し訳ございません。カメラの映像をコピーするのに手間取りまして……」
カメラって?
思わず蓮也さんを見上げると、私の疑問に気づいたのか、蓮也さんがすい、と指さした場所には空気清浄効果のある観葉植物を模した鉢植えが鎮座していた。
「あそこの枝の間をよーく見てみるといいよ」
「枝? んー……あっ」
本当に凝視しないと気づかない絶妙な位置に、枝に絡まるようにして同色のコードが絡まっている。その先には影になるような場所から室内の光に反射するものが。あれがカメラ本体なのかしら。
「分かった?」
「はい。ものっすごく絶妙な場所にあるんですね」
「まあ、防犯の意味もあるからね。あとは何かがあった時に証拠として残せるように、警備室で録画できるんだよ」
「へぇぇ」
私と蓮也さんが呑気な会話をしている背後では、それはそれは甲高い抵抗の声が輪唱になって谺している。うーん、あまり心地よいBGMではないな。
「あ、でも、前にはそんな物ってなかったような……」
「それはね、月宮君。こいつが来てから設置したからなんだよ」
「何勝手に真唯との会話に入ってきてるんだお前」
首をかしげていると、副社長が会話に混じってきた。というか、うちの会社、それなりに社員多いんだけど、いち社員の私の名前をよく知ってるんですね。
初めて聞く粗雑な蓮也さんの言葉に一瞬ドキンとしつつ、まだも騒いでいる美女集団が引きずられるように部屋から出ていくのを眺め、やはり何事もなく今日を終える事は出来なさそうだと溜息をついた。
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