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第八章 溺愛の側室

30.悪い趣味

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 クラウディアと王との伽が初めてなされた日から四か月ほどが経った。あの日から王は毎日求めてくるようになったが、必ずしも王の力が戻るわけでも無くクラウディアの努力が無駄になる日が殆どだった。かと言って王は彼女を責めたりはせず、自身のせいであると悔やむくらいだ。それだけに王が健在となった日には出来るだけ多くを受け入れたいとその身を最大限に使うのだった。

「はぁはぁ、陛下? 本日はいかがでしたでしょうか。
 足りないことがございましたら何なりとお申し付けください」

「ないない、不満なぞ何もない、あるはずもないわ。
 こうして我を満足させることが出来るだけで奇跡、これ以上何を望もうか。
 だからそんなことは気にせんでいい。
 さあいつものように体を流してもらうとするか」

 王が呼び鈴を鳴らすと奥御殿(ハーレム)の女達が数名やってきて桶に湯を張りはじめた。王の寝室にある風呂桶は大人が数名入れるような大きさと言うことも有り溜めるまでに大分時間がかかる。その間に少しでもきれいにしておこうと女たちは王の体へと肌を寄せていく。

 つい先ほどまでクラウディアの中にあった王の男性は、しぼみながらも彼の欲の果てを纏っている。ぬめりのある粘液を拭い去るために一人の女が口を使ってその残りを拭い取っていく。その姿は何度見てもいい気分ではないのだが、これが慣習だと言われてしまえばそう言うものなのかと納得せざるを得ない。

「ねえ陛下? なんでこの子でないと勃たないの?
 いえ、嫉妬してるわけではないし、この歳になって陛下の肉を頂きたいなどとも申しません。
 ただ単に興味、そう好奇心とでも言うのでしょうかねぇ」

「それは我にもわからん、なんせ本人もわかってないのだからな。
 特別な技があるわけでも無いがとにかく体の芯から湧き上がるものがあるのだよ」

「お許し下さるのならわたくし、あの子と楽しんでみたいですわ。
 それを眺めている間に湯も貯まりますわよ?」

「そう言えばお主は女知音(おんなちいん)でもあったな。
 よし、害の無い範囲であれば許そう。
 だが本人が泣くほどのことはせぬようにな。
 おい、酒を持て」

 話の流れがわからず、クラウディアはベッドの上に座ったままで辺りを見回した。そこへ先ほど陛下の残りを舐め取っていた女がやってきた。そしてそのままクラウディアへ肌を寄せてから乳房を揉みし抱き始めるではないか。驚いたクラウディアは身を強張らせて抵抗しながら王へと目をやった。しかし酒を片手に笑いながらこう言った。

「クラウディアよ、そやつは女知音といって女同士も好う者だ。
 観念してかわいがってもらうがいい。
 新たな技を教えてもらえるかもしれんぞ?」

「うふふ、わたくしの名はシャラトワ、よろしくね、可愛らしいお嬢さん。
 まずはここをきれいにしてしまいましょうか」

「そ、そんな、女同士で…… そんな……」

 シャラトワと名乗った妙齢の女性は、クラウディアに収まりきれず零れだしている王の恵みに口をつけ音を立てて吸い上げていく。もちろんその中には女から出たものも混じっているのだが全く気にかける様子がない。

『じゅる、じゅる、ずず、じゃぷ、ちゅるん』

 わざと大きな音を立てているのかやたらと耳の中へと響いて来て羞恥心を煽ってくる。外側がすっかりきれいになると、事が済んですでに蕾のように閉じた花びらへと舌を這わせてきた。その舌先の動きはまるで高速で羽ばたく蜂鳥のようで強く軽やかな刺激が齎される。こうして女同士で知る最初の絶頂はあっという間に訪れた。

『あ、あああ、ああ!!
 ダメです! おやめください! ああああ!!』

 だがそれだけでは終わらず、わずかに広がり蜜を流しはじめた花弁を、押し広げるように舌が入れられた。そのまま舌を出し入れすると、唇が頂点にある敏感な突起へと当たり更なる快楽を与えていく。クラウディアからは蜜がますます溢れ出て来て今にも吹きだしそうだと足を捩って抵抗する。しかしそんなことはお構いなしにシャラトワの攻めは続く。

 いつの間にか這い寄ってきた妙齢女の小さな手は、指先をすべて揃えて窄(すぼ)ませるとクラウディアの中へ入るためにじわりじわりと進んでくる。その間にもシャラトワの舌はクラウディアの花弁を弄び続けていた。

『じゅぽ、じゅる、ちゅぱ、にちゃ、ちゅろ――』

『ああああ、いけません、そんな、の、無理です!
 もうやめて、あああ、はう、あ、あああああ!』

 さすがにこれ以上はかわいそうだとあきらめてくれたのか、シャラトワの手はクラウディアの女から離れ落ち着きが取り戻された。かに見えたのだが、その安堵を裏切りながら二本の指が一気に差し込まれる。唐突に侵入してきたそれらは腹側に向かってかぎ状に形を変えて刺激を始めた。そしてすぐにクラウディアの中のしこりGスポットを見つけ出すとその動きは激しさを増し曲がりくねった指が内壁に襲い掛かる。

『じゅっぽ、じゅぽん、ぐちゅくちゅ、ぐっちょ、じゅっぱ、じゅぱっ――』

「ああ、あ、あ、あああ、もう、だめ!
 陛下! お情けを! あああ、ああああああ!!」

 クラウディアはもう何が何だかわからなくなり、混乱しながら王を呼んだ。しかしそこにいるのはクラウディアから噴き出した雫を浴びたシャラトワであり、王はその様子を笑いながら見ているだけだ。

 初めての体験でこれほどまでに痴態をさらしたことが恥ずかしく、顔を真っ赤にして項垂(うなだ)れていると、流石に悪いことをしたと思ったのか王が近寄ってきてその身を抱いた。まるで見世物のようにしておいて満足している王を見上げながらさらに恥ずかしさがこみ上げてきたクラウディアは、両手の拳を握ってから無言で王の胸をトントンと叩いた。その仕草が本当の幼子のようで微笑ましく、王はクラウディアを再び抱き寄せて頭を撫でた。
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