【R18】扇情の告白④ 欲望は血よりも濃く -ある家族の秘め事-

杏野 音

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#3 父

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私は44歳の会社員で、家族は40歳の妻と15歳の息子がいます。
最近は仕事が多忙となり妻とは少しすれ違い気味の生活になっていて、息子はといえば反抗期なのか私とあまり話をしてくれなくなっています。
とはいえ、全般的には概ね良い家庭を築けていると思っていました。
そう、あの夜までは--。

その日は本来は夕方から顧客との会議が予定されていたのですが、先方の都合で急にキャンセルとなり思いがけなく早く帰ることができました。
食事等に気を使わせても悪いと思い、妻には何も言わずに帰ることにしました。
そして家の前まで来たときに、私は不意にささやかなイタズラ心を起こし、こっそりと家に入って家族を驚かそうと思ったのです。
インターホンを鳴らさずに玄関を開けて家に入ると、意外なことに家の中は静かでした。
時間的には妻と息子が食事をしていてもおかしくないような時間ですが、調理をしているような匂いもありません。
そのままリビングからキッチンのほうまで見てみたのですが、電気は点いているにも関わらず、結局誰もいませんでした。
不審に思っていると、不意に天井から微かな物音がしました。

二階からか?

私は慎重に足音を殺しながら階段を登り始めました。
そして、手前にある息子の部屋が見えてきた時です。
かすかに、女の声が聞こえました。
女の声は断続的に聞こえますが、何か会話をしているのではなく小さな悲鳴のようなものに聞こえました。
私がさらに部屋に近づくと、声がもう少し聞こえるようになりました。

「あんっ、あっ、ああ、いい、いい!」

それは間違いなくあの行為の時に出る女の嬌声でした。
一瞬、息子がこっそりアダルトビデオでも見ているのかと思いましたが、それにうわずったような声が重なります。
「う、あっ、僕も、いいっ、ああ、すごい」
それは息子の声のように思えました。
妻がいなかったのが気になりますが、何かの用事で遅くなっているのかもしれません。
もしかして、息子はその間に彼女でも連れ込んだのか?
そういうことに興味がある年頃なのは理解できますが、しかしさすがにまだ放任していい年ではないでしょう。
私は息子の部屋に進むと、意を決してドアを開けました。
瞬間、壁越しにこもっていた声が鮮明に耳に飛び込んできます。

「はぁっ、あん、気持ちいいっ。もっと、もっと突いてぇ」
「ああ、こう? こう!?」

息子は床に這った裸の女の真っ白い尻を掴んで背後から激しく腰を振っていました。
「おい! 何をしてるんだ」
私の声に、初めて息子が気がつき驚愕の表情を浮かべます。
床に這った女も顔をあげ、私の姿を見て小さくひっ、と悲鳴をあげました。
息子が背後から責め立てていたのは、私の妻でした。

「あなた……」

私は目の前で何が起きているのか、一瞬理解ができませんでした。
息子と妻も同じだったのでしょう。
2人は繋がった姿勢のまま、呆然と固まっていました。

###

「それで……いつから、どうしてこんな事になったんだ」
私の前には、とりあえず身体にバスタオルをまとわせた妻と息子がうなだれて座っていました。
怒りや驚きといった様々な感情がない交ぜになって、私は逆に冷静になっていました。
まずは、起こっていることを正確に把握しようと思ったのです。

息子は偶然に風呂上がりの妻の裸を見てからそれを忘れられなくなり、毎日のように妻を想いながらオナニーをしていたと言いました。
妻は息子が自分を想ってオナニーしていることを知り、その背徳的な状況に抑えていた性欲が湧き立ち、やはりオナニーで自分を慰めるようになったと言いました。
そんな2人が一線を超えたのは約2週間前のことだったそうです。
欲求に耐えきれなくなった息子は、入浴中の妻に一緒に入りたいと持ちかけました。妻は迷いながらも承諾してしまったそうです。
親子ということを除けば、互いに性欲を抱いた男と女が裸で向き合えば、その先の行為を抑える事など不可能でしょう。
2人の話を聞きながら、私の中には妄想が入り交じった光景が浮かびました。

妻の前で息子のものは最初からそそり立っています。
それを目にした妻も、もう欲求を隠すことができません。
2人はその場で抱き合いました。
互いの手が、乳房へ、性器へと伸び、重ねた唇は舌を求め合いました。
妻は自らが産んだ子の陰茎を口に含み、息子は自らが生まれ出た母の女陰に舌を差し入れました。
初めて味わう快楽に耐えきれず、息子は何度も途中で射精してしまいましたが、若い欲望はそのたびに蘇り萎えることはありませんでした。
2人の興奮が頂点に達し、その時がやってきました。
自ら大きく脚を開いて女の全てを晒した母親に、息子の身体が重なります。
息子の陰茎が母の中に収まった時、2人はただの男と女になって、後は狂ったように快楽を求めて腰を振り合いました。
出る、出るとうめく子に、母は来て、出してと叫び、ついに息子は自分がはぐくまれた母の奥宮に己の胤を放ったのでした--。

それからは堰を切ったように欲望のまま私の不在の時間に妻と息子は性交を重ねてきたそうです。
今日も本来は帰りが遅くなるはずだった私に隠れて性交に耽っていたのでしょう。
恥ずかしながら、私は多忙にかまけて2人のことに気づいていませんでした。

2人から話を聞き終えて、私は苦悩していました。
自分の妻と息子が性交していたという衝撃はもちろんですが、これからどうしたらいいのか考えあぐねていたのです。
仮に性交を禁じたとして、一度火がついた背徳的行為への欲求を抑えることなどできるのでしょうか。一緒に暮らしていれば毎日顔を合わせますし、私は一日の多くの時間は家におらず目は届きません。
脳裏に、私の目を盗んで身体を貪り合う妻と息子の姿が浮かびました。
そして驚くべき事に、そんな想像に心のどこかで暗い愉悦を感じる自分がいたのです。

私は混乱する頭で2人に問いました。
「今後、こんな事はやめられそうか?」
息子と妻は顔を見合わせた後押し黙ってしまいます。
「俺のことは、もう嫌いになったのか?」
今度は妻に問いました。
「いいえ、そんなことは……言い訳にならないかもしれないけど、あなたが忙しくて寂しかったのよ。だから、一番身近で愛するこの子から求められた時、私、我慢ができなかったの……。あなたのことは今でも愛してるわ」
おそらく、妻は嘘を言っていないでしょう。
家族の形を歪めてしまったのは私にも責任の一端があります。
ならば、私もそのの中に身を置く必要があるのではないでしょうか。

私は、恐ろしいことを言おうとしていました。

「俺もだ。お前達だけを責めたりはしない。だから、これからはみんなで愛し合おう」
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