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第4章 ネシア国〜
リオンさんの従兄弟達に話を聞こう!
しおりを挟む闘技場から一旦宿に戻り、受付の人に声をかける。
「すみません、あのですね……相手に住所は聞いたんですが、その場所へ行く道順を詳しく知りたくて。この宿の近くだとも聞いているんですが。」
俺がそう受付の人に伝えると、その人はにこやかな笑顔でこの街の地図を出してきた。
そして俺から住所を聞くと、その地図の1か所に丸印を書いた。
「多分この建物だと思います。ここからはこうやって行くと近いし安全だと思いますよ?」
そう言って、地図に道順の印を書き入れていく。
……なるほど、そうやって行くんだね!
俺たちはその地図をもらい、それの通りに目的地まで向かう。
確かに大きな道を通っているので、とても安全だし道に迷うこともなさそうだ。
それからしばらく地図通りに進むと、丸をつけられた建物の前に昨日対戦したリオンさんが立っていた。
彼は俺たちを見つけると大きな仕草で両手を振って合図を送ってきた。
「お~~い!ここだぞ~!」
彼が大きな声で俺たちを呼ぶので、周りの人は何事かとこちらを見てくる。……ちょっとだけ恥ずかしいなぁ。
俺たちが目的地の建物の所に着くと、彼は案内するように家の中へと入っていく。
「……お邪魔しま~す。」
俺はそう声をかけると、先頭で家の中に入る。
みんなは俺の後ろからついてきていた。
中に入ると、確かにこの前グリーさんの背中に乗って一緒にネシアまで来た獣人さんが数人立っていて、俺たちを出迎えてくれた。
その中には別れる時に協力を約束してくれた獣人さんの代表らしき人もいた。
「お前たちの仲間が朝一の試合に出たらここに来るって聞いて、何人か集まってくれたんだ。」
リオンさんがそう言うと、彼らは頷く。
「あの時は本当にありがとうございました。彼から聞いたんですが、何か私たちに聞きたいことがあるということですよね?協力は惜しみませんので、何でも聞いて下さい。」
代表の獣人さんは笑顔でそう言った。
周りにいた獣人さん達も頷いて、協力を申し出てくれた。
それから俺達は立ち話もなんだからとリビングへと通された。
皆でソファーに座ると、リオンさんが目で俺に話をするように促してきた。
「実はですね、皆さんと別れた後に闘技場で最終試合の優勝決定戦を観戦したんです。その時の選手がヒューザとクーガーという名の獣人だったんですが、彼らは俺を見ると初対面なのにもかかわらず変な態度を見せたんです。実際に試合が終わった後、最初はヒューザさんが声をかけてきて、その後にクーガーさんが声をかけてきました。両者共、敵意丸出しで。でもヒューザさんは俺が皆さんをこの国に連れて来たことを告げると態度を真逆に転換したんですが、クーガーさんは人の話も聞かすに有無を言わせず、試合に出ろと闘技場の係を巻き込んで大変だったんですよ。」
「あぁ、あの時はたしかに騒ぎが大きくなって注目浴びてたな……。それで仕方なく今大会に出場することになったんだよ。」
遠い目をして、俺の話を補足したリッキー。
周りの仲間もうんうんと頷いている。
それを見ていた元避難民たちは、そこでようやく4属性竜の長達全員が揃っているのに気づいた。
代表して1人の元避難民が恐る恐る声をかける。
「あのぉ~……グリー様以外の4属性竜の長様たちは何故この国にいるんでしょうか……?」
「……4属性竜の長?」
リオンさんはそう言うと訝しそうに俺たちを見る。
少なくても試合に出ている俺たちは違うんじゃないかと思ってはいるようだが……当てられるかな?
俺がそう思って黙っていたのに、グリーさんかあっさりとバラした。
「私たち4人が、その獣人が言った『4属性竜の長』やねん。よろしゅうなぁ~。」
そう言って片手をヒラヒラさせて軽く話す。
他の3人は手を振ったり、会釈したり、頭を掻いたりしてそれぞれリアクションを取った。
それを聞いてもいまいちピンとこなさそうなリオンさんに、アクアさんが手を差し出した。
リオンさんは首を傾げつつも握手をしようと同じく手を差し出す。
すると、急にアクアさんの腕が巨大な竜の腕に変わった。
驚いたリオンさんは慌てて手を引っ込めた。
おぉ~、猫科だけあって、一瞬で毛が逆立ったよ!
「アハハッ!驚いた?本当は全身竜に変わっても良かったんだけど、そうするとこの家壊れちゃうからさ!だから腕だけね!」
「……アクア、この獣人を驚かせてどうするんだ。ともかく邪魔だからその腕は元に戻せ。」
驚かせてみたかったアクアさんをアースさんがしかめっ面でたしなめる。
アクアさんは「ごめん、ごめん!」と軽く言っていたから反省してなかったりして?
でもおかげでリオンさんは、彼らは今の見た目が人族に見えようとも、本当は竜なんだと理解したようだ。
「理解してもろて良かったわ~。何でいるのか言うたら、この3人が大会に出る~言うから観戦に来たんや。ただ、それだけ~。」
「そうよ、だって楽しそうだもの!」
「本当は僕たちも出たかったんだけど。」
「人外が出ると力加減を誤って、人だけじゃなくて闘技場自体も壊れてしまうからな。」
「……。」
4人の言い分を聞いたリオンさんは口を大きく開けて唖然としている。
そう、彼らは、本当は試合に出たかったんだよね。
だけどアースさんがいうように力の加減が難しいので、出場選手と観客のために泣く泣く断念したのだ。
「そ、それで聞きたいこととはなんでしょうか?」
このままでは埒が明かないと、リオンさんの従兄弟が聞いてきた。
「あっ、そうですね!えっとですね、さっきもチラッと話しましたが、クーガーさんになぜかかなり嫌われてしまっていまして、もしかするとヒューザさんみたいに兄弟が一緒に捕まっていたことないか聞きたかったんですよ。どうも俺が神聖法国の人間だと思われているみたいで、それで嫌われているようです。」
俺がそう言うとリオンさんが苦笑いする。
実際に彼からそう聞かされていた側だからね。
リオンさんの従兄弟や、今ここに集まっている人にも聞いてみたが、有力な情報は得られなかった。
そこで元避難民の一人が他の元避難民達に聞きに行ってくれたんだ!
俺がお礼を言うと、彼らからは「いや、受けた恩はこんなもんじゃ返しきれないから、気にしないでくれ。」と言われた。
街中はかなり広いので、その中を馬車や馬を使って走ったとしてもあちこち回るのにはとても時間がかかりそうだったので、その間に昼食を食べることになった。
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