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第3章 スノービーク〜
黒い球
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私はテネブル様にもらった黒い球を握りしめる。
私たち親子がここまで追い詰められてしまったからには、領主である兄のウォール共々、もうこの街の住人も滅びてしまえば良いのだ。
心の中が黒い感情で満たされた時、手の中の黒い球が勝手に私の魔力を吸い始めた。
驚いて手から玉を落としそうになったが、そもそもが手にくっついて離れないので落とそうにも落とせなかった。
「勝手に魔力を吸い出しているだと?いったいどうしたというのだ!?」
私は焦って黒い球を手から離そうと躍起になるが、何をやっても手のひらからは離れない。
その間ずっと私の魔力を勝手に吸い上げている。
「……父さん?いったいどうしたんだ!?」
どうやら私の異変に、近くにいたミストが気づいたらしい。
倒れていく私を抱きかかえて、ゆっくり地面に座らせた。
その頃には、私の魔力はもうほとんど残っていなかった。
私は朦朧とした意識の中、ミストにこの街のことを頼んだ。
もちろん、街が滅んだ後のことだ。
ちゃんと神聖法国の為に自分が領主になったとこの国の国王に宣言して、その上でその土地を神聖法国に譲ると宣言するのだ。
そんな事を薄れゆく思考の中で考えていたが、急に掌ごと黒い球が黒く発光し、発熱をしだした。
私はミストに抱えられていたが、危険だから離れろと言って横たえてもらった。
その光は段々大きくなっていき、しまいに私の身長より大きくなった頃、光の拡大は止まり、発熱は治まった。
するとその光の中から何かの鳴き声や吠え声が聞こえだしたかと思うと、『それら』は一気に黒い光から飛び出してきた。
光の中から飛び出してきたのは、様々な巨大な魔物たちだった。
その巨大な魔物たちが横たわっている私の手のひらの上から出てくるのだが、その度に下にいる私の体を踏みつけていく。
その度に灼熱のような痛みと熱を体に感じるのだ。
もう私の体はあちこち骨が折れて内臓が潰れており、助かる見込みはないのが自分でも分かる。
遠くに避難してもらったミストが私を助けようと近寄ろうとしていたが、しかし弟のフォグに危険だからと羽交い締めにされているのが見える。
そうだ、お前たちは安全なその場所で、近寄らずに見ていなさい。
私は声に出して言えたかも分からないが、そう呟いた。
そして次第に痛みも感じることが無くなり、意識も朦朧とし、目を瞑る。
すると、私の中から何かが抜けていくのを感じた。
それと同時に、私の生命の灯りも……消えた。
- - - - - - - - - -
(ミスト視点)
俺は父が倒れたのを抱きかかえて助けたのだが、父は何かの異変を感じて俺に避難の為に離れろと言った。
俺が渋々父のそばから離れた途端、父の掌から黒い光が出てきて、だんだんと大きくなっていく。
その光は、あっという間に巨大な黒い球体になった。
そして俺が避難完了したのを待っていたかのように、さらなる異変が起こる。
その光から無数の巨大な魔物が飛び出してきたのだ。
それらが下にいる父を踏んでいくのを見て俺は叫んで飛び出そうとしたのだが、弟のフォグにすんでのところで羽交い締めにさ れた。
「離せ!父さんのところに行って助けなければ!」
「兄さん、もう、無理だよ!あれを見てよ、無数に出てくる魔物の群れ!あんなのとは戦えないよ!兄さんまで失うのは、僕には耐えられない!」
フォグはそう言うと、泣きながら俺に抱きついて離れない。
弟を見て、それから父の方を見た。
体はあちこちひしゃげて、ちぎれている部分も多数ある。
確かに、あれではもう……父は生きてはいないだろう……。
父の変わり果てた姿を見て、俺は胸が潰れそうな気持ちになった。
なんで……なんでこんな事になったんだ。
俺は崩れ落ちながら、考える。
「あいつらか…?あいつらが俺たちを追い詰めなければ、こんな事にならなかったのか?」
俺は思わずそう呟く。
リッキーたちが俺たちを追い詰めたと。
だが……本当にそうか?
俺たちがやりすぎたから、その報いが今、来ているのではなかろうか……?
脱力した俺を、弟が抱きしめて支えてくれている。
今のところ黒い光から溢れている魔物たちは、俺たちがいる森の浅い場所からスノービークの街へと向かっている。
俺が黒い光をボーッと見ていると、そこから出てきた巨大な斧を担いでいる馬の顔をした二足歩行の魔物と目が合った。
「こんな所にもニンゲンがいたのか。」
その魔物はそう言うと、俺達の方へとゆっくり歩いてくる。
「兄さんっ!早く立って!逃げなくちゃっ!!」
フォグはそう言って俺を立たせようとする。
「……お前は逃げろ。俺はここにいて足止めをしてやるから。いいから逃げるんだ!」
俺はもう、心が折れてしまっていて立ち上がるのも億劫になっている。
せめて弟が逃げられる時間を稼ごうと、自分が使える攻撃魔法を魔力が尽きるまで放ち続けることにした。
「なんだ、魔法が使えるのか?面倒なやつだな。」
そんな事を言いながら、持っている巨大な斧を払って俺の魔法をかき消していく。
あぁ……これは無理だ。
力にこんなにも差があるとは……。
せめてフォグは逃がせただろうか?
俺は後ろを振り向くと、弟は俺を見つめてそこに佇んでいた。
「兄さん、死ぬ時は一緒だよ?」
弟は俺を見つめながら、微かに微笑む。
「そうか、一緒……か。それも良いな。」
俺もフォグを見つめて微笑む。
話すことのできる魔物は、もう目前。
俺は魔法を放つことをやめ、まだ成人しきれていない弟の体をきつく抱きしめる。
「フォグ、次に生まれ変わった時にも、俺と兄弟になろうな。」
「うん、そうだね、兄さん。」
俺たちは互いを抱きしめながら、目を閉じた。
私たち親子がここまで追い詰められてしまったからには、領主である兄のウォール共々、もうこの街の住人も滅びてしまえば良いのだ。
心の中が黒い感情で満たされた時、手の中の黒い球が勝手に私の魔力を吸い始めた。
驚いて手から玉を落としそうになったが、そもそもが手にくっついて離れないので落とそうにも落とせなかった。
「勝手に魔力を吸い出しているだと?いったいどうしたというのだ!?」
私は焦って黒い球を手から離そうと躍起になるが、何をやっても手のひらからは離れない。
その間ずっと私の魔力を勝手に吸い上げている。
「……父さん?いったいどうしたんだ!?」
どうやら私の異変に、近くにいたミストが気づいたらしい。
倒れていく私を抱きかかえて、ゆっくり地面に座らせた。
その頃には、私の魔力はもうほとんど残っていなかった。
私は朦朧とした意識の中、ミストにこの街のことを頼んだ。
もちろん、街が滅んだ後のことだ。
ちゃんと神聖法国の為に自分が領主になったとこの国の国王に宣言して、その上でその土地を神聖法国に譲ると宣言するのだ。
そんな事を薄れゆく思考の中で考えていたが、急に掌ごと黒い球が黒く発光し、発熱をしだした。
私はミストに抱えられていたが、危険だから離れろと言って横たえてもらった。
その光は段々大きくなっていき、しまいに私の身長より大きくなった頃、光の拡大は止まり、発熱は治まった。
するとその光の中から何かの鳴き声や吠え声が聞こえだしたかと思うと、『それら』は一気に黒い光から飛び出してきた。
光の中から飛び出してきたのは、様々な巨大な魔物たちだった。
その巨大な魔物たちが横たわっている私の手のひらの上から出てくるのだが、その度に下にいる私の体を踏みつけていく。
その度に灼熱のような痛みと熱を体に感じるのだ。
もう私の体はあちこち骨が折れて内臓が潰れており、助かる見込みはないのが自分でも分かる。
遠くに避難してもらったミストが私を助けようと近寄ろうとしていたが、しかし弟のフォグに危険だからと羽交い締めにされているのが見える。
そうだ、お前たちは安全なその場所で、近寄らずに見ていなさい。
私は声に出して言えたかも分からないが、そう呟いた。
そして次第に痛みも感じることが無くなり、意識も朦朧とし、目を瞑る。
すると、私の中から何かが抜けていくのを感じた。
それと同時に、私の生命の灯りも……消えた。
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(ミスト視点)
俺は父が倒れたのを抱きかかえて助けたのだが、父は何かの異変を感じて俺に避難の為に離れろと言った。
俺が渋々父のそばから離れた途端、父の掌から黒い光が出てきて、だんだんと大きくなっていく。
その光は、あっという間に巨大な黒い球体になった。
そして俺が避難完了したのを待っていたかのように、さらなる異変が起こる。
その光から無数の巨大な魔物が飛び出してきたのだ。
それらが下にいる父を踏んでいくのを見て俺は叫んで飛び出そうとしたのだが、弟のフォグにすんでのところで羽交い締めにさ れた。
「離せ!父さんのところに行って助けなければ!」
「兄さん、もう、無理だよ!あれを見てよ、無数に出てくる魔物の群れ!あんなのとは戦えないよ!兄さんまで失うのは、僕には耐えられない!」
フォグはそう言うと、泣きながら俺に抱きついて離れない。
弟を見て、それから父の方を見た。
体はあちこちひしゃげて、ちぎれている部分も多数ある。
確かに、あれではもう……父は生きてはいないだろう……。
父の変わり果てた姿を見て、俺は胸が潰れそうな気持ちになった。
なんで……なんでこんな事になったんだ。
俺は崩れ落ちながら、考える。
「あいつらか…?あいつらが俺たちを追い詰めなければ、こんな事にならなかったのか?」
俺は思わずそう呟く。
リッキーたちが俺たちを追い詰めたと。
だが……本当にそうか?
俺たちがやりすぎたから、その報いが今、来ているのではなかろうか……?
脱力した俺を、弟が抱きしめて支えてくれている。
今のところ黒い光から溢れている魔物たちは、俺たちがいる森の浅い場所からスノービークの街へと向かっている。
俺が黒い光をボーッと見ていると、そこから出てきた巨大な斧を担いでいる馬の顔をした二足歩行の魔物と目が合った。
「こんな所にもニンゲンがいたのか。」
その魔物はそう言うと、俺達の方へとゆっくり歩いてくる。
「兄さんっ!早く立って!逃げなくちゃっ!!」
フォグはそう言って俺を立たせようとする。
「……お前は逃げろ。俺はここにいて足止めをしてやるから。いいから逃げるんだ!」
俺はもう、心が折れてしまっていて立ち上がるのも億劫になっている。
せめて弟が逃げられる時間を稼ごうと、自分が使える攻撃魔法を魔力が尽きるまで放ち続けることにした。
「なんだ、魔法が使えるのか?面倒なやつだな。」
そんな事を言いながら、持っている巨大な斧を払って俺の魔法をかき消していく。
あぁ……これは無理だ。
力にこんなにも差があるとは……。
せめてフォグは逃がせただろうか?
俺は後ろを振り向くと、弟は俺を見つめてそこに佇んでいた。
「兄さん、死ぬ時は一緒だよ?」
弟は俺を見つめながら、微かに微笑む。
「そうか、一緒……か。それも良いな。」
俺もフォグを見つめて微笑む。
話すことのできる魔物は、もう目前。
俺は魔法を放つことをやめ、まだ成人しきれていない弟の体をきつく抱きしめる。
「フォグ、次に生まれ変わった時にも、俺と兄弟になろうな。」
「うん、そうだね、兄さん。」
俺たちは互いを抱きしめながら、目を閉じた。
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