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第3章 スノービーク〜
リッキーの家のお風呂にて
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その日の夜、皆で夕飯を食べた後でリッキーと一緒に皆で風呂に入ることになった。
あ、セバスは水が苦手なので拒否されたけど。
昨日は俺とユーリだけで入ったから、久々にリッキーと入るんだ!
お風呂に3人揃っていくと、脱衣所で服を脱いでさっそくお風呂場へ。
この家の男性は自分でお風呂に入る習慣があるらしく、他の貴族の家とは少し違うらしい。
風呂場には小型のプールかっていうくらいの巨大な湯船があるんだ。
なんでこんなに巨大なのか聞いてみると、どうやら主家のみんなが使った後に使用人たちも使うからなんだって!
あ、リッキーのお母さんだけは自室にお風呂があるらしいから、ここは利用しないんだそうな。
そんな巨大なお風呂に3人で入ったのに、なんかつい固まって入っちゃうのはなんでだろうね?
それからしばらくは人間の姿で入っていたユーリが、誰もこないのを良いことに子竜の姿に戻って泳ぎだした。
「こら!お風呂は泳いじゃダメだぞ!」
『……はぁい』
俺が注意すると、ユーリは残念がりながら泳いで戻ってくる。
そんなユーリを見てリッキーは苦笑いをして、「俺たちと入った時だけだからな?」と言って許可を出してしまった。
もうっ!子供の躾にならないよ、それじゃあ!
だけどリッキーが許可を出したんだからと、今夜はしょうがないと諦めた。
ユーリには自由にしてもらうことにして、俺はこの際リッキーに聞いてみたかったことを聞くことにした。
「なぁ、お前が倒れた時から山田と電話してないんだけど、お前が部屋に来ない時なら電話しても大丈夫なのかな?」
そう、俺はあれから山田と電話はしていない。
いつも文字での会話だ。
あんな事があってから、またなるといけないと、俺は警戒をしていたんだよね。
それと同じで、兄さんたちにもこの街に来てからはちょっとこっち来ないように言ってある。
スコットさん&リリーさんと会った時にどんな反応があるかわからないからだ。
さすがにリッキーの時のような事が起こったら見ている方も辛いし、本人も相当体に負担がかかるんじゃないかと思うんだ。
するとリッキーは俺の言いたいことを理解しているらしく、1つ頷いた。
「ああ、俺がお前の部屋に行かない時なら電話しても構わないぞ?そういえば義兄さんと友梨佳にはこの街にいる間はこっちに来るなと言ってあるか?」
「もちろんそう言ってあるよ!だって、なんかあったら怖いじゃん?」
俺の返事を聞いたリッキーは1つ頷いた。
「それなら良いんだ。今頃二人共「せっかく新しい街にいるんだから遊びに行きたい!」ってぶつくさ言っているはずだが気にするな。それが『予定調和』ってやつだ。」
……ん?
予定調和ってことは、俺が自然にやっているつもりでも、実は知らず知らず運命とやらに操られているってことか?
それとも、そうしなければ今のリッキーが……山田の記憶かあるリッキーがいなくなってしまったりするのか?
俺は途端に不安になってくる。
するとリッキーは苦笑いして「そんなに思い詰めるなよ、ある程度自由に行動しても大丈夫だと思うから。」って、頭を撫でてきた。
……おい、俺、見た目と同じじゃないんてすけどっ!お前は知ってるじゃん!
俺がぶすっとした顔をすると、リッキーは大笑いをした。
「はははっ!悪い、悪い!なんかその見た目だと、つい……なっ!」
そんな事をしてると、いつの間にかユーリが人型に変化して俺の所まで戻ってきていた。
そして俺の胸に抱きつくと、口をとがらせて拗ねた顔でリッキーを見やる。
「……マ、じゃなくて、にぃには僕のなの!僕のにぃになの!」
ユーリがそう叫んで主張する。
か…かわいいっ!なんて可愛い主張なんだ!
俺は思わずユーリをぎゅっと抱きしめる。
ユーリは嬉しそうにキャッキャと手足をバタバタさせて楽しんでいた。
すぐ間近でそれをされたもんだから、水飛沫はリッキーにバシャバシャとかかってしまって申し訳なかったよ。。。
とりあえず皆で落ち着いてまたお湯に浸かり、体から力を抜く。
俺はやっぱりお風呂に入っている時が1番リラックスできて好きだなぁ。
それからしばらく入浴し、しっかりお風呂で体を温めてから部屋に戻る。
まだ夜の8時頃だったので、リッキーにはこれから山田に電話をするからと伝え、部屋の前で別れた。
部屋に戻ると俺は久々に山田に電話をかけた。
山田の声を聞くのはだいたい一ヶ月ぶりか?
山田にはそちらの近況なんかを聞き、こちらからはとうとうユーリが人型になれるということを伝えた。
どうやらあちらでは山田の予想通り、兄さんと姉さんが新しい街の観光をしたがっていると聞かされたが、さすがに今の状況では連れて歩きにくいと思う。
そしてこちらの報告を聞いて、山田はとても驚いていた。
山田の中でユーリは小さなドラゴンのまま(目の光る置物バージョン)だったらしく、人型で会えるのを楽しみにしていた。
……そっか、ユーリは向こうに行けるから、山田や姉さん達と一緒に行動できるんだね。羨ましいなぁ。
あ、セバスは水が苦手なので拒否されたけど。
昨日は俺とユーリだけで入ったから、久々にリッキーと入るんだ!
お風呂に3人揃っていくと、脱衣所で服を脱いでさっそくお風呂場へ。
この家の男性は自分でお風呂に入る習慣があるらしく、他の貴族の家とは少し違うらしい。
風呂場には小型のプールかっていうくらいの巨大な湯船があるんだ。
なんでこんなに巨大なのか聞いてみると、どうやら主家のみんなが使った後に使用人たちも使うからなんだって!
あ、リッキーのお母さんだけは自室にお風呂があるらしいから、ここは利用しないんだそうな。
そんな巨大なお風呂に3人で入ったのに、なんかつい固まって入っちゃうのはなんでだろうね?
それからしばらくは人間の姿で入っていたユーリが、誰もこないのを良いことに子竜の姿に戻って泳ぎだした。
「こら!お風呂は泳いじゃダメだぞ!」
『……はぁい』
俺が注意すると、ユーリは残念がりながら泳いで戻ってくる。
そんなユーリを見てリッキーは苦笑いをして、「俺たちと入った時だけだからな?」と言って許可を出してしまった。
もうっ!子供の躾にならないよ、それじゃあ!
だけどリッキーが許可を出したんだからと、今夜はしょうがないと諦めた。
ユーリには自由にしてもらうことにして、俺はこの際リッキーに聞いてみたかったことを聞くことにした。
「なぁ、お前が倒れた時から山田と電話してないんだけど、お前が部屋に来ない時なら電話しても大丈夫なのかな?」
そう、俺はあれから山田と電話はしていない。
いつも文字での会話だ。
あんな事があってから、またなるといけないと、俺は警戒をしていたんだよね。
それと同じで、兄さんたちにもこの街に来てからはちょっとこっち来ないように言ってある。
スコットさん&リリーさんと会った時にどんな反応があるかわからないからだ。
さすがにリッキーの時のような事が起こったら見ている方も辛いし、本人も相当体に負担がかかるんじゃないかと思うんだ。
するとリッキーは俺の言いたいことを理解しているらしく、1つ頷いた。
「ああ、俺がお前の部屋に行かない時なら電話しても構わないぞ?そういえば義兄さんと友梨佳にはこの街にいる間はこっちに来るなと言ってあるか?」
「もちろんそう言ってあるよ!だって、なんかあったら怖いじゃん?」
俺の返事を聞いたリッキーは1つ頷いた。
「それなら良いんだ。今頃二人共「せっかく新しい街にいるんだから遊びに行きたい!」ってぶつくさ言っているはずだが気にするな。それが『予定調和』ってやつだ。」
……ん?
予定調和ってことは、俺が自然にやっているつもりでも、実は知らず知らず運命とやらに操られているってことか?
それとも、そうしなければ今のリッキーが……山田の記憶かあるリッキーがいなくなってしまったりするのか?
俺は途端に不安になってくる。
するとリッキーは苦笑いして「そんなに思い詰めるなよ、ある程度自由に行動しても大丈夫だと思うから。」って、頭を撫でてきた。
……おい、俺、見た目と同じじゃないんてすけどっ!お前は知ってるじゃん!
俺がぶすっとした顔をすると、リッキーは大笑いをした。
「はははっ!悪い、悪い!なんかその見た目だと、つい……なっ!」
そんな事をしてると、いつの間にかユーリが人型に変化して俺の所まで戻ってきていた。
そして俺の胸に抱きつくと、口をとがらせて拗ねた顔でリッキーを見やる。
「……マ、じゃなくて、にぃには僕のなの!僕のにぃになの!」
ユーリがそう叫んで主張する。
か…かわいいっ!なんて可愛い主張なんだ!
俺は思わずユーリをぎゅっと抱きしめる。
ユーリは嬉しそうにキャッキャと手足をバタバタさせて楽しんでいた。
すぐ間近でそれをされたもんだから、水飛沫はリッキーにバシャバシャとかかってしまって申し訳なかったよ。。。
とりあえず皆で落ち着いてまたお湯に浸かり、体から力を抜く。
俺はやっぱりお風呂に入っている時が1番リラックスできて好きだなぁ。
それからしばらく入浴し、しっかりお風呂で体を温めてから部屋に戻る。
まだ夜の8時頃だったので、リッキーにはこれから山田に電話をするからと伝え、部屋の前で別れた。
部屋に戻ると俺は久々に山田に電話をかけた。
山田の声を聞くのはだいたい一ヶ月ぶりか?
山田にはそちらの近況なんかを聞き、こちらからはとうとうユーリが人型になれるということを伝えた。
どうやらあちらでは山田の予想通り、兄さんと姉さんが新しい街の観光をしたがっていると聞かされたが、さすがに今の状況では連れて歩きにくいと思う。
そしてこちらの報告を聞いて、山田はとても驚いていた。
山田の中でユーリは小さなドラゴンのまま(目の光る置物バージョン)だったらしく、人型で会えるのを楽しみにしていた。
……そっか、ユーリは向こうに行けるから、山田や姉さん達と一緒に行動できるんだね。羨ましいなぁ。
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