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第3章 スノービーク〜
明日は楽しみだね!
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俺と山田が電話で話をしていると、ユーリがトコトコと歩いてきて、ソファーに座っている俺の膝に座った。
「ねぇ、にぃに。さっき山田と話しているのが聞こえたんだけど……僕が人化できるって知ったら、山田、会えるのを楽しみにしているって言っていたよね?」
ユーリが俺の顔を下から覗き込みながら、そう聞いてきた。
「確かに言っていたよ。でも、それがどうかした?」
「んとね、もしだったら明日、山田が暇ならあっちに行ってきてもいい?」
ユーリからの思わぬ提案に、俺は一瞬、言葉に詰まった。
「とりあえず、まずは山田に聞いてみようと思うけど……1つ言っておきたいことがある。山田のことは『山田さん』って呼んでやってくれないか?さすがに幼児からの呼び捨てはダメだと思うんだ。」
するとユーリは少し考えていたが、コクンと頷いて了承してくれた。
実は前々から気にはなっていたんだよね、ユーリが『山田』って呼び捨てするの。
まだ竜の状態なら百歩譲って認めてもいいが、人型の幼児の呼び捨てはないだろう。
とりあえずユーリとそう約束してから山田に話しかける。
「こっちの会話が聞こえていたか分からないけど、明日って山田は会社休みか?」
「ああ、明日は土曜だからな。会社は休みだよ。じゃあ明日、ユーリはこっちに遊びに来るのか?」
「本人は行く気満々なんだけど……頼めるか?」
「ああ、良いぞ。じゃあついでにお前のお兄さんたちにも会わせに行ってくるよ。」
「おう、頼むな!でもあれかな、姉さんに会わせると大変かなぁ……?」
俺がそう呟くと、山田は苦笑いした。
「そうなのか?俺はまだ付き合いは浅いから良くわからんが……少なくてもお前のこと好きすぎる人だよな。」
「なんだ、数回会っただけでもう見抜いたのか?」
「だってすんげえ分かりやすい人だぞ?」
弟の友人にまでそんな事言われている姉さん……。
どんな事を山田の前で見せたのか、ちょっと知りたいような……知らないほうが良いような?
「ところでユーリはこっちに来たら何をしたいのか、具体的になんかあるのか?」
山田は受話器越しに、ユーリに話しかける。
するとユーリは少し考えてから答えた。
「んとね~、ちょっと買いたい物があるの!何を買いたいのかは……ひ、み、つ!」
なるほど、なんか買いたい物があるのか。
じゃあついでに明日は、山田とスーパーにも買い出しに行ってもらおうかな?
こっちとは全く違うから、ものすごく楽しんでくれることだろう。
「じゃあついでに明日はスーパーにも買い出しに行ってよ、ユーリ?」
「ん?良いよ~、スーパーが何かは分からないけど。でもそう言うってことは、おつかいだね?」
「そう、おつかい。買い物リストは今夜のうちに作っておくから、頼むね!」
「うん、分かった~!」
ユーリは楽しそうに引き受けてくれた。
後でリスト作っておかなきゃね!
「じゃあ明日はユーリの買い物とお前の買い物は決定だろ?ユーリは何時にこっちに来る?それまでに起きてご飯食べておかなきゃだからさ。」
「そうだなぁ……あ、朝食は持たせるから、一緒に食べれば良い。それでどうだ?」
「おっ、良いのか!?お前の料理、美味いから楽しみだな!」
リッキーはそう言って、嬉しそうな声で喜んでいる。
それなら今の手持ちの料理じゃ、あれかなぁ……?
朝食だし、あまり重いのは駄目だよね。
じゃあ……電話を切ったら作るか!
「そんなに喜んでもらえるなら、電話切ったらなんか作るな!それを明日、ユーリに持たせてやるから2人で食べると良いよ。」
「おっ、楽しみにしてるよ!」
それから俺達は少し話した後、電話を切り、明日の買い物リストを紙に書いた。
残るは明日の朝食のみ。
この部屋で料理でもするかな!
部屋にある応接セットのとても大きなテーブルにIHコンロを出す。
さて……何を作るかな?
俺がコンロを出したことで料理を始めることに気づいたユーリは、隣で何を作るのかワクワクした顔で俺を見上げる。
セバスは後ろから何をするのかと眺めている。
「にぃに、何作るの?」
「ん?明日のお前と山田の朝食だよ。」
「そうなのぉ?う~ん……何が甘いのが良いな!」
「甘いのかぁ……あ、じゃあフレンチトーストなんてどうだろう?」
俺はそう呟きなから、鞄から食パン、牛乳、卵、砂糖、バター、蜂蜜、フライパン、バット、パン切り包丁、まな板、フライ返し、電子レンジを取り出す。
まずは食パンを4センチ厚に6枚切り取る。
それをさらに縦に半分に切り、ちょっとそのまままな板の上に置いておいて……と。
次はバットに卵を入れてしっかりと白身と黄身を混ぜ、そこに牛乳と砂糖を投入!さらにまぜまぜ……。
その卵液にさっき切った食パンを漬けるんだけど、通常は一晩おいておかないとなんだよね。
でもここは電子レンジの出番だ!
卵液に浸った食パンが入ったバットを約1分ほど加熱してみた。
……おや、厚みがあるせいか、少し浸り足りない?
もう少しだけ加熱してみた。
その間にフライパンを熱し、バターを投入。
しっかり卵液を吸った食パンをフライパンへと入れ、焼きめがついたらひっくり返し、蓋をして蒸し焼きにする。
完成したフレンチトーストをさらに盛り付け、蜂蜜をかけたらすぐに鞄の中へ。冷えたら美味しくないからね!
さて寝ようか……と思ったけど、部屋の中はフレンチトーストや蜂蜜の匂いが充満していてすごく甘い。
ユーリを見ると、よだれを垂らして俺を見ていた。
こ……これは寝しなに何かしら少しお菓子なんかを食べさせないと寝れないね?
しょうがないのでローランの街で作ってもらったチョコチップパンを半分に切って渡し、それで我慢してもらった。
食べ終わった後はユーリの歯磨きをしてやり、寝る準備完了!
2人で並んでベッドに入ると、俺は疲れからか即夢の中へ旅立ってしまった。
『(セバス視点)』
お風呂から帰ってきたシエル様達はスマホなる魔道具で何やら会話をしております。
私は邪魔にならぬよう、黙って会話を聞いておりますと、どうやら明日ユーリ様はあの鞄の中に入って異世界へと行かれる様子。
私も行ってみたいものですが……今回は諦めましょう。
そうこうしているうちに会話は終わり、シエル様は何やら鞄から取り出し始めました。
取り出した内容を見るに、何か食べ物を作るのでしょう。
後ろから眺めているのですが、シエル様はとても手際よく料理をしていきます。
本当によく料理をなさっていたんてしょうね。
現在パンを卵の入った牛乳に浸して焼いていますので、辺りには甘い匂いが充満しています。
おや、ユーリ様は夕食をお食べになられたのにもうお腹が空かれたのでしょうか?
お口の端からよだれが垂れてきていますが……とりあえず拭いておきましょう。
全部作り終わったものを鞄にしまったので、今作ったのはこれから食べるものではなかったのでしょう。
ですがユーリ様はまた涎が垂れていて、この分では甘いものを少しでもお食べにならないと満足なさいませんが……。
ああ、どうやらシエル様もその事にお気づきになられたようで、何か甘い匂いのするパンをお出しになられたようです、
ユーリ様はそれをお食べになり、歯の健康のために歯磨きとやらをされております。
それが終わると就寝のようで、お2人は寝台に横になって寄り添いながら眠りについていますが……おや、ユーリ様はまだ目がぱっちりと開いておりますね。私と目が合いました。
「にぃに、僕を抱っこしたまま、ものすごく早く寝ちゃったみたい。僕、明日の旅行?が楽しみすぎて目が冴えちゃってるんだけど……寝れるかなぁ?」
おやおや、明日のことが楽しみでお眠りになれないのですね?
どうしたものか……あ、では子守唄でも歌ってさしあげましょう!
私が先代神竜様から幼い頃に歌っていただいた子守唄をユーリ様に歌ってさしあげました。
やはりこの歌は効き目がありますので、ユーリ様ももうお眠りになられたようです。
さて、私ももう寝るといたしましょう。
明日のユーリ様の旅行?が楽しいものでありますように……。
「ねぇ、にぃに。さっき山田と話しているのが聞こえたんだけど……僕が人化できるって知ったら、山田、会えるのを楽しみにしているって言っていたよね?」
ユーリが俺の顔を下から覗き込みながら、そう聞いてきた。
「確かに言っていたよ。でも、それがどうかした?」
「んとね、もしだったら明日、山田が暇ならあっちに行ってきてもいい?」
ユーリからの思わぬ提案に、俺は一瞬、言葉に詰まった。
「とりあえず、まずは山田に聞いてみようと思うけど……1つ言っておきたいことがある。山田のことは『山田さん』って呼んでやってくれないか?さすがに幼児からの呼び捨てはダメだと思うんだ。」
するとユーリは少し考えていたが、コクンと頷いて了承してくれた。
実は前々から気にはなっていたんだよね、ユーリが『山田』って呼び捨てするの。
まだ竜の状態なら百歩譲って認めてもいいが、人型の幼児の呼び捨てはないだろう。
とりあえずユーリとそう約束してから山田に話しかける。
「こっちの会話が聞こえていたか分からないけど、明日って山田は会社休みか?」
「ああ、明日は土曜だからな。会社は休みだよ。じゃあ明日、ユーリはこっちに遊びに来るのか?」
「本人は行く気満々なんだけど……頼めるか?」
「ああ、良いぞ。じゃあついでにお前のお兄さんたちにも会わせに行ってくるよ。」
「おう、頼むな!でもあれかな、姉さんに会わせると大変かなぁ……?」
俺がそう呟くと、山田は苦笑いした。
「そうなのか?俺はまだ付き合いは浅いから良くわからんが……少なくてもお前のこと好きすぎる人だよな。」
「なんだ、数回会っただけでもう見抜いたのか?」
「だってすんげえ分かりやすい人だぞ?」
弟の友人にまでそんな事言われている姉さん……。
どんな事を山田の前で見せたのか、ちょっと知りたいような……知らないほうが良いような?
「ところでユーリはこっちに来たら何をしたいのか、具体的になんかあるのか?」
山田は受話器越しに、ユーリに話しかける。
するとユーリは少し考えてから答えた。
「んとね~、ちょっと買いたい物があるの!何を買いたいのかは……ひ、み、つ!」
なるほど、なんか買いたい物があるのか。
じゃあついでに明日は、山田とスーパーにも買い出しに行ってもらおうかな?
こっちとは全く違うから、ものすごく楽しんでくれることだろう。
「じゃあついでに明日はスーパーにも買い出しに行ってよ、ユーリ?」
「ん?良いよ~、スーパーが何かは分からないけど。でもそう言うってことは、おつかいだね?」
「そう、おつかい。買い物リストは今夜のうちに作っておくから、頼むね!」
「うん、分かった~!」
ユーリは楽しそうに引き受けてくれた。
後でリスト作っておかなきゃね!
「じゃあ明日はユーリの買い物とお前の買い物は決定だろ?ユーリは何時にこっちに来る?それまでに起きてご飯食べておかなきゃだからさ。」
「そうだなぁ……あ、朝食は持たせるから、一緒に食べれば良い。それでどうだ?」
「おっ、良いのか!?お前の料理、美味いから楽しみだな!」
リッキーはそう言って、嬉しそうな声で喜んでいる。
それなら今の手持ちの料理じゃ、あれかなぁ……?
朝食だし、あまり重いのは駄目だよね。
じゃあ……電話を切ったら作るか!
「そんなに喜んでもらえるなら、電話切ったらなんか作るな!それを明日、ユーリに持たせてやるから2人で食べると良いよ。」
「おっ、楽しみにしてるよ!」
それから俺達は少し話した後、電話を切り、明日の買い物リストを紙に書いた。
残るは明日の朝食のみ。
この部屋で料理でもするかな!
部屋にある応接セットのとても大きなテーブルにIHコンロを出す。
さて……何を作るかな?
俺がコンロを出したことで料理を始めることに気づいたユーリは、隣で何を作るのかワクワクした顔で俺を見上げる。
セバスは後ろから何をするのかと眺めている。
「にぃに、何作るの?」
「ん?明日のお前と山田の朝食だよ。」
「そうなのぉ?う~ん……何が甘いのが良いな!」
「甘いのかぁ……あ、じゃあフレンチトーストなんてどうだろう?」
俺はそう呟きなから、鞄から食パン、牛乳、卵、砂糖、バター、蜂蜜、フライパン、バット、パン切り包丁、まな板、フライ返し、電子レンジを取り出す。
まずは食パンを4センチ厚に6枚切り取る。
それをさらに縦に半分に切り、ちょっとそのまままな板の上に置いておいて……と。
次はバットに卵を入れてしっかりと白身と黄身を混ぜ、そこに牛乳と砂糖を投入!さらにまぜまぜ……。
その卵液にさっき切った食パンを漬けるんだけど、通常は一晩おいておかないとなんだよね。
でもここは電子レンジの出番だ!
卵液に浸った食パンが入ったバットを約1分ほど加熱してみた。
……おや、厚みがあるせいか、少し浸り足りない?
もう少しだけ加熱してみた。
その間にフライパンを熱し、バターを投入。
しっかり卵液を吸った食パンをフライパンへと入れ、焼きめがついたらひっくり返し、蓋をして蒸し焼きにする。
完成したフレンチトーストをさらに盛り付け、蜂蜜をかけたらすぐに鞄の中へ。冷えたら美味しくないからね!
さて寝ようか……と思ったけど、部屋の中はフレンチトーストや蜂蜜の匂いが充満していてすごく甘い。
ユーリを見ると、よだれを垂らして俺を見ていた。
こ……これは寝しなに何かしら少しお菓子なんかを食べさせないと寝れないね?
しょうがないのでローランの街で作ってもらったチョコチップパンを半分に切って渡し、それで我慢してもらった。
食べ終わった後はユーリの歯磨きをしてやり、寝る準備完了!
2人で並んでベッドに入ると、俺は疲れからか即夢の中へ旅立ってしまった。
『(セバス視点)』
お風呂から帰ってきたシエル様達はスマホなる魔道具で何やら会話をしております。
私は邪魔にならぬよう、黙って会話を聞いておりますと、どうやら明日ユーリ様はあの鞄の中に入って異世界へと行かれる様子。
私も行ってみたいものですが……今回は諦めましょう。
そうこうしているうちに会話は終わり、シエル様は何やら鞄から取り出し始めました。
取り出した内容を見るに、何か食べ物を作るのでしょう。
後ろから眺めているのですが、シエル様はとても手際よく料理をしていきます。
本当によく料理をなさっていたんてしょうね。
現在パンを卵の入った牛乳に浸して焼いていますので、辺りには甘い匂いが充満しています。
おや、ユーリ様は夕食をお食べになられたのにもうお腹が空かれたのでしょうか?
お口の端からよだれが垂れてきていますが……とりあえず拭いておきましょう。
全部作り終わったものを鞄にしまったので、今作ったのはこれから食べるものではなかったのでしょう。
ですがユーリ様はまた涎が垂れていて、この分では甘いものを少しでもお食べにならないと満足なさいませんが……。
ああ、どうやらシエル様もその事にお気づきになられたようで、何か甘い匂いのするパンをお出しになられたようです、
ユーリ様はそれをお食べになり、歯の健康のために歯磨きとやらをされております。
それが終わると就寝のようで、お2人は寝台に横になって寄り添いながら眠りについていますが……おや、ユーリ様はまだ目がぱっちりと開いておりますね。私と目が合いました。
「にぃに、僕を抱っこしたまま、ものすごく早く寝ちゃったみたい。僕、明日の旅行?が楽しみすぎて目が冴えちゃってるんだけど……寝れるかなぁ?」
おやおや、明日のことが楽しみでお眠りになれないのですね?
どうしたものか……あ、では子守唄でも歌ってさしあげましょう!
私が先代神竜様から幼い頃に歌っていただいた子守唄をユーリ様に歌ってさしあげました。
やはりこの歌は効き目がありますので、ユーリ様ももうお眠りになられたようです。
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