異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

文字の大きさ
上 下
79 / 196
第2章 エルフの隠れ里〜

とりあえずのんびり過ごしてみる!

しおりを挟む

それから俺たちは、しばらくの間泊まらせて貰う予定の部屋にそれぞれ案内されて、そして俺は今、自分に割り当てられた部屋でユーリと一緒にのんびりと過ごしている。

俺はソファーで横になりながら目を瞑っていた。もちろんユーリは俺の腹の上だ。

そしてその状態でさっきラーシェさんが言っていた「死者がこの世に戻って来る」という言葉を思い出していた。

現在、日本でもそろそろハロウィンの時期になっているはずだ。
なんかあっちの世界とこっちの世界、意外と共通点があるな。
それもこれも過去の異世界人の影響なんだろうか?

それとも……まさかホントに死者がこの世に戻って来る?

ハロウィンって日本では仮装が有名だけど、本来の目的は収穫祭的なものやここと同じように先祖の霊なんかが戻ってくるとか悪霊やいたずら好きな精霊が出るから仮装するとかいろいろあるみたいなんだよね。

ここでもこの時期にそういう収穫祭的な祭りがあるのかな?

ともかく今夜から1週間の間はどんなイベントなのか楽しみだな!

もちろん魔法の練習も頑張るけど、街の中も観て回ったりしたいもんなぁ。

俺がそんな事を思っていると、ドアをノックする音が。

俺がドアの外に声をかけると、リッキーさんの声で「お昼だから一緒に行くぞ~。」と言われた。

俺は慌ててユーリに鞄に入るよう言おうとしたが、ここではそのままで良かったと思い出す。

「ほらユーリ、一緒にご飯食べに行くぞ。」

『うん!わぁ~い、ママと一緒!』

ユーリは俺が声をかけると喜んで定位置に抱きついてきた。

ドアの外に2人(1人と1匹)で出ると、そこには他の4人が揃っていた。

5人で階下に行くとそこにはルーシェさんが立っていて、俺たちが来るのを待っていたようだ。

合流するとルーシェさんの先導で食堂に向かう。

食堂に着くと、テーブルにはもうすでに食器が並べられていた。
まだ中身が入っていないので、これから運んでくるのだろう。

しばらくすると食堂の奥の方からラーシェさんが歩いて出てきた。

そしてテーブルの所に来ると何もない空間に手を伸ばすと真っ黒い穴?が開いて、その中に手を突っ込んだ。

するとその中から大きな鍋やパンなどをスルスル取り出してテーブルの上に出した。

なるほど、あれが異次元ポケットなんだ!
あんなふうに使うんだね!

さっき応接間に来た時はこれを使ってなかったけど、軽い物だったから使わなかったのかな?今回は重いもんね。

どうやらテーブルに置いた鍋の中から皆にスープを配るようなので俺が手伝いを申し出ると、ラーシェさんは「助かりますよ。」と言ってスープをオレに任せ、自分はパンを配りだした。

ちなみにメインのトマトソースがかかっているチキンソテーはルーシェさんが配膳している。

3人でパパッと配り終わると席に着き、食べ始める。

俺を含むスノーホワイトのメンバーが両手のひらを合わせて「いただきます」と言うと、ルーシェさんとラーシェさんが目を丸くして俺たちを見た。

「なんです、「いただきます」とは?わしは長く生きておりますが初めて聞きましたのぉ。」

「僕もですよ、おじいちゃん。」

そんな2人に俺のことを話して良いものかと思ってリッキーさんを見ると、ちょうど俺を見ていたリッキーさんと目が合い、頷かれた。

「……実は俺、異世界から渡ってきたんです。そこでは食事の前に『いただきます』、食後に『ごちそうさまでした』と言うんですよ。それをリッキーさん達は一緒にやってくれるんです。」

それを聞いてルーシェさん達はものすごく驚いたようで、口を開けてぽかんとした顔をしている。

「……神竜の卵を孵せるほどの魔力の持ち主だということは分かっていましたが、その魔力が多い理由がまさかの異世界人だったとは。先代の神竜の育ての親は伝説的な英雄だったのですが、彼は神から力を与えられて神竜の卵を孵せるほどの魔力を得ましたが……シエルくんは異世界人ですから、元々の基礎能力やスキルの桁が違いますよね。これはおじいちゃん、教えがいがありそうですよ?」

「そうじゃの、楽しみだわい。それにしてもわしは相当長く生きているが、この目で実際に異世界人を見るのは初めてじゃ。」

「……おじいちゃんの場合は、この街から出たことがないからですよ、多分?」

そんな話をしながら楽しく皆で昼食を食べた。

スープは野菜がたっぷり入って鶏肉も入っているコンソメスープみたいなとても優しい味で、久しぶりのこってりじゃないスープはとても美味しかったよ!

メインも鶏肉のソテーだったけど、この森は鳥がいっぱいいるのかな?


食後にラーシェさんと話したんだけど、今日は疲れを取る為に休みになり、魔法の練習は明日からになった。

なので夕方までは自由時間となり、ルーシェさんが街の中へと連れて行ってくれることになったんだよ!

ルーシェさん情報によると、どうやら今日からの1週間、「死者がこの世に戻って来る」だけじゃなく、やっぱり時期的に収穫祭もかねているらしい。

今回は街中でもユーリを連れて行って良いと許可がもらえたから、とても楽しみだね!
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

異世界召喚?やっと社畜から抜け出せる!

アルテミス
ファンタジー
第13回ファンタジー大賞に応募しました。応援してもらえると嬉しいです。 ->最終選考まで残ったようですが、奨励賞止まりだったようです。応援ありがとうございました! ーーーー ヤンキーが勇者として召喚された。 社畜歴十五年のベテラン社畜の俺は、世界に巻き込まれてしまう。 巻き込まれたので女神様の加護はないし、チートもらった訳でもない。幸い召喚の担当をした公爵様が俺の生活の面倒を見てくれるらしいけどね。 そんな俺が異世界で女神様と崇められている”下級神”より上位の"創造神"から加護を与えられる話。 ほのぼのライフを目指してます。 設定も決めずに書き始めたのでブレブレです。気楽〜に読んでください。 6/20-22HOT1位、ファンタジー1位頂きました。有難うございます。

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。

八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。 パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。 攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。 ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。 一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。 これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。 ※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。 ※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。 ※表紙はAIイラストを使用。

【完結】魔術師なのはヒミツで薬師になりました

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
 ティモシーは、魔術師の少年だった。人には知られてはいけないヒミツを隠し、薬師(くすし)の国と名高いエクランド国で薬師になる試験を受けるも、それは年に一度の王宮専属薬師になる試験だった。本当は普通の試験でよかったのだが、見事に合格を果たす。見た目が美少女のティモシーは、トラブルに合うもまだ平穏な方だった。魔術師の組織の影がちらつき、彼は次第に大きな運命に飲み込まれていく……。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します

湯崎noa
ファンタジー
ブラック企業に入社して10年が経つ〈宮島〉は、当たり前の様な連続徹夜に心身ともに疲労していた。  そんな時に中高の同級生と再開し、その同級生への相談を行ったところ会社を辞める決意をした。  しかし!! その日の帰り道に全身の力が抜け、線路に倒れ込んでしまった。  そのまま呆気なく宮島の命は尽きてしまう。  この死亡は神様の手違いによるものだった!?  神様からの全力の謝罪を受けて、特殊スキル〈コピー〉を授かり第二の人生を送る事になる。  せっかくブラック企業を卒業して、異世界転生するのだから全力で謳歌してやろうじゃないか!! ※カクヨム、小説家になろう、ノベルバでも連載中

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

処理中です...