異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

文字の大きさ
34 / 518
第1章 出会い〜旅の始まり

リッキーさんの事とみんなの事

しおりを挟む
俺は思い切ってリッキーさんに聞くことにした。

「リッキーさん、ちょっと聞いても良いですか?」

「ん?なんだ、急に?」

「実は俺、前から思っていたんですが……リッキーさんって相手の心が読めたりします?」

「あ~…やっぱり気づいたか?これは仲間内しか知らないことなんだが、俺、物心ついた時にはこの『人の心が読めたり、感情が流れてくる』っていう能力があったんだ。」

「やっぱり心を読める能力も持っていたんですね!?」

「ああ、今教えた内容はスノーホワイト以外の奴には内緒な?」

「はい、もちろんです!誰にも言いません!」

やっぱりそんな能力があったんだぁ~!

もし俺がそんな能力持っていたら犯罪者相手に「お前がやったんだろ?分かっているんだ、素直に吐いちまえよ?」な~んて名刑事みたいな事ができ…る……ん?まてよ?

人の心が読めて勝手に感情が流れてくるってことは、知りたくなくても勝手にどんな感情も流れ込んでくるってことだよな?

もしリッキーさんに対して悪感情だった場合、それもそのまま言葉に出さなくてもリッキーさんに伝わってしまうっていうことでは?

もちろんその逆もあるだろうけど、それって相当精神的にきついんじゃ?

「リッキーさん、その能力って自分で切っておくことはできるんですか?」

「ん?ああ、心を読む能力の方は切ることはできるが、感情の方はどうにもならないな。」

リッキーさんは苦笑いしながらそう答えた。

どうやら俺が言いたいことが分かったらしい。

そっかぁ…感情の方はどうしようもないのかぁ。

それは、子供の頃は大変だっただろうなぁ……。

俺がすっかりしょんぼりしてしまったのでリッキーさんが顔を覗いてきた。

「シエルがそこまで気にすることないぞ?これは神から与えられた能力なんだから、いつかこの能力が必要になる時が来るはずだ。俺はそう思って今までも、これからも生きていくつもりだよ。」

そう穏やかな顔で俺を見つめるリッキーさん。

そんな俺たちを見ていたスコットさんが話しかけてきた。

「シエルは、俺とエミリー、リリーの3人はリッキーの幼馴染だって聞いただろう?」

「はい、街に出かけた時に聞きました。」

俺の答えを聞いてからスコットさんはリッキーさんを見て、彼が頷いたのを確認してから話しだした。

「リッキーは幼い頃からその能力があってな、周りからは距離を置かれて育ったんだ。それはリッキーの親戚も含めてのことだ。両親だけはリッキーのことを大切に愛情を持って育ててきたんだが、周りの他の大人はリッキーのその能力を怖がってしまって。子供は大人たちの対応を見て真似をしたのか、あまりそばには寄り付かなかったんだ。」

スコットさんから語られたのはリッキーさんの辛い過去の話だった。

だが当のリッキーさんは顔に「しょうがない事だったんだ」という感情を滲ませているだけだった。

「俺たちは最初、そんなリッキーを見て可哀想だと思い、年も近いから一緒に遊んでいたんだ。だがそのうちリッキーの事が分かってくると、心が読めるなんてことは忘れて仲良くなっていってな。大きくなっていくにつれて俺たちは互いにかけがえのない友人になっていったんだよ。」

それを聞いて、リッキーさんは苦笑いをする。

「そうだな……あの当時、俺は表面的には笑ってはいたが心の中では孤独だったんだ。だから両親からの愛情がなかったら、多分とっくの昔にこの世にはいなかったかもしれない。でもな、そんな時にスコットやエミリー、リリーと出会い、一緒に過ごすうちにかけがえのない仲間になったんだ。」

2人は当時のことを思い出したのか、目を合わせて苦いようなそれでいて懐かしい……そんな複雑な雰囲気を出していた。

俺は何もいえず、2人の昔話を聞いていた。

「それからしばらくして俺達が成人した年、リッキーが故郷の街を出て冒険者になるって両親に言っているのを偶々俺が聞いたんだ。だからそれを2人にも伝えた。だがそれからしばらく経ってもリッキーからは『一緒に街を出て冒険者にならないか?』っていう誘いが皆になかったんだ。皆でヤキモキしていたところ、急にこいつが街から姿を消したんだ。俺たちには声もかけず、たった1人で街を出て冒険者になろうとしたんだよ。」

スコットさんは軽くリッキーさんを睨みながら言う。

リッキーさんは申し訳無さそうな顔で「すまなかった」と謝った。

「だから俺たちはリッキーの両親に行き先を聞き、3人で追いかけたんだ。追いかけた先でリッキーはもう冒険者になっていたが、俺たちもすぐに冒険者になり、そして4人でパーティーを組んだんだ。それからはずっと4人で行動を共にしているんだよ。」

なるほど、皆にはそんな過去があったんだね。

でも、それだけ4人の絆は深いんだろうと思う。

友情…かぁ……。また山田や姉さんに会いたいなぁ~……。

俺が寂しそうな顔をしていたのか、2人は俺の頭を撫でてきたり、背中を軽く叩いてきたりして励まそうとしてくれた。

「……ありがとうございます。これからも俺と仲良くしたください!」

「「ああ、よろしくな!」」


それからしばらく俺たちが部屋でユーリと遊んでいたら、またドアの外から声がかけられた。

今度は夕飯行こうとエミリーさんたちが声をかけてきたようだ。

俺たち3人は2人に向かって「今行く!」と声をかけ、ユーリにはまた肩掛け鞄の中に入ってもらい、一緒に食堂に向かった。
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

【土壌改良】で死の荒野がSランク農園に!食べただけでレベルアップする野菜で、世界最強ギルド設立

黒崎隼人
ファンタジー
「え? これ、ただのトマトですよ?」 「いいえ、それは食べただけで魔力が全回復する『神の果実』です!」 ブラック企業で働き詰めだった青年は、異世界の名門貴族の三男・ノアとして転生する。 しかし、授かったスキルは【土壌改良】という地味なもの。 「攻撃魔法も使えない役立たず」と罵られ、魔物すら寄り付かない死の荒野へ追放されてしまう。 だが、彼らは知らなかった。 ノアのスキルは、現代の農業知識と合わせることで、荒れ果てた土地を「Sランク食材」が溢れる楽園に変えるチート能力だったことを! 伝説の魔獣(もふもふ)をキュウリ一本で手懐け、行き倒れた天才エルフを極上スープで救い出し、気づけば荒野には巨大な「農業ギルド」が誕生していた。 これは、本人がただ美味しい野菜を作ってのんびり暮らしたいだけなのに、周囲からは「世界を救う大賢者」と崇められてしまう、無自覚・最強の農業ファンタジー!

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~

イノナかノかワズ
ファンタジー
 助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。  *話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。  *他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。  *頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。  *本作の無断転載、無断翻訳、無断利用を禁止します。   小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。 カクヨムにても公開しています。 更新は不定期です。

異世界転生旅日記〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
 農家の四男に転生したルイ。   そんなルイは、五歳の高熱を出した闘病中に、前世の記憶を思い出し、ステータスを見れることに気付き、自分の能力を自覚した。  農家の四男には未来はないと、家族に隠れて金策を開始する。  十歳の時に行われたスキル鑑定の儀で、スキル【生活魔法 Lv.∞】と【鑑定 Lv.3】を授かったが、親父に「家の役には立たない」と、家を追い出される。   家を追い出されるきっかけとなった【生活魔法】だが、転生あるある?の思わぬ展開を迎えることになる。   ルイの安寧の地を求めた旅が、今始まる! 見切り発車。不定期更新。 カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする

ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。 リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。 これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

処理中です...