おじさん無双

鶴井こう

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49 ガラデア大トーナメント

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受付のおねえさんと一緒に今一度ルールを確認する。

大会名・ガラデア大トーナメント

賞品・《剣帝》の称号
副賞・一億バードル
  ・精霊エアリアル

ルール
・予選を除き、決闘形式で行われる一対一の試合とする。
・相手を殺すか、戦闘不能にするか、参ったと言わせた者が勝者となる。
・殺された家族や知人などは、殺した相手の復讐を行ってはならない。
・魔法を含め、あらゆる攻撃手段が許される。ただし、試合中に対戦者以外を殺した場合は即刻失格・牢獄行きとなる。
・剣の試合でもあるので、どのような形であれ携える剣が最低一振りは必要。試合時、帯剣していなければ決闘が不成立となり失格となる。
・本選からはトーナメント非参加者も含め、受付で一戦ごとに金を賭けることができる。

予選
五十人ごとにランダムに分かれてのバトルロイヤルとなる。決闘形式ではないため、相手を殺した場合はペナルティとなる。
前回優勝者または前回決勝進出者は予選を免除できる。

本選
第一~第八リーグに分かれ、トーナメントを行う。リーグごとに勝ち残った猛者が決勝リーグへ駒を進めることができる。

本選決勝
本選リーグ突破の八名で、決勝トーナメントを行う。勝ち残った一名が本大会の優勝者とする。


「以上が基本的なルールとなります。よろしいですか?」

「うむ。問題ない」

……そして本当に参加を表明するかの最終的な意思表示を確認して、申請は終了である。

参加申請が終わったあたりで、何やら周囲がざわざわとしだす。

「なんだ?」

「あ……前回優勝者の《剣帝》様です!」

受付のおねえさんは言いながら、指差した。

その先に、明らかに周囲とは一線を画した雰囲気の男が歩いていた。
スタッフらしき者に別室へ案内されていく。

「ほう……あれは、強いな」

立ち居振る舞いに隙がない。
明らかにただ者ではないと確信できた。

長い髪の、筋骨隆々とした、大柄の男。三十代前後ほどだろう。背中に巨大な剣を背負っている。

男の通り道では、参加者たちは自然と道を開けていく。

「《剣帝》のガゼット・ディスオーバー様です! 前回大会では圧倒的な力量で優勝され、前々回に引き続き二連覇の偉業を成し遂げられた方です! 今大会でも優勝候補の筆頭に挙げられています!」

受付のおねえさんは興奮しながら《剣帝》の解説をしてくれる。

なるほど、三年に一度の大会で二連覇か。よほど強いのだろうな。

「我よりは弱そうだな」

魔王が何やら血迷言をのたまっている。

――ふと、《剣帝》ガゼット・ディスオーバーは振り向き、こちらの方を一瞥した。

「…………」

一瞬だけ、俺と目が合う。しかしその後、すぐに別室へと消えていった。

「なるほど。優勝するのは骨が折れそうだな」

ぞくりとした。武者震いだ。
これほどの高揚は久しぶりだった。大トーナメント……楽しいことになりそうだ。
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