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おまけ/南の王END
伴侶のしるし
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そのまま、王の寝室へ連れて行かれて。
「うわ、」
黒い石段に耐火布でできた寝床に押し倒された。
ジュセルのにおいが染み付いている、黒い寝具。
汗臭いとは思わない。
何だか、ドキドキする。
「もう、逃がしてやれないからな?」
ジュセルは真顔だった。
……角を握るのは、ガチな求愛行為だから?
「まだ子供だと思ってたから、一度は引いた。だが、もう成人済みってことなら、遠慮はいらねえだろ。……抱くぞ」
口調が荒くなってる。
……興奮してるんだ。
それは、角を握ったから?
相手が俺だから?
†††
ジュセルは、黒い重そうな鎧を脱ぎ捨てて、床に放り投げた。
上着も脱いだ。
鋼のような逞しい、赤銅色の身体があらわになる。ジュセルはよく上半身裸になってたけど。こういう状況で見るのは、恥ずかしくてドキドキしてしまう。
俺の服は、意外と丁寧な手つきで脱がされていく。
すごく興奮してるのに。
これから抱くって言った。
えっちなことされるのはわかってるのに。
どうしてか、抵抗しようなんて思わなかった。
器用に学生服を脱がされていって。スラックスのファスナーを下ろされる。
ジュセルは、俺の凹凸のないぺったんこな身体を見て。
「……ほう?」
唇と首を少し傾け、片眉を上げた。
頼むから比べないで欲しい。
この貧弱なボディと、そんなラオコーンみたいな御立派な筋肉を。勝負になりませんから!
「ここの毛も黒いんだな? ちと薄いが」
「!?」
どこ見てるんだよ!?
うわああん、そんなところのフラグを回収すんなよ!! ジュセルのエロ親父!!!
薄くて悪かったな!!
ぺろり、と。額を舐められた。
「もう、我だけのモンだ。誰にもやらねえ」
目を細めて、俺の額を見ている。
今ので、額に赤い石をつけられたんだとわかった。
伴侶のしるし。
……ジュセルのものに、されちゃった。
†††
唇に、優しい、触れるだけのキスをされた。
ジュセルが俺に触れる時はいつも、意外なほど優しい。
まるで壊れ物のように扱われるのが、くすぐったくて。同時に嬉しくなるのは何でだろうと思っていたけど。
俺ってば、もしかして。ジュセルのこと。
「……と、その前に。ここだけは、本当に、絶対に、触れるなよ?」
位置的に鳩尾辺りを指差して、念を押される。
よく見れば。
そこには、逆さに生えた鱗のようなものがついていた。
……何これ?
「竜の逆鱗だ」
竜? ジュセルって、竜人だったの!?
……なるほど。
この角って、ヤギとかヒツジじゃなくて、竜の角だったんだ。
竜だから、暑さにも強いし、マグマに耐えられるくらい皮膚も丈夫なのかな?
「これに触れられると、冗談抜きで理性が吹っ飛んじまうからな。抱き潰しても、止まらねえかも」
だから絶対に触れるな、って注意したのか。
ひええ。
どさくさに紛れて、触ってしまわない自信はない。皆無だ。
俺のドジっこ属性舐めるなよ!
やっちゃダメなことは、たいていやっちゃうんだぞ!?
さっきも、気を付けるように言われてたのに、うっかり角に掴まっちゃったしな!
「縛って!」
「……ハァ?」
突然の爆弾発言に、ジュセルは目を剥いて驚いているが。
こっちはマジである。
もはや涙目で、必死にお願いする。
「俺の手、縛って!! お願い!」
†††
絶対触っちゃいそうだから、手を縛って欲しい、とお願いしたら。
ジュセルはぶつぶつと文句を言いながらも、着物の帯で手首をまとめて縛ってくれた。
……なんか縛るの手馴れてない?
「かわいい伴侶のお願いなら仕方ねえけどもよ……我にはこういうシュミは……」
まだぶつぶつ渋ってる。
伴侶じゃないし、とはもう言えない。
俺は自分がやらかした責任はきっちり取る男なのである。
……その方法の男らしさは置いといて。
「ねえはずだが……、これはこれで……そそるな……」
ごくり、と生唾を飲み込んでいる。
あわわ。
余計に興奮させてしまったようだ。
「あの、俺、こういうの、はじめてだから。……痛くしないでね?」
ジュセルを見上げてお願いしたら。
「ぐおおおっ!」
ジュセルは壁に、ゴツン! と勢いよく頭をぶつけた。
大丈夫かな?
かなり痛そうな音したけど。
重低音で。
「……ぶち込まれてえのか、」と呟いてる。こわっ。
「……くそ、やべえとこだった。伴侶どの、今から魔法をかけるから、力抜いとけよ?」
「魔法? って、何の?」
「俺と交わっても、痛くならない魔法だ」
俺とジュセルとじゃ体格差がかなりあるから、その魔法を使わないと、怪我するんだって。
痛くしないでって言ったからかな?
って、そんなピンポイントなエロい魔法があるの!?
異世界、とんだエロワールドだったよ!
†††
それでも、ジュセルの指は俺の親指よりずっと太いから、慣らすって言ってお尻を触られた時、身構えてしまってたけど。
実際、”痛くならない魔法”とやらをかけられた後は、ジュセルの太い指をお尻に入れられても大丈夫だった。
痛くないどころか、何故か、そうされるのが気持ち良かった。
どうやら粘膜から分泌液が出て、受け入れやすいようにするものらしい。
ミラクルだ。
さすが異世界。何でもアリじゃん。
「うわ、」
黒い石段に耐火布でできた寝床に押し倒された。
ジュセルのにおいが染み付いている、黒い寝具。
汗臭いとは思わない。
何だか、ドキドキする。
「もう、逃がしてやれないからな?」
ジュセルは真顔だった。
……角を握るのは、ガチな求愛行為だから?
「まだ子供だと思ってたから、一度は引いた。だが、もう成人済みってことなら、遠慮はいらねえだろ。……抱くぞ」
口調が荒くなってる。
……興奮してるんだ。
それは、角を握ったから?
相手が俺だから?
†††
ジュセルは、黒い重そうな鎧を脱ぎ捨てて、床に放り投げた。
上着も脱いだ。
鋼のような逞しい、赤銅色の身体があらわになる。ジュセルはよく上半身裸になってたけど。こういう状況で見るのは、恥ずかしくてドキドキしてしまう。
俺の服は、意外と丁寧な手つきで脱がされていく。
すごく興奮してるのに。
これから抱くって言った。
えっちなことされるのはわかってるのに。
どうしてか、抵抗しようなんて思わなかった。
器用に学生服を脱がされていって。スラックスのファスナーを下ろされる。
ジュセルは、俺の凹凸のないぺったんこな身体を見て。
「……ほう?」
唇と首を少し傾け、片眉を上げた。
頼むから比べないで欲しい。
この貧弱なボディと、そんなラオコーンみたいな御立派な筋肉を。勝負になりませんから!
「ここの毛も黒いんだな? ちと薄いが」
「!?」
どこ見てるんだよ!?
うわああん、そんなところのフラグを回収すんなよ!! ジュセルのエロ親父!!!
薄くて悪かったな!!
ぺろり、と。額を舐められた。
「もう、我だけのモンだ。誰にもやらねえ」
目を細めて、俺の額を見ている。
今ので、額に赤い石をつけられたんだとわかった。
伴侶のしるし。
……ジュセルのものに、されちゃった。
†††
唇に、優しい、触れるだけのキスをされた。
ジュセルが俺に触れる時はいつも、意外なほど優しい。
まるで壊れ物のように扱われるのが、くすぐったくて。同時に嬉しくなるのは何でだろうと思っていたけど。
俺ってば、もしかして。ジュセルのこと。
「……と、その前に。ここだけは、本当に、絶対に、触れるなよ?」
位置的に鳩尾辺りを指差して、念を押される。
よく見れば。
そこには、逆さに生えた鱗のようなものがついていた。
……何これ?
「竜の逆鱗だ」
竜? ジュセルって、竜人だったの!?
……なるほど。
この角って、ヤギとかヒツジじゃなくて、竜の角だったんだ。
竜だから、暑さにも強いし、マグマに耐えられるくらい皮膚も丈夫なのかな?
「これに触れられると、冗談抜きで理性が吹っ飛んじまうからな。抱き潰しても、止まらねえかも」
だから絶対に触れるな、って注意したのか。
ひええ。
どさくさに紛れて、触ってしまわない自信はない。皆無だ。
俺のドジっこ属性舐めるなよ!
やっちゃダメなことは、たいていやっちゃうんだぞ!?
さっきも、気を付けるように言われてたのに、うっかり角に掴まっちゃったしな!
「縛って!」
「……ハァ?」
突然の爆弾発言に、ジュセルは目を剥いて驚いているが。
こっちはマジである。
もはや涙目で、必死にお願いする。
「俺の手、縛って!! お願い!」
†††
絶対触っちゃいそうだから、手を縛って欲しい、とお願いしたら。
ジュセルはぶつぶつと文句を言いながらも、着物の帯で手首をまとめて縛ってくれた。
……なんか縛るの手馴れてない?
「かわいい伴侶のお願いなら仕方ねえけどもよ……我にはこういうシュミは……」
まだぶつぶつ渋ってる。
伴侶じゃないし、とはもう言えない。
俺は自分がやらかした責任はきっちり取る男なのである。
……その方法の男らしさは置いといて。
「ねえはずだが……、これはこれで……そそるな……」
ごくり、と生唾を飲み込んでいる。
あわわ。
余計に興奮させてしまったようだ。
「あの、俺、こういうの、はじめてだから。……痛くしないでね?」
ジュセルを見上げてお願いしたら。
「ぐおおおっ!」
ジュセルは壁に、ゴツン! と勢いよく頭をぶつけた。
大丈夫かな?
かなり痛そうな音したけど。
重低音で。
「……ぶち込まれてえのか、」と呟いてる。こわっ。
「……くそ、やべえとこだった。伴侶どの、今から魔法をかけるから、力抜いとけよ?」
「魔法? って、何の?」
「俺と交わっても、痛くならない魔法だ」
俺とジュセルとじゃ体格差がかなりあるから、その魔法を使わないと、怪我するんだって。
痛くしないでって言ったからかな?
って、そんなピンポイントなエロい魔法があるの!?
異世界、とんだエロワールドだったよ!
†††
それでも、ジュセルの指は俺の親指よりずっと太いから、慣らすって言ってお尻を触られた時、身構えてしまってたけど。
実際、”痛くならない魔法”とやらをかけられた後は、ジュセルの太い指をお尻に入れられても大丈夫だった。
痛くないどころか、何故か、そうされるのが気持ち良かった。
どうやら粘膜から分泌液が出て、受け入れやすいようにするものらしい。
ミラクルだ。
さすが異世界。何でもアリじゃん。
応援ありがとうございます!
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